JP2656009B2 - マグネットローラ - Google Patents
マグネットローラInfo
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- Japan
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- hollow body
- mold
- magnet material
- magnet roller
- resin magnet
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- Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂磁石材料で形成さ
れ、複写機やプリンタ等の画像形成装置に用いられるマ
グネットローラに関する。
れ、複写機やプリンタ等の画像形成装置に用いられるマ
グネットローラに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のマグネットローラは、周
面に複数の磁極部を有しており、その成形には、成形す
べきマグネットローラの外形状と合致するキャビティを
有し、かつ該キャビティの周囲位置に、配向用磁力線の
起磁極と終磁極からなる磁極対を配置した金型を準備し
ておく。そして、前記成形方法は、先ず、金型を型閉じ
する工程と、予め溶融した樹脂磁石材料をキャビティ内
に注入して、キャビティ内を樹脂磁石材料で充満させる
ことにより、磁極対の配向用磁力線によって樹脂磁石材
料中の磁性体粉末を配向させる工程と、前記樹脂磁石材
料の冷却工程と、該冷却工程後、金型を型開きして、成
形品を金型より取り出す工程とを有し、上述した各工程
を順次行うことにより、成形品としてのマグネットロー
ラを連続的に成形するものである。このマグネットロー
ラは、通常の現像機においてトナーを周囲に配する現像
リングの中にはめこまれて使用される(特開昭64−6
4208号公報参照)。
面に複数の磁極部を有しており、その成形には、成形す
べきマグネットローラの外形状と合致するキャビティを
有し、かつ該キャビティの周囲位置に、配向用磁力線の
起磁極と終磁極からなる磁極対を配置した金型を準備し
ておく。そして、前記成形方法は、先ず、金型を型閉じ
する工程と、予め溶融した樹脂磁石材料をキャビティ内
に注入して、キャビティ内を樹脂磁石材料で充満させる
ことにより、磁極対の配向用磁力線によって樹脂磁石材
料中の磁性体粉末を配向させる工程と、前記樹脂磁石材
料の冷却工程と、該冷却工程後、金型を型開きして、成
形品を金型より取り出す工程とを有し、上述した各工程
を順次行うことにより、成形品としてのマグネットロー
ラを連続的に成形するものである。このマグネットロー
ラは、通常の現像機においてトナーを周囲に配する現像
リングの中にはめこまれて使用される(特開昭64−6
4208号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来技術では、マグネットローラは金型のキャビティ
により直接形づくられるものであるため、キャビティ内
の樹脂磁石材料が完全に冷却固化するまで、金型を型閉
じ状態にする必要があり、前記冷却工程に起因して、一
連の成形サイクルタイムが長くなり、その結果、生産効
率が低いという問題点がある。
た従来技術では、マグネットローラは金型のキャビティ
により直接形づくられるものであるため、キャビティ内
の樹脂磁石材料が完全に冷却固化するまで、金型を型閉
じ状態にする必要があり、前記冷却工程に起因して、一
連の成形サイクルタイムが長くなり、その結果、生産効
率が低いという問題点がある。
【0004】また、金型のパーティング面に樹脂磁石材
料が侵入してそのバリが発生しやすい。バリが発生する
と、成形品であるマグネットローラの側面にバリが付着
し、このマグネットローラを複写機等に組込むと、マグ
ネットローラの磁気特性の変化(リップル等)による画
質低下を招くという問題点もある。
料が侵入してそのバリが発生しやすい。バリが発生する
と、成形品であるマグネットローラの側面にバリが付着
し、このマグネットローラを複写機等に組込むと、マグ
ネットローラの磁気特性の変化(リップル等)による画
質低下を招くという問題点もある。
【0005】さらに、前記バリは、金型にとってもよく
ないものである。すなわち、バリの発生によって、前記
パーティング面のつぶれや摩耗が急速に進行するので
る。この問題点は、成形温度や金型温度が高く、樹脂磁
石材料の流動性が大きい場合ほど顕著である。これに対
処するため、窒化処理やイオンプレーティング等の種々
の表面硬化処理により、金型の表面硬度を上げる試みが
なされているが、パーティング面のような金型の接合面
エッジ部は表面硬度を上げると、欠けや割れが発生する
等、金型の耐久性に対する十分な解決策が得られていな
いのが現状である。
ないものである。すなわち、バリの発生によって、前記
パーティング面のつぶれや摩耗が急速に進行するので
る。この問題点は、成形温度や金型温度が高く、樹脂磁
石材料の流動性が大きい場合ほど顕著である。これに対
処するため、窒化処理やイオンプレーティング等の種々
の表面硬化処理により、金型の表面硬度を上げる試みが
なされているが、パーティング面のような金型の接合面
エッジ部は表面硬度を上げると、欠けや割れが発生する
等、金型の耐久性に対する十分な解決策が得られていな
いのが現状である。
【0006】本発明は、上記従来技術の有する問題点に
鑑みてなされたものであり、側面へのバリの付着が防止
されるとともに、短い成形サイクルタイムで成形される
マグネットローラを提供することを目的とする。また、
本発明は、表面磁束密度の強度や分布の制御が簡単なマ
グネットローラを提供することを目的とする。
鑑みてなされたものであり、側面へのバリの付着が防止
されるとともに、短い成形サイクルタイムで成形される
マグネットローラを提供することを目的とする。また、
本発明は、表面磁束密度の強度や分布の制御が簡単なマ
グネットローラを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、金型の固定型と可動型とを型閉じすること
によって形成されるキャビティ内に、成形すべきマグネ
ットローラの外形状と合致する内形状を有する中空体を
配置し、前記中空体内に溶融した樹脂磁石材料を注入
し、前記樹脂磁石材料を冷却固化させて得られるマグネ
ットローラであって、前記中空体内への樹脂磁石材料の
注入後、注入された樹脂磁石材料が前記中空体内で冷却
固化する間に、前記中空体の外側から磁力線が印加され
て複数の磁極が着磁されるとともに前記金型から前記中
