JP2652087B2 - 光起電力装置とその製造方法 - Google Patents

光起電力装置とその製造方法

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行彦 中田
学 伊藤
晃敏 横田
仁 三宮
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は光起電力装置に関し、特に、非晶
質半導体の薄膜を含む光起電力装置の光電変換効率の改
善に関するものである。
【0002】
【産業上の利用分野】光起電力装置は、そのコストの低
減と光電変換効率の向上が求められている。非晶質半導
体膜を含む光起電力装置は、結晶の半導体層を含む光起
電力装置に比べて光の吸収度が高いので、薄く形成する
ことが可能である。また、非晶質光起電力装置は製造工
程が簡単で、かつ製造時の温度が低いので製造時にエネ
ルギを節約し得るなどの利点を有している。さらに、非
晶質光起電力装置は、基板材料として安価なガラス,ス
テンレス,セラミックなどを用いることができるので、
コストの低減が容易である。
【0003】ただし、ガラス,ステンレス,セラミック
などを基板材料として用いる場合、それらの材料の表面
の光反射率はおおむね低い。したがって、光電変換効率
の向上のために、高反射率を有する1種類または2種類
以上の金属を用いて平滑な反射層を基板上に形成するこ
とにより、基板表面の反射率が高められている。そし
て、光起電力装置の半導体膜で吸収されずに透過した入
射光を基板表面で反射させて、その反射光をも半導体膜
に吸収させることによって光電変換効率の向上が図られ
ている。
【0004】しかし、半導体膜を透過した光が基板表面
で鏡面反射して半導体膜内へ再び入るとき、入射光と反
射光との間で“干渉”が起こり、干渉縞が現われること
がある。干渉縞は、光波が互いに弱め合うかまたは強め
合う現象である。したがって、半導体膜の厚さと入射光
の波長によっては、入射光と反射光の強度が互いに打ち
消し合って弱め合うことになる。このことは相対的に光
量が減少することと等価であり、光電変換効率の低下を
招く。
【0005】第15図を参照して、前述のような光の干
渉を低減させることによって光電変換効率を改善するこ
とが期待される光起電力装置の周知の概念的断面図が示
されている。この光起電力装置においては、基板1上に
凹凸表面を有する反射性の金属層2が形成されている。
この金属層2は、背面電極として働く。背面電極2上に
は、光電変換層として働く非晶質半導体膜3が形成さ
れ、半導体膜3は透光性の前面電極4によって覆われて
いる。
【0006】このような光起電力装置内に光線L0 が入
射する場合、もし入射光線L0 が半導体膜3内で吸収さ
れずに背面金属電極2に至れば、入射光線L0 は金属電
極2の凹凸表面で散乱反射される。もし散乱反射された
光L1 が半導体膜2内で吸収されずに半導体膜3と透明
電極4との界面まで戻れば、散乱反射された光L1 はそ
の界面に対する法線に関して比較的大きな角度を成す傾
向にあるので、光L1 はその界面で再び半導体膜3内へ
反射された光L2 になる傾向にある。すなわち、入射光
が一旦半導体膜3内に入れば、その光は半導体膜3内に
閉じ込められる傾向にある。このことは、しばしば“光
閉じ込め技術”と称される。
【0007】結果として、第15図に示されたような光
起電力装置においては、背面金属電極2から反射された
光と入射光との干渉が減少させられる。また、半導体膜
中において、背面金属電極2から散乱反射された光の光
路長が長くなるので、その反射された光は効率よく半導
体膜内で吸収されて光電変換に寄与する。
【0008】凹凸表面を有する背面金属電極を形成する
ための先行技術による1つの試みにおいて、基板上に約
260℃において約1000Å厚さの銀の膜が電子ビー
ム蒸着によって堆積され、その銀膜の表面を凹凸にする
ために、真空中においてベーキングされる。先行技術に
よるもう1つの試みにおいては、基板上に約200℃に
おいて約1000Å厚さの銀膜がスパッタリングによっ
