JP2654924B2 - 弾球遊技機の可変入賞球装置 - Google Patents

弾球遊技機の可変入賞球装置

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JP2654924B2
JP2654924B2 JP6293915A JP29391594A JP2654924B2 JP 2654924 B2 JP2654924 B2 JP 2654924B2 JP 6293915 A JP6293915 A JP 6293915A JP 29391594 A JP29391594 A JP 29391594A JP 2654924 B2 JP2654924 B2 JP 2654924B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電気的駆動源たるソ
レノイドによって駆動される可動部材を有する弾球遊技
機の可変入賞球装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、パチンコ玉を弾発して遊技するパ
チンコ遊技機やアレンジ式パチンコ遊技機等の弾球遊技
機においては、遊技領域と入賞空間とを区画する可動部
材を備えた可変入賞球装置が数多く提供されている。こ
のような可変入賞球装置の典型的なものとして、可動部
材として一対の開閉翼片を設け、該開閉翼片によって導
かれた入賞玉が比較的広い入賞空間内で落下方向を変え
ながら流下して、入賞空間の下方に設けられ、且つ付与
される価値の異なる複数の入賞口のいずれかに入賞する
ようにした可変入賞球装置が挙げられる。
【0003】上記のような可変入賞球装置は、前記一対
の開閉翼片がほぼ水平方向に開成して打玉を受け入れる
第1の状態とほぼ垂直方向に起立閉成して打玉を受け入
れない第2の状態とを相対的に短い時間間隔で繰り返し
開閉動作するようになっており、開閉翼片が第1の状態
となったときに受け入れられた入賞玉が上記の複数の入
賞口のうち、予め設定された特定入賞口に入賞すると特
定遊技状態となり、開閉翼片が予め定められた条件(一
般に、開閉翼片の18回の開閉動作または10個の入賞
玉があるまで;以下開閉サイクルという)が成立するま
で、あるいは再度特定入賞口に入賞玉があるまで遊技者
に有利な状態を維持し、しかもそのような状態を特定入
賞口に入賞玉がある限り数回(例えば、8回)繰り返す
ことができるようにして多量の景品玉を獲得するチャン
スを与えるようにしていた。
【0004】ところで、上記した従来の可変入賞球装置
にあっては、開閉翼片の回転中心となる回動軸が開閉翼
片の後方に延設されており、その回動軸の後端に固着さ
れるリンク部材とソレノイドのプランジャとを連結し
て、ソレノイドの上下動作を開閉翼片の回転動作に変更
するようになっていた。そして、開閉翼片の回動軸は、
比較的広い入賞空間の後方よりさらに後方に延設される
と共に、これを回動自在に軸支する軸受部材も、極めて
長い1本の軸受筒を可変入賞球装置を遊技盤の表面に取
り付けるための取付基板の両サイド後方に延設されるよ
うに一体的に形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した可変入賞球装
置の取付基板及び軸受筒は、合成樹脂によって一体的に
成型されるが、開閉翼片の軸受筒が前後方向に長い長尺
状となっているため、成型後の熱変化により変形した
り、あるいは長期間に亘る応力により変形したりして、
回動軸の正常な回動動作が妨げられるという欠点があっ
た。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、そ
の目的とするところは、開閉翼片等の可動部材の長期間
に亘る安定的な回動動作を確保することができる弾球遊
技機の可変入賞球装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した目的
を達成するために、弾球遊技機の遊技盤に設けられる可
変入賞球装置において、該可変入賞球装置は、遊技者に
とって有利な第1の状態と遊技者にとって不利な第2の
状態とに変化可能な可動部材と、該可動部材の回転中心
を構成すると共に後方に延設される回動軸と、該回動軸
の後端に固着され且つソレノイドのプランジャの移動動
作を可動部材の開閉動作に変更するリンク部材と、を備
え、前記回動軸は、前後に分離した2つの短尺な軸受筒
に挿通されると共に、その前方の軸受筒の前端部と後方
の軸受筒の後端部とに当接する鍔部によって筒内に侵入
しないように嵌入される前後2つの軸受部材で支持され
一方、前記軸受筒を可変入賞球装置を構成する別々の
部材と一体的に形成されていることを特徴とするもので
ある。
【0007】
【作用】回動軸を前後2つの短尺な軸受筒に挿通してそ
の前後端に嵌入される軸受部材で支持すると共に、前記
軸受筒を可変入賞球装置を構成する別々の部材に設けた
ので、軸受筒の成型後における変形及び長期間に亘る応
力変形を最小限に抑えることができると共に、軸受筒に
僅かな変形が生じていても軸受筒の前後端に嵌入される
軸受部材で回動軸が支持されるため、長期間に亘って回
動軸、引いては可動部材の安定的な回動動作を確保する
ことができる。
【0008】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の実施例に
ついて説明する。まず、実施例に係る可変入賞球装置が
適用される弾球遊技機について説明する。図10は、弾
