JP2657206B2 - 透明導電膜の形成方法 - Google Patents

透明導電膜の形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、有機材料よりなるカ
ラーフィルタを設けたガラス基板のカラーフィルタ上
や、有機物基板上に、該基板の温度が低温でも低抵抗率
の透明導電膜を密着性良く形成することが可能な透明導
電膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に ガラスや高分子フィルムなどの
透明基板表面に形成された透明導電膜は、液晶表示装置
(LCD)などの表示素子の透明電極として利用されて
おり、種々の透明導電膜材料の中でも特に錫を添加した
酸化インジウム(ITO)膜が広く利用されている。従
来、抵抗率が2×10-4Ω・cm程度と低いITO膜は、基板
上での反応性及び結晶性を高めるために、基板を300〜4
00℃に加熱し、電子線加熱蒸着法(EB蒸着法)あるい
は図2に示すようなDCマグネトロンスパッタリング法
によって成膜されていた。このDCマグネトロンスパッ
タリング法は、ガス導入管21からAr、O2などのガ
スを成膜装置内に導入し、ついで透明導電膜原料である
ターゲット22の下に置かれた永久磁石23にプラズマ
発生用直流電源24により両電極間に垂直な磁界をかけ
ると、電子がターゲット22上のプラズマ25内部を曲
線運動するため、電子の飛程が伸びその分アルゴンガス
のイオン化率が高まり、アルゴンイオンがターゲット2
2に衝突し、粒子がターゲット22から飛び出すエロー
ジョン現象26が起り、該粒子を基板設置ホルダ27上
に置かれた基板28に付着させて成膜を行うものであ
る。
【0003】ところで、カラー液晶ディスプレイの基板
となるカラーフィルタを設けたガラス基板のカラーフィ
ルタ上や、有機物基板上に、ITO膜を被覆する場合に
もEB蒸着法あるいはDCマグネトロンスパッタリング
法によって成膜が行われており、その場合には基板温度
を200℃程度に加熱している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カラー
フィルタを設けたガラス基板や有機物基板においては、
基板上でのイジウムと酸素の反応、結晶化が十分に起こ
らず、低抵抗率のITO膜の成膜は実現できなかった。
これを補うために、RFイオンプレーティングのような
プラズマを用いた活性化法も用いられているが、EB蒸
着をベースとしたイオンプレーティングやマグネトロン
スパッタリングはグロー放電を利用しているためにプラ
ズマの電離度が1%程度と低いため、ITO膜を効率良
く形成するために必要なイオン数が不十分で、300〜400
℃に基板温度を高めて成膜した場合のような低抵抗率の
膜が得られにくい。そこで、カラー液晶ディスプレイに
おいて要求されるような低シート抵抗の膜を得るため
に、ITO膜の膜厚を厚くすることも考えられている
が、膜厚を厚くすると透過率の低下や成膜時間の延長を
避けることができない。また、カラーフィルタを設けた
ガラス基板や有機物基板の表面は、カラーフィルタが形
成されていないガラス基板表面に較べて汚れがついてい
ることが多い上に洗浄が困難であることから、その上に
成膜したITO膜の密着性が悪く、パターニング時に剥
離するなどの不具合が発生していた。
【0005】本発明の目的は、従来技術の有していた前
述の欠点を解消しようとするものであり、カラーフィル
タを設けたガラス基板の少なくともカラーフィルタ上
や、有機物基板上に、基板の温度が低温でも低抵抗率の
透明導電膜を密着性良く形成できる透明導電膜の形成方
法を新たに提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の透明導電
膜の形成方法は、有機材料よりなるカラーフィルタが設
けられたガラス基板表面にイオンガンを用いて発生させ
たイオンを照射した後、アーク放電によって発生させた
アーク放電プラズマを透明導電膜を形成するための蒸着
原料上に収束させて該蒸着原料を蒸発させ、少なくとも
上記カラーフィルタ上に蒸着原料を付着させることを特
徴とする。
【0007】上記請求項1記載の透明導電膜の形成方法
