JP2653875B2 - 収納箱開閉制御装置 - Google Patents

収納箱開閉制御装置

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JP2653875B2
JP2653875B2 JP1088377A JP8837789A JP2653875B2 JP 2653875 B2 JP2653875 B2 JP 2653875B2 JP 1088377 A JP1088377 A JP 1088377A JP 8837789 A JP8837789 A JP 8837789A JP 2653875 B2 JP2653875 B2 JP 2653875B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、例えば自動車等の車両のインスツルメント
パネルに設けられたグローブボックスのような収納箱の
開閉制御装置に関する。
(従来の技術) 一般に、自動車等の車両のインスツルメントパネルに
設けられたグローブボックスのような収納箱は、乗員の
簡単な操作によって容易に開閉できることが重要であ
る。
従来の、この種の収納箱の開閉装置に関する提案とし
ては、蓋の開閉に連動してスイッチをオンオフさせ、こ
のオンオフ信号を内部照明用ランプの点灯制御に用いた
もの(実開昭62−77838号公報)、蓋の開閉駆動源に形
状記憶合金を用いたもの(実開昭59−125439号公報)、
収納ボックスを閉じるために真空圧によるアクチュエー
タを用いたもの(実開昭57−148549号公報)等がある。
上記第1の例は、照明ランプを蓋の開閉に連動して点
灯制御してはいるが、蓋の開閉操作自体の自動化や容易
化については特に考慮されていない。
また、第2の例は、形状記憶合金の昇温用に電熱エネ
ルギーを用いており、エネルギー効率上問題がある。ま
た、形状記憶合金を埋め込むため構造が複雑になり、応
答も遅く、任意の位置で止められない。しかも、開状態
または閉状態を維持するために連続的にエネルギーを消
費しなければならない。さらに、低温時閉状態になるよ
うに形状記憶合金を用いた場合、夏に室内が高温になる
と蓋が開いてしまうという問題も生じる。
また、第3の例は、真空圧を発生する大掛かりな装置
が必要となるので車両の軽量化に障害となる。
(発明が解決しようとする課題) 上記のように、従来の装置は、車両の収納箱の開閉装
置としての要求を充分満足するものではなかった。
本発明の目的は、簡単な操作により容易に、かつ自動
的に開閉することができる収納箱開閉制御装置を提供す
ることにある。
〔発明の構成〕 (課題を解決するための手段) 本発明による収納箱開閉制御装置は、モータの回転力
により収納箱を開閉制御するもので、前記モータにより
回転操作される駆動側の回転軸と、前記収納箱を開閉操
作すべくその開閉機構に連結し、回転動作により収納箱
を開または閉動作させる従動側の回転軸とを有する。ま
た、これら両回転軸に対し、常時これら両回転軸を連結
して一体に回転させると共に、これら両回転軸の回転力
に予定値以上の差が生じると両回転軸間に回転方向のす
べりを生じさせるすべり継ぎ手を設けている。さらに、
このすべり継ぎ手のすべり量が予定角度になるとそのす
べり方向に対応してそれぞれ設けられた接点のいずれか
がオンとなり、前記モータに対して前記回転力の差を無
くす方向の回転指令を与える切換スイッチを設けてい
る。
また、請求項2に記載の発明は、上記構成に対して、
さらに始動回路を加えたものである。すなわち、始動回
路は、開および閉指令用のスイッチを有し、かつこれら
スイッチのいずれかがオン操作されることにより動作
し、前記モータに対して、オン操作されたスイッチによ
る開または閉指令方向とは逆向きの回転指令を与えると
共に前記切換スイッチによるモータ指令回路を開放させ
る始動リレーを有する。さらに前記指令方向とは逆向き
のモータの回転により前記すべり継ぎ手にすべりが生
じ、前記切換スイッチのいずれかの接点がオンとなると
前記始動リレーを復帰させ、モータに対する前記逆向き
の回転指令を解除すると共に前記切換スイッチによるモ
ータ指令回路を復帰閉成させるリセットリレーを有して
いる。
(作用) 本発明では、例えば、閉状態にある収納箱を開状態に