空体が取り出され、前記樹脂磁石材料の冷却固化後に前
記中空体から取り出されたことを特徴とする。
の本発明は、金型の固定型と可動型とを型閉じすること
によって形成されるキャビティ内に、成形すべきマグネ
ットローラの外形状と合致する内形状を有する中空体を
配置し、前記中空体内に溶融した樹脂磁石材料を注入
し、前記樹脂磁石材料を冷却固化させて得られるマグネ
ットローラであって、前記中空体内への樹脂磁石材料の
注入後、注入された樹脂磁石材料が前記中空体内で冷却
固化する間に、前記中空体の外側から磁力線が印加され
て複数の磁極が着磁されるとともに前記金型から前記中
空体が取り出され、前記樹脂磁石材料の冷却固化後に前
記中空体から取り出されたことを特徴とする。
【0008】この場合、前記金型は前記キャビティの周
囲に複数の磁極付与部を有し、前記複数の磁極付与部に
より前記磁力線が印加されたものや、前記中空体が、内
形状の中心軸線が外形状の中心軸線に対して偏心してい
るものであってもよい。
囲に複数の磁極付与部を有し、前記複数の磁極付与部に
より前記磁力線が印加されたものや、前記中空体が、内
形状の中心軸線が外形状の中心軸線に対して偏心してい
るものであってもよい。
【0009】また、金型の固定型と可動型とを型閉じす
ることによって形成されるキャビティ内に、成形すべき
マグネットローラの外形状と合致する内形状を有する中
空体を配置し、前記中空体内に溶融した樹脂磁石材料を
注入し、前記樹脂磁石材料を冷却固化させて得られるマ
グネットローラであって、前記中空体内への樹脂磁石材
料の注入後、注入された樹脂磁石材料が前記中空体内で
冷却固化する間に、前記金型から前記中空体が取り出さ
れ、前記樹脂磁石材料の冷却固化後に前記中空体から取
り出され、その後、複数の磁極付与部を有する着磁器内
に配置されて外側から磁力線が印加され、複数の磁極が
着磁されたことを特徴とするものであってもよい。
ることによって形成されるキャビティ内に、成形すべき
マグネットローラの外形状と合致する内形状を有する中
空体を配置し、前記中空体内に溶融した樹脂磁石材料を
注入し、前記樹脂磁石材料を冷却固化させて得られるマ
グネットローラであって、前記中空体内への樹脂磁石材
料の注入後、注入された樹脂磁石材料が前記中空体内で
冷却固化する間に、前記金型から前記中空体が取り出さ
れ、前記樹脂磁石材料の冷却固化後に前記中空体から取
り出され、その後、複数の磁極付与部を有する着磁器内
に配置されて外側から磁力線が印加され、複数の磁極が
着磁されたことを特徴とするものであってもよい。
【0010】この場合には、前記複数の磁極付与部との
距離を異ならせて前記着磁器内に配置されて、前記複数
の磁極が着磁されたものであってもよい。
距離を異ならせて前記着磁器内に配置されて、前記複数
の磁極が着磁されたものであってもよい。
【0011】さらに、前記中空体の内形状が非円形断面
であるものや、前記中空体は、軸線方向の両端部に、少
なくとも一方が前記中空体に対して分離可能で、かつ、
それぞれ前記中空体の内形状の中心軸線上に軸部形成用
穴が形成された端部材を有し、前記端部材が取り付けら
れた状態で、前記中空体が前記金型のキャビティ内に配
置されるものとすることもできる。
であるものや、前記中空体は、軸線方向の両端部に、少
なくとも一方が前記中空体に対して分離可能で、かつ、
それぞれ前記中空体の内形状の中心軸線上に軸部形成用
穴が形成された端部材を有し、前記端部材が取り付けら
れた状態で、前記中空体が前記金型のキャビティ内に配
置されるものとすることもできる。
【0012】
【作用】上記のとおり構成された請求項1に記載の発明
では、樹脂磁石材料は金型のキャビティ内に配置された
中空体内に注入されるので、側面にバリが発生すること
はない。また、中空体内への樹脂磁石材料の注入後、樹
脂磁石材料が冷却固化する間に、磁極が着磁されるとと
もに金型から中空体が取り出されるので、中空体を複数
個用意しておけば、中空体が金型から取り出された後、
直ちに別の中空体を金型のキャビティ内に配置し、次の
成形作業に取り掛かることができる。すなわち、樹脂磁
石材料が冷却固化する前に次の成形に取り掛かることが
でき、一連の成形サイクルタイムが短縮される。
では、樹脂磁石材料は金型のキャビティ内に配置された
中空体内に注入されるので、側面にバリが発生すること
はない。また、中空体内への樹脂磁石材料の注入後、樹
脂磁石材料が冷却固化する間に、磁極が着磁されるとと
もに金型から中空体が取り出されるので、中空体を複数
個用意しておけば、中空体が金型から取り出された後、
直ちに別の中空体を金型のキャビティ内に配置し、次の
成形作業に取り掛かることができる。すなわち、樹脂磁
石材料が冷却固化する前に次の成形に取り掛かることが
でき、一連の成形サイクルタイムが短縮される。
【0013】請求項2に記載の発明では、金型に複数の
磁極付与部を有するので、中空体内に樹脂磁石材料が注
入されると、注入された樹脂磁石材料中の磁性体粉末
は、各磁極付与部からの磁力線によって配向される。こ
れにより、中空体が金型のキャビティ内に配置された状
態で樹脂磁石材料への着磁がなされる。
磁極付与部を有するので、中空体内に樹脂磁石材料が注
入されると、注入された樹脂磁石材料中の磁性体粉末
は、各磁極付与部からの磁力線によって配向される。こ
れにより、中空体が金型のキャビティ内に配置された状
態で樹脂磁石材料への着磁がなされる。
【0014】請求項3に記載の発明では、内形状の中心
軸線が外形状の中心軸線に対して偏心した中空体が用い
られるので、それぞれの中心軸線が一致している場合に
比較して、中空体内を通過する磁束量が変化し、磁力線
の印加により配向された磁性体粉末の体積比率そのもの
が変化する。これにより、着磁の強弱をつけることなく
フル着磁の状態で、樹脂磁石材料中の磁性体粉末の最大
エネルギーを取り出しながらも、表面磁束密度の強度お
よび分布を変化させたマグネットローラが得られる。
軸線が外形状の中心軸線に対して偏心した中空体が用い
られるので、それぞれの中心軸線が一致している場合に
比較して、中空体内を通過する磁束量が変化し、磁力線
の印加により配向された磁性体粉末の体積比率そのもの
が変化する。これにより、着磁の強弱をつけることなく
フル着磁の状態で、樹脂磁石材料中の磁性体粉末の最大
エネルギーを取り出しながらも、表面磁束密度の強度お
よび分布を変化させたマグネットローラが得られる。
【0015】請求項4に記載の発明では、着磁工程が、
樹脂磁石材料が冷却固化し、中空体から取り出された後
に行われる。従って、中空体から成形品を取り出した後
の工程が増えるものの、請求項1に記載の発明と同様
に、側面へのバリの発生が防止され、かつ、一連の成形