球遊技機の一例としてのパチンコ遊技機を示す正面図で
ある。図において、パチンコ遊技機1の額縁状に形成さ
れた前面枠2の開口には、金枠3が周設され、該金枠3
の一側にガラスを収納するガラス扉枠4および前面板5
が開閉自在に枢着される。前記前面枠2の裏面には、遊
技盤6および図示しない発射レール等を取り付ける中枠
7(図11参照)が固着される。遊技盤6は、中枠7に
対して着脱自在に取り付けられるとともに、その表面に
弾発されたパチンコ玉を遊技領域8に導く誘導レール
9、図示しない多数の障害釘、各種の入賞球装置等が設
けられている。より詳しく説明すると、遊技盤6の遊技
領域8には、通常入賞口52,10a,10b、始動入
賞口11,12a,12b、チューリップ式入賞口13
a,13b、風車14a〜14f、可動部材としての開
閉翼片53a,53bを有する可変入賞球装置50、特
定遊技状態報知ランプ15a,15b、およびアウト口
16等がそれぞれ配設される。
【0009】前記遊技領域8に打ち込まれたパチンコ玉
が前記通常入賞口52,10a,10b、およびチュー
リップ式入賞口13a,13bに入賞すると、後述する
景品玉払出装置42により所定個数(例えば13個)の
景品玉が払出されるようになっている。これら通常入賞
口のうち52は、可変入賞球装置50に設けられてい
る。また、前記始動入賞口11,12a,12bにパチ
ンコ玉が入賞すると、同様に景品玉払出装置42から所
定個数の景品玉が払出されるとともに、始動入賞口1
1,12a,12bに関連して設けられた後述する始動
入賞玉検出スイッチ31,32a,32bの検出出力に
応答して前記可変入賞球装置50の開閉翼片53a,5
3bを相対的に短い時間間隔で開閉動作させるようにな
っている。すなわち、始動入賞口11にパチンコ玉が入
賞することによって、開閉翼片53a,53bが2回開
閉動作を行い、始動入賞口12a,12bにパチンコ玉
が入賞することによって、開閉翼片53a,53bが1
回開閉動作を行う。そして、この開閉動作中に開閉翼片
53a,53bによって導かれた入賞玉が可変入賞球装
置50内に設けられた後述する特定入賞口63aに入賞
したときには、いわゆる特定遊技状態となり、前記特定
遊技状態報知ランプ15a,15bが点滅してその旨を
遊技者に報知するようになっている。なお、可変入賞球
装置50については、後に詳細に説明する。また、開閉
翼片53a,53bの開閉動作を開始するものとして、
前記した始動入賞口11,12a,12bに限らず、た
とえば遊技盤6上のある領域を打球が通過したときやア
ウト玉が所定個数になったときでも良い。また、前記風
車14a〜14fのうち風車14a,14bは、いわゆ
るランプ付き風車といわれるもので、この実施例の場合
には、前記した特定遊技状態になると、前記特定遊技状
態報知ランプ15a,15bとともに点灯あるいは点滅
するようになっている。上記に説明した各種の入賞球装
置に入らなかったパチンコ玉は、誘導レール9の最下部
に設けられたアウト口16に取り込まれる。
【0010】前記前面板5には、打球供給皿17が取り
付けられている。打球供給皿17の上流側には景品玉払
出装置42から排出された景品玉が流出する景品玉出口
18が、下流側には貯溜されたパチンコ玉を1個宛打球
発射レール(図示しない)の発射位置に導く供給口(図
示しない)がそれぞれ形成されている。また、打球供給
皿17の景品玉出口18の下方の空間内に音声発生装置
としてのスピーカー19が収納されている。このスピー
カー19は、特定遊技状態になったときや始動入賞口1
1,12a,12bや特定入賞口63a等に入賞玉が入
賞したときに、遊技の雰囲気を盛り上げるための効果音
を発生するためのものである。
【0011】前記前面枠2の下部には、パチンコ玉を遊
技領域8に打ち出す打球発射機構20の一部を構成する
操作ハンドル21と、余剰の景品玉を貯溜する余剰景品
玉受皿26とが取り付けられている。余剰景品玉受皿2
6の後面には、余剰玉が放出される余剰玉出口27が形
成されている。前記前面枠2の上部には、特定遊技状態
になったときに、主として遊技場の店員にその旨を報知
する枠ランプ28a,28bが設けられている。
【0012】次に、図11に基づいてパチンコ遊技機1
の背面について説明する。図11は、パチンコ遊技機1
の背面概略図である。図において、前記中枠7に対して
前記遊技盤6が遊技盤固定具29a〜29cによって着
脱自在に固定されている。この遊技盤6の裏面には、前
記の各入賞口の裏面を覆うように入賞玉通路カバー体3
0が取り付けられている。この入賞玉通路カバー体30
には、前記各入賞口に入賞した玉を左右に振り分ける誘
導通路が形成されている。入賞玉通路カバー体30の下
方には、前記始動入賞口11,12a,12bに対応す
る始動入賞玉検出スイッチ31,32a,32bが設け
られ、この始動入賞玉検出スイッチ31,32a,32
bが打玉の入賞を検出して前記可変入賞球装置50の開
閉翼片53a,53bの開閉動作を開始する信号を導出
させて後述する制御回路に送るものである。また、入賞
玉通路カバー体30の中央下部には、前記可変入賞球装
置50によって導かれた入賞玉を誘導する誘導径路33
が形成されるが、ここには、後に詳述する特定入賞玉検
出スイッチ(V入賞玉検出スイッチ)34および10カ
ウント検出スイッチ35が設けられて、可変入賞球装置
50に入賞した入賞玉からの信号を制御回路に送ってい
る。
【0013】一方、遊技盤6の裏面全体を覆うように機
構板(図示しない)が開閉自在に設けられている。この