て堆積され、その銀膜の表面を凹凸にするために、約6
00℃でベーキングされる。
【0009】しかし、“光閉じ込め”に十分な凹凸を背
面金属電極の表面上にベーキングを利用して形成するこ
とは困難である。また、600℃のような高温でのベー
キングは、基板に悪影響を及ぼすことがある。
【0010】このような先行技術の課題に鑑み、本発明
の目的は、入射光を十分に散乱反射させることのできる
背面金属電極を含む光起電力装置とその製造方法を提供
することである。本発明のもう1つの目的は、光電変換
効率の改善された光起電力装置とその製造方法を提供す
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様によ
れば、光起電力装置は、基板と、その基板上に形成され
ていて不均一な凹凸表面を有する半連続の金属層と、そ
の半連続金属層を覆うように形成されていて実質的に均
一な厚さを有する反射性で連続な金属層と、その連続な
金属層上に形成された半導体膜と、その半導体膜上に形
成された透明電極とを備えている。なお、本願明細書に
おいて、「半連続」の金属層とは、下地層の全表面を隙
間なく完全に覆う連続な金属層ではなくて、多数の微小
な島状領域もしくは半島状領域または多数の微小な開口
を含んでいて、下地層の表面を不完全に覆っている金属
層をいうものとする。
【0012】本発明の第2の態様によれば、光起電力装
置の製造方法は、比較的高温において、不均一な凹凸表
面を有する半連続の金属層を基板上に形成し、その半連
続の金属層を覆うように、比較的低温において、実質的
に均一な厚さを有する反射性で連続な金属層を堆積し、
その連続な金属層を覆うように光電変換用の半導体膜を
堆積し、その半導体膜上に透明電極を堆積させる各ステ
ップを含んでいる。
【0013】本発明の第3の態様によれば、光起電力装
置は、基板と、その基板上に形成されていて反射性表面
を有する連続な金属膜と、その連続な金属膜を覆うよう
に形成された透明な導電層と、その透明な導電層上に形
成された島状で反射性の金属層と、その島状の金属層を
覆うように形成された光電変換用の半導体膜と、その半
導体膜上に形成された透明電極とを備えている。
【0014】
【作用】本発明の第1の態様による光起電力装置におい
ては、半連続の金属層が不均一な凹凸表面を有し、反射
性で連続な金属層は実質的に均一な厚さを有しているの
で、連続な金属層の表面は半連続の金属層の表面の凹凸
を引き継ぐ。したがって、半導体膜を透過した入射光は
連続な金属層の凹凸表面によって散乱反射されて効果的
に半導体膜内に閉じ込められる。すなわち、入射光のみ
ならず反射光も半導体膜中の光電変換に効率よく利用さ
れ、光起電力装置の光電変換効率が改善される。
【0015】本発明の第2の態様による光起電力装置の
製造方法においては、半連続の金属層は比較的高温にお
いて基板上に堆積されるので、半連続の金属層の表面は
不均一で十分な凹凸を有することができる。そして、反
射性で連続な金属層は比較的低温において半連続の金属
層上に堆積されるので、連続な金属層は均一な厚さを有
し、その表面は半連続の金属層の表面の凹凸を引き継ぐ
ことができる。
【0016】本発明の第3の態様による光起電力装置に
おいては、半導体膜を透過した入射光は島状の金属層に
よって散乱反射され、島状の金属層の開口部を通過した
入射光は連続な金属膜によって半導体膜へ向けて反射さ
れる。したがって、入射光と反射光が半導体膜中の光電
変換に効率よく利用され、光起電力装置の光電変換効率
が改善される。
【0017】
【実施例】第1図を参照して、本発明の第1実施例によ
る光起電力装置が概念的な断面図で示されている。この
光起電力装置においては、ガラス,ステンレス,セラミ
ックなどの基板1上に、微細な凹凸表面を有する半連続
の第1の金属層2aが形成されている。凹凸表面を有す
る半連続の金属層2aは実質的に均一な厚さを有する反
射性で連続な第2の金属層2bで覆われている。第1と
第2の金属層2a,2bは背面電極として作用する。連
続な第2金属層2b上には、光電変換のためのSi,S
iGeまたはCdSなどの非晶質半導体薄膜3が形成さ
