JP2656850B2 - 交流信号監視回路 - Google Patents

交流信号監視回路

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Description

【発明の詳細な説明】 〔概 要〕 電子機器において、所定の交流信号のレベル低下検出
を行う交流信号監視回路に関し、 レベル低下検出の閾値レベルの温度に応じた変動分を
低減できることを目的とし、 与えられる交流信号のレベルに応じた電圧信号と閾値
とを比較し、交流信号のレベル低下を示すアラーム信号
を出力する比較器を備えた交流信号監視回路において、
交流信号に重畳される直流成分を阻止するコンデンサ
と、コンデンサと比較器との間に配置され、交流信号を
整流して電圧信号を得る整流回路と、直流成分の電圧に
等しいバイアス電圧を生成する電圧源と、コンデンサと
整流回路との接続点にバイアス電圧を与え、かつ交流信
号を阻止するインダクタと、整流回路と比較器との接続
点にバイアス電圧を与える抵抗器とを備え、整流回路に
流れる直流電流が抑圧され、直流電流と温度に応じた整
流回路の抵抗値の変化とに起因する閾値の変動が抑制さ
れることによって構成される。
〔産業上の利用分野〕
本発明は、電子機器において、所定の交流信号のレベ
ル低下検出を行う交流信号監視回路に関する。
〔従来の技術〕
多くの電子機器では、所定の周波数、位相その他のパ
ラメータを有する信号が発振回路によって生成され、各
部はこの信号に応じて所定の動作を行う。このような機
器では、発振回路からの所定の信号が与えられない場合
にはその信号に基づいて動作する回路の正常動作が保証
されないので、発振回路の故障の早期検出およびこれに
対応した回復処理を円滑に行うために、発振回路の出力
レベルを常時監視する交流信号監視回路が設けられる。
第3図は、従来の交流信号監視回路の構成例を示す図
である。
図において、与えられる交流信号は、コンデンサ31お
よびダイオード321、322から構成される倍電圧半波整流
回路を介して抵抗器33の一方の端子、コンデンサ34の一
方の端子および電圧比較器35の非反転入力に接続され
る。電圧比較器35の出力は、交流信号のレベル低下に応
じたアラーム信号を出力する。コンデンサ34の他方の端
子は回路アース(GND)に接続され、抵抗器33の他方の
端子は所定の負電圧(=−VCC)を供給する電源線に接
続される。半固定抵抗器36はその電源線と回路アースと
の間に挿入され、その半固定出力端子は電圧比較器35の
反転入力に接続される。
このような交流信号監視回路では、倍電圧半波整流回
路は与えられる交流信号のレベルに応じてコンデンサ34
を充電し、コンデンサ34の両端には交応信号の振幅に応
じた電圧の電圧信号が得られる。電圧比較器35は、電圧
信号の電圧と半固定抵抗器36によって負電圧(=−
VCC)を分圧して生成される閾値電圧とを比較し、その
比較結果に応じてアラーム信号を出力する。すなわち、
交流信号が正常に与えられている状態では、電圧信号が
閾値電圧より高い電圧となるので、電圧比較器35はハイ
レベルのアラーム信号を出力する。また、交流信号が与
えられない状態あるいはそのレベルが所定値より低下し
た状態では、電圧信号が閾値電圧より低い電圧となるの
で、電圧比較器35はローレベルのアラーム信号を出力す
る。
また、抵抗器33は、コンデンサ34の蓄積電荷を負電圧
の電源線に放電する高抵抗値の放電路を形成し、倍電圧
半波整流回路の整流効率を保持しつつ、交流信号の速や
かなレベル低下検出を可能とする。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、このような従来の交流信号監視回路では、
第3図において点線で示すように、回路アースと負電圧
の電源線との間にダイオード321、322および抵抗器33に
よって直流ループが形成される。この直流ループに流れ
る電流の値は、温度が変化すると、ダイオード321、322
の順方向の抵抗値が変化するために、変動する。したが
って、温度が変化すると、与えられる交流信号の如何に
かかわらず、コンデンサ34に得られる電圧信号の電圧が
シフトするので、交流信号監視回路が交流信号のレベル
