JP2656321C - - Google Patents

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JP2656321C
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evoh
gas barrier
container
ethylene
sheet
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【発明の詳細な説明】A.産業上の利用分野 本発明は、主として食品包装用容器、特に高温スチームによるレトルト殺菌が
可能な容器として用いられ、熱成形時に生じる厚みムラ、クラック等が無く、信
頼性の高いガスバリアー性を有する多層構造体、とくに食品包装用容器を提供す
ることにある。B.従来の技術 エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(以下EVOH)は、酸素ガスバリア
ー性が熱可塑性プラスチックの中で最高の性能を有しており、広く食品包装分野
で多量に使用されている。最近、特にポリプロピレン(PP)とEVOHとを積
層したシートから熱成形した容器を高温スチーム殺菌(以下レトルト処理)し、
食品の長期保存したものを、そのまま皿などに移し替えることなく、電子レンジ
により加熱する方法が普及しつつある。これらの方式で最も重要な点は、長期保
存性及び信頼性を左右するガスバリアー性樹脂EVOHの性能及び成形性である
。 一般にEVOHのガスバリアー性は、EVOHに含まれるエチレン含有量に支
配されており、エチレン含有量が低いほどガスバリアー性は良好となり、長期保
存性 が確保出来る反面、熱成形に関しては、エチレン含有量が低いほど、熱成形時、
ムラ、クラックが生じやすく、容器内に局部的なガスバリアー性の悪い部分が発
生し、長期保存性に対する信頼性の低下及び外見不良が問題であり、低エチレン
含有EVOHを有する容器が製造市販されていないのが現状である。 そこで、EVOHに各種ポリマー{ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合
体(EVAc)、部分ケン化EVAcなど}をブレンドし、EVOHの成形性を
改善するこころみもなされてはいるが(特開昭和52−73966号)、熱成形
性改善効果の大きなものは、ガスバリアー性が悪く、使用に耐えない状況にある
。また、PP層とEVOH層を不飽和カルボン酸変性の熱可塑性樹脂層を介して
積層した、耐衝撃剥離性の優れた容器を得ることも行なわれているが(特開昭和
59−33113号)、ここで開示されているような方法により得られた容器で
は後述の比較例1〜3からも明らかなように、編肉ムラが認められ、またガスバ
リアー性のバラツキも大きい。C.発明が解決しようとする課題 本発明は、PP層およびEVOH層を少なくとも含む多層シートの熱成形にお
いて、熱成形時、EVOH層のクラック、ムラが生ぜず、信頼性の高いガスバリ
アー性を有し、かつ高温、高湿下での処理後のガスバリアー性も良好な多層構造
体、とくに容器を提供するものである。D.課題を解決するための手段 本発明者らは、EVOHに種々のPPを積層したシートを共押出方法で作成し
、熱成形機での容器を作成した。そして該容器の外見及びガスバリアー性の評価
を実施した。その結果、PPの銘柄により熱成形性が大幅に異なり、ガスバリア
ー性のバラツキも大きいものが多かった。 そこで本発明者らは、鋭意検討を行なった結果、意外にも、下記(I)式を満
足する場合に、熱成形時のEVOH層の厚みムラ、クラックが無い、外見良好な
成形物が得られるだけでなく、ガスバリアー性の信頼性(バラツキ)も高い容器
が得られる事を見い出し、本発明を完成するにいたった。 (65−E)×1/40≦a≦65−E ・・・(I) ただし a:EVOHのDSC(スキャンニングスピード10℃/min)によ
る主吸熱ピーク温度(℃)より30℃高い温度で測定した多層構造体の 溶融延伸張力(g) E:EVOHのエチレン含有量(モル%) 本発明のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物としては、エチレン含有率が
20〜30モル%、けん化度90%以上のものが使用出来る。エチレン含有率が
20モル%未満では、溶融成形性が悪く、一方30モル%以上ではレトルト後の
ガスバリアー性が不足する。また、けん化度が90%未満では、ガスバリアー性