機構板には、図11において、一点鎖線で示すように、
その前面側に入賞玉を処理するための入賞玉処理機構が
形成され、その後面側に景品玉を払出すための景品玉払
出機構が形成されている。入賞玉処理機構は、前記入賞
玉通路カバー体30に誘導されて左右に落下した入賞玉
や前記可変入賞球装置50内に入賞した入賞玉を受け
て、一側に集合せしめる集合樋36と、該集合樋36に
よって集められた入賞玉を1個づつ処理する入賞玉処理
器37と、該入賞玉処理器37から排出される入賞玉を
受けて、図示しない自動杆を作動させて後述する景品玉
払出装置42を作動させるための入賞玉通路38等から
成る。また、景品玉払出機構は、図示しない補給機構か
ら補給される景品玉を貯溜する景品玉タンク39と、該
景品玉タンク39に貯溜されている景品玉を二列に整列
させて流下させる景品玉整列樋40と、該景品玉整列樋
40からの景品玉の流下方向を180度変化させるとと
もにその玉圧を弱めるカーブ樋41と、該カーブ樋41
からの景品玉を所定個数(13個)受け入れて、1つの
入賞玉に対応してその所定個数の景品玉を払出す景品玉
払出装置42と、該景品玉払出装置42から払出された
景品玉を図示しない景品玉排出通路を介して前記打球供
給皿17に払出すための景品玉連絡開口43と、から成
る。なお、前記入賞玉通路カバー体30の裏面には、中
継基板44が取り付けられ、図示しない機構板に取り付
けられた制御回路基板からの配線および前記した各種入
賞装置や検出スイッチ等からの配線が取り付けられるよ
うになっている。また、図示しない制御回路基板には、
パチンコ遊技機1全体を制御する制御回路が含まれてい
る。
【0014】前記前面枠2の下部裏面には、前記打球発
射機構20の一部を構成する駆動装置が固着される。こ
の駆動装置は、セット基板22上に、一定速度で回転す
る打球モータ23と、該打球モータ23と係合して打球
を弾発する打球杆24と、該打球杆24の下端と係合し
て図示しない打球供給装置の玉送り片を動作せしめる玉
送り作動部材25とから成る。更に、セット基板22に
隣接する前面枠2の下部裏面には、図示しない余剰玉排
出通路を介して余剰の景品玉を前記余剰景品玉受皿26
に導くための接続樋45が取り付けられている。
【0015】次に、図1ないし図9に基づいて、実施例
に係る可変入賞球装置について説明する。まず、可変入
賞球装置の全体の構成を主として図4および図5を参照
して説明する。図4は、可変入賞球装置50の正面図で
あり、図5は、全体を分解した分解斜視図である。図に
おいて、前記遊技盤6に取り付けられる取付基板51に
は、ほぼ長方形状の窓開口54が開設されている。この
窓開口54の上部開口縁に沿って、逆さ「コ」字状の入
賞規制部55が突出形成されており、該入賞規制部55
とその前面にビスで螺着される上部前面飾り板56とに
よって入賞規制部55の上辺に前記通常入賞口52が形
成されている。また、上部前面飾り板56には、開閉翼
片53a,53bの開閉サイクルの継続回数を表示する
7セグメントLED57や後述する入賞空間74の上部
を装飾する装飾用LED58が臨むようになっている。
【0016】前記取付基板51の前面下部には、前記窓
開口54の両側縁および下方縁を覆う「コ」字状の入賞
玉受枠59が突出形成されている。この入賞玉受枠59
の前面には、下部前面飾り板60が取付基板51に対し
てビスで螺着されている。下部前面飾り板60には、開
閉翼片53a,53bの後述する回動軸66a,66b
の前面を覆う軸カバー60a,60bが一体的に形成さ
れ、また、その中央に開閉翼片53a,53bから落下
する入賞玉を受けて後方へ跳ね返す傾斜板61が横臥さ
れている。
【0017】前記入賞玉受枠59の下辺には、前後方向
に一対の立壁62a,62bが立設され、該立壁62
a,62bによって区画される3つの領域が中央の特定
入賞口63aと左右の一般入賞口63b,63cとなっ
ている。そして、特定入賞口63aの大きさを規定する
特定入賞口形成部材64が立壁62a,62bの先端部
に対して着脱自在に取り付けられるようになっている。
すなわち、特定入賞口形成部材64に穿設された係合穴
64a,64bを立壁62a,62bの先端部に嵌入し
た後に前記下部前面飾り板60を取付基板51に螺着す
るするとともに下部前面飾り板60の前方からビスによ
って特定入賞口形成部材64を固定する。これにより、
特定入賞口形成部材64の取り替えを極めて簡単に行う
ことができる。なお、前記立壁62a,62bは、取付
基板51の窓開口54の開口縁に沿って後方へ突出形成
された後面周壁65部分まで立設されている。また、後
面周壁65は、後述する入賞空間74の側壁を構成する
ものであるが、一部分は切り欠けられており、その部分
には他の部材が充足されて全体として入賞空間74の側
壁を構成するようになっている。
【0018】前記入賞玉受枠59の上方には、開閉翼片
53a,53bが回動自在に軸支されている。開閉翼片
53a,53bには、回動軸66a,66bが、その前
方からビス67a,67bによって螺着されており、該
回動軸66a,66bが前記取付基板51と一体的に形
成された回動軸受筒68a,68bに挿通支持されてい
る。なお、回動軸受筒68a,68bの前後には、プラ
スチック製の軸受部材69a〜69d(69a,69b
は図示省略)が嵌入され(なお、正確には69b,69
dは、後述する後部軸受筒99a,99bの後端面に嵌
入される)、回動軸66a,66bを安定的に支持して
いる。