する場合、まず手動により開操作力を加えると、モータ
が停止状態であるため、開閉機構側である従動側の回転
軸とモータ側の回転軸との間には回転力に差が生じ、こ
の間に構成されたすべり継ぎ手にすべりが生じる。この
すべり量が所定値になると、そのすべり方向に対応して
設けられた接点がオン状態となり、モータに対して上記
回転力の差が無くなる方向、すなわち、収納箱を開状態
にする方向の回転指令を与える。このため、モータは同
方向に回転し、すべり継ぎ手および開閉機構を介して収
納箱が開状態となるように駆動する。この結果、収納箱
が開状態に達すると、ストッパ等の働きによって従動側
の回転軸の回転は停止するが、モータは回転を続けてる
ため、すべり継ぎ手には、前述の方向と反対方向のすべ
りが生じる。このすべりの発生により、オン状態であっ
た前記接点はオフ状態となり、モータの回転が停止す
る。なお、この一連の動作は、閉方向についても同じで
ある。
このように、始めに開または閉操作力を与えると、そ
の後はモータによって開または閉方向に駆動され、しか
も開または閉動作後は、モータは自動的に停止制御され
るので、操作者に対する負担は極めて少なく、容易に開
閉操作を行なうことができる。
また、請求項2に記載の発明では、始動回路を設け、
この始動回路に設けた開または閉指令用のスイッチを操
作することにより、モータによって収納箱の開または閉
動作を行なわせることができる。すなわち、始動回路
は、開または閉指令用のいずれかのスイッチがオン操作
されると、前記モータを本来の指令方向とは逆向きに回
転させる。このため、回転不可の状態にある従動側の回
転軸との間に当然回転力の差が生じ、すべり継ぎ手には
すべりが発生する。このすべりの発生により、対応する
すべり方向に設けられた接点がオン状態になり、前記回
転力の差を無くす方向、すなわち、本来の指令方向にモ
ータを回転させる。これ以降の動作は、請求項1に記載
の発明と同じであり、モータの回転力により開または閉
動作を行なわせ、動作終了後は、自動的にモータを停止
制御する。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
まず、第3図および第4図によって本発明が適用され
る収納箱の例を説明する。第3図は、自動車等の車両の
助手席部分を示しており、そのインスツルメントパネル
11には収納箱としてのグローブボックス12が形成されて
いる。このグローブボックス12の前面は蓋13によって覆
われており、この蓋13はヒンジにより、第4図鎖線で示
す開状態まで回動出来るように支持されている。
次に、第1図および第2図によって開閉制御装置を説
明する。15は駆動用のモータで、その回転軸の先端には
ピニオンギヤ16が一体に取付けられている。17は駆動側
の回転軸で、中空状に形成され、第1図の図示右端には
前記ピニオンギヤ16と噛み合う大径ギヤ18が一体に設け
られている。20は従動側の回転軸で、その長さ方向中間
部の外周には、すべり継ぎ手21を構成する固定側の接触
円盤21aが一体に設けられている。上記従動側の回転軸2
0の上記接触円盤21aより図示右側の部分は、前記駆動側
の回転軸17の内部に回転自在に嵌合している。
前記すべり継ぎ手21は、前述した固定側の接触円盤21
aと、これに対する可動側の接触円盤21bとからなる。上
記可動側の接触円盤21bは、キー溝を介して前記駆動側
の回転軸17の外周に嵌合している。この接触円盤21b
は、上記キー溝により駆動側の回転軸17と一体的に回転
するが、軸方向にはスライド出来るように構成されてい
る。そして、前記ギヤ18との間に間挿された反発ばね22
により、常時固定側の接触円盤21aへの接触圧力を受け
ている。
このすべり継ぎ手21は、常時は、駆動側および従動側
の両回転軸17,20を一体的に連結し、互いに同期して回
転させているが、両回転軸17,20のいずれかが拘束され
る等、両回転軸17,20間に回転力の差が生じると、両接
触円盤21a,21bの接触面に形成した波形形状により、可
動側の接触円盤21bがばね22の圧力に抗して図示右側に
変位し、固定側の接触円盤21aとの間で回転方向のすべ
りを生じさせるものである。
24は接点ディスクで、前記従動側の回転軸20の図示左