れている。半導体薄膜3上には、透明な前面電極4が形
成されている。
【0018】第1図のような光起電力装置は、たとえば
以下のようにして形成することができる。基板1とし
て、表面研磨されたステンレス綱SUS304の板を用
いることができる。また、半連続の第1金属層2aと連
続な第2金属層2bは高反射性の銀を用いて形成するこ
とができる。
【0019】凹凸表面を有する半連続の第1銀層2a
は、300℃以上の温度に保持された基板1上に、電子
ビーム蒸着またはスパッタリングによって約10Å/秒
の成長速度で250Åから800Åの範囲内の厚さに堆
積することによって形成され得る。基板の温度が300
℃以下の場合、十分な凹凸表面を有する半連続の第1銀
層2aが形成され得ない。局所的な凝集を促進して十分
な凹凸表面を得るためにはより高い基板温度が好ましい
が、基板温度が高すぎれば基板1が悪影響を受ける。し
たがって、十分な凹凸表面を有する半連続の第1銀層2
aを形成するためにより好ましい基板温度範囲は300
〜450℃である。第1銀層2aが250Åより薄いか
または800Åより厚い場合には、第1金属層2aの表
面上に凝集による十分な凹凸を得ることができない。第
1銀層2aの表面上に十分な凹凸を得るためには、第1
銀層2aのより好ましい厚さは250〜600Åの範囲
である。
【0020】実質的に均一な厚さを有する連続な第2銀
層2bは、260℃以下の基板温度で、半連続の第1銀
層2aを覆うように電子ビーム蒸着またはスパッタリン
グによって約10Å/秒の成長速度で300Å以上の厚
さに堆積することによって形成され得る。連続な第2銀
層2bは実質的に均一な厚さを有するので、連続な第2
銀層2bの上側表面も不連続な第1銀層2aの表面の凹
凸と同様な凹凸を有する。第2銀層2bが300Åより
薄いとき、第2銀層2は完全に連続な膜になりにくい。
しかし、第2銀層2bはあまり厚くする必要はないし、
700Å厚くしすぎればその表面の凹凸が小さくなる傾
向にある。したがって、第2銀層2bの最も好ましい厚
さの範囲は350〜500Åである。凝集を避けかつで
きるだけ薄い状態で連続な第2銀層2bを形成するため
には、基板温度が低い方が好ましい。しかし、基板温度
が低すぎれば、半連続の第1銀層2aと連続な第2銀層
2bとの間の接合性が低化する。よって、連続な第2銀
層2bの形成時の基板温度は100〜260℃であるこ
とが好ましい。
【0021】第2図を参照して、350℃においてステ
ンレス基板1上200Åの厚さに堆積された半連続の第
1銀層2aのSEM(走査型電子顕微鏡)写真が示され
ている。このSEM写真は、基板1の表面から45度の
角度をなす方向からとられている。半連続の銀層2aは
白く現われている島状または半島状の局所的に凝集した
領域を含んでおり、基板表面の約50%を覆っている。
写真下部の白くて短い横棒は1.0μmの長さを表わし
ている。
【0022】第3図(A)のグラフを参照して、厚さ2
00Åの半連続の第1銀層2aを含むステンレス基板1
の光反射率が示されている。このグラフにおいて、横軸
は入射光の波長(nm)を表わし、縦軸は光反射率
(%)を表わしている。一点鎖線の曲線Rは鏡面反射
(基板表面に対する光の入射角と反射角が等しい反射)
を表わしている。他方、実線の曲線TRは全反射(鏡面
反射のみならず散乱反射をも含む)を表わしている。第
3図(B)のグラフにおいて、横軸は入射光の波長(n
m)を表わし、縦軸は全反射に対する散乱反射の割合
(TR−R)/TR(%)を表わしている。第3図
(A)と(B)のグラフから、第2図の基板表面におい
ては全反射TRおよび散乱反射(TR−R)/TRがと
もに不十分であることがわかる。
【0023】第4図を参照して、350℃においてステ
ンレス基板1上へ500Åの厚さに堆積された半連続の
第1銀層2aのSEM写真が示されている第4図の第1
銀層2aにおいては局所的凝集が進んでおり、第4図の
第1銀層2aは第2図のそれに比べて粗い組織を有して
いる。
【0024】第5図(A)のグラフは、厚さ500Åの
半連続の第1銀層2aを含む第4図の基板の光反射率を
