JP2654113B2 - 高誘電率磁器組成物 - Google Patents
高誘電率磁器組成物Info
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- JP2654113B2 JP2654113B2 JP63200626A JP20062688A JP2654113B2 JP 2654113 B2 JP2654113 B2 JP 2654113B2 JP 63200626 A JP63200626 A JP 63200626A JP 20062688 A JP20062688 A JP 20062688A JP 2654113 B2 JP2654113 B2 JP 2654113B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁器コンデンサ等に使用される高誘電率磁
器組成物に係り、特にJISのF特性を満たす積層磁器コ
ンデンサの製造に適する高誘電率磁器組成物に関する。
器組成物に係り、特にJISのF特性を満たす積層磁器コ
ンデンサの製造に適する高誘電率磁器組成物に関する。
JISのF特性の規格は、誘電率の温度変化が、−25℃
〜+85℃の温度範囲において、+20℃を基準温度とし
て、+30%〜−80%以内であることを定めている。
〜+85℃の温度範囲において、+20℃を基準温度とし
て、+30%〜−80%以内であることを定めている。
従来、このF特性用として実用化されている高誘電率
磁器組成物として、例えばBaTiO3−BaZrO3−BaSnO3−Ca
TiO3系の組成物が存在する。しかし、この組成物を用い
て積層コンデンサを形成した場合、歩留まりが悪く、ま
た、破壊電圧も低いという欠点があった。
磁器組成物として、例えばBaTiO3−BaZrO3−BaSnO3−Ca
TiO3系の組成物が存在する。しかし、この組成物を用い
て積層コンデンサを形成した場合、歩留まりが悪く、ま
た、破壊電圧も低いという欠点があった。
この原因は、高誘電率磁器の結晶粒径が10〜20μmと
大きいことにある。積層コンデンサは、磁器の薄層と内
部電極となる20〜30μm程の厚さの銀電極層とを積層
し、焼成して作成されるが、磁器の結晶粒径が銀電極層
の厚さ程度に大きい場合には、焼成中に磁器素地と銀電
極層との間にハガレが生ずる。これをデラミネーション
というが、このデラミネーションが歩留まりの悪化およ
び破壊電圧の低下をもたらしている。
大きいことにある。積層コンデンサは、磁器の薄層と内
部電極となる20〜30μm程の厚さの銀電極層とを積層
し、焼成して作成されるが、磁器の結晶粒径が銀電極層
の厚さ程度に大きい場合には、焼成中に磁器素地と銀電
極層との間にハガレが生ずる。これをデラミネーション
というが、このデラミネーションが歩留まりの悪化およ
び破壊電圧の低下をもたらしている。
〔発明が解決しようとする課題〕 本発明は、JISのF特性規格を満たすとともに、結晶
粒径が平均5μm以下となるよう組成を選定することに
より、従来品の持つ上記欠点を改善した、誘電率が8000
〜13000程度の高誘電率磁器組成物を提供することを目
的としている。
粒径が平均5μm以下となるよう組成を選定することに
より、従来品の持つ上記欠点を改善した、誘電率が8000
〜13000程度の高誘電率磁器組成物を提供することを目
的としている。
本発明は上記課題を解決するため、 BaTiO3 97.0〜98.25mol% Nb2O5 0.75〜1.50mol% Dy2O3 0.50〜2.00mol% からなる主成分に対して、主成分の0.2〜0.8wt%のCe
O2を添加して高誘電率磁器組成物を得た。
O2を添加して高誘電率磁器組成物を得た。
また、上記高誘電率磁器組成物に、更に、主成分の0.