側にキー溝を介して一体的に嵌合しており、ピニオンギ
ヤ25と共に、一体にビス止めされている。前記可動側の
接触円盤21bの一部も接点ディスクを兼ねており、前記
接点ディスク24や後述する各接触片と共に、前記すべり
継ぎ手21のすべりに連動する切換スイッチ27を構成す
る。
前記可動側の接触円盤21bの接点ディスクを兼ねる部
分(外周縁部)の両側にはリング状の接触帯28が設けら
れている。この接触帯28には、外部回路との接続用とし
て接触片30が接触している。また、これら接触帯28から
は、前記切換スイッチ27の切換接点となる接触子31が接
点ディスク24に向って突設されている。
また、前記接点ディスクの24の外周縁部両側にもリン
グ状の接触帯32が形成されており、これらは外部接続用
の接触子33と接触している。この接点ディスク24の、上
記接触子31との対抗面には、第5図(a)で示すよう
に、各一対の接触部が5組、それぞれ上記接触子31と接
触可能なように円弧状に配置されている。この5組の接
触部は前記切換スイッチ27の各接点(第6図で示す)と
なるもので、対応する接点番号「0」「+1」「+2」
「−1」「−2」を付している。
ここで、接点番号「+2」「−2」の内側(第5図
(a)の左側)の接触部は、同一面に形成されたリング
状の接触帯32に接続する。また、接点番号「+1」「−
1」の同じく内側の接触部は、抵抗Rを介して同じく同
一面のリング状接触帯32に接続する。さらに、各外側
(第5図(a)の右側)の接触部は、同図(b)で示す
ように、それぞれ裏面に貫通するスルーホール35を介し
て裏面に形成されたリング状接触帯32に接続する。
なお、接点ディスク24上における前記各接触帯32や5
組の接触部、あるいは接続用の配線パターン等は、エッ
チング等によりプリントしておく。
次に、上述した切換スイッチ27を含む前記モータ15の
回転指令回路の構成を第6図により説明する。なお、符
号は、第1図および第2図に対応させて付している。
前記切換スイッチ27は、2組の切換部27A,27Bからな
る。これら各切換部27A,27Bは、それぞれ切換接点31
と、前述した5つの接点「0」「+1」「+2」「−
1」「−2」を持っている。また、外部回路との接触子
33には直流電圧VDCが印加されている。この接触子33の
(+)側端子は、一方の切換部27Aの接点「+2」「+
1」および他方の切換部27Bの接点「−1」「−2」と
それぞれ接続する。また、同接触子33の(−)側端子
は、一方の切換部27Aの接点「−1」「−2」および他
方の切換部27Bの接点「+2」「+1」とそれぞれ接続
する。なお、一方の切換部27Aの接点「+1」および
「−1」のみは、それぞれ抵抗Rを介して接続してい
る。
さらに、前記各切換部27A,27Bの切換接点31,31は、そ
れぞれ対応する外部回路との接触子30,30を介して、モ
ータ15の端子と接続している。
ここで、上記切換接点31,31は、第1図で示したすべ
り継ぎ手21のすべりに連動して切換動作を行なうもの
で、上記すべり量が所定の角度に達すると、そのすべり
方向に対応してそれぞれ設けられた各接点「+1」「+
2」「−1」「−2」のいずれかとの間がオン状態とな
る。なお、接点「0」はモータ15の停止制御用、接点
「+1」はモータ15の低速正転用、接点「+2」はモー
タ15の高速正転用、接点「−1」はモータ15の低速逆転
用、接点「−2」はモータ15の高速逆転用のものであ
る。
第1図に戻って、出力側(図示左側)のピニオンギヤ
25は、収納箱12の開閉機構と連結している。この開閉機
構としては、収納箱12が、第7図で示すように、インス
ツルメントパネル11に設けられたグローブボックスの場
合、その蓋13の裏面に取付けられた円弧状のラックギヤ
37と、これに噛み合うピニオンギヤ38との組み合わせを
用いる。この場合、適当な動力伝達機構を介して、前記
出力側のピニオンギヤ25により、開閉機構側のピニオン
ギヤ38を回転させるように構成すれば良い。また、収納
箱12が、第8図で示すように、スライド蓋13を有するコ
ンソールボックスの場合、開閉機構は、スライド蓋13の
内縁に沿って形成されたラックギヤ37と、これに噛み合
うピニオンギヤ38との組み合わせを用いる。この場合