においては、イオン照射中の雰囲気圧力が5×10-4
orr以下である。また、蒸着原料を付着させる際のガ
ラス基板の温度が180℃〜220℃である。
【0008】本発明においてカラーフィルタ上に蒸着原
料を付着させるとは、カラーフィルタ表面に直接または
アクリル樹脂やエポキシ樹脂などの材料からなるオーバ
ーコート膜を介して蒸着原料を付着させることをいう。
【0009】また、請求項記載の透明導電膜の形成方
法は、有機物基板表面にイオンガンを用いて発生させた
イオンを照射した後、アーク放電によって発生させたア
ーク放電プラズマを透明導電膜を形成するための蒸着原
料上に収束させて該蒸着原料を蒸発させ、上記有機物基
板上に蒸着原料を付着させることを特徴とする。
【0010】上記請求項記載の透明導電膜の形成方法
においては、イオン照射中の雰囲気圧力が5×10-4
orr以下である。また、蒸着原料を付着させる際の有
機質基板の温度が50℃〜220℃である。
【0011】本発明において有機質基板上に蒸着原料を
付着させるとは、有機質基板表面に直接またはシリコー
ン樹脂などの材料からなるオーバーコート膜を介して蒸
着原料を付着させることをいう。
【0012】
【作用】本発明の透明導電膜の形成方法にあっては、カ
ラーフィルタを設けたガラス基板表面または有機質基板
にイオンガンを用いて発生させたイオンを照射すること
により基板表面の汚れがイオンビームによってたたか
れ、除去される。また、アーク放電によって発生させた
アーク放電プラズマは、従来のマグネトロンスパッタや
イオンプレーティングに利用されているグロー放電型プ
ラズマに較べてプラズマの密度が50〜100倍高く、ガス
の電離度が数十%と高く、かつイオン密度、電子密度、
中性活性種密度も非常に高いので、このようなアーク放
電プラズマを透明導電膜を形成するための蒸着原料上に
収束させて該蒸着原料を蒸発させると、蒸着原料も活性
なガス中を通過することによって活性化されて反応性が
高まるため、透明導電膜を効率良く形成するために必要
なイオン数が十分となる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。図
1は、本発明の透明導電膜の形成方法に好適に用いられ
る成膜装置の例を示した概略構成図であり、図中符号1
は成膜装置である。この成膜装置1は、成膜室2と、イ
オンガン4と、アーク放電プラズマ流発生源6と、アノ
ード8と、基板設置ホルダ10から概略構成されてい
る。
【0014】上記成膜室2には、真空排気ポンプと接続
された排気管2a、酸素などの反応性ガスを成膜室2内
に導入するための反応性ガス導入口2b、上記アーク放
電プラズマ流発生源6からのアーク放電プラズマ流を成
膜室2内に導入するためのアーク放電プラズマ導入口2
cがそれぞれ接続されている。
【0015】上記イオンガン4は、ガスを電離させて放
出する機能を有する装置であって、成膜室2内に設けら
れている。このイオンガン4は、その構造によってカウ
フマン型、エンドホール型、バケット型、コールドカソ
ード型など種々のタイプのものがあるが、いずれのタイ
プを用いても本発明の目的を達成することができる。
【0016】上記アーク放電プラズマ流発生源6は、ア
ーク放電を発生させる装置であって、成膜室2のアーク
放電プラズマ導入口2cに接続されている。このアーク
放電プラズマ流発生源6としては、複合陰極型プラズマ
発生装置、または、圧力勾配型プラズマ発生装置、また
は両者を組み合わせたプラズマ発生装置を用いるのが好
ましい。このようなプラズマ発生装置については、「真
空」(第25巻、第10号、1982年発行)に記載さ
れている。
【0017】上記複合陰極型プラズマ発生装置は、例え
ば熱容量が小さい補助陰極とホウ化ランタン(La
6)からなる主陰極を有し、上記補助陰極に初期放電
を集中させ、それを利用して主陰極を加熱し、主陰極が
最終陰極としアーク放電を行うようにしたプラズマ発生
装置である。ここでの補助陰極としてはW,Ta,Mo
等の高融点金属からなるパイプ状のものが挙げられる。
上記主陰極は円筒体に接して設けられ、一方補助陰極は
円板状熱シールドを介して保持されている。また、上記
