JP2651950B2 - ふっ化ビニリデンを製造するための気相接触方法 - Google Patents

ふっ化ビニリデンを製造するための気相接触方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明はふっ化ビニリデンの製造に関する。更に特性
するに、本発明は、1,1,1−トリクロロエタンおよび
(又は)塩化ビニリデンをふっ化水素化させてふっ化ビ
ニリデンを製造する気相接触方法に関する。
[発明の背景] 1,1,1−トリフルオロエタンは副生廃棄物である。こ
れを回収し脱ふっ化水素してふっ化ビニルリデンを形成
することができる(特公昭54−130507号公報参照のこ
と)。1,1,1−トリフルオロエタンは別法として焼却さ
れる。
1,1,1−トリフルオロエタンを脱ふっ化水素してふっ
化ビニリデンを生じさせることは可能であるけれども、
1,1,1−トリフルオロエタンの他の用途が探究されてい
る。
従前、ヒドロフルオロカーボンが、気相ふっ素化触媒
特に1,1,1−トリクロロエタンないし塩化ビニリデンの
ふっ化水素化用触媒の性能を改良すべく希釈剤兼触媒活
性剤として使用しうることは認識されていなかった。
[発明の概要] ふっ化ビニリデンの製造方法を提供する。ふっ化水素
と、式CHnCXm(nおよびmは2又は3であり、各Xは個
々にふっ素、塩素、臭素およびよう素の群から選ばれる
が、但しm=3のときXがすべて弗素という場合を除
く)のハロ炭化水素少なくとも1種を含む蒸気相反応混
合物を形成する。該蒸気相反応混合物に希釈剤として1,
1,1−トリフルオロエタンを加え、ふっ化水素とハロ炭
化水素とを不均一ふっ素化触媒の存在で反応させる。反
応生成物としてふっ化ビニリデンを得る。好ましくは、
反応混合物に加える1,1,1−トリフルオロエタンは、ふ
っ化ビニリデンから分離後再循環されて反応混合物に戻
されるふっ化水素反応副生物を含む。
本発明の一つの具体化に従って、ふっ化ビニリデンの
連続的製造方法を提供する。上に定義したハロ炭化水素
少なくとも1種を反応帯域に連続供給する。ふっ化水素
とハロ炭化水素とを反応帯域中不均一ふっ素化触媒の存
在下蒸気相で連続的に反応させる。反応帯域から、ふっ
化ビニリデンと1,1,1−トリフルオロエタンを含む製品
混合物を連続的に取出し、且つ1,1,1−トリフルオロエ
タンの少なくとも一部を再循環して反応帯域に戻す。
[発明の詳細な説明] 本発明者等は、従前、CHnCXmハロ炭化水素の気相接触
ふっ化水素処理で副生廃棄物とみなされていた1,1,1−
トリフルオロエタンがふっ化水素化反応における所望生
成物ふっ化ビニリデンの選択性を改良するのに希釈剤兼
触媒活性剤として利用しうることを見出した。かくし
て、1,1,1−トリフルオロエタンを反応混合物に加え戻
すことにより不均一ふっ化水素化触媒の性能が改良され
るものと信じられる。本発明に従えば、ふっ化ビニリデ
ンの選択性は、操作条件に依って10〜15%まで高めるこ
とができる。
一般に、ふっ化水素とCHnCXmハロ炭化水素を約0:1〜1
0:1好ましくは約1:1〜4:1のモル供給比で反応帯域に供
給する。或る状況では、1,1,1−トリフルオロエタンの
脱ふっ化水素によるふっ化水素の現場発生のためにふっ
化水素の供給を零にすることができる。而して、脱ふっ
化水素はCHnCXmハロ炭化水素のふっ化水素化と同時に進
行する。反応帯域において、反応体は気体状態で一緒に
なる。反応帯域は、気相ふっ化水素化に適する既知の反
応容器のいずれをも含みうる。斯かる装置は当業者によ
く知られている。
本方法は、ふっ化ビニリデンにハロ炭化水素が転化す
るのを促進する任意温度で作動しうる。一般に、本方法
は約400〜650℃好ましくは約550〜625℃で作動する。圧
