JP2657043B2 - 家屋の骨組体 - Google Patents

家屋の骨組体

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JP2657043B2
JP2657043B2 JP12447294A JP12447294A JP2657043B2 JP 2657043 B2 JP2657043 B2 JP 2657043B2 JP 12447294 A JP12447294 A JP 12447294A JP 12447294 A JP12447294 A JP 12447294A JP 2657043 B2 JP2657043 B2 JP 2657043B2
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卓 山口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、標準高さの天井を具え
かつこの標準高さよりも高い天井を有する部屋を部分的
に形成した家屋において、前記部屋の一方を遮る外壁
を、家屋内部に向けて後退させ該部屋を平面凹字状に形
成可能とした家屋の骨組体に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば部分2階建の家屋の平家屋根部に
屋根上バルコニーを設け、しかもこの平屋部分の外壁を
家屋内部に向かって後退させて平面凹字状の家屋内部の
空間を形成した建築物が提案されている。
【0003】一方、近年、居住性の向上を図るために家
屋の天井を部分的に標準高さ(2400mm程度)よりも
100mm程度高くすることが望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、部分的
に天井を高くして高天井部屋を形成した家屋において、
前記高天井部屋を囲む1つの壁体をなす外壁を前記の如
く後退させて該高天井部屋を平面凹字状とするための家
屋の構造、特に柱、梁などを用いた骨組体の構造は、未
だ確立されていないのが現状であり、従って、このため
の新規な構成の家屋の骨組体が強く要望されていた。
【0005】本発明は、側の標準ラチス梁間に高天井形
成用の小背のラチス梁を架け渡しかつこの小背のラチス
梁下端に、屋根梁間においてパネル固定枠を設けること
を基本として、天井高さの大きい部屋を囲む1つの壁体
をなす外壁を、家屋の内部に向かって後退させることが
可能となり、前記要望を充足しうる家屋の骨組体の提供
を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、家屋の1つの
外壁に沿い配した第1、第2の外の柱、およびこの第
1、第2の外の柱とともに平面矩形配置をなす家屋の内
部に配される第1、第2の内の柱間に、外壁パネルの上
端を支持しうる標準高さを有し前記第1、第2の外の柱
を継ぐ外の標準ラチス梁と、第1、第2の外の柱とこれ
に向き合う第1、第2の内の柱とを継ぐ側の標準ラチス
梁と、第1、第2の内の柱間を継ぐ内の標準ラチス梁と
を架け渡してなる骨組部分を有する家屋の骨組体であっ
て、前記側の標準ラチス梁間に、下端が標準ラチス梁よ
りも高い高天井形成用の小背のラチス梁を架け渡す一
方、この小背のラチス梁と、該小背のラチス梁に平行な
外の標準ラチス梁との間に、下端が前記標準ラチス梁の
下端と同高さの2本の平行な屋根梁を架け渡し、かつ小
背のラチス梁下端に、かつこの屋根梁間に、下端が標準
ラチス梁と同高さのパネル固定枠を設ける。
【0007】
【作用】平面矩形配置をなす第1、第2の外の柱、第
1、第2の内の柱間に、外壁パネルの上端を支持しうる
標準高さの外、側、内の標準ラチス梁を架け渡し、かつ
側の標準ラチス梁間に、下端が標準ラチス梁よりも高い
小背のラチス梁を架け渡すとともに、この小背のラチス
梁下端に、2本の平行な屋根梁間において、下端が標準
ラチス梁と同高さのパネル固定枠を設ける。従って、
外、側、内の標準ラチス梁、2本の屋根梁、及びパネル
固定枠によって囲まれた平面凹字状の家屋内部の空間の
天井を、小背のラチス梁の下端下方を通りかつ標準ラチ
ス梁の下端上方に位置する天井板によって、標準ラチス
梁下端下方の標準高さよりも高位置に形成しうるととも
に、前記パネル固定枠により、外壁パネルの背高を大き
くすることなく標準高さの前記外壁パネルの上端を支持
することが可能となる。このように高い天井を有する家
屋内部の空間に面する外壁を、家屋の内部に向かって後
退させることが可能となるのである。