【0019】また、開閉翼片53a,53bの前面に
は、翼片装飾板70a,70bが回動自在に設けられ、
開閉翼片53a,53bの開閉動作に伴って傾動し装飾
効果を高めている。更に、前記取付基板51の中央左右
には、開閉翼片53a,53bの近傍を装飾するレンズ
状の装飾板71a,71bが嵌着され、その下方には、
開閉翼片53a,53bの1回の開閉サイクル中に前記
10カウント検出スイッチ35によって検出された入賞
玉数を表示する入賞玉数表示LED72a,72bが取
り付けられている。
【0020】以上説明した入賞規制部55と入賞玉受枠
59と開閉翼片53a,53bとによって、可変入賞球
装置50の後述する入賞空間74と前記遊技領域8とを
区画しており、入賞空間74に打玉が入賞するために
は、開閉翼片53a,53bが開閉動作をしなければな
らないようになっている。また、前記後面周壁65の後
部を被覆するように半透明のプラスチック板から成る裏
面構成板73が螺着される。そして、この裏面構成板7
3が入賞空間74の後面を構成するようになっている。
したがって、入賞空間74は、全体として前記した入賞
規制部55と入賞玉受枠59と開閉翼片53a,53b
と後面周壁65と裏面構成板73とによって構成されて
いる。入賞空間74は、開閉翼片53a,53bによっ
て誘導された入賞玉が流下する空間であるとともにその
入賞玉の流下状態に影響を与える複数の振分け部材8
0、100が配置される空間でもある。
【0021】まず、第1の振分け部材80について説明
する。第1の振分け部材80は、逆「L」字状に形成さ
れており、その上辺面が前記入賞空間74を上下方向に
区画し、かつ前記開閉翼片53a,53bによって受け
入れられた入賞玉を後方へ導く玉転動板部81を構成
し、その側辺面が摺動案内面82を構成し、該摺動案内
面82が入賞空間74の下方を前後方向に区画する仕切
部材84の前面と当接するようになっている。そして第
1の振分け部材80の中央後端部に連結ピン83が突設
され、後述する駆動源に連結されるようになっている。
一方、仕切部材84は、その後面ほぼ中央に突設された
取付ボス84aによって裏面構成板73に螺着され、そ
の下部にパチンコ玉が1個通過する程度の上下間隔を有
する一対の仕切板85a,85bが垂設されている。し
たがって、開閉翼片53a,53bによって誘導された
入賞玉は、玉転動板部81上を後方に向って転動し、該
玉転動板部81の左右後端から、玉転動板部81と裏面
構成板73との間隔である連通口86(図7および図9
参照)に落ち込み、仕切部材84の裏側を通って仕切板
85a,85bによって仕切られたいずれかの通路に誘
導され、その後、前記複数の入賞口63a〜63cへ向
けて流下するようになっている。なお、仕切板85a,
85bは後述する下部玉流路部76を3つの流路に区画
し、その3つの通路のうち左右の通路には、後述する第
2の振分け部材100が関連的に設けられている。
【0022】前記第1の振分け部材80の連結ピン83
は、裏面構成板73に縦方向に穿設された長穴75を貫
通して作動アーム87の一端に回転自在に連結されてい
る。この作動アーム87は、その他端が駆動モータ92
のモータ軸93に固定された回転カム88の偏心した位
置に立設された偏心ピン89と回転自在に係合され、駆
動モータ92の回転運動を上下方向の摺動運動に変換し
ている。このため、第1の振分け部材80は、駆動モー
タ92の回転により前記仕切部材84の前面に沿って上
下方向の摺動動作をすることとなる。そして、この実施
例では駆動モータ92は、特定遊技状態となって、開閉
翼片53a,53bの所定の開閉サイクル(18回の開
閉動作または10個の入賞玉の発生)が開始して、その
開閉サイクルの途中における予め定められた条件(例え
ば、9回の開閉動作または5個の入賞玉の発生)が達成
されたときに回転開始するようになっている。また、駆
動モータ92を停止させるために前記回転カム88の外
周の半円部分には、凸部90が突設され、この凸部90
が回転カム88の近傍に設けられたカムスイッチ94の
アクチュエータ95と当接するようになっている。すな
わち、通常の状態において駆動モータ92は、凸部90
とアクチュエータ95との当接が解除された直後に停止
しており、前記した予め定められた条件が達成されると
駆動モータ92が回転する。そして駆動モータ92が半
回転して凸部90とアクチュエータ95とが当接すると
駆動モータ92の回転が停止されるようになっている。
このとき、第1の振分け部材80は最も上昇した位置で
停止しているが、その後、開閉翼片53a,53bによ
って受け入れられた入賞玉が前記特定入賞口63aに入
賞したとき、または所定の開閉サイクルが終了したとき
に、再度駆動モータ92が回転開始して半回転後に停止
するようになっている。このとき第1の振分け部材80
は、最も下降した位置になっており、また凸部90とア
クチュエータ95とは、その当接が解除された直後の位
置、すなわち通常の位置に戻っている。なお、駆動モー
タ92は、モータ取付板91にビスにて螺着され、該モ
ータ取付板91は、前記裏面構成板73の後方に固定さ
れる駆動源取付枠96に取着される。
【0023】次に、第2の振分け部材100について説
明する。第2の振分け部材100は、一対の玉ストッパ
ー101a,101bによって構成される。玉ストッパ
ー101a,101bは、そのほぼ中央を軸ピン104
にて軸支され、該軸ピン104は、前記裏面構成板73
の下方に形成された軸受部77a,77bに軸支されて