サイクルタイムが短縮される。
樹脂磁石材料が冷却固化し、中空体から取り出された後
に行われる。従って、中空体から成形品を取り出した後
の工程が増えるものの、請求項1に記載の発明と同様
に、側面へのバリの発生が防止され、かつ、一連の成形
サイクルタイムが短縮される。
【0016】請求項5に記載の発明では、中空体から取
り出した樹脂磁石材料に着磁を行う際、着磁器内に、各
磁極付与部との距離を異ならせて配置することで、請求
項3に記載の発明と同様に、フル着磁の状態で、表面磁
束密度の強度および分布を変化させたマグネットローラ
が得られる。
り出した樹脂磁石材料に着磁を行う際、着磁器内に、各
磁極付与部との距離を異ならせて配置することで、請求
項3に記載の発明と同様に、フル着磁の状態で、表面磁
束密度の強度および分布を変化させたマグネットローラ
が得られる。
【0017】そして、請求項6に記載の発明では断面が
非円形断面のマグネットローラが得られ、請求項7に記
載の発明では、樹脂磁石材料による軸一体成形のマグネ
ットローラが得られる。
非円形断面のマグネットローラが得られ、請求項7に記
載の発明では、樹脂磁石材料による軸一体成形のマグネ
ットローラが得られる。
【0018】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
て説明する。
【0019】(第1実施例)先ず、本発明の第1実施例
のマグネットローラを成形するのに使用する、金型や中
空体等からなる成形装置の構成について説明する。
のマグネットローラを成形するのに使用する、金型や中
空体等からなる成形装置の構成について説明する。
【0020】図1および図2に示すように、金型を構成
する固定型2は図示しない注入手段としての射出成形機
の固定盤に取付けられており、可動型1は図示しない可
動盤に取付けられている。可動盤を固定盤側へ移動させ
ることにより、金型が型閉じされ、型閉じされた金型の
前記可動型1と固定型2とにより円柱形状のキャビティ
8が形成され、該キャビティ8には、固定型2に形成さ
れた樹脂通路としてのランナ7が連通されている。金属
製の第1の中空体17は、円柱形状を有するパイプ4
と、該パイプ4の両端にそれぞれ支持可能な、端部材と
しての端部位5,6と、後述する棒状の芯金3とから構
成され、その外形状はキャビティ8の形状と合致する円
柱形状となっている。
する固定型2は図示しない注入手段としての射出成形機
の固定盤に取付けられており、可動型1は図示しない可
動盤に取付けられている。可動盤を固定盤側へ移動させ
ることにより、金型が型閉じされ、型閉じされた金型の
前記可動型1と固定型2とにより円柱形状のキャビティ
8が形成され、該キャビティ8には、固定型2に形成さ
れた樹脂通路としてのランナ7が連通されている。金属
製の第1の中空体17は、円柱形状を有するパイプ4
と、該パイプ4の両端にそれぞれ支持可能な、端部材と
しての端部位5,6と、後述する棒状の芯金3とから構
成され、その外形状はキャビティ8の形状と合致する円
柱形状となっている。
【0021】第1の中空体17の内面は種々の表面硬化
処理が施され、その内形状は成形すべきマグネットロー
ラの外形状と合致するものであり、前記端部位5,6は
マグネットローラの両軸部にそれぞれ対応する部位とな
っている。また、2つの端部位5,6の中央部には、芯
金3の両端部が嵌挿される穴がそれぞれ形成され、第1
の中空体17をキャビティ8内に装着した状態におい
て、芯金3の中心軸線がキャビティ8の中心軸線と一致
するように構成されている。なお、この芯金3は必ずし
も必要でない。
処理が施され、その内形状は成形すべきマグネットロー
ラの外形状と合致するものであり、前記端部位5,6は
マグネットローラの両軸部にそれぞれ対応する部位とな
っている。また、2つの端部位5,6の中央部には、芯
金3の両端部が嵌挿される穴がそれぞれ形成され、第1
の中空体17をキャビティ8内に装着した状態におい
て、芯金3の中心軸線がキャビティ8の中心軸線と一致
するように構成されている。なお、この芯金3は必ずし
も必要でない。
【0022】パイプ4の下端部および一方の端部位6の
上端部には切欠10,11(図6参照)がそれぞれ形成
されており、第1の中空体17をキャビティ8内に装着
した状態において、ランナ7と第1の中空体17の中空
部とは2つの切欠10,11によって連通するように構
成されている。
上端部には切欠10,11(図6参照)がそれぞれ形成
されており、第1の中空体17をキャビティ8内に装着
した状態において、ランナ7と第1の中空体17の中空
部とは2つの切欠10,11によって連通するように構
成されている。
【0023】図4および図5に示すように、第2の中空
体17aは、その内径が上述した第1の中空体17の内
径よりも小さくなっており、その他の構成は第1の中空
体17の構成と同一である。また、前記第1および第2
の中空体17,17aの他にも、キャビティ8の形状と
合致する外形状をそれぞれ有し、内径が互いに相異なる
複数の中空体(不図示)を準備しておく。
体17aは、その内径が上述した第1の中空体17の内
径よりも小さくなっており、その他の構成は第1の中空
体17の構成と同一である。また、前記第1および第2
の中空体17,17aの他にも、キャビティ8の形状と
合致する外形状をそれぞれ有し、内径が互いに相異なる
複数の中空体(不図示)を準備しておく。
【0024】本実施例において使用される着磁器は、図
8に示すように、内方に突出する4つの突出部15a,
15b,15c,15dを有する環状のヨーク15と、
該ヨーク15の各突出部15a,15b,15c,15
dにそれぞれ巻回された磁場発生用のコイル16a,1
6b,16c,16dと、各コイル16a,16b,1
6c,16dに電流を所定方向にそれぞれ流すための手
段(不図示)等から構成されている。2つの突出部15
a,15cはN極付与部となっており、残る2つの突出
部15b,15dはS極付与部となっている。
8に示すように、内方に突出する4つの突出部15a,
15b,15c,15dを有する環状のヨーク15と、
該ヨーク15の各突出部15a,15b,15c,15
dにそれぞれ巻回された磁場発生用のコイル16a,1
6b,16c,16dと、各コイル16a,16b,1
6c,16dに電流を所定方向にそれぞれ流すための手
段(不図示)等から構成されている。2つの突出部15
a,15cはN極付与部となっており、残る2つの突出
部15b,15dはS極付与部となっている。
【0025】次に、本実施例のマグネットローラの成形
方法について説明する。
方法について説明する。
【0026】図1および図2に示すように、先ず、金型