も、適当な動力伝達機構を介して、前記出力側のピニオ
ンギヤ25により、開閉機構側のピニオンギヤ38を回転さ
せるように構成すれば良い。
次に、動作を説明する。なお、以下の説明は、収納箱
12が第7図で示したグローブボックスであるものとして
行なう。
今、蓋13が閉状態にあるものとする。これを開状態に
する場合、まず手動により蓋13に開操作力を加える。こ
の操作により、蓋13は開き始め、第1図で示した従動側
の回転軸20も開操作方向に回転する。これに対し、駆動
側の回転軸17は、モータ15が停止状態であり、かつモー
タ15との間に大きな減速比があるため、モータ15を含む
駆動系によって拘束力を受ける。このため、従動側の回
転軸20との間に回転力の差が生じ、この間に構成された
すべり継ぎ手21にすべりが生じる。このすべりは、第1
図で示した切換接点31を接点「+1」に向かって移動さ
せる。そして、このすべり量が所定値(所定角度)にな
ると、そのすべり方向に対応して設けられた接点「+
1」との間がオン状態となる。このため、モータ15の第
6図における図示右側端子に(+)電位が、図示左側端
子には(−)電位が印加され、モータ15は低速で正転す
る。すなわち、モータ15に対し、上記回転力の差が無く
なる方向(蓋13を開状態にする方向)の回転指令を与
え、モータ15の同方向の回転により、すべり継ぎ手21、
および前述した開閉機構を介して蓋13が開状態となるよ
うに駆動する。
上記動作により、蓋13が開状態に達すると、図示しな
いストッパ等の働きにより蓋13の開動作は停止し、従動
側の回転軸20の回転も停止するが、モータ15は回転を続
けてるため、すべり継ぎ手21には、前述の方向と反対方
向のすべりが生じる。このすべりの発生により、切換接
点31は接点「+1」から接点「0」に向かって移動を始
める。このため、オン状態であった前記接点「+1」と
の間はオフ状態となり、モータ15への給電が断たれ、モ
ータ15は停止する。
ここで、操作開始時の人手による操作力が強いと、始
動時のすべりは接点「+2」に達し、モータ15は高速回
転するため、蓋13の開動作速度も速くなる。これに対
し、始動時の操作力が弱ければ、すべりは接点「+1」
止まるので、モータ15は抵抗Rの働きにより低速回転
し、蓋13はゆっくりと開動作する。
なお、上述した一連の動作は、閉方向についても、す
べりの方向およびモータ15の回転方向が反対になるだけ
で、他は同じである。
次に、蓋13に操作力を加えること無く、モータ15を始
動して蓋13を開または閉動作させる構成を第9図により
説明する。図において、前記切換スイッチ27を用いたモ
ータ指令回路40は、第6図で示したものと基本的に同じ
であり、その説明は省略する。
この例は、操作者(車両の運転者等)の手元、例えば
第10図で示すように、ドアトリムのアームレスト上や、
図示しないセンターコンソール等に設けた開および閉指
令用のスイッチ41を操作することにより、グローブボッ
クス12の蓋13を開閉しようとするものである。この場
合、他の窓開閉用スイッチと間違えないように、プッシ
ュオンタイプの透明カバー42により覆っておくとよい。
このように、開および閉指令用のスイッチ41によりモ
ータ15を始動するためには、前述のモータ指令回路40の
他に、新たに始動回路43を設ける。以下、この始動回路
43について説明する。
SW1は前記開および閉指令用のスイッチ41の切換接点
で、開側を操作すると接点0側がオンとなり、閉側を操
作すると接点C側がオンとなるものである。この切換接
点SW1は、直流電源BATの(+)側に接続しており、ま
た、上記各接点0,Cは、自己保持回路A1,A2、始動リレー
RLA,RLBの対応するものを図示のように介してアースに
接続する。
上記各始動リレーRLA,RLBはそれぞれ3つの常開型の
接点RLA−1,RLA−2,RLA−3及びRLB−1,RLB−2,RLB−3
を持っている。このうち接点RLA−1は、直流電源BATの
(+)端子とモータ端子Mbとの間に、接点RLA−2は同
電源の(−)端子とモータ端子Maとの間に、端子RLB−
1は同電源の(+)端子とモータ端子Maとの間に、端子
RLB−2は同電源の(−)端子とモータ端子Mbとの間
に、それぞれ接続されている。