示している。第5図(A)においては、第3図(A)と
比べて全反射TRが増大していることがわかる。そし
て、この全反射TRの増大は、主に散乱反射(TR−
R)/TRの増大によるものであることが第5図(B)
からわかる。
【0025】第6図を参照して、350℃においてステ
ンレス基板1上へ1000Åの厚さに堆積された銀層の
SEM写真が示されている。第6図の銀層は表面上に凹
凸を有しているが、実質的に連続な層になっている。す
なわち、この銀層はステンレス基板の表面を完全に覆っ
ている。
【0026】第7図(A)のグラフは、厚さ1000Å
の銀層を含む第6図の基板の光反射率を示している。第
7図(A)においては、第5図(A)と比べて全反射T
Rが増大しているが、散乱反射(TR−R)/TRが減
少していることが第7図(B)と第5図(B)との比較
からわかる。
【0027】したがって、本発明の第1実施例による光
起電力装置においては、第5図(B)に示されたような
満足し得る散乱反射(TR−R)/TRを維持しつつ全
反射TRを増大させるために、表面上に凹凸を有する半
連続の第1銀層2a上に実質的に均一な厚さを有する連
続な第2銀層2bが堆積される。
【0028】表1において、本発明の第1実施例による
光起電力装置Aの種々の光電変換特性が先行技術による
光起電力装置Bとの比較において示されている。光起電
力装置Aは、ステンレス基板1上に350℃で500Å
厚さに堆積された半連続の第1銀層2aと、その上に1
50℃で実質的に均一な500Å厚さに堆積された連続
の第2銀層2bと、その上に堆積された非晶質SiGe
膜3を含んでいる。非晶質SiGe膜はp−i−n接合
を含み、i層の厚さは約2500Åである。他方、先行
技術による光起電力装置Bは、ステンレス基板上に35
0℃で1000Å厚さに堆積された連続な単一の銀層
と、その上に堆積された非晶質SiGe膜を含んでい
る。
【0029】
【表1】
【0030】この表1から明らかなように、第1実施例
の光起電力装置Aは、開放電圧VOC を除く他の光電変
換特性である短絡電流IS C ,フィルファクタFFおよ
び変換効率ηのすべてにおいて先行技術の光起電力装置
Bより優れており、特に光電変換効率ηは18%も改善
されていることがわかる。
【0031】なお、上述の第1実施例では、ステンレス
基板1の研磨表面上に直接第1と第2の銀層2a,2b
が形成されているが、基板1上に電子ビーム蒸着やスパ
ッタリングなどによってチタン層を形成し、その上に銀
の反射層2a,2bを形成してもよい。なぜならば、そ
のようなチタン層は、ステンレス基板1と銀の反射層2
a,2bとの間の付着性を改善するからである。
【0032】また、上述の第1実施例では連続な第2銀
層2b上に直接SiGeの半導体膜3が形成されている
が、反射層2bと半導体膜3との間に透明なZnO導電
層を形成してもよい。ZnO層は、その屈折率の作用に
よって半導体膜3内への光の閉じ込めの効果を高めるか
らである。ZnO層は、500〜2500Åの厚さに形
成されるのが好ましい。なぜならば、ZnO層が薄すぎ
れば均一な膜になりにくく、逆に2500Å以上に厚く
しても光電変換効率がさらに増大することにはならない
からである。ZnO層のより好ましい厚さの範囲は、7
00〜1500Åである。
【0033】第8図は、第1銀層2aの厚さが種々の光
電変換特性に及ぼす影響を示している。このグラフにお
いて、横軸は第1銀層の厚さ(Å)を表わしており、縦
軸は短絡電流IS C ,開放電圧VO C ,フィルファクタ
FFおよび最大出力Pm a x などの光電変換特性を表わ
している。第8図に示されている光起電力装置は、ステ
ンレス基板上に350℃において約30Å/秒の成長速
度で500Åの厚さに堆積されたチタン層と、そのチタ
ン層上に350℃において形成されていて横軸の座標で
表わされた厚さを有する第1銀層と、150℃で形成さ
れた500Å厚さの第2銀層を含んでいる。ただし、横
軸上の点Refは先行技術による光起電力装置を表わし
ており、その光起電力装置は、ステンレス基板上に形成