力は、反応体を反応温度で液化する程高くない限り臨界
的でない。
反応温度での反応帯域における反応混合物の滞留時間
は、ふっ化ビニリデンへのハロ炭化水素の所望転化度に
従って選定することができる。典型的には、反応体は約
1秒〜20秒間好ましくは約5秒〜20秒間反応帯域で接触
せしめられる。
供給物は、一つの炭素原子上にすべての水素原子が置
換され、また他の炭素原子上にすべてのハロゲン原子が
置換されている任意の飽和ないしオレフィンハロ炭化水
素を含みうる。好ましくは、ハロ炭化水素は塩化ビニリ
デンおよび(又は)1,1,1−トリクロロエタンを含みう
る。ふっ化ビニリデンに容易に接触ふっ化水素化される
他のハロ炭化水素化合物として、例えば、1−クロロ−
1−フルオロエチレン、1,1−ジクロロ−1−フルオロ
エタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロタン等が含まれ
る。1,1,1−トリクロロエタン若しくは塩化ビニリデン
のふっ化水素化において、1−クロロ−1−フルオロエ
チレン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンおよび1
−クロロ−1,1−ジフルオロエタンが中間体として発生
しうる。
反応は一般に、適当な不均一触媒の存在で実施され
る。触媒は有利には金属ふっ化物例えば、AlF3、CrF3
FeF3、SbF5、NiF2、BF3、SnF4およびこれらの組合せを
含む。本方法に用いられる他の適当な触媒は、ふっ化水
素による賦活時、相当する金属ふっ化物に転化する金属
酸化物又は金属塩化物を含む。かくして、本明細書に記
載の反応条件で金属ふっ化物に転化することのできる化
合物が本方法に用いられる触媒として包含される。かか
る触媒に、例えばFeCl3、Fe2O3、CoCl2、CoO、CrCl3、C
r2O3等が非制限的に含まれる。触媒の直接使用し得、或
はγ−アルミニウム酸化物の如き適当な触媒担体上に担
持しうる。かかる担持触媒は例えばペレットないし顆粒
状で用いることができる。
反応帯域に有利に供給されるふっ化水素対CHnCXmハロ
炭化水素比は約1:1〜10:1であるけれども、或る状況で
は反応帯域に搬送されるふっ化水素の量を零にしても申
し分ない。なぜなら、ハロ炭化水素供給物のふっ化水素
化を支持するのに十分なふっ化水素を1,1,1−トリフル
オロエタンの同時的脱ふっ化水素によって発生させうる
からである。それゆえ、申し分のないレベルにおけるふ
っ化ビニリデンの製造を支持するのに必要なふっ化水素
の量は、必然的に脱ふっ化水素生成物として現場発生さ
れるふっ化水素の量を斟酌する。例えば、1,1,1−トリ
フルオロエタン2モルは、塩化ビニリデン1モルをふっ
化ビニリデンに転化させるのに十分なふっ化水素を発生
する。或る状況では、ふっ化水素化反応を支持するふっ
化水素要求数量が1,1,1−トリフルオロエタンの脱ふっ
化水素により現場形成されるふっ化水素で満たされるよ
うに独立給源から十分な1,1,1−トリフルオロエタンを
反応帯域に供給することができる。斯かる状況下、別の
ふっ化水素供給は不必要である。他方、もし、反応帯域
に導入される1,1,1−トリフルオロエタンが反応系外の
給源を持たず、むしろ1,1,1−トリフルオロエタンの再
循環供給物を含むだけであるなら、ふっ化水素化反応を
長時間支持するために独立給源からふっ化水素を供給せ
ねばならない。
確実に触媒を炭素質付着物のない或は「コークス」の
ない状態に保つために、酸化剤を反応帯域に随意導入す
ることができる。かくして、有機反応体の燃焼結果とし
て触媒表面に蓄積しうる炭素質付着物すべての燃焼を促
進すべく、酸化ガスを反応器に導入することができる。