いる。また、玉ストッパー101a,101bの先端部
には、パチンコ玉の流下を停止させる係止部102a,
102bが上向きに突設され、後端部には、当接ピン1
03a,103bが内側横向きに突設されている。そし
て、係止部102a,102bは、前記裏面構成板73
と一体的に形成された下部玉流路部76の左右先端部か
ら出没するように位置し、常には、自重で係止部102
a,102bが下部玉流路部76から退避した状態とな
っており、ある条件が成立した時点で前記当接ピン10
3a,103bが後述する摺動作動板105の作動によ
り押圧されたときに回動して係止部102a,102b
が下部玉流路部76より上方に突出して下部玉流路部7
6を流下する入賞玉を停止させるようになっている。な
お、係止部102a,102bが出没する範囲は、前記
仕切部材84の仕切板85a,85bによって区画され
る左右の通路部分であって、係止部材102a,102
bによって係止される入賞玉数は、各通路部分で数個
(図示の実施例では各2個づつ)であり、それ以上の入
賞玉は、仕切板85a,85bの後部から中央の通路に
溢れて下部玉流路部76から下部転動板76aに導か
れ、該下部転動板76aを通過して前記複数の入賞口6
3a〜63cのいずれかに誘導される。上記下部転動板
76aは、前記取付板51と一体的に形成され、かつ下
部玉流路部76に連続するように設けられ、その先端が
前記複数の入賞口63a〜63cに臨むように設けられ
ている。
【0024】また、前記当接ピン103a,103bと
当接する摺動作動板105は、逆さ「コ」字状に形成さ
れ、その上辺中央部分がソレノイド109のプランジャ
に連結されて上下動するようになっているとともにその
下端部が前記当接ピン103a,103bと当接する当
接部108a,108bとなっている。そしてソレノイ
ド109が励磁されて摺動作動板105が下降したとき
に当接部108a,108bと当接ピン103a,10
3bとが当接して玉ストッパー101a,101bを回
動させ、前記係止部102a,102bを突出させる。
一方、ソレノイド109が非励磁のときは、ソレノイド
109のプランジャに周設された付勢バネの付勢力によ
り摺動作動板105が上昇しているので当接部108
a,108bと当接ピン103a,103bとが当接す
ることなく、したがって、玉ストッパー101a,10
1bは自重により回動して係止部102a,102bが
退避した状態となる。なお、前記当接ピン103a,1
03bと前記摺動作動板105の当接部108a,10
8bとを係合するように構成しても良い。また、摺動作
動板105の左右辺には、装飾可動板110a,110
bを動作させるための係合長穴106a,106bと、
前記駆動源取付枠96の裏面に突設された案内ピン96
a,96bに嵌入されて摺動作動板105の上下方向の
摺動をガイドする案内溝107a,107bとが穿設さ
れている。前記装飾可動板110a,110bは、前記
裏面構成板73の前面であって、入賞空間74内で可動
することによって装飾効果を現出させるものであるが、
該装飾可動板110a,110bに後方に向って突設さ
れた回動軸111a,111b(ただし111aは図示
省略)は、裏面構成板73に穿設された回動軸挿通穴7
9e,79f(ただし79eは図示省略)、および駆動
源取付枠96に形成された軸受筒98a,98bを介し
てリンク部材112a,112b(ただし112aは図
示省略)に固定され、該リンク部材112a,112b
に突設された係合ピン113a,113b(ただし11
3aは図示省略)が前記係合長穴106a,106bに
係合して、摺動作動板105の上下動を装飾可動板11
0a,110bの回動動作に変換している。なお、回動
軸111a,111bの前後には、プラスチック製の軸
受部材114a〜114d(ただし114a,114b
は図示省略)が嵌入され、回動軸111a,111bを
安定的に支持している。また、装飾可動板110a,1
10bは、ソレノイド109が非励磁状態のとき図4に
示されるように入賞空間74内に設けられた被覆部材1
15a,115bに被覆されて遊技者からは見ることが
できず、ソレノイド109が励磁されたとき図6に示さ
れるように被覆部材115a,115bから飛び出して
遊技者が見ることができる。なお、第2の振分け部材1
00および装飾可動板110a,110bを作動させる
ソレノイド109は、取付板を介して前記駆動源取付枠
96の裏面に螺着されている。また、ソレノイド109
は、特定遊技状態となって所定の開閉サイクルが開始す
る際にONとされ、前記した予め定められた条件(9回
の開閉動作または5個の入賞玉が発生するまで)が達成
されること、あるいはその予め定められた条件が達成さ
れる前に特定入賞口63aに入賞玉が入賞することによ
ってOFFとなるように制御される。
【0025】前記した裏面構成板73には、上述した各
構成要素の他に、前記したレンズ状の装飾板71a,7
1bの後方に配置される装飾ランプ97a,97bを装
着するランプ挿通穴79a,79bや、開閉翼片53
a,53bの回動軸66a,66bが貫通される回動軸
挿通穴79c,79d(ただし79dは図示省略)が穿
設され、さらに可変入賞球装置50に設けられるランプ
や電気的駆動源等の配線を前記入賞玉通路カバー対30
に設けられた中継基板44を介して前記制御基板と結線
するための中継基板116と、該中継基板116を固定
する取付ボス78a,78b(ただし78aは図7参
照)が設けられている。