【0008】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。図において本発明の家屋の骨組体1は、家屋の1つ
の外壁に沿って配した第1、第2の外の柱2、3、およ
び第1、第2の外の柱2、3と共に平面矩形配置をなし
かつ家屋の内部に配される第1、第2の内の柱4、5を
具える骨組部分11を有する。
【0009】なお第1、第2の外の柱2、3、および第
1、第2の内の柱4、5は、何れも角鋼管からなる家屋
の通し柱として形成され、基礎F上に立設される。
【0010】又前記第1、第2の外の柱2、3間には、
該第1、第2の外の柱2、3を継ぐ外の標準ラチス梁6
が水平に架け渡される。この外の標準ラチス梁6は、溝
形鋼からなりかつその溝部を向き合わせて上下に配され
る上弦材16、下弦材17を垂直な連結板19…、斜め
のラチス20…により結合した基体の両端に端板21、
21を固着してなり、該端板21、21を第1、第2の
外の柱2、3の向き合う面にボルト止めすることにより
該第1、第2の外の柱2、3間に架設される。
【0011】なお前記外の標準ラチス梁6は、その下端
で1階の外壁を形成しうる外壁パネルの上端を支持しう
るとともに、その高さを440mm程度の標準高さHAと
している。
【0012】又図1において左側に示す第1の外の柱2
と、これに向き合う第1の内の柱4との間には、前記外
の標準ラチス梁6と略同構成の標準高さHAの側の標準
ラチス梁7が該外の標準ラチス梁6と高さを揃えて架け
渡されるとともに、第2の外の柱3、第2の内の柱5間
にも、外の標準ラチス梁6と高さを揃えて標準高さHA
を有する側の標準ラチス梁9が架設される。
【0013】さらに前記第1、第2の内の柱4、5間に
は、外の標準ラチス梁6と略同構成の標準高さHAの内
の標準ラチス梁10が該外の標準ラチス梁6と高さを揃
えて架け渡され、これにより平面矩形枠状の前記骨組部
分11を形成する。
【0014】又前記側の標準ラチス梁7、9間には、該
側の標準ラチス梁7、9の長手方向略中央部に配される
連結板19、19に端板22、22を夫々ボルト止めす
ることにより、前記外の標準ラチス梁6、内の標準ラチ
ス梁10と平行に小背のラチス梁12が架け渡される。
この小背のラチス梁12は、高さHBを標準ラチス梁1
3(外の標準ラチス梁6、側の標準ラチス梁7、9、内
の標準ラチス梁10を総称して標準ラチス梁13とい
う)よりも小さく、例えば320mm程度にした点を除い
ては該標準ラチス梁13と略同構成を有するとともに、
その上端を側の標準ラチス梁7、9の上端と揃えること
により、下端が標準ラチス梁13よりも高所に位置す
る。
【0015】前記小背のラチス梁12と外の標準ラチス
梁6との間には、下端が前記標準ラチス梁13の下端と
同高さの2本の平行な屋根梁14、14が、前記側の標
準ラチス梁7、9と距離を隔てて水平に架け渡される。
屋根梁14は、図1、図3に示すように、本例では垂直
なウエブ23の上下に水平なフランジ24A、24Bを
設けたI形鋼からなる基体の両端に端板25A、25B
を固着してなり、一方の端板25Aを外の標準ラチス梁
6の前記連結板19にボルト止めし、かつ他方の端板2
5Bを小背のラチス梁12の連結板19にボルト止めす
ることにより、該他方の端板25B下部に小背のラチス
梁12下端から下にはみ出るはみ出し部26を形成して
外の標準ラチス梁6と小背のラチス梁12との間、かつ
前記側の標準ラチス梁7、9と平行に架設される。
【0016】又前記小背のラチス梁12下端には、前記
2本の屋根梁14、14間において、下端が標準ラチス
梁13と同高さのパネル固定枠15が配設される。
【0017】パネル固定枠15は、図1、図3に示すよ
うに、垂直なウエブ27の上下縁からフランジ29A、
29Bを張出した断面コ字の形鋼材からなる一対の枠片
15A、15Aを、ウエブ27、27を溶着することに
より一体化した長尺の基体30を具えるとともに、該基
体30の一方の枠片15A両端部には、上下のフランジ
29A、29B先端間を継ぎかつナットの溶着によりネ
ジ孔31a、31aを形成した取付プレート31、31
が設けられる。
【0018】前記パネル固定枠15は、上のフランジ2
9A、29Aを前記小背のラチス梁12の下弦材下面に
当接させてボルト止めし、かつ両端の前記取付プレート
31、31に、前記屋根梁14、14の端板25B、2
5Bに形成した前記はみ出し部26、26を前記ネジ孔
31a…を利用してボルト止めすることにより、該屋根
梁14、14間において小背のラチス梁12下端に固定
されるとともに、パネル固定枠15の下端は、屋根梁1
4の下端、標準ラチス梁13の下端と同高さとなる。
【0019】さらにパネル固定枠15は、図4、図5に