かかる酸化ガスに、例えばO2および(又は)CO2が含ま
れうる。酸化ガスは、反応帯域への供給時、供給物ハロ
炭化水素と有利に混合される。酸化剤としてO2を用いる
とき、O2対ハロ炭化水素比は約0〜20モル%好ましくは
約5〜10モル%範囲でありうる。酸化剤としてCO2を用
いるとき、CO2対ハロ炭化水素比は約0〜200モル%好ま
しくは約50〜100モル%範囲でありうる。
本発明の方法は回分法、半連続法又は連続法として実
施することができる。好ましくは、本方法は、反応帯域
にふっ化水素とハロ炭化水素とを連続供給してそれらの
蒸気相反応混合物を形成することを含む連続態様で実施
される。ふっ化水素とハロ炭化水素とを不均一触媒の存
在で連続的に反応させる。反応帯域からふっ化ビニリデ
ンと1,1,1−トリフルオロエタンとの生成混合物を反応
帯域から連続的に取出す。ふっ化ビニリデンの分離後、
1,1,1−トリフルオロエタンの少なくとも一部を再循環
させて反応帯域に戻す。
任意量の1,1,1−トリフルオロエタンを反応混合物に
再循環させうる。好ましくは、効率を最大限にするため
に、気相ふっ化水素化反応の副生物1,1,1−トリフルオ
ロエタンを実質上すべて反応帯域に再循環させる。独立
給源からの1,1,1−トリフルオロエタンを用いるとき、
反応混合物に加えられる量はかなり変動しうる。最小量
でさえ利益をもたらす。ふっ化水素と供給物ハロ炭化水
素との合計量に対し70モル%過剰の1,1,1−トリフルオ
ロエタン量は、反応混合物の他の成分を適度に希釈する
ので一般に好ましくない。
典型的な連続操作において、ふっ化水素と供給物ハロ
炭化水素を、ふっ化水素賦活触媒の装入された管状反応
器に通す。主にふっ化ビニリデンと1,1,1−トリフルオ
ロエタンとの混合物である反応生成物を反応器から気相
生成物として連続的に取出し、適当なスクラバー塔に通
して向流アルカリ流れ作用によってHClないしHFを除去
する。該アルカリ流れは例えば16%の水酸化カリウム溶
液を含みうる。水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウ
ムの如き他の水性水酸化物を有利に用いることができ
る。次いで、スクラビング処理された生成物を、適当な
乾燥剤例えば無水硫酸カルシウムの充填せる乾燥塔に通
す。
ふっ化ビニリデンは、好ましくはふっ化水素および塩
化水素の除去後、蒸留等の如き慣用技法によって反応器
流出物の他の成分から容易に分離される。主にふっ化ビ
ニリデンと1,1,1−トリフルオロエタン、供給物ハロ炭
化水素、少量の中間体例えばクロロフルオロエチレン、
1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、1−クロロ−1,1
−ジフルオロエタン等を含み且つ酸化剤をも含む流出ガ
スを分離プロセスに付してふっ化ビニリデンを選択的に
分離する。分離は、沸点−80℃のふっ化ビニリデンを生
成混合物から蒸留することによって最も有利に達成され
る。
ふっ化ビニリデンの分離は、夫々約−4℃および285p
sigの塔頂温度および圧力並びに夫々約38℃および280ps
igの底部温度および圧力で作動される慣用蒸留塔で遂行
することができる。かかる条件下、ふっ化ビニリデン
は、沸点−48℃の1,1,1−トリフルオロエタンから、ま
たふっ化ビニリデンの沸点−86℃より実質上高い温度で
沸騰する種々の供給物ハロ炭化水素および反応中間体か
ら容易に分離される。1,1,1−トリフルオロエタン、供
給物ハロ炭化水素およびふっ化水素化中間体を含む蒸留
底部生成物の少なくとも一部は反応混合物に有利に再循
環される。酸化ガスはふっ化ビニリデンとともに塔頂か
ら取出されるが、その後簡単な蒸留によって両者は分離