低下検出を行う実効的な閾値レベルが変動する。
本発明は、レベル低下検出の閾値レベルの温度に応じ
た変動分を低減できる交流信号監視回路を提供すること
を目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
第1図は、本発明の原理ブロック図である。
図において、交流信号監視回路の比較器11は、与えら
れる交流信号のレベルに応じた電圧信号と閾値とを比較
し、交流信号のレベル低下を示すアラーム信号を出力す
る。
コンデンサ12は、交流信号に重畳される直流成分を阻
止する。
整流回路13は、コンデンサ12と比較器11との間に配置
され、交流信号を整流して電圧信号を得る。
電圧源14は、直流成分の電圧に等しいバイアス電圧を
生成する。
インダクタ15は、コンデンサ12と整流回路13との接続
点にバイアス電圧を与え、かつ交流信号を阻止する。
抵抗器16は、整流回路13と比較器11との接続点にバイ
アス電圧を与える。
整流回路13に流れる直流電流は抑圧され、直流電圧と
温度に応じた同様の整流回路13の抵抗値の変化とに起因
する閾値の変動は抑制される。
〔作 用〕
本発明は、整流回路13がコンデンサ12を介して与えら
れる交流信号を整流し、比較器11がその整流によって得
られた電圧信号と閾値とを比較し、交流信号のレベル低
下を示すアラーム信号を出力する。
整流回路13は電圧源14および比較器11との結合路を除
き、直流的な結合路を持たず、かつ比較器11の直流入力
インピーダンスは抵抗器16の抵抗値に比べて十分大き
い。また、インダクタ15の交流信号に対するインピーダ
ンスは電圧源14の出力インピーダンスより十分大きいの
で、バイアス電圧は交流信号の影響を受けずに安定に供
給される。すなわち、整流回路13の入力・出力端の電位
はバイアス電圧に等しくなるので、整流回路13に直流電
流は流れない。
したがって、温度の変化に応じて整流回路の抵抗値が
変わっても、従来例のように、その直流電流に起因する
電圧変動は生じない。
〔実施例〕
以下、図面に基づいて本発明の実施例について詳細に
説明する。
第2図は、本発明の一実施例を示す図である。
図において、与えられる交流信号は、コンデンサ21を
介してインダクタ22の一方の端子およびダイオード23の
カソードに与えられる。ダイオード23のアノードは、コ
ンデンサ24を介して回路アース(GND)に接続されると
共に、抵抗器25の一方の端子および電圧比較器26の反転
入力に接続される。電圧比較器26の出力は、交流信号の
レベルに応じたアラーム信号を出力する。所定の正電圧
(=VCC)を供給する電源線は、抵抗器27、28を介して
回路アースに接続されると共に、半固定抵抗器29を介し
て回路アースに接続される。半固定抵抗器29の半固定出
力は、電圧比較器26の非反転入力に接続される。抵抗器
27、28の接続点(以下、「点A」という。)は、インダ
クタ22の他方の端子および抵抗器25の他方の端子に接続
されると共に、コンデンサ30を介して回路アースに接続
される。なお、本実施例回路と第1図に示すブロック図
との対応関係については、電圧比較器26は比較器11に対
応し、コンデンサ21はコンデンサ12に対応し、ダイオー
ド23およびコンデンサ24は整流回路13に対応し、抵抗器
27、28およびコンデンサ30は電圧源14に対応し、インダ
クタ22はインダクタ15に対応し、抵抗器25は抵抗器16に
対応する。
本発明の特徴とする構成は、本実施例では、ダイオー
ド23のカソードはインダクタ22を介して接続される点A
との間にのみ直流結合路を有し、ダイオード23のアノー
ドは電圧比較器26の反転入力および抵抗器25を介して接
続される点Aとの間にのみ直流結合路を有する点にあ
る。
以下、本実施例の動作を説明する。
交流信号が与えられない状態では、コンデンサ24は、
抵抗器25を介して点Aと同じ電位まで充電される。
所定レベルの交流信号が与えられると、コンデンサ21
は、その交流成分のみをダイオード23にあたえる。ダイ
オード23は、交流信号の負の半周期毎にオンとなり、コ
ンデンサ24に蓄積された電荷を所定量だけ放電させる。
したがって、コンデンサ24に得られる電圧信号は、点A