上記構成により、各始動リレーRLA,RLBは、本来の指
令方向(開または閉方向)とは逆向きにモータ15を回転
させるがその動作については後で詳述する。
また、前記接点RLA−3,RLB−3は互いに並列接続され
ており、その一端は直流電源BATの(+)端子に、他端
はインターロックリレーRxを介してアースに接続してい
る。このインターロックリレーRxは、前記モータ指令回
路40と、モータ端子Ma,Mbとの間に常閉型の接点Rx−1,R
x−2を設けている。この接点Rx−1,Rx−2はインター
ロックリレーRxが励磁されたとき、すなわち、前記始動
リレーRLA,RLBの動作時に開状態となり、モータ指令回
路40からの指令がモータ15に加わらないようにロックす
る。
RLC,RLDは共にリセットリレーで、モータ指令回路40
からの出力ラインとアースとの間に、回り込み防止用の
ダイオードおよび抵抗を介して接続されており、すべり
発生により、前記切換スイッチ27の接点「+1」「+
2」または「−1」「−2」のいずれかがオン状態にな
ることにより励磁され、前記自己保持回路A1,A2のリセ
ット回路に設けた常開型の接点RLC−1,RLD−1をオン動
作させ、自己保持回路A1,A2の対応するものを復帰させ
る。
次に作用を説明する。今、グローブボックス12の蓋13
が閉じられており、これを開くべく手元の指令スイッチ
41を開側にオン操作すると、その切換接点SW1が接点
側に切換えられ、自己保持回路A1を動作させる。このた
め、始動リレーRLAが励磁され、その接点RLA−1,RLA−
2,RLA−3をオン動作させる。上記接点RLA−3のオンに
より、インターロックリレーRxが励磁され、その接点Rx
−1,Rx−2を開いて、モータ指令回路40からの回転指令
がモータ15に伝わらないようにロックする。また、接点
RLA−1,RLA−2のオンにより、モータ端子Maに(−)電
位が、Mbに(+)電位が加わり、モータ15を逆転させ
る。
ここで、このモータ15の上記回転方向(逆転方向)
は、本来の指令方向とは逆向きの方向である。すなわ
ち、本来の指令方向は、蓋13を開く方向であるから、本
来モータ15は正転しなければならないが、前記接点RLA
−1,RLA−2により、モータ15は逆向きの逆転方向に回
転制御され、蓋13を閉じようとする。しかし、蓋13はも
ともと閉じており、これ以上は閉動作できないため、第
1図で示したすべり継ぎ手21には、ばね22の圧力に抗し
てすべりが生じ、切換接点31は接点「+1」側に移動す
る。そして、接点「+1」がオン状態になると、直流電
源BATの(+)電位がリセットリレーRLDに印加され、こ
れを励磁する。このため、接点RLD−1がオン動作し、
自己保持回路A1を復帰させ、始動リレーRLAの励磁を解
く。この動作により接点RLA−1,RLA−2,RLA−3オフ状
態となり、接点RLA−1,RLA−2による回転指令(本来の
指令方向と逆向き)を解除すると共に、インターロック
リレーRxの励磁を解除して接点Rx−1,Rx−2を復帰閉成
させる。この後は、前述のように切換リレー27の切換接
点31と接点「+1」との間がオンとなっているため、モ
ータ端子Maに(+)電位が、Mbに(−)電位が加わり、
本来の指令方向である正転方向(蓋13を開く方向)にモ
ータ15を回転させる。
開動作後のモータ15の停止制御は、前述の例と同じで
あり、説明は省略する。
また、開状態にある蓋13を閉じる場合は、指令スイッ
チ41の切換接点SW1を接点C側に操作する。以後の動作
は、自己保持回路A2が動作し、始動リレーRLBが励磁さ
れる点が異なるものの、基本的な動作は開方向の場合と
同じである。
上記例は、始動を電気的に行なった場合であるが、第
11図で示すように機械的に始動するようにしてもよい。
すなわち、蓋13に対しばね46によって開方向の動作力を
与えておき、かつ、蓋13自体はレバー47により閉状態に
係止しておく。そして開操作に当たっては、ワイヤー48
によりレバー47による係止を解除し、蓋13を前記ばね46
による動作力により一定範囲開動作させる。この蓋13の
開動作により、前述のようにすべりが生じ、このすべり
によって第6図で示した切換スイッチ27の切換接点31
が、接点「+1」に接触し、モータ15を始動させること