示すように、外壁パネルPの上端を支持する。この外壁
パネルPは、本実施例では、水平な上、下の枠材33、
34の両端を垂直な側の枠材35、35で継いだ矩形の
枠組の内外に面材36A、36Bを添着してなり、下の
枠材34下面に凹設した条溝34Aに基礎F上にボルト
止めした断面L字の土台金具37の立片37Aを嵌入す
ることにより下端が支持されるとともに、上の枠材33
に設けた取付金具39、39を用いてパネル固定枠15
に上端を取付ける。
【0020】取付金具39は、前記上の枠材33上に固
着される脚片から立上がる立片40上端に垂直な挟持片
41を有するL字状の取付部を一体に設けた内金物4
2、およびこの内金物42の前記立片40にボルト止め
される立上げ片43上端に垂直な挟持片44を有するL
字状の取付部を一体に設けた外金物45を具え、2つの
前記挟持片41、44間にパネル固定枠15の下端のフ
ランジ29B、29Bを挟持することにより外壁パネル
Pの上端を支持する。
【0021】又前記屋根梁14、14、側の標準ラチス
梁7、9、内の標準ラチス梁10、及び外の標準ラチス
梁7の屋根梁14、14両側部の各下方にも、外壁パネ
ルP、壁パネルPAが配され、平面凹字状の家屋内部の
空間Sを形成するとともに、この空間Sの天井Cは、図
2に略示するように、前記小背のラチス梁12の下方か
つ標準ラチス梁13の下端よりも高所に形成され、家屋
内部の他の空間において標準ラチス梁13の下方に配さ
れる天井C1よりも高くしている。
【0022】なお前記天井Cは、図4に例示するよう
に、前記外壁パネルPの内の面材36Aに貼着されかつ
外壁パネルP上端をこえて上方にのびる内装板47上端
で1つの端縁が支持される天井パネル49によって形成
される。この天井パネル49は、格子状に桟材50…を
接合した枠組の下面に、天井板51を添着しており、高
天井形成用の前記小背のラチス梁12の下方に配され
る。
【0023】このように外壁が内側、すなわち家屋内部
に向かって後退した家屋内部の前記空間Sにおいて、外
壁パネルPの上端をパネル固定枠15によって支持しつ
つ標準高さの天井C1よりも高い天井Cを形成できる。
【0024】
【発明の効果】叙上の如く本発明の家屋の骨組体は、側
の標準ラチス梁間に下端が標準ラチス梁よりも高い小背
のラチス梁を架け渡し、かつこの小背のラチス梁下端
に、2本の屋根梁間において、下端が標準ラチス梁と同
高さのパネル固定枠を設けるため、前記小背のラチス梁
の下端下方を通りかつ標準ラチス梁の下端上方に位置す
る高天井を有する家屋内部の空間において、その一つの
壁面をなす外壁を前記パネル固定枠によって後退させる
ことが可能となり、該空間を平面凹字状に形成しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】天井高さを略示する部分断面図である。
【図3】パネル固定枠を例示する斜視図である。
【図4】パネル固定枠による外壁パネルの支持構造を示
す断面図である。
【図5】その正面図である。
【符号の説明】
2 第1の外の柱 3 第2の外の柱 4 第1の内の柱 5 第2の内の柱 6 外の標準ラチス梁 7、9 側の標準ラチス梁 10 内の標準ラチス梁 11 骨組部分 12 小背のラチス梁 13 標準ラチス梁 14 屋根梁 15 パネル固定枠 HA 標準高さ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】家屋の1つの外壁に沿い配した第1、第2
    の外の柱、およびこの第1、第2の外の柱とともに平面
    矩形配置をなす家屋の内部に配される第1、第2の内の
    柱間に、外壁パネルの上端を支持しうる標準高さを有し
    前記第1、第2の外の柱を継ぐ外の標準ラチス梁と、第
    1、第2の外の柱とこれに向き合う第1、第2の内の柱
    とを継ぐ側の標準ラチス梁と、第1、第2の内の柱間を
    継ぐ内の標準ラチス梁とを架け渡してなる骨組部分を有
    する家屋の骨組体であって、 前記側の標準ラチス梁間に、下端が標準ラチス梁よりも
    高い高天井形成用の小背のラチス梁を架け渡す一方、 この小背のラチス梁と、該小背のラチス梁に平行な外の
    標準ラチス梁との間に、下端が前記標準ラチス梁の下端
    と同高さの2本の平行な屋根梁を架け渡し、かつ小背の
    ラチス梁下端に、かつこの屋根梁間に、下端が標準ラチ
    ス梁と同高さのパネル固定枠を設けたことを特徴とする
    家屋の骨組体。
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