01〜0.3wt%のMnOを添加して高誘電率磁器組成物を得
た。
01〜0.3wt%のMnOを添加して高誘電率磁器組成物を得
た。
そして、これらの組成範囲の高誘電率磁器組成物は、
本発明の目的とするJISのF特性を満たすとともに、結
晶粒径が微細化していることが判明した。
本発明の目的とするJISのF特性を満たすとともに、結
晶粒径が微細化していることが判明した。
本発明を実施例にもとづき詳細に説明する。
出発原料としてBaCO3、TiO2、Nb2O5、Dy2O3、CeO2及
びMnCO3を用いて第1表に示す組成比になるように計量
し、これをポットミルで混合、脱水、乾燥したのち、仮
プレスし、1100℃〜1200℃で2時間仮焼成した。次い
で、粉砕、脱水、乾燥後、ポリビニルアルコールをバイ
ンダーとして加え顆粒にし、これを約3ton/cm2の成型圧
力でプレスし直径16.5mmφ、厚さ0.6mmの円板状成型物
を作成した。この成型体を空気中で1280℃〜1360℃、2
時間焼成し、得られた素体に銀電極を焼き付けて試料を
作成した。
びMnCO3を用いて第1表に示す組成比になるように計量
し、これをポットミルで混合、脱水、乾燥したのち、仮
プレスし、1100℃〜1200℃で2時間仮焼成した。次い
で、粉砕、脱水、乾燥後、ポリビニルアルコールをバイ
ンダーとして加え顆粒にし、これを約3ton/cm2の成型圧
力でプレスし直径16.5mmφ、厚さ0.6mmの円板状成型物
を作成した。この成型体を空気中で1280℃〜1360℃、2
時間焼成し、得られた素体に銀電極を焼き付けて試料を
作成した。
このようにして得た試料について、それぞれ電気特性
を測定した結果を第1表に示す。
を測定した結果を第1表に示す。
ここで、誘電率Es及び誘電体損失tanδは室温20℃、
周波数1KHzで測定した。また、誘電率の温度変化率T・
Cは、+20℃を基準として、−25℃〜+85℃の誘電率の
温度変化率(%)を求めた。
周波数1KHzで測定した。また、誘電率の温度変化率T・
Cは、+20℃を基準として、−25℃〜+85℃の誘電率の
温度変化率(%)を求めた。
第1表中試料番号1、2、5、8、10、13、14、15、
19、20、24は本発明の組成範囲外のものであり、試料番
号3、4、6、7、9、11、12、16、17、18、22、23
は、本発明の組成範囲内のものである。
19、20、24は本発明の組成範囲外のものであり、試料番
号3、4、6、7、9、11、12、16、17、18、22、23
は、本発明の組成範囲内のものである。
本発明において組成範囲を限定した理由は次の通りで
ある。
ある。
BaTiO3が97.0mol%未満では誘電率が小さくなり、98.
25mol%を超えると焼結性が悪くなる。
25mol%を超えると焼結性が悪くなる。
同様に、Dy2O3が0.50mol%未満では、誘電体損失tan
δが大きくなり焼結性も悪く、絶縁抵抗も悪くなる。2.
0mol%を超えると誘電率が小さくなり温度85℃における
誘電率温度変化率が大きくなる。Nb2O5が0.75mol%未満
では焼結性が悪く1.50mol%を超えると誘電率が小さく
なる。第1図は本発明の主成分の組成範囲を示してい
る。第1図において試料番号14〜24が図示されていない
のは、三元図上は試料番号7と同一位置にある。
δが大きくなり焼結性も悪く、絶縁抵抗も悪くなる。2.