を型閉じすることにより、予め予備加熱しておいた第1
の中空体17をキャビティ8内に装着した後、金型を型
締する。強磁性体粉末とバインダーからなる予め溶融し
た樹脂磁石材料を、射出成形機(不図示)のノズルより
ランナ7および2つの切欠10,11(図6参照)を順
次介して第1の中空体17内に射出注入して、第1の中
空体17内を樹脂磁石材料9で充満する。樹脂磁石材料
として、ストロンチウムフェライトをプラスチックマグ
ネット材料に90wt%だけ混合したものを用い、主要
な条件としては、金型温度110℃、成形温度300
℃、射出圧力900kgf /cm2 等が挙げられる。
を型閉じすることにより、予め予備加熱しておいた第1
の中空体17をキャビティ8内に装着した後、金型を型
締する。強磁性体粉末とバインダーからなる予め溶融し
た樹脂磁石材料を、射出成形機(不図示)のノズルより
ランナ7および2つの切欠10,11(図6参照)を順
次介して第1の中空体17内に射出注入して、第1の中
空体17内を樹脂磁石材料9で充満する。樹脂磁石材料
として、ストロンチウムフェライトをプラスチックマグ
ネット材料に90wt%だけ混合したものを用い、主要
な条件としては、金型温度110℃、成形温度300
℃、射出圧力900kgf /cm2 等が挙げられる。
【0027】前記射出注入後、約10秒間の保圧工程を
行い、直ちに金型を型開きして、図3に示すように、第
1の中空体17を金型より取り外し、公知のゲートカッ
タ(不図示)によりランナ部13を切除した。
行い、直ちに金型を型開きして、図3に示すように、第
1の中空体17を金型より取り外し、公知のゲートカッ
タ(不図示)によりランナ部13を切除した。
【0028】ついで、図4および図5に示すように、金
型を型閉じすることにより、予め予備加熱しておいた第
2の中空体17aをキャビティ8内に装着した後、金型
を型締する。予め溶融した樹脂磁石材料を、上記射出注
入と同様に、第2の中空体17a内に射出注入して、第
2の中空体17a内を樹脂磁石材料23で充満させる。
型を型閉じすることにより、予め予備加熱しておいた第
2の中空体17aをキャビティ8内に装着した後、金型
を型締する。予め溶融した樹脂磁石材料を、上記射出注
入と同様に、第2の中空体17a内に射出注入して、第
2の中空体17a内を樹脂磁石材料23で充満させる。
【0029】保圧後、直ちに金型を型開きして、第2の
中空体17aを金型より取り出すとともに、この間、図
6に示すように、第1の中空体17内の樹脂磁石材料9
の冷却が進行し、該樹脂磁石材料9の冷却収縮により、
成形品とパイプ4との間に隙間12が生じる。第1の中
空体17を金型より取り出してから約5分経過後、第1
の中空体17の2つの端部位5,6をパイプ4より分離
し、成形品をパイプ4より引抜いて取り出す。最後に、
成形品の、前記ランナ13(図3参照)を切除した部位
に研削加工を施すと、図7に示すような、芯金3と樹脂
磁石材料で形成されたローラ部14とが一体で、外径2
0mm、長さ200mmのローラが得られる。 上述した各
工程と同様な工程を順次行って、第1および第2の中空
体17,17aを含む複数の中空体内への樹脂磁石材料
の射出注入を順次行うことにより、複数の成形品を効率
良く連続的に成形できる。
中空体17aを金型より取り出すとともに、この間、図
6に示すように、第1の中空体17内の樹脂磁石材料9
の冷却が進行し、該樹脂磁石材料9の冷却収縮により、
成形品とパイプ4との間に隙間12が生じる。第1の中
空体17を金型より取り出してから約5分経過後、第1
の中空体17の2つの端部位5,6をパイプ4より分離
し、成形品をパイプ4より引抜いて取り出す。最後に、
成形品の、前記ランナ13(図3参照)を切除した部位
に研削加工を施すと、図7に示すような、芯金3と樹脂
磁石材料で形成されたローラ部14とが一体で、外径2
0mm、長さ200mmのローラが得られる。 上述した各
工程と同様な工程を順次行って、第1および第2の中空
体17,17aを含む複数の中空体内への樹脂磁石材料
の射出注入を順次行うことにより、複数の成形品を効率
良く連続的に成形できる。
【0030】次に、図8に示すように、第1の中空体1
7(図1参照)により成形された成形品を着磁器のヨー
ク15内に装着し、各コイル16a,16b,16c,
16dに電流をそれぞれ流すと、図中矢印で示す着磁用
磁界が発生し、成形品の着磁が行われる。その結果、図
9に示すように、成形品周面においてS極とN極が交互
に着磁されているマグネットローラAが得られ、このマ
グネットローラAの表面磁束密度の分布は図12中実線
で示す様になっている。
7(図1参照)により成形された成形品を着磁器のヨー
ク15内に装着し、各コイル16a,16b,16c,
16dに電流をそれぞれ流すと、図中矢印で示す着磁用
磁界が発生し、成形品の着磁が行われる。その結果、図
9に示すように、成形品周面においてS極とN極が交互
に着磁されているマグネットローラAが得られ、このマ
グネットローラAの表面磁束密度の分布は図12中実線
で示す様になっている。
【0031】次に、図10に示すように、第2の中空体
17aにより成形された、外径14mm、長さ200mmの
成形品を同様に着磁器のヨーク15内に装着し、着磁を
行う。その結果、図11に示すように、成形品周面にお
いてS極とN極が交互に着磁されているマグネットロー
ラBが得られ、このマグネットローラBの表面磁束密度
の分布は図12中破線で示す様になっている。このマグ
ネットローラBは前記マグネットローラAよりも小径と
なっているため、その表面磁束密度の分布および強度は
マグネットローラBのそれと比較して異なっている。
17aにより成形された、外径14mm、長さ200mmの
成形品を同様に着磁器のヨーク15内に装着し、着磁を
行う。その結果、図11に示すように、成形品周面にお
いてS極とN極が交互に着磁されているマグネットロー
ラBが得られ、このマグネットローラBの表面磁束密度
の分布は図12中破線で示す様になっている。このマグ
ネットローラBは前記マグネットローラAよりも小径と
なっているため、その表面磁束密度の分布および強度は
マグネットローラBのそれと比較して異なっている。
【0032】そして、図13に示すように、第1および
第2の中空体17,17a以外の内径が互いに相異なる
複数の中空体(不図示)により成形された成形品を、そ
の中心軸線がヨーク25の中心軸線と偏心させてヨーク
25内に順次装着して順次着磁すると、図14に示すよ
うなマグネットローラCが複数個得られる。これらのマ
グネットローラCの表面磁束密度の分布は図15に示す
ようになっている。この分布は図12のものと比較して
異なっている。
第2の中空体17,17a以外の内径が互いに相異なる