【0026】また、前記駆動源取付枠96には、前記し
た各構成要素の他に、裏面構成板73の裏面から入賞空
間74内を装飾する装飾ランプ97c〜97fが取り付
けられ、さらに前記開閉翼片53a,53bの回動軸6
6a,66bが挿通される後部軸受筒99a,99b
(ただし99aは図示省略)が形成されている。この後
部軸受筒99a,99bの後端には、前記軸受部材69
b,69dが嵌入されている。この実施例においては1
つの回動軸66aまたは66bを前後2つの軸受筒68
a,99aまたは68b,99bで軸受することによ
り、従来の前後方向に長い1つの軸受筒で軸受していた
ものと異ならせるようにしている。これは、従来の長尺
状の軸受筒が成型後の熱変化により変形したり、あるい
は長期間に亘る応力により変形したりして、回動軸の正
常な回動動作が妨げられるという欠点があるのに対し
て、前後2つの相対的に短い軸受筒にすることによっ
て、その後の変形を最小限に抑え、長期間に亘って回動
軸の安定的な回動動作を保証するためである。更に、駆
動源取付枠96には、前記開閉翼片53a,53bの開
閉動作を制御する後述する開閉ソレノイド120a,1
20bを取り付ける取付ボス117a〜117dが後方
に向って形成されている。
【0027】次に、開閉翼片53a,53bを開閉させ
る機構について図1ないし図3を含めて説明する。開閉
翼片53a,53bの回動軸66a,66bの後端に
は、「L」字状のリンク部材131a,131b(ただ
し131aは図7参照)が固定され、該リンク部材13
1a,131bに植立された係合ピン132a,132
b(ただし132aは図7参照)が作動部材125の係
合長穴127a,127bに挿入係合されている。作動
部材125は、開閉ソレノイド120a,120bのプ
ランジャ122a,122bの先端部に連結ピン124
a,124b(ただし124aは図示省略)によって連
結されている。そして、その連結状態は、作動部材12
5に長穴126a,126bを穿設し、該長穴126
a,126b内に連結ピン124a,124bが遊嵌さ
れるようになっているので、作動部材125がプランジ
ャ122a,122bに対して、ある範囲内で横方向に
移動可能であり、かつ傾動可能な状態で連結されてい
る。このため、図1および図2に示すように、開閉ソレ
ノイド120a,120bを本来取り付けるべきライン
L1に対して微小角度傾斜したラインL2に沿って固定
された場合(図示の実施例では、一方の開閉ソレノイド
120aは本来のラインL1に沿って正常に固定され、
他方の開閉ソレノイド120bは傾斜したラインL2に
沿って固定されている)であっても、プランジャ122
bは、ソレノイド120bの摺動空部121bと平行状
態となることができ、ソレノイド120bが励磁したと
きにプランジャ122bの特定の部位がソレノイド12
0b本体と接触して偏摩耗することはない。また、プラ
ンジャ122a,122bと作動部材125の連結状態
の他の実施例として図3に示すように長穴126a,1
26bに代えて切欠穴128a,128bを作動部材1
25に形成し、該切欠穴128a,128bをプランジ
ャ122a,122bの二又状の先端部に遊嵌して連結
ピン124a,124bで連結するようにしても良い。
また、上記の構造に限らず、プランジャと作動部材とが
相互に移動可能で、かつ傾動可能な連結構造であればど
のような構造であっても良い。
【0028】また、開閉ソレノイド120a,120b
は、前記取付ボス117a〜117dに螺着された金属
製のソレノイド取付板129にビス130にて堅固に固
定され、相互のソレノイド120a,120bがソレノ
イド自身の動作によって振動しないようになっている。
また、プランジャ122a,122bには復帰バネ12
3a,123bが周設されて、開閉ソレノイド120
a,120bが非励磁状態のとき、その付勢力により作
動部材125を下降した位置に保持するようになってい
る。また、ソレノイド取付板129の下方中央には、作
動部材脱落防止片129aが折曲されているが、これ
は、プランジャ122a,122bと作動部材125と
を連結する際の作業をやり易くするために形成されてい
るものである。
【0029】さらにまた、ソレノイド取付板129は、
金属であり、その面積を前記開閉ソレノイド120a,
120bが取り付けられる面積よりも大きくなるように
形成したため、前記開閉ソレノイド120a,120b
の作動中に発生する熱を効率よく放熱することができ、
プランジャ122a,122bの吸引力が熱によって弱
まることがなく、ソレノイドの耐久性が向上する。な
お、本実施例では、ソレノイド取付板129を放熱板と
して利用したが、ソレノイド取付板129とは別に放熱
板をソレノイドに取り付けても良い。
【0030】そして、上記したように開閉ソレノイド1
20a,120bをソレノイド取付板129に取り付け
る際に、ビス130を装着する取付穴が設計上のミスに
よって若干異なる位置に穿設されていたり、あるいは大
きめの取付穴が穿設されていたために開閉ソレノイド1
20a,120bが傾斜して取り付けられた場合でも、
開閉ソレノイド120a,120bは正常に作動して開
閉翼片53a,53bをスムーズに長期間に亘って開閉
動作させることがでる。
【0031】また、本実施例では、2つのプランジャ1
22a,122bに1つの作動部材125を連結したた
め、常に作動部材125は、ソレノイド取付板129に
対して平行状態を維持し、そのためリンク部材112