円筒体の先端にはタングステンからなる円板が設けられ
ている。放電ガスは、水冷機構が設けられた陰極支持台
の中心部に設けられた放電ガス導入口からプラズマ発生
装置内に導入され、そのガスは上記円板の開口部を通過
して成膜室内に導かれ、排気口を経て成膜室外に排気ポ
ンプにより排気される。
【0018】また、上記圧力勾配型プラズマ発生装置
は、例えば陰極と陽極との間に中間電極を介在させ、陰
極領域を1Torr程度に、陽極領域を10-3Torr
程度に保って放電を行うものであり、陽極領域からのイ
オンの逆流による陰極の損傷がない上に、中間電極を設
けない放電形式のものと比較して、放電電子流をつくり
出すためのキャリアガスのガス効率が飛躍的に高く、大
電流放電が可能であるという利点を有している。
【0019】上記複合陰極型プラズマ発生装置と圧力勾
配型プラズマ発生装置は、それぞれ上述のような利点を
有しており、両者を組み合わせたプラズマ発生装置、即
ち、陰極として複合陰極を用いるとともに中間電極も配
したプラズマ発生装置は、上記2種のプラズマ発生装置
の両方の利点を同時に得ることができるので本発明のア
ーク放電プラズマ発生源6として好適に用いられる。こ
のようなアーク放電プラズマ発生源6として具体的に
は、図1に示したような主陰極11と、プラズマを引き
出すための第一永久磁石12と、磁気コイル13と、第
一中間電極14aおよび第二中間電極14bと、該発生
源6内にアルゴンガスなどの放電ガス(イオン化ガス)
を導入するための放電ガス導入口15から概略構成され
るものである。
【0020】また、上記アーク放電プラズマ発生源6と
成膜室2を接続するアーク放電プラズマ導入口2cの外
周には収束磁場コイル16が設けられおり、このコイル
16によってアーク放電プラズマ発生源6から引き出さ
れたアーク放電プラズマ流をまっすぐ成膜室2内に引き
出すようになっている。
【0021】上記アノード8は、上記成膜室2内に設け
られており、透明導電膜を形成するための蒸発原料が満
たされる坩堝8aと、該坩堝8の下面に配置された第二
永久磁石8bから構成されている。この第二永久磁石8
bは、その磁場によってアーク放電プラズマ発生源6か
ら成膜室2内に引き出されたアーク放電プラズマ流を曲
げて坩堝8aに到達させ、該アーク放電プラズマ流を蒸
発原料上に収束させるものである。また、上記アーク放
電プラズマ発生源6とアノード8は、それぞれプラズマ
発生用直流電源17に接続されている。上記基板設置ホ
ルダ10は、カラーフィルタが設けられたガラス基板を
設置するためのものであり、上記成膜室2内のイオンガ
ン4の上方に設けられている。
【0022】図1のような成膜装置を用いて、カラーフ
ィルタが設けられたガラス基板上に透明導電膜を形成す
るには、以下の工程による。まず、基板設置ホルダ10
にカラーフィルタが設けられたガラス基板18をこれの
カラーフィルタが設けられた面がイオンガン4およびア
ノード8の方を向くように取り付けておく。一方、透明
導電膜を形成するための蒸着原料を坩堝8a内に満たし
ておく。上記ガラス基板18としては、ナトリウムなど
のアルカリ金属の酸化物を含んだソーダライムガラス、
ホウケイ酸系ガラス、シリカガラスなどからなるものが
用いられる。また、このガラス基板18に設けられたカ
ラーフィルタは、例えば可染性を持つポリビニルアルコ
ールなどに感光性を持たせた材料を使用し、フォトリソ
グラフィーでパターンを形成後、染料を用いて着色して
形成されたもの、顔料を分散させたアクリル樹脂系レジ
ストをガラス基板に塗布してパターンを形成する顔料分
散法で形成されたもの、印刷法や電着法により形成され
たものなどが挙げられる。
【0023】ついで、排気管2aに接続された真空排気
ポンプを作動させて成膜室2内を低圧にした後、イオン
ガン4を用いて発生させたイオンをガラス基板18のカ
ラーフィルタが設けられた側に照射し、該ガラス基板1
8をクリーニングする。イオンガン4が動作中の成膜室
2内の圧力は5×10-4Torr以下、より好ましくは
1×10-5〜1×10-4Torrであり、比較的圧力が
低い状態でガラス基板18のカラーフィルタ側の面の汚
れがイオンビームによってたたかれ、除去される。ここ