された500Å厚さのチタン層と、その上に350℃で
形成された1000Å厚さの単一の銀層を含んでいる。
縦軸上の種々の光電変換特性は、この先行技術の光起電
力装置の特性によって規格化されて示されている。第8
図のグラフから理解されるように、第1銀層の厚さは約
250〜600Åの範囲内にあることが好ましい。
【0034】第9図は第8図に類似しているが、第9図
の横軸は第2銀層の厚さを表わしており、第1銀層の厚
さは一定の350Åに設定されている。第9図から理解
されるように、第2銀層は約300Å以上の厚さを有す
ることが好ましい。しかし、第2銀層の厚さを500Å
以上に増大しても光電変換特性がさらに改善されること
はないので、第2銀層のより好ましい厚さの範囲は35
0〜500Åである。
【0035】第10図のグラフに示された光起電力装置
は、350Åの厚さの第1の銀層と500Åの厚さの第
2の銀層と、さらに第2銀層上に堆積されたZnO層を
含んでいる。第10図における横軸はこのZnO層の厚
さ(Å)を表わしている。縦軸上の種々の光電変換特性
は、ZnO層を含まない光起電力装置の特性によって規
格化されている。このグラフから理解されるように、Z
nO層の厚さは500〜2500Åの範囲にあることが
好ましく、より好ましくは700〜1500Åの範囲に
ある。
【0036】第11図を参照して、本発明の第2実施例
による光起電力装置が概念的な断面図で示されている。
この光起電力装置においては、連続で反射性の第1の金
属層2が基板1の上表面を完全に覆うように形成されて
いる。第1の金属層2は、透明導電層5によって覆われ
ている。透明導電層5上には、島状で反射性の第2の金
属層が形成されている。この島状の第2金属層は透明導
電層5の上表面の30〜70%を覆っていることが好ま
しい。第1の金属層2,透明導電層5および第2の金属
層6は、背面電極として作用する。光電変換のための非
晶質半導体膜3は、島状の第2金属層6および透明導電
層5を覆うように形成されている。非晶質半導体膜3上
には、透明な前面電極4が形成されている。
【0037】第11図に示したような光起電力装置に光
が入射するとき、半導体膜3を透過した光の一部は島状
の第2金属層6によって散乱反射される。第2金属層6
中の島間を通過するかまたはそれらの島によって方向を
変えられて透明導電層5内に入った光は連続な第1金属
層2によって反射され、再び第2金属層6中の島間を通
過するかまたはそれらの島によって方向を変えられて半
導体膜3内に戻される。したがって、光起電力装置に入
射した光は半導体膜3内に閉じ込められる傾向にあり、
光電変換効率が改善される。
【0038】第12図を参照して、第2実施例によるよ
り具体的な光起電力装置の一例が断面図で示されてい
る。ステンレス基板1上に、チタン層7が電子ビーム蒸
着によって厚さ約500Åに形成される。チタン層7上
には、連続な第1の銀層2が350℃において蒸着によ
って1000Åの厚さに堆積される。第1銀層2上に
は、1000Åの厚さの透明なZnO導電層5が形成さ
れ、その上に厚さ200Åの島状の第2銀層6が蒸着に
よって堆積される。この島状の第2銀層6は透明な導電
層5の表面の約50%を覆っている。
【0039】その後、島状の第2銀層6およびZnO導
電層5を覆うように、n型の非晶質Si層3n,i型の
非晶質Si層3i,非晶質SiCのp−i界面層3pi
およびp型の非晶質SiC層3pがプラズマCVD法に
よって順次堆積される。最後に、p型の非晶質SiC層
3p上に透明な前面電極4が形成される。
【0040】第13図を参照して、非晶質半導体層を堆
積するためのプラズマCVD装置が概念的に図解されて
いる。このプラズマCVD装置は、導入チャンバ11,
仕切り弁12,n型半導体層形成用反応チャンバ13,
i型半導体層形成用反応チャンバ14,p型半導体層形
成用反応チャンバ15,および取出しチャンバ16を含
んでいる。反応チャンバ13ないし15の各々内には、
陰極18が設けられている。ボンベ19ないし23は、
それぞれSiH4 ,H2 ,CH4 ,PH3 ,およびB2
6 を内蔵している。プラズマCVD装置はさらに高周