a,112bの係合ピン113a,113bとの係合状
態を確実に保持することができる。したがって、従来、
作動部材がリンク部材の係合ピンから外れないようにす
るために必要であった規制部を設けなくても良い。
【0032】なお、図示の実施例においては、2つの開
閉ソレノイド120a,120bと1つの作動部材12
5とを連結した場合について説明したが、1つの開閉ソ
レノイドと1つの作動部材とを連結した場合、あるいは
2つの開閉ソレノイドと2つの作動部材とをそれぞれ連
結した場合であっても良い。
【0033】次に、図1ないし図11に基づいて、実施
例の動作について説明すると、遊技者が操作ハンドル2
1を操作して遊技を開始すると、打球発射機構20によ
ってパチンコ玉が遊技盤6の遊技領域8内に打ち込ま
れ、その打ち込まれた打球が図示しない障害釘や、ある
いは風車14a〜14fに衝突して、その落下方向を変
化させられながら流下する。そして、流下する過程で打
球が始動入賞口11,12a,12bへ入賞すると、開
閉ソレノイド120a,120bに1回または2回の相
対的に短い時間間隔のパルス信号が与えられる。それに
伴って、開閉翼片53a,53bが1回または2回の開
閉動作を行うことになる。この1回または2回の開閉動
作中に遊技領域8を落下する打球が開閉翼片53a,5
3bに誘導されて入賞し、しかもその入賞玉が特定入賞
口63aへ入賞すると特定遊技状態となる。特定遊技状
態となると、特定遊技状態報知ランプ15a,15b、
枠ランプ28a,28bが点滅し、更に可変入賞球装置
50内に設けられた装飾用LED58や装飾用ランプ9
7a〜97fが点灯または点滅して遊技者に特定遊技状
態となったことを知らせる。なお、装飾用LED58や
装飾用ランプ97a〜97fは、通常の状態においてデ
モンストレーション用に点灯あるいは点滅させて装飾効
果を高めるようにしても良い。
【0034】一方、特定遊技状態になると、ソレノイド
109に駆動信号が送られ摺動作動板105が下方に摺
動される。それにより第2の振分け部材100である玉
ストッパー101a,101bを回動させて、玉ストッ
パー101a,101bの係止部102a,102bが
下部玉流路板76の前面に突出し、その状態が維持され
る(図6および図7参照)。このような状態において、
開閉ソレノイド120a,120bに再度相対的に短い
時間間隔のパルス駆動信号が送られ、開閉翼片53a,
53bが開閉を繰り返す。この開閉翼片53a,53b
の開閉動作中に開閉翼片53a,53bに誘導された打
球は、第1の振分け部材80の玉転動板部81上に導か
れて後方に誘導され、連通口86から下部玉流路部76
の仕切板85a,85bによって仕切られた3つの通路
のいずれかに誘導される。この3つの通路のうち左右の
通路は、前記係止部102a,102bによって流路が
塞がれているため、左右の通路に誘導された入賞玉は、
その係止状態が解除されるまで貯溜されることになる。
しかもこの実施例の場合、玉転動板部81上を流下する
入賞玉は、その左右の連通口86から落下するので、前
記した左右の通路に優先的に貯溜される可能性が高くな
る。ただし貯溜される個数は、左右それぞれ2個づつで
あるためそれ以上の入賞玉は仕切板85a,85bの後
部から中央の通路に溢れて下部転動板76aを流下し
て、特定入賞口63aまたは一般入賞口63b,63c
のいずれかに誘導される。
【0035】以上のように開閉翼片53a,53bの開
閉サイクルがある程度進行して、開閉動作が9回に達す
るか、または10カウント検出スイッチ35によって計
数された入賞玉数が5個に達した場合には、ソレノイド
109の駆動信号が停止されて摺動作動板105が上昇
し、玉ストッパー101a,101bが自重により逆回
動して係止部102a,102bの係止状態が解除さ
れ、貯溜されていた入賞玉の貯溜を解除する。解除され
た貯溜玉は下部転動板76a上を流下して、ほとんど一
般入賞口63b,63cへ誘導される。また、それと同
時に駆動モータ92の回転駆動信号が出されて、第1の
振分け部材80が上昇し始め、第1の振分け部材80の
玉転動板部81が最も上昇した位置、すなわち駆動モー
タ92が半回転した時点で回転が停止する(図8および
図9参照)。この状態において、開閉翼片53a,53
bによって誘導された入賞玉は、開閉翼片53a,53
bから直接落下して傾斜板61に衝突し、入賞空間74
の後方に向けて跳ね飛ばされて下部転動板76a上に落
下し、その後、前方に向けて流下し、特定入賞口63a
または一般入賞口63b,63cのいずれかへ誘導され
るようになっている。
【0036】上記のようにして誘導された入賞玉が特定
入賞口63aへ誘導されると、再度開閉翼片53a,5
3bが所定の開閉サイクルを繰り返すが、この際、駆動
モータ92に再度回転駆動信号が出されて、振分け部材
80が元の状態に戻り、かつソレノイド109に駆動信
号が送られて係止部102a,102bが突出してから
開閉翼片53a,53bの開閉サイクルが開始するよう
になっている。また、開閉サイクルの繰り返し回数は最
高8回に決められているが、仮に、特定遊技状態となっ
てその繰り返し回数が最大となった場合の開閉ソレノイ
ド120a,120bの作動回数は、1回の特定遊技状
態において百回〜百数十回に及ぶものであるから、開閉
ソレノイド120a,120bと作動部材125との結
合状態が正確でないと短期間の使用により開閉ソレノイ
ド120a,120bのプランジャ122a,122b