で、ガラス基板18をDCマグントロンプラズマやRF
プラズマなどの一般にスパッタリングに使用されるよう
な圧力の高いプラズマに曝した場合には汚れを落とすだ
けでなくカラーフィルタ表面を荒らすので密着性がかえ
って低下してしまい、好ましくない結果を招くという不
都合がある。イオンガン4を用いて発生させたイオンを
ガラス基板18に照射する時間としては、1〜30分間
程度、より好ましくは5〜10分間程度である。照射時
間が1分間未満であると、ガラス基板18のカラーフィ
ルタ側の面の汚れの除去が不十分であり、一方、30分
間を超えるとカラーフィルタあるいはオーバーコート膜
表面がビームダメージにより荒れる恐れがあるからであ
る。
【0024】ついで、ガラス基板18を150〜250
℃、より好ましくは180〜220℃に加熱した状態
で、放電ガス導入口15からアルゴンガスなどの放電ガ
スをアーク放電プラズマ発生源6内に導入し、該発生源
6にプラズマ発生用直流電源17より電流を供給し、カ
ソードであるアーク放電プラズマ発生源6とアノード8
により構成された二つの電極間にアーク放電プラズマ流
19を生成させ、アーク放電プラズマ流19によって坩
堝8a内に満たされた蒸着原料を蒸発させると、上記ガ
ラス基板18のカラーフィルタ側の面に蒸着原料が付着
し、透明導電膜が成膜される。ここでガラス基板18の
温度が250℃を超えるとカラーフィルタあるいはオー
バーコート膜が熱劣化するため好ましくなく、一方15
0℃未満であると透明導電膜の結晶化が不充分なため好
ましくない。成膜中は酸素ガスを反応性ガス導入口2b
より成膜室2内に導入する。
【0025】この透明導電膜の形成方法にあっては、カ
ラーフィルタを設けたガラス基板18のカラーフィルタ
側の面にイオンガン4を用いて発生させたイオンを照射
することによりガラス基板18のカラーフィルタ側の面
の汚れがイオンビームによってたたかれ、除去されるた
め、この後透明導電膜の成膜を行うことにより、密着性
の良い透明導電膜を得ることができ、パターニング時の
剥離の防止できる。また、アーク放電によって発生させ
たアーク放電プラズマ流19は、従来のマグネトロンス
パッタやイオンプレーティングに利用されているグロー
放電型プラズマに較べてプラズマの密度が50〜100倍高
く、ガスの電離度が数十%と高く、かつイオン密度、電
子密度、中性活性種密度も非常に高いので、このような
アーク放電プラズマ流19を上記蒸着原料上に収束させ
て該蒸着原料を蒸発させると、蒸着原料も活性なガス中
を通過することによって活性化されて反応性が高まるた
め、透明導電膜を効率良く形成するために必要なイオン
数が十分となり、ガラス基板18の温度が200℃程度
の低温においても抵抗率が低い透明導電膜を得ることが
できるとともに成膜速度が速いので成膜時間が大幅に短
縮されて、生産性が向上する。
【0026】また、実施例においてはカラーフィルタを
設けたガラス基板18に透明導電膜を成膜する場合につ
いて説明したが、有機質基板に透明導電膜を成膜する場
合にも同様になし得る。上記有機質基板としては、可撓
性のポリエステルフィルム、アクリル樹脂フィルム、ポ
リエーテルサルフォンフィルム、ポリカーボネートフィ
ルムなどが用いられる。
【0027】(実施例1)図1に示した成膜装置を用意
し、基板設置ホルダ10にカラーフィルタが設けられた
ガラス基板18をこれのカラーフィルタが設けられた側
の面がイオンガン4として用いるリニアイオンソース
(商品名;イオン テック社製)およびアノード8の方
を向くように取り付けた。一方、坩堝(ハース)7aに
ITO蒸発原料を満たしておいた。ついで、排気管2a
に接続された真空排気ポンプを作動させて成膜室2内を
2×10-5Torrの圧力に排気した後、上記ガラス基
板18のカラーフィルタが設けられた側の表面に上記リ
ニアイオンソースを用いてArイオンを10分間照射し
た。その後、ガラス基板18を200℃に加熱した状態
で、アーク放電プラズマ流発生源6の放電ガス導入口1
5から放電ガスとしてアルゴン(Ar)ガス約30sc
cmを導入し、該発生源6にプラズマ発生用直流電源1
7より100Aの電流を供給し、アーク放電プラズマ流
発生源6とアノード8との二つの電極間にアーク放電プ