の電位に比べて低い電圧となる。また、半固定抵抗器29
から与えられる閾値電圧はこの時得られる電圧信号の電
圧より高く、かつ点Aの電位より低い値に設定されるの
で、電圧比較器26はハイレベルのアラーム信号を出力す
る。なお、コンデンサ30は、与えられる交流信号に対す
る点Aのインピーダンスを十分低く設定し、点Aの電位
を安定化する。また、インダクタ22は、直流的には点A
と同じ電位をダイオード23のカソードに与え、かつ交流
的には所定のインピーダンスで与えられる交流信号が点
Aに伝達されないように阻止する。
与えられる交流信号のレベルが所定値以下に低下した
場合には、コンデンサ24からダイオード23を介して放電
する電荷が減少し、コンデンサ24に得られる電圧信号が
半固定抵抗器29から与えられる閾値電圧より高い電圧と
なる。したがって、電圧比較器26はローレベルのアラー
ム信号を出力する。なお、点Aの電位は与えられる交流
信号に重畳される直流電圧に等しく設定されるので、コ
ンデンサ21の両端の電位は等しい。したがって、本実施
例回路では、コンデンサ21の充・放電に伴う過渡応答は
発生しない。
以下、ダイオード23の動作点について説明する。
本実施例回路では、電圧比較器26の反転入力の入力イ
ンピーダンスが抵抗器25、27、28の抵抗値に比べて十分
大きいので、抵抗器25の両端に発生する電圧降下は微小
であり、ダイオード23のアノードの電位は、点Aの電位
にほぼ等しくなる。また、ダイオード23のカソードは、
コンデンサ21によって前段回路との直流的な結合が阻止
され、その電位はインダクタ22を介して接続される点A
の電位に等しくなるので、ダイオード23に直流電流は流
れない。したがって、ダイオード23の抵抗値が温度に応
じて変わっても、従来例のように、その直流電流に起因
して電圧信号に電圧変動は生じない。
このように、本実施例によれば、交流信号のレベル低
下を検出する閾値レベルの温度に応じた変動分を低減で
きる。
〔発明の効果〕
上述したように、本発明によれば、交流信号を整流す
る整流回路に直流電流が流れないので、整流回路の抵抗
値が温度に応じて変わっても、従来例のように、その直
流電流に起因する閾値レベルの変動は生じない。
したがって、閾値レベルの温度特性を改善することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理ブロック図、 第2図は本発明の一実施例を示す図、 第3図は従来の交流信号の監視回路の構成例を示す図で
ある。 図において、 11は比較器、 12、17、21、24、30、31、34はコンデンサ、 13は整流回路、 14は電圧源、 15、22はインダクタ、 16、25、27、28、33は抵抗器、 23、321、322はダイオード、 26、35は電圧比較器、 29、36は半固定抵抗器である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】与えられる交流信号のレベルに応じた電圧
    信号と閾値とを比較し、前記交流信号のレベル低下を示
    すアラーム信号を出力する比較器(11)を備えた交流信
    号監視回路において、 前記交流信号に重畳される直流成分を阻止するコンデン
    サ(12)と、 前記コンデンサ(12)と前記比較器(11)との間に配置
    され、前記交流信号を整流して前記電圧信号を得る整流
    回路(13)と、 前記直流成分の電圧に等しいバイアス電圧を生成する電
    圧源(14)と、 前記コンデンサ(12)と前記整流回路(13)との接続点
    に前記バイアス電圧を与え、かつ前記交流信号を阻止す
    るインダクタ(15)と、 前記整流回路(13)と前記比較器(11)との接続点に前
    記バイアス電圧を与える抵抗器(16)とを備えたことに
    より、前記整流回路(13)に流れる直流電流が抑圧さ
    れ、前記直流電流と温度に応じた前記整流回路(13)の
    抵抗値の変化とに起因する前記閾値の変動が抑制される ことを特徴とする交流信号監視回路。
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