波電源24を備え、基板1上に半導体層が堆積される。
第12図の光起電力装置中の非晶質半導体層3n,3
i,3pi,3pの各々が、第13図のCVD装置を用
いて、表2のガス流量のもとに形成され得る。
【0041】
【表2】単位(sccm)
【0042】第12図の光起電力装置は、先行技術によ
る比較のための光起電力装置より短絡電流において約1
0%の改善を示した。この比較のための起電力装置は第
12図のものと類似しているが、透明導電層5とその上
の島状の第2銀層6とを備えていないものである。
【0043】以上の第2実施例において、連続な第1銀
層2を、第1図の半連続の銀層2aと連続な銀層2bで
形成する場合、短絡電流はさらに改善される。
【0044】第14図を参照して、本発明の第3の実施
例による積層された3層の光起電力セルを含むタンデム
型の光起電力装置が概略的な断面図で示されている。半
導体膜中における長波長光の吸収係数は一般に小さいの
で、タンデム型の光起電力装置は長波長光をより効率的
に利用とする場合に好ましい。また、長波長光を効率的
に利用するためには、非晶質シリコンのエネルギバンド
ギャップである1.75eVより小さなエネルギバンド
ギャップを有する非晶質SiGeのi層を用いることが
好ましい。この非晶質SiGeのi層を含む光起電力セ
ルは、タンデム型光起電力装置の下層に配置されるのが
好ましい。第14図のタンデム型光起電力装置において
は、第12図の光起電力装置におけると同様に、ステン
レス基板1上に、厚さ500Åのチタン層7,厚さ10
00Åの連続な第1銀層2,厚さ1000Åの透明なZ
nO導電層5および厚さ200Åで島状の第2銀層6が
順次堆積されている。
【0045】島状の第2銀層6および透明導電層5上に
は、n型の非晶質Si層3n,i型の非晶質SiGe層
3ia,非晶質SiCのp−i界面層3piおよびp型
の非晶質SiC層3pが堆積され、これによって、第1
層の光起電力セルが形成される。
【0046】第1層の光起電力セル上には、また、n型
の非晶質Si層8n,i型の非晶質Si層8i,非晶質
SiCのp−i界面層8piおよびp型の非晶質SiC
層8pが順次堆積され、これによって第2層の光起電力
セルが形成される。
【0047】第2層の光起電力セル上には、さらに、n
型の非晶質Si層9n,i型の非晶質SiC層9i,非
晶質SiCのp−i界面層9piおよびp型の非晶質S
iC層9pが順次堆積され、これによって第3層の光起
電力セルが形成される。最後に、第3層の光起電力セル
上に透明な前面電極4が形成される。
【0048】第14図のタンデム型光起電力装置は、先
行技術による比較のためのタンデム型光起電力装置よ
り、短絡電流において約20%の改善を示してた。この
比較のためのタンデム型光起電力装置は第14図のもの
に類似しているが、透明導電層5とその上の島状の第2
銀層6とを備えていないものである。
【0049】第3実施例のタンデム型光起電力装置にお
いても、連続な第1銀層2を第1図の半連続の銀層2a
と連続な銀層2bとで形成する場合、短絡電流はさらに
改善される。
【0050】なお、以上の種々の実施例において反射性
金属として銀が用いられたが、代わりにアルミニウム,
銅,金などを用いてもよいことが理解されよう。また、
半導体層として、非晶質半導体層のみならず多結晶半導
体層や単結晶半導体層をも用いることができる。さら
に、半導体としては、Si,SiGe,SiCのみなら
ず他の種々の化合物半導体をも用いることができる。ま
たさらに、基板の材料として、ステンレスのみならず、
ガラスなどの他の種々の材料をも用いることができる。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、光が半
導体膜内に効率的に閉じ込められることによって光電変
換効率の改善された光起電力装置とその製造方法を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による光起電力装置の概念
的な断面図である。
【図2】350℃においてステンレス基板上へ200Å