複数の中空体(不図示)により成形された成形品を、そ
の中心軸線がヨーク25の中心軸線と偏心させてヨーク
25内に順次装着して順次着磁すると、図14に示すよ
うなマグネットローラCが複数個得られる。これらのマ
グネットローラCの表面磁束密度の分布は図15に示す
ようになっている。この分布は図12のものと比較して
異なっている。
【0033】本実施例において、内径が互いに等しい同
一構造の複数の中空体を用いてもよいし、また、芯金3
は必ずしも必要ではない。芯金3を用いないで成形した
場合には、中空体17内へ樹脂磁石材料を注入すること
により、注入された樹脂磁石材料は各端部位5,6の中
央部に形成された穴に充満される。すなわち、各端部位
5,6の穴はそれぞれ軸部形成用穴として作用し、樹脂
磁石材料からなる軸が一体成形されたマグネットローラ
が成形される。また、図16に示すように、中空体のパ
イプとして、断面形状が非円形状、例えば内方へV字状
に突出する形状を有するパイプ29やその他種々の形状
のパイプを用いてもよく、この場合、同一の金型で種々
の外形状のマグネットローラDを成形できる。図17
は、図16に示した中空体により成形された成形品の着
磁状態を示すものである。
一構造の複数の中空体を用いてもよいし、また、芯金3
は必ずしも必要ではない。芯金3を用いないで成形した
場合には、中空体17内へ樹脂磁石材料を注入すること
により、注入された樹脂磁石材料は各端部位5,6の中
央部に形成された穴に充満される。すなわち、各端部位
5,6の穴はそれぞれ軸部形成用穴として作用し、樹脂
磁石材料からなる軸が一体成形されたマグネットローラ
が成形される。また、図16に示すように、中空体のパ
イプとして、断面形状が非円形状、例えば内方へV字状
に突出する形状を有するパイプ29やその他種々の形状
のパイプを用いてもよく、この場合、同一の金型で種々
の外形状のマグネットローラDを成形できる。図17
は、図16に示した中空体により成形された成形品の着
磁状態を示すものである。
【0034】(第2実施例)図18および図19に示す
ように、本実施例のマグネットローラの成形に使用する
金型の可動型32には、3つの非磁性体41,42,4
3が環状にそれぞれ埋設されている。各非磁性体41,
42,43間には永久磁石47,48がそれぞれ埋設さ
れ、2つの永久磁石47,48の極性は互いに反対にな
っている。また、金型の固定型33にも、3つの非磁性
体44,45,46が環状にそれぞれ埋設されている。
各非磁性体44,45,46間には永久磁石49,50
がそれぞれ埋設され、2つの永久磁石49,50の極性
は互いに反対になっている。2つの永久磁石47,50
は磁極対の起磁極となっており、残る2つの永久磁石4
8,49は終磁極となっている。各永久磁石47,4
8,49,50はキャビティ38の周囲位置にそれぞれ
配置され、可動型32、固定型33、各非磁性体41〜
46および各永久磁石47〜50によりキャビティ38
が形成されており、該キャビティ38には、非磁性体4
5に形成された孔45aを介してランナ39が連通され
ている。以上の説明から明らかなように、本実施例で
は、複数の磁極付与部は各永久磁石47,48,49,
50で構成される。
ように、本実施例のマグネットローラの成形に使用する
金型の可動型32には、3つの非磁性体41,42,4
3が環状にそれぞれ埋設されている。各非磁性体41,
42,43間には永久磁石47,48がそれぞれ埋設さ
れ、2つの永久磁石47,48の極性は互いに反対にな
っている。また、金型の固定型33にも、3つの非磁性
体44,45,46が環状にそれぞれ埋設されている。
各非磁性体44,45,46間には永久磁石49,50
がそれぞれ埋設され、2つの永久磁石49,50の極性
は互いに反対になっている。2つの永久磁石47,50
は磁極対の起磁極となっており、残る2つの永久磁石4
8,49は終磁極となっている。各永久磁石47,4
8,49,50はキャビティ38の周囲位置にそれぞれ
配置され、可動型32、固定型33、各非磁性体41〜
46および各永久磁石47〜50によりキャビティ38
が形成されており、該キャビティ38には、非磁性体4
5に形成された孔45aを介してランナ39が連通され
ている。以上の説明から明らかなように、本実施例で
は、複数の磁極付与部は各永久磁石47,48,49,
50で構成される。
【0035】パイプ35や両端部位36,37等からな
る第1の中空体17bは第1実施例における第1の中空
体と同一構成であり、図21および図22に示す、パイ
プ35aや両端部位36a,37a等からなる第2の中
空体17cは、第1実施例における第2の中空体と同一
構成である。また、第1実施例と同様に、前記第1およ
び第2の中空体17b,17cの他にも、キャビティ3
8の形状と合致する外形状をそれぞれ有し、内径が互い
に相異なる複数の中空体(不図示)を準備しておく。そ
の他の構成は第1実施例の構成と同一である。
る第1の中空体17bは第1実施例における第1の中空
体と同一構成であり、図21および図22に示す、パイ
プ35aや両端部位36a,37a等からなる第2の中
空体17cは、第1実施例における第2の中空体と同一
構成である。また、第1実施例と同様に、前記第1およ
び第2の中空体17b,17cの他にも、キャビティ3
8の形状と合致する外形状をそれぞれ有し、内径が互い
に相異なる複数の中空体(不図示)を準備しておく。そ
の他の構成は第1実施例の構成と同一である。
【0036】次に、本実施例のマグネットローラの成形
方法について説明する。
方法について説明する。
【0037】図18および図19に示したように、先
ず、金型を型閉じすることにより、予め予熱しておいた
第1の中空体17bをキャビティ8内に装着した後、金
型を型締する。強磁性体粉末とバインダーからなる予め
溶融した樹脂磁石材料を、図示しない射出成形機のノズ
ルよりランナ39、非磁性体45の前記孔45aおよび
2つの切欠52、53(図23参照)を順次介して第1
の中空体17b内に射出注入して、第1の中空体17b
内を樹脂磁石材料40で充満させる。すると、各永久磁
石47,48,49,50の配向用磁力線によって樹脂
磁石材料40中の強磁性体粉末が配向される。射出注入
後、約10秒間の保圧工程を行い、直ちに金型を型開き
して、図20に示すように、第1の中空体17bを金型
より取り外し、ゲートカッタ機(不図示)によりランナ
部54を切除した。
ず、金型を型閉じすることにより、予め予熱しておいた
第1の中空体17bをキャビティ8内に装着した後、金
型を型締する。強磁性体粉末とバインダーからなる予め
溶融した樹脂磁石材料を、図示しない射出成形機のノズ