ができる。
〔発明の効果〕
以上のように本発明によれば、操作者のごく簡単な操
作によりモータを始動し、このモータによつて収納箱を
開または閉動作させ、この動作完了後は、モータが自動
的に停止するようにしたので、操作者に対する負担は極
めて少なく、車両の運転者が操作する場合であっても何
等危険性はなく、十分な安全性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による収納箱開閉制御装置の一実施例を
示す一部を切り欠いた正面図、第2図は第1図で示した
装置の分解斜視図、第3図は収納箱の一例である車両の
インスツルメントパネルに設けられたグローブボックス
を示す斜視図、第4図は第3図で示したグローブボック
スの開および閉状態を説明するための側断面図、第5図
(a)(b)は第2図で示した接点ディスクの構造を説
明するための平面図およびそのA−A矢視断面図、第6
図は本発明に用いる制御回路例を示す回路図、第7図お
よび第8図はそれぞれ収納箱に対する開閉機構の構造を
示す断面図および斜視図、第9図は他の制御回路例を示
す回路図、第10図は第9図で示した開および閉指令用の
スイッチの設置例を示す斜視図、第11図は本発明で用い
る機械式の始動部の構成を示す断面図である。 12……収納箱、15……モータ、17……駆動側の回転軸、
20……従動側の回転軸、21……すべり継ぎ手、27……切
換スイッチ、31……切換接点、40……モータ指令回路、
41……開および閉指令用のスイッチ、RLA,RLB……始動
リレー、RLC,RLD……リセットリレー。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータの回転力により収納箱を開閉制御す
    る収納箱開閉制御装置において、 前記モータにより回転操作される駆動側の回転軸と、 前記収納箱を開閉操作すべくその開閉機構に連結し、回
    転動作により収納箱を開または閉動作させる従動側の回
    転軸と、 常時これら両回転軸を連結して一体に回転させると共
    に、これら両回転軸の回転力に予定値以上の差が生じる
    と両回転軸間に回転方向のすべりを生じさせるすべり継
    ぎ手と、 このすべり継ぎ手のすべり量が予定角度になるとそのす
    べり方向に対応してそれぞれ設けられた接点のいずれか
    がオンとなり、前記モータに対して前記回転力の差を無
    くす方向の回転指令を与える切換スイッチと、 を備えたことを特徴とする収納箱開閉制御装置。
  2. 【請求項2】モータの回転力により収納箱を開閉制御す
    る収納箱開閉制御装置において、 前記モータにより回転操作される駆動側の回転軸と、 前記収納箱を開閉操作すべくその開閉機構に連結し、回
    転動作により収納箱を開または閉動作させる従動側の回
    転軸と、 常時これら両回転軸を連結して一体に回転させると共
    に、これら両回転軸の回転力に予定値以上の差が生じる
    と両回転軸間に回転方向のすべりを生じさせるすべり継
    ぎ手と、 このすべり継ぎ手のすべり量が予定角度になるとそのす
    べり方向に対応してそれぞれ設けられた接点のいずれか
    がオンとなり、前記モータに対して前記回転力の差を無
    くす方向の回転指令を与える切換スイッチと、 開および閉指令用のスイッチを有し、かつこれらスイッ
    チのいずれかがオン操作されることにより動作し、前記
    モータに対して、オン操作されたスイッチによる開また
    は閉指令方向とは逆向きの回転指令を与えると共に前記
    切換スイッチによるモータ指令回路を開放させる始動リ
    レーを有し、さらに前記指令方向とは逆向きのモータの
    回転により前記すべり継ぎ手にすべりが生じ、前記切換
    スイッチのいずれかの接点がオンとなると前記始動リレ
    ーを復帰させ、モータに対する前記逆向きの回転指令を
    解除すると共に前記切換スイッチによるモータ指令回路
    を復帰閉成させるリセットリレーを有する始動回路と、 を備えたことを特徴とする収納箱開閉制御装置。
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