JP2653096B2 - テープ駆動装置 - Google Patents

テープ駆動装置

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JP2653096B2
JP2653096B2 JP63103022A JP10302288A JP2653096B2 JP 2653096 B2 JP2653096 B2 JP 2653096B2 JP 63103022 A JP63103022 A JP 63103022A JP 10302288 A JP10302288 A JP 10302288A JP 2653096 B2 JP2653096 B2 JP 2653096B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、磁気記録再生装置等に使用されるテープ駆
動装置に関し、特にテープテンションを適正に保ちなが
ら高速にテープ移送速度を変化させる事の可能なテープ
駆動装置に関する。
従来の技術 従来のテープ移送装置には、以下のようなものが多く
みられた。即ち、テープ移送をおこなうリールの制御系
に速度制御のモードとテンション制御のモードを別々に
設け、各種の状態に応じてそれぞれのモードを使い分け
るものである。たとえば第4図に示すように、ドライブ
指令決定手段31、32は、それぞれ切り換え手段33、34に
より速度誤差測定値とテンション測定値の何れかを選択
して、速度制御あるいはテンション制御の選択を行う。
また、テープテンションの測定値と速度誤差測定値を
用いてテープテンションとテープ速度を同時に制御する
ものとしては、放送用VTRにおけるダブルキャプスタン
方式のキャプスタン制御系などに例があるが、テープ速
度の変化するような場合に対応したものではない。
発明が解決しようとする課題 ところが、以上に述べたような構成では、次のような
問題点がみられた。状態に応じて速度制御またはテンシ
ョン制御の何れかのモードでテープを駆動する装置にお
いては、高速にテープ速度を変化させたい場合にはテン
ションの制御性をある程度犠牲にする必要があり、適正
なテンションを保つためには立ち上がり速度を遅く設定
する必要があった。
また、速度とテンションを同時に制御しようとする場
合には制御系が複雑な非線形系になるため、テープ速度
を時々刻々と変化させるような状況においては制御系の
特性を状況に応じて変化させる必要があり、実用上はテ
ープ速度一定下での制御を行うにとどまっていた。
本発明は、かかる問題点に鑑み、様々な状態に対応
し、高速なモード移行が可能なテープ移送装置を提供す
ることを目的とする。
課題を解決するための手段 本発明においては、リールのドライブ指令はファジィ
推論を用いて決定するものとする。そして、ファジィ推
論の入力にはテンション測定値と速度誤差測定値とをも
ちいて、テープテンションとテープ移送速度とを同時に
制御する。
作用 ドライブ指令の決定にファジィ推論を用いることによ
り、様々な状況に対応した制御系が構成できるため、各
種のモードに対して複雑なシーケンスを設定する事なし
に対応することができる。また、速度誤差の測定値とテ
ンションの測定値を同時に用いることにより、テープテ
ンションを適切な値に保ったままテープ移送速度を高速
に変化させることが可能となる。
実施例 第1図は、本発明の一実施例の構成を示す構成図であ
る。第1図において、11、13は、サプライ側(以下、S
側と略す)のそれぞれモータ、リール、12、14は、テー
クアップ側(以下T側)のそれぞれモータ、リールであ
る。テープは、S側及びT側のリール間にわたされ、中
間におかれたスキャナ19により走差される。このテープ
パス間のテープテンションは、S側のテンション検出器
17とT側のテンション検出器18により検出される。両テ
ンション検出器の出力はそれぞれテンション計測手段2
3、24に入力され、テンション測定値として出力され
る。また、速度誤差測定手段21は、テープ移送速度を測
定する手段であり、S側およびT側の速度検出器15、16
により検出される両リールの回転速度を演算し、テープ
移送速度に変換したのち、速度基準値と比較し、結果を
速度誤差測定値として出力する。速度はタイマローラな
どにより直接測定することも可能である。S側ドライブ
指令決定手段41は、速度誤差測定値、テンション測定値
を入力とし、ドライブ指令を出力する。Sリールドライ
ブ回路は、このドライブ指令に従ってSリールモータ11
を制御する。同様に、T側ドライブ指令決定手段42は、
Tリールドライブ回路26にドライブ指令を出力し、Tリ
ールドライブ回路26は、Tリールモータ12を制御する。
以下、ドライブ指令決定手段の動作について説明す
る。ここでは、S側ドライブ指令決定手段42の動作を例
に取って説明するが、T側ドライブ指令決定手段43につ
いても同様である。
ドライブ指令決定手段の働きは、テープテンションと
速度とが、共に適正な値になるようにリールの回転を制
御する指令を出力することにあり、そのために、テンシ
ョン測定値と速度誤差測定値を入力とし、リールのドラ
イブ指令の変化量を出力とするファジィ推論を行う。フ
ァジィ推論とは、言語的に記述された制御ルールに従っ
て出力を決定する推論方法であり、人間の経験や勘に基
づく知識をルールに反映させることにより要求に見合っ
た制御系を設計することが出来る。また、系の特性変化
に対して強いという利点もある。
この制御ルールとしては、たとえば第1表に示すよう
なものが考えられる。入力を速度誤差測定値(VE)とテ
ンション測定値(TEN)とすれば、ルールの組合せは2
次元のマトリクスで表さ れ、それぞれのルールは、速度誤差(VE)が負で大きく
(NL)、テンション(TEN)が非常に小さい(SS)な
ら、回転速度指令値の変化量(DD)は非常に大きく(P
L)すると言うような形のものである。入力と出力はこ
こに挙げたように負で大きい、非常に小さいなどの曖昧
な表現であるファジィ変数で表され、それぞれのファジ
ィ変数は、第3図に示すようにメンバシップ関数で定義
される。テンションは第2図(a)のように、[0、