ルよりランナ39、非磁性体45の前記孔45aおよび
2つの切欠52、53(図23参照)を順次介して第1
の中空体17b内に射出注入して、第1の中空体17b
内を樹脂磁石材料40で充満させる。すると、各永久磁
石47,48,49,50の配向用磁力線によって樹脂
磁石材料40中の強磁性体粉末が配向される。射出注入
後、約10秒間の保圧工程を行い、直ちに金型を型開き
して、図20に示すように、第1の中空体17bを金型
より取り外し、ゲートカッタ機(不図示)によりランナ
部54を切除した。
【0038】ついで、図21および図22に示すよう
に、金型を型閉じすることにより、予め予備加熱してお
いた第2の中空体17cをキャビティ38内に装着した
後、金型を型締する。予め溶融した樹脂磁石材料を、上
記射出注入と同様に、第2の中空体17c内に射出注入
して、第2の中空体17c内を樹脂磁石材料40aで充
満させると、同様に該樹脂磁石材料40a中の強磁性体
粉末が配向される。
に、金型を型閉じすることにより、予め予備加熱してお
いた第2の中空体17cをキャビティ38内に装着した
後、金型を型締する。予め溶融した樹脂磁石材料を、上
記射出注入と同様に、第2の中空体17c内に射出注入
して、第2の中空体17c内を樹脂磁石材料40aで充
満させると、同様に該樹脂磁石材料40a中の強磁性体
粉末が配向される。
【0039】保圧後、直ちに金型を型開きして、第2の
中空体17cを金型より取り出すとともに、この間、図
23に示すように、第1の中空体17b内の樹脂磁石材
料40の冷却が進行し、該樹脂磁石材料40の冷却収縮
により、成形品とパイプ35との間に隙間51が生じ
る。第1の中空体17bを金型より取り出してから約5
分経過後、第1の中空体17bの2つの端部位36,3
7をパイプ35より分離し、成形品をパイプ35より引
抜いて取り出す。最後に、成形品の、前記ランナ部54
(図20参照)を切除した部位に研削加工を施すと、図
24および図25に示すような、芯金34と樹脂磁石材
料で形成されたローラ部55とが一体で、外径20mm、
長さ200mmのマグネットローラEが得られる。このマ
グネットローラEの表面磁束密度の分布は図12中実線
で示した様になっている。
中空体17cを金型より取り出すとともに、この間、図
23に示すように、第1の中空体17b内の樹脂磁石材
料40の冷却が進行し、該樹脂磁石材料40の冷却収縮
により、成形品とパイプ35との間に隙間51が生じ
る。第1の中空体17bを金型より取り出してから約5
分経過後、第1の中空体17bの2つの端部位36,3
7をパイプ35より分離し、成形品をパイプ35より引
抜いて取り出す。最後に、成形品の、前記ランナ部54
(図20参照)を切除した部位に研削加工を施すと、図
24および図25に示すような、芯金34と樹脂磁石材
料で形成されたローラ部55とが一体で、外径20mm、
長さ200mmのマグネットローラEが得られる。このマ
グネットローラEの表面磁束密度の分布は図12中実線
で示した様になっている。
【0040】さらに、上述した各工程と同様な工程を順
次行って、第1および第2の中空体17b,17cを含
む複数の中空体内への樹脂磁石材料の射出注入を順次行
うことにより、複数の成形品を効率良く連続的に成形で
きる。
次行って、第1および第2の中空体17b,17cを含
む複数の中空体内への樹脂磁石材料の射出注入を順次行
うことにより、複数の成形品を効率良く連続的に成形で
きる。
【0041】第2の中空体17cにより成形された、外
径14mm、長さ200mmのマグネットローラの表面磁束
密度の分布は、図12中破線で示す様になり、このマグ
ネットローラは前記マグネットローラEよりも小径とな
っているため、各永久磁石47,48,49,50間
の、第2の中空体17cの中空部を通過する磁束量が第
1の中空体17bにおけるそれと異なり、その表面磁束
密度の分布および強度はマグネットローラEのそれらと
比較して異なっている。
径14mm、長さ200mmのマグネットローラの表面磁束
密度の分布は、図12中破線で示す様になり、このマグ
ネットローラは前記マグネットローラEよりも小径とな
っているため、各永久磁石47,48,49,50間
の、第2の中空体17cの中空部を通過する磁束量が第
1の中空体17bにおけるそれと異なり、その表面磁束
密度の分布および強度はマグネットローラEのそれらと
比較して異なっている。
【0042】本実施例において、内径が互いに等しい同
一構造の複数の中空体を用いてもよく、また、芯金は必
ずしも必要でなく、樹脂磁石材料による軸一体成形のマ
グネットローラを成形してもよい。
一構造の複数の中空体を用いてもよく、また、芯金は必
ずしも必要でなく、樹脂磁石材料による軸一体成形のマ
グネットローラを成形してもよい。
【0043】(第3実施例)図26および図27に示す
ように、本実施例は、芯金を用いず、また複数の中空体
を予め準備しておくものであるが、そのうち1つの第1
の中空体17dの中空部の中心軸線が外形状の中心軸線
に対して偏心し、肉厚が周方向に連続的かつ対称的に異
なるものである。他の中空体(不図示)はそれぞれ内厚
が均一なものである。この第1の中空体17dをキャビ
ティ38内に装着すると、その中空部の中心軸線はキャ
ビティ38の中心軸線に対して偏心する。これにより、
第1の中空体17dにおける、永久磁石47,48,4
9,50間の中空部を通過する磁束量を、他の中空体に
おけるそれと異ならしめることができる。前記第1の中
空体17dにより成形されたマグネットローラの表面磁
束密度の分布は図15に示した様になる。その他の構成
は第2実施例の構成と同一である。
ように、本実施例は、芯金を用いず、また複数の中空体
を予め準備しておくものであるが、そのうち1つの第1
の中空体17dの中空部の中心軸線が外形状の中心軸線
に対して偏心し、肉厚が周方向に連続的かつ対称的に異
なるものである。他の中空体(不図示)はそれぞれ内厚
が均一なものである。この第1の中空体17dをキャビ
ティ38内に装着すると、その中空部の中心軸線はキャ
ビティ38の中心軸線に対して偏心する。これにより、
第1の中空体17dにおける、永久磁石47,48,4
9,50間の中空部を通過する磁束量を、他の中空体に
おけるそれと異ならしめることができる。前記第1の中
空体17dにより成形されたマグネットローラの表面磁
束密度の分布は図15に示した様になる。その他の構成
は第2実施例の構成と同一である。
【0044】本実施例のマグネットローラの成形方法の
各工程は第2実施例の各工程とそれぞれ同様であるの
で、それらの説明は省略する。本実施例において、芯金
を用いる軸インサート成形としてもよく、また、第1の
中空体17dの他の複数の中空体として、その肉厚が周