が偏摩耗して開閉翼片53a,53bの開閉動作がスム
ーズに行われなくなることがある。しかして、この実施
例の場合には、プランジャ122a,122bと作動部
材125との結合状態が移動可能で、かつ傾動可能であ
るため、耐久性があり、またソレノイドを2つ使用して
いるため、各ソレノイドにかかる負荷が少い。したがっ
て開閉翼片53a,53bの長期間のスムーズな開閉動
作が保証される。
【0037】また、本実施例においては、1つの回動軸
66aまたは66bを前後2つの軸受筒68a,99a
または68b,99bで軸受することにより、従来の前
後方向に長い1つの軸受筒で軸受していたものと異なら
せるようにしているが、これは、従来の長尺状の軸受筒
が成型後の熱変化により変形したり、あるいは長期間に
亘る応力により変形したりして、回動軸の正常な回動動
作が妨げられるという欠点があるのに対して、前後2つ
の相対的に短い軸受筒にすることによって、その後の変
形を最小限に抑え、長期間に亘って回動軸の安定的な回
動動作を保証するという効果を発揮するものである。
【0038】なお、上記した動作説明になかった動作で
第1の振分け部材80が動作する前に特定入賞口63a
に入賞玉が誘導された場合には、ソレノイド109がた
だちに非励磁状態となり、玉ストッパー101a,10
1bが逆回動して係止部102a,102bの係止状態
が解除され、その後、所定時間が経過した後に、再度ソ
レノイド109が励磁され、次回の開閉サイクルが開始
されるように動作する。また、第1の振分け部材80が
動作した状態で特定入賞口63aに入賞玉が誘導される
ことなく所定の開閉サイクル(18回の開閉動作または
10個の入賞玉の発生)が達成された場合には、特定遊
技状態は終了するが、駆動モータ92に回転駆動信号が
送られて第1の振分け部材80を元の状態に戻すように
なっている。
【0039】上述の実施例では、可動部材として一対の
開閉翼片53a,53bを例示したが、これに限らず、
横方向に摺動する可動片であっても良い。
【0040】
【発明の効果】以上、説明したところから明らかなよう
に、本発明においては、回動軸を前後2つの短尺な軸受
筒に挿通してその前後端に嵌入される軸受部材で支持す
ると共に、前記軸受筒を可変入賞球装置を構成する別々
の部材に設けたので、軸受筒の成型後における変形及び
長期間に亘る応力変形を最小限に抑えることができると
共に、軸受筒に僅かな変形が生じていても軸受筒の前後
端に嵌入される軸受部材で回動軸が支持されるため、長
期間に亘って回動軸、引いては可動部材の安定的な回動
動作を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る可変入賞球装置のプランジャと作
動部材の連結状態を示す一部破断正面図である。
【図2】連結部分を拡大した正面図である。
【図3】他の連結状態を示した説明図である。
【図4】実施例に係る可変入賞球装置の正面図である。
【図5】可変入賞球装置の全体の分解斜視図である。
【図6】第2の振分け部材が作動した状態を示す正面図
である。
【図7】第2の振分け部材が作動した状態を示す断面図
である。
【図8】第1の振分け部材が上方に移動した状態を示す
正面図である。
【図9】第1の振分け部材が上方に移動した状態を示す
断面図である。
【図10】可変入賞球装置が適用される弾球遊技機の一
例としてのパチンコ遊技機の正面図である。
【図11】パチンコ遊技機の背面図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機(弾球遊技機) 50 可変入賞球装置 51 取付基板 53a,53b 開閉翼片(可動部材) 66a,66b 回動軸 68a,68b 回動軸受筒 96 駆動源取付枠(後方構成枠) 98a,98b 軸受筒 120a,120b 開閉ソレノイド 122a,122b プランジャ 124a,124b 連結ピン 125 作動部材 126a,126b 長穴 129 ソレノイド取付板 131a,131b リンク部材

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾球遊技機の遊技盤に設けられる可変入
    賞球装置において、該可変入賞球装置は、遊技者にとっ
    て有利な第1の状態と遊技者にとって不利な第2の状態
    とに変化可能な可動部材と、該可動部材の回転中心を構
    成すると共に後方に延設される回動軸と、該回動軸の後
    端に固着され且つソレノイドのプランジャの移動動作を
    可動部材の開閉動作に変更するリンク部材と、を備え、 前記回動軸は、前後に分離した2つの短尺な軸受筒に挿
    されると共に、その前方の軸受筒の前端部と後方の軸
    受筒の後端部とに当接する鍔部によって筒内に侵入しな
    いように嵌入される前後2つの軸受部材で支持される
    方、前記軸受筒を可変入賞球装置を構成する別々の部材
    と一体的に形成されていることを特徴とする弾球遊技機
    の可変入賞球装置。
  2. 【請求項2】 前記2つの軸受のうち、一方の軸受
    が設けられる部材は、可変入賞球装置を弾球遊技機の遊
    技盤に取り付けるための取付基板であり、他方の軸受
    が設けられる部材は、前記取付基板の後方に取り付けら
    れる後方構成枠であることを特徴とする請求項1記載の
    弾球遊技機の可変入賞球装置。
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