ラズマ流19を生成させ、該プラズマ流19によって上
記ITO蒸発原料を蒸発させ、上記ガラス基板18のカ
ラーフィルタ側の表面にITO蒸発原料を付着させて2
分間成膜を行い、ITO膜を形成した。成膜中は酸素ガ
スを反応性ガス導入口2bより成膜室2内に約50sc
cm導入した。得られたITO膜の抵抗率は2×10-4Ω・
cmと低く、パターニング後に剥離がなく密着性も良好で
あった。
【0028】(比較例1)成膜前のガラス基板18のカ
ラーフィルタ側の面をリニアイオンソースを用いてイオ
ンクリーニングするのに代えてRFプラズマを用い行っ
た以外は実施例1と同様にして成膜を行った。得られた
ITO膜の抵抗率は2×10-4Ω・cmと低いものが得られた
が、パターニング後に剥離した。
【0029】(比較例2)成膜前のガラス基板18のカ
ラーフィルタ側の面を実施例1と同様にしてリニアイオ
ンソースを用いてイオンクリーニングを行ったが、成膜
はEB蒸着法により行った。得られたITO膜の密着性
は良好で、パターニングによって剥離することもなかっ
たが、抵抗率は4×10-4Ω・cmと高いものであった。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明の透明導電膜
の形成方法は、有機材料よりなるカラーフィルタが設け
られたガラス基板または有機質基板表面にイオンガンを
用いて発生させたイオンを照射することにより、基板表
面の汚れが除去されるので、この後、少なくとも上記カ
ラーフィルタ上または有機質基板上に透明導電膜を形成
すると、密着性の良い透明導電膜を得ることができるの
で、パターニング時の剥離が防止できる。また、アーク
放電プラズマを上記蒸着原料上に収束させて該蒸着原料
を蒸発させると、蒸着原料は活性なガス中を通過するこ
ととなり、これによって蒸着原料も活性化されて反応性
が高まるため、透明導電膜を効率良く形成するために必
要なイオン数が十分となり、基板の温度が200℃程度
の低温においても抵抗率が低い透明導電膜を得ることが
できるとともに成膜速度が速いので成膜時間が大幅に短
縮されて、生産性が向上するという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】DCマグネトロンスパッタリング法を説明する
ための図である。
【図2】本発明の透明導電膜の形成方法に好適に用いら
れる成膜装置の例を示した概略構成図である。
【符号の説明】
2 成膜室 4 イオンガン 6 アーク放電プラズマ流発生源 8 アノード 18 ガラス基板 19 アーク放電プラズマ流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // G02F 1/1343 G02F 1/1343

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機材料よりなるカラーフィルタが設け
    られたガラス基板表面にイオンガンを用いて発生させた
    イオンを圧力が5×10 -4 Torr以下の雰囲気中で
    射した後、アーク放電によって発生させたアーク放電プ
    ラズマを透明導電膜を形成するための蒸着原料上に収束
    させて該蒸着原料を蒸発させ、前記ガラス基板を180
    ℃〜220℃に加熱するととともに該ガラス基板の少な
    くともカラーフィルタ上に蒸着原料を付着させる高密着
    性でかつ低抵抗率の透明導電膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 有機物基板表面にイオンガンを用いて発
    生させたイオンを圧力が5×10 -4 Torr以下の雰囲
    気中で照射した後、アーク放電によって発生させたアー
    ク放電プラズマを透明導電膜を形成するための蒸着原料
    上に収束させて該蒸着原料を蒸発させ、前記有機物基板
    を50℃〜220℃に加熱するとともに該有機物基板上
    に蒸着原料を付着させる高密着性でかつ低抵抗率の透明
    導電膜の形成方法。
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