及び熱安定性が悪く使用出来ない。 また該EVOHは本発明の効果が阻害されない範囲でプロピレン、ブチレン、
ビニルシラン系化合物、ビニルピロリドン系化合物を共重合したり、可塑剤、熱
安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フィラーなどをブレンドする事は
自由である。 本発明に用いられるポリプロピレン(PP)としては、ホモポリプロピレン、
ポリエチレン(PE)−PPブロック共重合体、及びPE−PPランダム共重合
体あるいは、これらのブレンド物があげられるが、溶融粘性の高い、すなわち、
高重合度PPが好適である。とくにPPのメルトインデックス(210℃−21
60g)値をMIとした場合、 (70−E)×1/20≧MI≧(70−E)×1/150・・(II) より好適には (70−E)×1/30≧MI≧(70−E)×1/100 を満足するものがよい。(但し、E:EVOHのエチレン含有量モル%) しかしながら、この(II)式を満足するだけでは熱成形性が必ずしも十分で
ない場合がある。そこで、さらに検討を行った結果、これらのPPにさらに該P
Pより融点の低い高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度PE(MDPE)、
低密度PE(LDPE)、直鎖状低密度PE(LLDPE)、高重合度高密度P
E(HMW HDPE)、高重合度低密度PE(HMW LDPE)、不飽和カ
ルボン酸変性PE、不飽和カルボン酸変性PP、あるいは無機充填物などを1種
あるいはそれ以上ブレンドすると、意外にも延伸張力が大幅に増加し、熱成形性
が大幅に改善するものがある事がわかった。とりわけ、HMWHDPE、HMW
LDPE、HMWPP及びその不飽和カルボン酸変性物をPPにブレンドするの
が好適である。そしてブレンド組成物中のPP成分の含有量は、30重量%以上
、さらに好適には50% 以上が好ましい。すなわち30%未満の場合、ポリプロピレン特有の強度、ヤン
グ率、耐熱性が得られず、不適当である。PP成分の含有量の上限については9
5%以下、さらに好適には90%以下である。また、該ポリプロピレン組成物に
フィラー、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、分散剤、核剤等を入れる事は自
由であり、特にフィラー等を添加する事は熱成形性の面で好適である。 このように本発明においては、PPの種類を選ぶこと、あるいはPPにブレン
ドするものを選ぶことが重要である。 また本発明において最も重要なことは、上記(I)式を満足するようにPPお
よびEVOHを選択することである。上記(I)式において、 a<(65−E)×1/40の場合、EVOH層の伸びムラ、クラックの発生が
多くなり、またガスバリアー性のバラツキも大きくなる。一方、a>65−Eの
場合、外見不良、ガスバリアー性のバラツキが大きくなる。より好適には、 (65−E)×1/20≦a≦(65−E)×1/2である。ここで溶融延伸張
力(a)は次のような方法で測定される値である。すなわち、溶融延伸張力測定
機を用いて、多層構造体を加熱帯(シリンダー)(温度:EVOHの融点より3
0℃高い温度)に入れ、10mm/分のスピードでピストンを降下させ、1mm
φ×10mmのノズルより溶融樹脂を吐出させる。次いで吐出されたストランド
状物をカットしてペレット状とし、これを再び該シリンダーに入れ、10mm/
分のスピードでピストンを降下させ、1mmφ×10mmのノズルより溶融樹脂
を吐出せ、吐出した樹脂を10m/分の速度で引取り、この時の張力をプーリー
付きロードセルで測定したものである。 本発明の多層構造体、たとえばシートの製造方法に関しては特に限定されるも
のではなく、ドライラミ、押出ラミ、共押出ラミ、共押出しで多層シートが得ら
れる。より好適には、共押し製膜法があげられる。 シートの全層厚みは400μ〜4000μ、EVOH層の厚みは10〜300
μ程度が採用される。一方シートの構成としては、PP/Ad/EVOH、PP
/Ad/EVOH/Ad/PP、PP/Ad/EVOH/Ad/シーラント、P
P/Ad/EVOH/Ad/PP/Ad/EVOH、PP/Reg/Ad/EV
OH、PP/Reg/Ad/EVOH/Ad/PP、PP/Reg/Ad/EV
OH/Reg/PPなどがあげられるが、これに限定されるものではない。但し
、Adとは接 着性樹脂、シーラントとは、PE、アイオノマー、EVAcあるいはその不飽和
