JP2651194B2 - 含フッ素1,4−オキサチオピン誘導体 - Google Patents
含フッ素1,4−オキサチオピン誘導体Info
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、新規な含フッ素1,4−オキサチオピン誘導
体およびその製造方法に関する。
体およびその製造方法に関する。
従来の技術 含フッ素複素環化合物のなかには強い生理活性例えば
抗菌または除草作用等を有するものがありこのような化
合物(例えば含フッ素ピロリドンおよびその誘導体、含
フッ素イミダゾール誘導体、含フッ素核酸関連化合物
等)は医薬や農薬の分野において利用されている。近
年、含フッ素複素環化合物のこのような特性に注目して
種々の含フッ素複素環化合物の合成が試みられている
が、塩素原子のような他のハロゲン原子に比べて、フッ
素原子を選択的に置換反応させることが困難なために含
フッ素複素環化合物の合成方法は制限されている。
抗菌または除草作用等を有するものがありこのような化
合物(例えば含フッ素ピロリドンおよびその誘導体、含
フッ素イミダゾール誘導体、含フッ素核酸関連化合物
等)は医薬や農薬の分野において利用されている。近
年、含フッ素複素環化合物のこのような特性に注目して
種々の含フッ素複素環化合物の合成が試みられている
が、塩素原子のような他のハロゲン原子に比べて、フッ
素原子を選択的に置換反応させることが困難なために含
フッ素複素環化合物の合成方法は制限されている。
一方、含フッ素化合物のなかには溶剤として有用なも
のがあり、例えば、化学的に安定なフロン系化合物は、
耐候性や耐熱性に優れ、印加性や毒性が低く、さらに表
面張力や粘度が低いという特性を有するために溶剤とし
ての用途は増加の一途を辿っている。
のがあり、例えば、化学的に安定なフロン系化合物は、
耐候性や耐熱性に優れ、印加性や毒性が低く、さらに表
面張力や粘度が低いという特性を有するために溶剤とし
ての用途は増加の一途を辿っている。
しかしながら、フロン系化合物は、太陽からの紫外線
を強く吸収するオゾン層の破壊をもたらす等の環境公害
上の観点からその使用は大幅に制限されるようになって
いる。
を強く吸収するオゾン層の破壊をもたらす等の環境公害
上の観点からその使用は大幅に制限されるようになって
いる。
発明が解決しようとする課題 本発明は、医薬や農薬等の原料として有用なだけでな
く、従来のフロン系溶剤の欠点を有さずしかもこれに大
替し得る溶剤としても使用可能な新規な含フッ素化合物
を提供するためになされたものである。
く、従来のフロン系溶剤の欠点を有さずしかもこれに大
替し得る溶剤としても使用可能な新規な含フッ素化合物
を提供するためになされたものである。
課題を解決するための手段 即ち本発明は、次式[I]: で表わされる含フッ素1,4−オキサチオピン誘導体およ
びその製造法に関する。
びその製造法に関する。
式[I]で表わされる含フッ素1,4−オキサチオピン
誘導体の製造方法は特に限定的ではないが、特に好適な
方法は、ペルフルオロ−2−メチル−2−ペンテンおよ
び2−メルカプトエタノールを非水溶媒中において、塩
基性触媒の存在下で反応させ方法である。
誘導体の製造方法は特に限定的ではないが、特に好適な
方法は、ペルフルオロ−2−メチル−2−ペンテンおよ
び2−メルカプトエタノールを非水溶媒中において、塩
基性触媒の存在下で反応させ方法である。
ペルフルオロ−2−メチル−2−ペンテンは、例えば
ヘキサフルオロプロペンを常法により2量化することに
よって得られる(日本化学会誌、1978(2)、第253頁
〜第258頁参照)。
ヘキサフルオロプロペンを常法により2量化することに
よって得られる(日本化学会誌、1978(2)、第253頁
〜第258頁参照)。
ペルフルオロ−2−メチル−2−ペンテンと2−メル
カプトエタノールとの反応モル比は特に限定的ではない