0mol%を超えると誘電率が小さくなり温度85℃における
誘電率温度変化率が大きくなる。Nb2O5が0.75mol%未満
では焼結性が悪く1.50mol%を超えると誘電率が小さく
なる。第1図は本発明の主成分の組成範囲を示してい
る。第1図において試料番号14〜24が図示されていない
のは、三元図上は試料番号7と同一位置にある。
また、CeO2は、キュリーポイントを−側へ移動させる
即ちシフターの役割をしている。添加量が主成分の0.2w
t%未満ではキュリーポイントが常温以上となり誘電体
損失tanδが悪く、誘電率も小さい。
即ちシフターの役割をしている。添加量が主成分の0.2w
t%未満ではキュリーポイントが常温以上となり誘電体
損失tanδが悪く、誘電率も小さい。
一方、0.8wt%を超えるとキュリーポイントが常温以
下となり誘電率が低くなり誘電率温度変化率が温度+85
℃でJISのF特性規格をはずれる。
下となり誘電率が低くなり誘電率温度変化率が温度+85
℃でJISのF特性規格をはずれる。
MnOの添加量が主成分の0.01wt%未満では焼結性が悪
く、絶縁抵抗も低くなる。一方、0.3wt%を超えると誘
電率が低くなり実用的でなくなる。
く、絶縁抵抗も低くなる。一方、0.3wt%を超えると誘
電率が低くなり実用的でなくなる。
第2図は高誘電率磁器焼結体の表面の結晶構造を3000
倍に拡大した顕微鏡写真であり、(A)は従来品、
(B)は本発明のBaTiO3−Nb2O5−Dy2O3−CeO2−MnO系
高誘電率磁器を示している。同図から明らかなように本
発明に係る高誘電率磁器の結晶粒径は平均5μm以下と
なっている。
倍に拡大した顕微鏡写真であり、(A)は従来品、
(B)は本発明のBaTiO3−Nb2O5−Dy2O3−CeO2−MnO系
高誘電率磁器を示している。同図から明らかなように本
発明に係る高誘電率磁器の結晶粒径は平均5μm以下と
なっている。
また、第1表から明らかなように、本発明の高誘電率
磁器組成物は、誘電率が約8000〜13000、誘電率温度変
化率も−25℃〜+85℃の温度範囲で、20℃を基準として
+30%〜−80%以内にある。
磁器組成物は、誘電率が約8000〜13000、誘電率温度変
化率も−25℃〜+85℃の温度範囲で、20℃を基準として
+30%〜−80%以内にある。
本発明に係る高誘電率磁器組成物は誘電率が高く、誘
電率温度変化率もJISのF特性を満足している。また、
積層コンデンサに応用した場合、結晶粒径の微細化によ
りデラミネーションが防止でき、歩留まりの向上、破壊
電圧の上昇等が図れ、実用的価値が大きい。
電率温度変化率もJISのF特性を満足している。また、
積層コンデンサに応用した場合、結晶粒径の微細化によ
りデラミネーションが防止でき、歩留まりの向上、破壊
電圧の上昇等が図れ、実用的価値が大きい。
第1図は本発明に係る高誘電率磁器組成物の主成分を示
す三成分系図、第2図は焼結体の表面の結晶構造を示す
拡大写真であり、同図(A)は従来品、同図(B)は本
発明の磁器を示す。
す三成分系図、第2図は焼結体の表面の結晶構造を示す
拡大写真であり、同図(A)は従来品、同図(B)は本
発明の磁器を示す。
Claims (1)
- 【請求項1】BaTiO3 97.0〜98.25mol% Nb2O5 0.75〜1.50mol% Dy2O3 0.50〜2.00mol% からなる主成分に対して、主成分の0.2〜0.8wt%のCeO2
及び、主成分の0.01〜0.3wt%のMnOを添加したことを特
徴とする高誘電率磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63200626A JP2654113B2 (ja) | 1988-08-11 | 1988-08-11 | 高誘電率磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63200626A JP2654113B2 (ja) | 1988-08-11 | 1988-08-11 | 高誘電率磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0249308A JPH0249308A (ja) | 1990-02-19 |
JP2654113B2 true JP2654113B2 (ja) | 1997-09-17 |
Family
ID=16427507
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63200626A Expired - Lifetime JP2654113B2 (ja) | 1988-08-11 | 1988-08-11 | 高誘電率磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2654113B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3029502B2 (ja) * | 1992-03-25 | 2000-04-04 | 太陽誘電株式会社 | 磁器コンデンサ及びその製造方法 |
JP2938671B2 (ja) * | 1992-03-25 | 1999-08-23 | 太陽誘電株式会社 | 磁器コンデンサ及びその製造方法 |
JP2938672B2 (ja) * | 1992-03-25 | 1999-08-23 | 太陽誘電株式会社 | 磁器コンデンサ及びその製造方法 |
JP2938673B2 (ja) * | 1992-03-25 | 1999-08-23 | 太陽誘電株式会社 | 磁器コンデンサ及びその製造方法 |
-
1988
- 1988-08-11 JP JP63200626A patent/JP2654113B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0249308A (ja) | 1990-02-19 |
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