することができる。
本方法に用いられる反応器の構成材料は、反応条件に
耐えるのに必要な構造特性ないし物理的特性を保有すべ
きである。
本発明を、下記非制限的例への言及によって更に例示
する: 比較例 1 7.5重量%のFeF3/AlF3触媒を下記の如く調製し、これ
をふっ化ビニリデンへの塩化ビニリデン転化に用いた。
電磁撹拌せる52重量%の水性HF溶液(500ml、15モ
ル)にアルミナ(200g、1.96モル)を少しずつ加えた。
反応混合物の温度を40〜45℃に保つようにアルミナの添
加を制御した。該添加に7時間を要した。得られた乳状
懸濁物を一夜室温に放置した。放置後、微細な粉末(恐
らくAlF3・H2O)が沈殿した。FeCl3(0.23モル)の水
(20ml)溶液を、機械的に撹拌せる水性AlF3混合物に漸
次加えた。溶液は淡いすみれ色になった。撹拌を4時間
続行し、混合物を一夜室温で放置した。生成した沈殿を
過、液に酸がなくなるまで数回アセトンで洗浄し
た。得られた固体を大気中室温で乾燥し、100℃で2時
間、150℃で2時間、最後に175℃で16時間加熱した。得
られたFeF3/AlF3(7.5重量%のFeF3/AlF3)触媒は、乳
鉢および乳棒を用いて粉砕した。60〜100メッシュの粒
子を集め、ニッケル製固定床管状反応器(1in外径×12i
n)を満たすのに用いた。単一帯域炉を用いて固定床を
加熱した。20cm3/minの割合で反応器に供給される空気
を用いて触媒を100℃/hrの割合で漸次650℃に加熱し
た。触媒をこの温度および空気流れで二日半保持した。
次いで、反応器の温度を550℃に低め、触媒上に0.03g/m
inの割合でふっ化水素をまた20ml/minの割合でN2を18時
間通した。温度を650℃に上げ、反応器にその頂部に位
置せるバルブを通して塩化ビニリデン15モル%、ふっ化
水素54モル%、O21モル%およびN230モル%を供給し
た。生成物を取出し、HClおよび過剰HFを16%のKOH溶液
でスクラビングした後、スクラビングせる生成物を無水
CaSO4上で乾燥した。ガスクロマトグラフィーによる生
成物の分析は塩化ビニリデンの転化率34モル%を示し
た。ふっ化ビニリデンの選択性は15モル%であった。
例 1 N2を同じような量の1,1,1−トリフルオロエタンで置
換えたほかは比較例1の手順を繰返した。塩化ビニリデ
ンの転化率は100モル%に上昇した。生成物から、反応
器供給物中に加えた1,1,1−トリフルオロエタンの量を
差引くことにより、ふっ化ビニリデンの選択性が正味の
ふっ化ビニリデン選択性として算定された。その正味の
ふっ化ビニリデン選択性は23モル%であった。生成物分
布の残部は、1,1,1−トリフルオロエタン73モル%、1,1
−ジフルオロ−1−クロロエタン3モル%および1−ク
ロロ−1−フルオロエチレン1モル%であった。
比較例1と例1の考察から明らかなことは、希釈剤の
代わりに1,1,1−トリフルオロエタンを用いると塩化ビ
ニリデンのふっ素化が32モル%から91モル%に増加する
ことである(ふっ素化100%は、塩化ビニリデンが1,1−
トリフルオロエタンに完全に転化したことを意味す
る)。
反応器からの物質物量の測定値を反応器への物質流量
の測定値で除することによって反応器内の物質収支を算
定した。N2を希釈剤として用いた比較例1の物質収支は
87%であった。例1で1,1,1−トリフルオロエタンを希
釈剤として用いたとき、物質収支は95%であった。これ
は、反応希釈剤としてN2の代わりに1,1,1−トリフルオ
ロエタンを用いるなら触媒上でコークスとして失われる
生成物の量が13%から5%に減少することを意味する。
比較例2 6.4重量%のNiCl2/AlF3触媒を下記の如く調製し、こ