の厚さに堆積された銀層の金属組織を示すSEM写真で
ある。
【図3】第2図の基板の光反射特性を示すグラフであ
る。
【図4】350℃においてステンレス基板上へ500Å
の厚さに堆積された半連続の銀層の金属組織を示すSE
M写真である。
【図5】第4図の基板の光反射特性を示すグラフであ
る。
【図6】350℃においてステンレス基板上へ1000
Åの厚さに堆積された連続な銀層の金属組織を示すSE
M写真である。
【図7】第6図の基板の反射特性を示すグラフである。
【図8】第1実施例における第1銀層の厚さが光電変換
特性に及ぼす影響を示すグラフである。
【図9】第1実施例における第2銀層の厚さが光電変換
特性に及ぼす影響を示すグラフである。
【図10】第1実施例におけるZnO層の厚さが光電変
換特性に及ぼす影響を示すグラフである。
【図11】本発明の第2実施例による光起電力装置を示
す概念的な断面図である。
【図12】第2実施例によるより具体的な光起電力装置
の一例を示す断面図である。
【図13】非晶質半導体層を堆積するためのプラズマC
VD装置を示す概念図である。
【図14】本発明の第3実施例によるタンデム型の光起
電力装置を示す概略的な断面図である。
【図15】光起電力装置の半導体膜内への“光の閉じ込
め”を説明するための概念図である。
【符号の説明】
1は基板、2は金属膜、2aは凹凸表面を有する半連続
の金属層、2bは均一な厚さを有する連続な金属層、3
は半導体膜、4は透明な前面電極、5は透明なZnO
層、6は島状の金属層、7はチタン層を表わす。なお、
各図において、同一符号は同一内容または相当部分を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横田 晃敏 大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャー プ株式会社内 (72)発明者 三宮 仁 大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャー プ株式会社内 (72)発明者 森内 荘太 大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャー プ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−199863(JP,A) 特開 昭62−209872(JP,A) 特開 昭61−44476(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、 前記基板上に形成されていて不均一な凹凸表面を有する
    半連続の金属層と、 前記半連続の金属層を覆うように形成されていて実質的
    に均一な厚さを有する反射性で連続な金属層と、 前記連続な金属層上に形成された光電変換用の半導体層
    と、 前記半導体層上に形成された透明電極とを備えたことを
    特徴とする光起電力装置。
  2. 【請求項2】 比較的高温において、不均一な凹凸表面
    を有する半連続の金属層を基板上に堆積し、 比較的低温において、実質的に均一な厚さを有する反射
    性で連続な金属層を前記半連続の金属層を覆うように堆
    積し、 前記連続の金属層を覆うように光電変換用の半導体層を
    堆積し、 前記半導体層上に透明電極を堆積させる各ステップを含
    むことを特徴とする光起電力装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 基板と、 前記基板上に形成されていて反射性表面を有する連続な
    金属層と、 前記連続な金属層を覆うように形成された透明な導電層
    と、 前記透明な導電層上に形成された島状で反射性の金属層
    と、 前記島状の金属層および前記透明な導電層を覆うように
    形成された光電変換用の半導体層と、 前記半導体層上に形成された透明電極とを備えたことを
    特徴とする光起電力装置。
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