方向において異なるものを使用してもよい。
各工程は第2実施例の各工程とそれぞれ同様であるの
で、それらの説明は省略する。本実施例において、芯金
を用いる軸インサート成形としてもよく、また、第1の
中空体17dの他の複数の中空体として、その肉厚が周
方向において異なるものを使用してもよい。
【0045】上述した第2および第3実施例において、
図28に示すように、中空体のパイプとして、断面形状
が、例えば内方へV字状に突出する形状を有するパイプ
69やその他種々の形状を有するパイプを用いてもよ
く、この場合、同一の金型で種々の外形状のマグネット
ローラを成形できるが、図示のように、その外形状に対
応して永久磁石65,66,67の個数および配置を図
11に示したものに対して変更してもよい。
図28に示すように、中空体のパイプとして、断面形状
が、例えば内方へV字状に突出する形状を有するパイプ
69やその他種々の形状を有するパイプを用いてもよ
く、この場合、同一の金型で種々の外形状のマグネット
ローラを成形できるが、図示のように、その外形状に対
応して永久磁石65,66,67の個数および配置を図
11に示したものに対して変更してもよい。
【0046】上述した各実施例において、中空体とし
て、第1および第2の中空体の2個のみを準備しておい
てもよい。
て、第1および第2の中空体の2個のみを準備しておい
てもよい。
【0047】
【発明の効果】本発明は、以上説明したとおり構成され
ているので、以下に記載するような効果を奏する。
ているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0048】請求項1および4に記載の発明は、樹脂磁
石材料は金型のキャビティ内に配置された中空体内に注
入されるので、側面にバリが発生するのを防止すること
ができる。その結果、磁気特性が悪化せず、マグネット
ローラを画像形成装置の磁気ブラシ現像ローラとして用
いた場合の画質低下を防止できる。また、バリが防止さ
れることにより、金型のパーティング面のつぶれや摩耗
が進行しにくくなり、金型の寿命が著しく高まる。さら
に、樹脂磁石材料が冷却固化される前に中空体が金型か
ら取り出されるので、樹脂磁石材料が冷却固化する前に
次の成形に取り掛かることができ、一連の成形サイクル
タイムを短縮することができる。
石材料は金型のキャビティ内に配置された中空体内に注
入されるので、側面にバリが発生するのを防止すること
ができる。その結果、磁気特性が悪化せず、マグネット
ローラを画像形成装置の磁気ブラシ現像ローラとして用
いた場合の画質低下を防止できる。また、バリが防止さ
れることにより、金型のパーティング面のつぶれや摩耗
が進行しにくくなり、金型の寿命が著しく高まる。さら
に、樹脂磁石材料が冷却固化される前に中空体が金型か
ら取り出されるので、樹脂磁石材料が冷却固化する前に
次の成形に取り掛かることができ、一連の成形サイクル
タイムを短縮することができる。
【0049】請求項3および5に記載の発明は、内形状
の中心軸線が外形状の中心軸線に対して偏心した中空体
を用いて金型内で着磁を行ったり、あるいは、中空体か
ら取り出した樹脂磁石材料に着磁を行う際、着磁器内
に、各磁極付与部との距離を異ならせて配置すること
で、フル着磁の状態で、容易に表面磁束密度の強度およ
び分布を変化させることができる。
の中心軸線が外形状の中心軸線に対して偏心した中空体
を用いて金型内で着磁を行ったり、あるいは、中空体か
ら取り出した樹脂磁石材料に着磁を行う際、着磁器内
に、各磁極付与部との距離を異ならせて配置すること
で、フル着磁の状態で、容易に表面磁束密度の強度およ
び分布を変化させることができる。
【0050】さらに、上記各効果に加え、請求項6に記
載の発明は断面が非円形断面のマグネットローラを得る
ことができ、請求項7に記載の発明は、樹脂磁石材料に
よる軸一体成形のマグネットローラを得ることができ
る。
載の発明は断面が非円形断面のマグネットローラを得る
ことができ、請求項7に記載の発明は、樹脂磁石材料に
よる軸一体成形のマグネットローラを得ることができ
る。
【図1】本発明の第1実施例のマグネットローラを成形
するのに使用する金型や第1の中空体等からなる成形装
置の縦断面図である。
するのに使用する金型や第1の中空体等からなる成形装
置の縦断面図である。
【図2】図1の横断面図である。
【図3】図1および図2に示した第1の中空体を金型よ
り取り外した状態を示す図である。
り取り外した状態を示す図である。
【図4】本実施例に使用する金型や第2の中空体の縦断
面図である。
面図である。
【図5】図4の横断面図である。
【図6】図3に示した第1の中空体を分離して成形品を
取り外した状態を示す縦断面図である。
取り外した状態を示す縦断面図である。
【図7】図6に示した成形品の正面図である。
【図8】図7に示した成形品を着磁器に装着した状態の
横断面図である。
横断面図である。
【図9】図7に示した成形品の着磁後の横断面図であ
る。
る。
【図10】本実施例における第2の中空体により成形し
た成形品を着磁器に装着した状態の横断面図である。
た成形品を着磁器に装着した状態の横断面図である。
【図11】図10に示した成形品の着磁後の横断面図で
ある。
ある。
【図12】図9および図11にそれぞれ示したマグネッ
トローラの表面磁束密度の分布を示すグラフである。
トローラの表面磁束密度の分布を示すグラフである。
【図13】本実施例において、成形品を着磁器に偏心さ
せて装着した状態の横断面図である。
せて装着した状態の横断面図である。
【図14】図13に示した成形品の着磁後の横断面図で
ある。
ある。
【図15】図14に示したマグネットローラの表面磁束
密度の分布を示すグラフである。
密度の分布を示すグラフである。
【図16】第1実施例の変形例を示し、金型と中空体の
横断面図である。
横断面図である。
【図17】図16に示した成形品の着磁後の横断面図で
ある。
ある。
【図18】本発明の第2実施例のマグネットローラの成
形に使用する金型や第1の中空体等からなる成形装置の
縦断面図である。
形に使用する金型や第1の中空体等からなる成形装置の
縦断面図である。
【図19】図18の横断面図である。
【図20】図18および図19に示した第1の中空体を
金型より取り外した状態を示す縦断面図である。
金型より取り外した状態を示す縦断面図である。
【図21】本実施例に使用する金型や第2の中空体の縦
断面図である。
断面図である。
【図22】図21の横断面図である。
【図23】図20に示した第1の中空体を分離して成形
品を取り外した状態を示す縦断面図である。
品を取り外した状態を示す縦断面図である。
【図24】図23に示した成形品の正面図である。