が通常は前者1モルに対して後者0.2〜5モル好ましく
は1〜2モルとする。
カプトエタノールとの反応モル比は特に限定的ではない
が通常は前者1モルに対して後者0.2〜5モル好ましく
は1〜2モルとする。
塩基性触媒は脱フッ化水素を促進し、生成するフッ化
水素を吸収するものであればよく、Et3N、K2CO3、KF等
が挙げられる。使用量は限定的ではないが1〜4倍モル
程度とする。
水素を吸収するものであればよく、Et3N、K2CO3、KF等
が挙げられる。使用量は限定的ではないが1〜4倍モル
程度とする。
非水溶媒としては、CH3CN、DMF、THF、ジグライム、
エーテル等が例示される。
エーテル等が例示される。
上記反応は、通常、常圧下において約0℃〜室温でお
こなう。
こなう。
上記反応においては式[I]で表わされる含フッ素化
合物のほかに次式[II」および[III]で表わされる含
フッ素オキシチオ化合物が生成する: これらの含フッ素オキシチオ化合物も医薬や農薬等の
原料および含フッ素溶剤等として利用し得る有用な化合
物である。
合物のほかに次式[II」および[III]で表わされる含
フッ素オキシチオ化合物が生成する: これらの含フッ素オキシチオ化合物も医薬や農薬等の
原料および含フッ素溶剤等として利用し得る有用な化合
物である。
以下、本発明を実施例によって説明する。
実施例1 撹拌機、温度計、還流冷却器および滴下漏斗を備えた
反応容器(500ml)にベルフルオロ−2−メチル−2−
ペンテン60g(0.2モル)、炭酸カリウム0.2モルおよび
アセトニトリル200mlを仕込み、撹拌下、5℃で、2−
メルカプトエタノール15.6g(0.2モル)を徐々に滴下し
た。撹拌をさらに14時間続行した。
反応容器(500ml)にベルフルオロ−2−メチル−2−
ペンテン60g(0.2モル)、炭酸カリウム0.2モルおよび
アセトニトリル200mlを仕込み、撹拌下、5℃で、2−
メルカプトエタノール15.6g(0.2モル)を徐々に滴下し
た。撹拌をさらに14時間続行した。
反応混合物を、ジクロロメタンで抽出し、水洗し、無
水硫酸ナトリウムを用いて乾燥することによって化合物
[I]を32.1%(ガスクロマトグラフィー収率)得た。
水硫酸ナトリウムを用いて乾燥することによって化合物
[I]を32.1%(ガスクロマトグラフィー収率)得た。
この生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを
用いて2回精製した試料についてのスクトルデータ等は
次の通りである。
用いて2回精製した試料についてのスクトルデータ等は
次の通りである。
▲n17.5 D▼:1.3762 IR(cm-1):1724,1350,1286,1274,1224,1190(C−F) MS(m/z):338(M+)、219(M+−119)、159(M+−17
9)1 H−NMR[270MHz;δ(ppm);CDCl3]:第1図参照19 F−NMR[254MHz;δ(ppm);CDCl3]:第2図参照 なお、上記反応において、塩基性触媒として炭酸カリ
ウムの代りにフッ化カリウムを使用したときの化合物
[I]の収率は26.4%であった。
9)1 H−NMR[270MHz;δ(ppm);CDCl3]:第1図参照19 F−NMR[254MHz;δ(ppm);CDCl3]:第2図参照 なお、上記反応において、塩基性触媒として炭酸カリ
ウムの代りにフッ化カリウムを使用したときの化合物
[I]の収率は26.4%であった。
実施例2 実施例1の手順に準拠し、表−1の条件下で化合物
[II]を調製した。
[II]を調製した。
表−1において、a、bおよびcはペンフルオロ−2
−メチル−2−ペンテン、2−メルカプトエタノールお
よび塩基をそれぞれ示す。
−メチル−2−ペンテン、2−メルカプトエタノールお
よび塩基をそれぞれ示す。