れをふっ化ビニリデンへの塩化ビニリデン転化に用い
た。
NiCl2(水150ml中29.94g)を、水性ふっ化水素から沈
殿したAlF3(比較例1に記載)に加えた。触媒を乾燥し
た篩別後、60〜100メッシュ大の粒子20gを比較例1で用
いたと同じ反応器に装入した。20cm3/minの割合で反応
器に供給される空気を用いて触媒を650℃で2日間空気
賦活させた。次いで、0.03g/minの割合で供給されるふ
っ化水素で触媒を550℃で18時間賦活させた。反応器の
頂部から1,1,1−トリクロロエタン(10モル%)、HF(7
7モル%)O2(2モル%)、N2(8モル%)およびBF
3(3モル%)の混合物を550℃で供給した。HFおよびHC
lを除去し、また比較例1で記述の如く生成物を乾燥し
た後、ガスクロマトグラフィーによる生成物の分析は、
1,1,1−トリクロロエタンの転化率96モル%並びに次の
如き下記生成物分布を示した:ふっ化ビニリデン7モル
%、塩化ビニリデン34モル%、1−クロロ−1−フルオ
ロエチレン17モル%、1,1,1−トリフルオロエタン34モ
ル%、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン4モル%お
よび1−フルオロ−1,1−ジクロロエタン4モル%。
例 2 ふっ化水素を少なくし、反応混合物に希釈剤として1,
1,1−トリフルオロエタンを加えたほかは比較例2を繰
返した。供給物の組成は次の如くであった:1,1,1−トリ
クロロエタン12モル%、HF49モル%、O23モル%、N210
モル%、BF34モル%および1,1,1−トリフルオロエタン2
2モル%。達成された1,1,1−トリフルオロエタンの転化
率は99モル%であった。ふっ化ビニリデンの正味選択性
は23モル%であり、残りの生成物分布は塩化ビニリデン
20モル%、1−クロロ−1−フルオロエチレン4モル
%、1,1,1−トリフルオロエタン50モル%、1−クロロ
−1,1−ジフルオロエタン1モル%および1,1−ジクロロ
−1−フルオロエタン2モル%を含んだ。
例2と比較例2の考察から評価しうることは、反応希
釈剤として1,1,1−トリフルオロエタンを加えると、ふ
っ化水素/1,1,1−トリクロロエタンモル比が7.7:1から
4.1:1に減少しているにも拘らず1,1,1−トリクロロエタ
ンの全ふっ素化が47モル%から67モル%に増加したこと
である。触媒コークスとしての生成物の減損値を計算し
た結果、それは90%から49%に低下していた。
比較例3 3.35重量%のSbF5および6.1重量%のNiF2/AlF3を含む
触媒を下記の如く調製し、これをふっ化ビニリデンへの
塩化ビニリデン転化に用いた。
比較例1に従ってAl2O3(200g)およびふっ化水素(5
00ml、50%)から沈殿せるAlF3にNiCl2(29.94g、0.23
モル)の水(50ml)溶液を加えた。絶えず撹拌しなが
ら、AlF3にNiCl2溶液を加えた。SbF5(22.4g、0.075モ
ル)を少しずつ3時間にわたって加えた。得られた混合
物を一夜放置して沈殿させた。混合物を過し、アセト
ンで洗浄した。塊を収集し、空気乾燥し、次いで炉内
100℃で2時間、150℃で2時間、最後に175℃で18時間
加熱した。比較例1で既述した如く、得られた触媒を粉
砕し、篩別し、60〜80メッシュの粒子34.7gを収集し、
反応器に装入した。1,1,1−トリクロロエタン9.5モル
%、ふっ化水素39モル%、O20.5モル%およびN251モル
%の混合物を反応器に供給した。1,1,1−トリクロロエ
タンの転化率は100%であった。生成物の分布は次の如
くであった: ふっ化ビニリデン2モル、塩化ビニリデン79モル%、
1−クロロ−1−フルオロエチレン14モル%、1,1,1−