カルボン酸変性物、またRegとは、多層シートの回収層を示す。 シートの熱成形方法に関しては上記したとおり、EVOHのDSCの主吸熱ピ
ーク温度より5℃以上、好ましくは10℃以上高い温度で熱成形され、熱成形方
法としては真空成形、真空圧空成形、プラグアシスト真空圧空成形法が用いられ
る。特に熱成形ではシートの加熱方法が最も重要であり、多層シートを製膜し、
ダイスより押出された直後、あるいは少し表面が冷却された段階で熱成形するの
が最も好適である。一方、冷却したシートをヒーターで再加熱した後、熱成形す
る場合、シートの加熱パターンが重要であり、一般的にPPの軟化温度までは出
来るだけゆっくりと、たとえば20〜120℃/分のスピードで内部まで均一に
加熱し、それ以上の温度領域では、逆に高速昇温、たとえば2〜100℃/秒の
昇温速度でする事がのぞましい。また、加熱完了後、表面温度が少し低下する様
、加熱を止めた後、成形する事も好適である。 本発明において多層構造体とは、上記した多層シート、あるいは熱成形して得
た容器、さらには多層パリソンあるいは該パリソンをダイレクトブロー成形ある
いは二軸延伸ブロー成形して得た容器を意味し、これらはとくにレトルト用容器
として有効である。 以下実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定され
るものではない。E.実施例 実施例1 EVOHとしてはエチレン含有量29モル%、けん化度99.5%のEVOH
(EVOHのDSCによる吸熱ピーク温度183℃)(クラレ製EVAL F1
01)を使用し、PP組成物としては、ホモPP(三菱油化MA−8)40wt
%、ブロックPP(1)(三菱化成8100J)40wt%、および無水マレイ
ン酸変性HDPE(MAn HDPE)20wt%をドライブレンドした後、4
0mmφ押出機でベレット化、乾燥したものを使用した。この時のPP含有量は
70wt%であった。またAd(接着性樹脂)としては、無水マレイン酸変性P
P(アドマーQF551)を用いた。 該原料樹脂を、3種5層フイードブロックタイプ共押出し装置に投入し、PP
/ Ad/EVOH/Ad/PP構成であり、それぞれの厚みは800μ/100μ
/300μ/100μ/800μであった。このシートを213℃で溶融延仲張
力測定機(東洋精機製キャピログラフ)(ノズル1mmφ×10mm、引張速度
10m/分)で測定した所、6.0gであった。このシートを真空圧空成形機に
かけ(シート表面温度200℃、圧空3kgG)、絞り比1のカップを得た。(
1ショット、タテ8コ、ヨコ6コ、計48コ)。この容器の外見は良好であり、
かつEVOH層のムラ、クラックもなかつた。またこの容器20個の胴部を切り
出し、モコン社製O2透過量測定装置を用いて、O2透過量の測定を行った。その
結果、20℃−65% た、ばらつきR(最大値−最小値)は0.2cc・20μ/m2day・atm
と、ガスバリアー性が低いのみならず、信頼性の高いガスバリアー容器であった
。またレトルト(121℃、30分)後、80℃、3hr乾燥後のガスバリアー
性は0.8cc・20μ/m2day・atmであった。 実施例2〜4、比較例1〜5 表1に示す条件以外は実施例1と同様の条件で容器を得た。その結果を表1に
示す。 .発明の効果 本発明の多層構造体は、外見良好で、ガスバリアー性の信頼度の高いものであ
り、また高温、高湿下での処理後のガスバリアー性も良好であり、レトルト用食
品包装用容器としてとくに有効である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)エチレン含有量20〜30モル%、けん化度90%以上のエチレン−酢酸
    ビニル共重合体けん化物の層とエチレン−プロピレンブロック共重合体を含む
    リプロピレン樹脂の層を少なくとも有する多層構造体であり、かつ該多層構造体
    は下記(I)式を満足する多層構造体。 (65−E)×1/40≦a≦65−E ・・・(I) ただし a:エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物のDSCによる主吸熱ピ
    ーク温度(℃)より30℃高い温度で測定した多層構造体の溶融延伸張力(g) E:エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物のエチレン含有量(モル
    %) を示す。

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