1]の区間に正規化され、SS(非常に小さい)からLL
(非常に大きい)までの5つのファジィ変数が定義さ
れ、速度誤差は第2図(b)のように、[−1,1]の区
間に正規化され、NL(負で大きい)からPL(正で大き
い)までの5つのファジィ変数が定義される。出力はモ
ータの回転速度指令値の変化量(DD)であり同じく第2
図(c)のように定義される。
以下、実際のファジィ推論の過程を、第3図にしたが
い説明する。まず、それぞれのルールごとの結論を求め
る。例えば、前述のルール(if VE=NL and TEN=SS th
en DD=PLのように示す)に対しては、第3図に示すよ
うに、前件部の各変数と入力値のMAXをとりそれらのM
INをとることにより前件部の適合度を求め、後件部変
数と前件部の適合度のMINを取ったものをこのルールの
結論とする。同じステップを各ルールに適用し、ルール
毎の結論を求めたのちに、全結論のMAXをとり、そ
のメンバシップ関数の重心に対応する値を推論結果とし
て決定する。
このような推論の実行は、汎用のマイクロコンピュー
タやディジタルシグナルプロセッサを利用することによ
り実現することができる。また、専用のファジィ演算チ
ップを用いることも可能である。
以上のような構成により、速度誤差とテンションの両
方を加味してリールを制御するので、テープ移送速度を
変化させるときにもテープテンションを適切な範囲に保
ったまま高速に変化させることが可能になる。
なお、以上の説明においては両方のリールを速度とテ
ンションを同時に制御するモードで制御するものとした
が、ルールの構成によってはテンションのみを制御する
モードなども可能であり、従来の制御法と組み合わせて
使用することも可能である。また、推論法についても様
々なバリエーションが考えられるので、例示したような
もの以外の推論法を使用することもできる。
さらに、ファジィ推論の入力変数としてテープの巻径
情報やテープ移送速度の変化量などを用いることもでき
る。この場合には、多くの情報を総合的に判断すること
により、さらに高精度な制御系を構成することが可能と
なる。
発明の効果 以上説明したように、本発明によればテープテンショ
ンを適正に保ったままテープ移送速度を高速に変化させ
ることができるので、素早いモード移行が可能である。
また、ファジィ推論を用いるため、設計者の直感を取り
込み、要求に見合った特性の制御系を構成することが容
易である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の構成図、第2図はファジィ
変数の定義を示す線図、第3図はファジィ推論の過程を
説明するための線図、第4図は従来例の構成図である。 11、12……リールモータ、21……速度誤差測定手段、2
3、24……テンション測定手段、41、42……ドライブ指
令決定手段。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つのリール間にわたされたテープの走行
    を、リールを駆動するモータにより制御するテープ駆動
    装置であって、テープテンションとテープ移送速度を検
    出するセンサと、前記センサの検出量を入力としファジ
    ィ推論を行なうことによりリールモータドライブ指令を
    決定し、テープテンションあるいはテープ移送速度また
    はその両方を制御するドライブ指令決定手段とを備え、 前記ドライブ指令決定手段は前記検出量からリールドラ
    イブ指令を推論するルールを有し、前記ルールにつき入
    力検出量と前件部メンバーシップ関数から得られる適合
    度によりルール後件部に重みづけを行ない、この重みづ
    けしたルールの結論を合成した結果に基づいて決定され
    るリールドライブ指令を出力することを特徴とするテー
    プ駆動装置。
  2. 【請求項2】2つのリール間にわたされたテープの走行
    を、リールを駆動するモータにより制御するテープ駆動
    装置であって、テープテンションとテープ移送速度を検
    出するセンサと、前記センサの検出量を入力としファジ
    ィ推論を行なうことによりリールモータドライブ指令を
    決定し、テープテンションあるいはテープ移送速度の両
    方を制御するモードを持つドライブ指令決定手段とを備
    え、 前記ドライブ指令決定手段は前記検出量からリールドラ
    イブ指令を推論するルールを有し、前記ルールにつき入
    力検出量と前件部メンバーシップ関数から得られる適合
    度によりルール後件部に重みづけを行ない、この重みづ
    けしたルールの結論を合成した結果に基づいて決定され
    るリールドライブ指令を出力することを特徴とするテー
    プ駆動装置。
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JPH03269857A (ja) * 1990-03-19 1991-12-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd テープ駆動装置
JPH03276450A (ja) * 1990-03-27 1991-12-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd リールモータ制御装置
JPH03278352A (ja) * 1990-03-27 1991-12-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd リールモータ制御装置
JPH04177647A (ja) * 1990-11-09 1992-06-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd テープ駆動装置
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日経エレクトロニクス No.426 1987年7月27日号、日経BP社 P.129−152

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