トリフルオロエタン2モル%および他の生成物3モル
%。
例 3 反応器供給物が下記混合物を含む以外は比較例3を繰
返した: 1,1,1−トリクロロエタン13モル%、HF49モル%、O33
モル%、N211モル%および1,1,1−トリフルオロエタン2
4モル%。1,1,1−トリクロロエタンの転化率は94モル%
であった。ふっ化ビニリデンの正味選択性は48モル%で
あった。残りの生成物分布は1,1,1−トリフルオロエタ
ン51モル%および1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン
1モル%であった。
比較例3と例3の比較から、希釈剤として1,1,1−ト
リフルオロエタンを加えると1,1,1−トリクロロエタン
の全ふっ素化が8モル%から79モル%に上昇することが
観察される。
本発明は、その精神ないし本質的属性を逸脱すること
なく他の特定態様で具体化され得、従って本発明の範囲
を示すものとして上記説明よりむしろ前掲特許請求の範
囲を参照すべきである。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ふっ化ビニリデンの製造方法にして、 ふっ化水素と、式CHnCXm(nおよびmは2又は3であ
    り、各Xは個々にふっ素、塩素、臭素およびよう素の群
    から選ばれるが、但しm=3のときXがすべて弗素とい
    う場合を除く)のハロ炭化水素少なくとも1種を含む蒸
    気相反応混合物を形成し、 該蒸気相反応混合物に希釈剤として1,1,1−トリフルオ
    ロエタンを加え、且つ(或は)本ふっ化ビニリデンの製
    造プロセスで反応生成物として製造される1,1,1−トリ
    フルオロエタンの少なくとも一部を加え戻し、 ふっ化水素とハロゲン炭化水素とを不均一触媒の存在下
    反応帯域で反応させ、そして 反応生成物としてふっ化ビニリデンを得ることを含む、
    ふっ化ビニリデンの製造方法。
  2. 【請求項2】ハロ炭化水素が塩化ビニリデン、1,1,1−
    トリクロロエタンおよびこれらの混合物の群から選ばれ
    る、特許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】反応帯域の反応温度が400〜650℃である、
    特許請求の範囲第1項または2項記載の方法。
  4. 【請求項4】反応帯域の反応温度が550℃〜625℃であ
    る、特許請求の範囲第3項記載の方法。
  5. 【請求項5】ハロ炭化水素とふっ化水素とが反応帯域で
    1秒〜20秒間接触せしめられる、特許請求の範囲第1項
    〜4項のいずれか一項に記載の方法。
  6. 【請求項6】ハロ炭化水素とふっ化水素とが反応帯域で
    5秒〜20秒間接触せしめられる、特許請求の範囲第5項
    記載の方法。
  7. 【請求項7】蒸気相反応混合物が、ふっ化水素とハロ炭
    化水素とを0:1〜10:1のモル供給比で反応帯域に供給す
    ることによって形成される、特許請求の範囲第1項〜6
    項のいずれか一項に記載の方法。
  8. 【請求項8】モル供給比が4:1〜1:1である、特許請求の
    範囲第7項記載の方法。
  9. 【請求項9】触媒がAlF3、CrF3、FeF3、SbF5、NiF2、BF
    3、SnF4およびこれらの組合せの群から選ばれる、特許
    請求の範囲第1項〜8項のいずれか一項に記載の方法。
  10. 【請求項10】方法が連続法である、特許請求の範囲第
    1項〜9項のいずれか一項に記載の方法。
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