【図25】図24の横断面図である。
【図26】本発明の第3実施例のマグネットローラの成
形に使用する金型や第1の中空体等からなる成形装置の
縦断面図である。
形に使用する金型や第1の中空体等からなる成形装置の
縦断面図である。
【図27】図26の横断面図である。
【図28】第2および第3実施例の変形例で、金型や中
空体の横断面図である。
空体の横断面図である。
A,B,C,D,E マグネットローラ 1,32 可動型 2,33 固定型 3,18,27,34,34a 芯金 4,20,29,35,35a,59,69 パイプ 5,6,21,22,36,37,36a,37a,5
7,58 端部位 7,39 ランナ 8,38,70 キャビティ 9,23,40,40a 樹脂磁石材料 10,11,52,53 切欠 12,51 隙間 13,54 ランナ部 14,24,55 ローラ部 15,25 ヨーク 15a,15b,15c,15d,25a,25b,2
5c,25d 突出部 16a,16b,16c,16d,26a,26b,2
6c,26d コイル 17,17b,17d 第1の中空体 17a,17c 第2の中空体 17e 中空体 41,42,43,44,45,46,60,61,6
2,63,64,65,66 非磁性体 47,48,49,50,65,66,67 永久磁
石 45a 孔
7,58 端部位 7,39 ランナ 8,38,70 キャビティ 9,23,40,40a 樹脂磁石材料 10,11,52,53 切欠 12,51 隙間 13,54 ランナ部 14,24,55 ローラ部 15,25 ヨーク 15a,15b,15c,15d,25a,25b,2
5c,25d 突出部 16a,16b,16c,16d,26a,26b,2
6c,26d コイル 17,17b,17d 第1の中空体 17a,17c 第2の中空体 17e 中空体 41,42,43,44,45,46,60,61,6
2,63,64,65,66 非磁性体 47,48,49,50,65,66,67 永久磁
石 45a 孔
Claims (7)
- 【請求項1】 金型の固定型と可動型とを型閉じするこ
とによって形成されるキャビティ内に、成形すべきマグ
ネットローラの外形状と合致する内形状を有する中空体
を配置し、前記中空体内に溶融した樹脂磁石材料を注入
し、前記樹脂磁石材料を冷却固化させて得られるマグネ
ットローラであって、 前記中空体内への樹脂磁石材料の注入後、注入された樹
脂磁石材料が前記中空体内で冷却固化する間に、前記中
空体の外側から磁力線が印加されて複数の磁極が着磁さ
れるとともに前記金型から前記中空体が取り出され、前
記樹脂磁石材料の冷却固化後に前記中空体から取り出さ
れたことを特徴とするマグネットローラ。 - 【請求項2】 前記金型は前記キャビティの周囲に複数
の磁極付与部を有し、前記複数の磁極付与部により前記
磁力線が印加された請求項1に記載のマグネットロー
ラ。 - 【請求項3】 前記中空体は、内形状の中心軸線が外形
状の中心軸線に対して偏心している請求項1または2に
記載のマグネットローラ。 - 【請求項4】 金型の固定型と可動型とを型閉じするこ
とによって形成されるキャビティ内に、成形すべきマグ
ネットローラの外形状と合致する内形状を有する中空体
を配置し、前記中空体内に溶融した樹脂磁石材料を注入
し、前記樹脂磁石材料を冷却固化させて得られるマグネ
ットローラであって、 前記中空体内への樹脂磁石材料の注入後、注入された樹
脂磁石材料が前記中空体内で冷却固化する間に、前記金
型から前記中空体が取り出され、前記樹脂磁石材料の冷
却固化後に前記中空体から取り出され、その後、複数の
磁極付与部を有する着磁器内に配置されて外側から磁力
線が印加され、複数の磁極が着磁されたことを特徴とす
るマグネットローラ。 - 【請求項5】 前記複数の磁極付与部との距離を異なら
せて前記着磁器内に配置されて、前記複数の磁極が着磁
された請求項4に記載のマグネットローラ。 - 【請求項6】 前記中空体の内形状が非円形断面である
請求項1ないし5のいずれか1項に記載のマグネットロ
ーラ。 - 【請求項7】 前記中空体は、軸線方向の両端部に、少
なくとも一方が前記中空体に対して分離可能で、かつ、
それぞれ前記中空体の内形状の中心軸線上に軸部形成用
穴が形成された端部材を有し、 前記端部材が取り付けられた状態で、前記中空体が前記
金型のキャビティ内に配置される請求項1ないし5のい
ずれか1項に記載のマグネットローラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7489095A JP2656009B2 (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | マグネットローラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7489095A JP2656009B2 (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | マグネットローラ |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11791791A Division JP2655949B2 (ja) | 1991-04-23 | 1991-04-23 | マグネットローラの成形方法およびその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07263217A JPH07263217A (ja) | 1995-10-13 |
JP2656009B2 true JP2656009B2 (ja) | 1997-09-24 |
Family
ID=13560428
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7489095A Expired - Fee Related JP2656009B2 (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | マグネットローラ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2656009B2 (ja) |
-
1995
- 1995-03-31 JP JP7489095A patent/JP2656009B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07263217A (ja) | 1995-10-13 |
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