化合物[II]のスペクトルデータ等は次の通りであ
る: ▲n17.5 D▼:1.3570 IR(cm-1):1644(C=C)、1302,1228,1194(C−
F)1 H−NMR[270MHz;δ(ppm);CDCl4]: 4.37(t,J HH=6.42Hz,2H) 3.36(t,J HH=6.4Hz,2H)19 F−NMR[254.19MHz;δ(ppm);CDCl3] 56.69(m,3F) 60.54(q,J=10.37Hz,3F) 77.61(q,J=9.15Hz,3F) 113.65(q,J=20.15Hz,2F) 57z79(m,3F) 59.65(q,J=9.76Hz,3F) 81.16(d,J=3.67Hz,3F) 103.37(q,J=18.92Hz,3F)13 C−NMR[67.9MHz;δ(ppm);CDCl3] 156.77(t,) 146.36(t,J C−CF2=28Hz) 130.64(Sept,J C−CF3=30Hz) 130.62(Sept,J=30Hz) 120.41(q×q,J=274Hz) 120.33(q×q,J=274Hz) 119.90(q,J=274Hz) 119.22(q,J=28Hz) 118 17(q×t,Jq=289Hz,Jt=36Hz) 117.95(q×t,Jq=289Hz,Jt=35Hz) 113.04(t×q,Jt=217Hz,Jq=36Hz) 109.83(t×q,Jt=264Hz,Jq=41Hz) 64.51 36.31 MS(m/z):639(M++1),638(M+),619(M+−19),34
1(M+−297) 実施例3 実施例1の手順に準拠し、表−2の条件下で化合物
[III]を調製した。
る: ▲n17.5 D▼:1.3570 IR(cm-1):1644(C=C)、1302,1228,1194(C−
F)1 H−NMR[270MHz;δ(ppm);CDCl4]: 4.37(t,J HH=6.42Hz,2H) 3.36(t,J HH=6.4Hz,2H)19 F−NMR[254.19MHz;δ(ppm);CDCl3] 56.69(m,3F) 60.54(q,J=10.37Hz,3F) 77.61(q,J=9.15Hz,3F) 113.65(q,J=20.15Hz,2F) 57z79(m,3F) 59.65(q,J=9.76Hz,3F) 81.16(d,J=3.67Hz,3F) 103.37(q,J=18.92Hz,3F)13 C−NMR[67.9MHz;δ(ppm);CDCl3] 156.77(t,) 146.36(t,J C−CF2=28Hz) 130.64(Sept,J C−CF3=30Hz) 130.62(Sept,J=30Hz) 120.41(q×q,J=274Hz) 120.33(q×q,J=274Hz) 119.90(q,J=274Hz) 119.22(q,J=28Hz) 118 17(q×t,Jq=289Hz,Jt=36Hz) 117.95(q×t,Jq=289Hz,Jt=35Hz) 113.04(t×q,Jt=217Hz,Jq=36Hz) 109.83(t×q,Jt=264Hz,Jq=41Hz) 64.51 36.31 MS(m/z):639(M++1),638(M+),619(M+−19),34
1(M+−297) 実施例3 実施例1の手順に準拠し、表−2の条件下で化合物
[III]を調製した。
表−2において、a、bおよびcは表−1の場合と同
意義である: IR(cm-1):1640(C=C)1300−1100(C−F)1 H−NMR[60MHz;δ(ppm);CDCl4] 4.35(t,J HH=7.0Hz,4H) 2.92(t,J HH=7.0Hz,4H)19 F−NMR[56.5MHz;δ(ppm);CDCl4] 55(m,6F) 58(q,JFF=9.4Hz,6F) 79(q,JFF=3.8Hz,6F) 111.5(q,JFF=18.8Hz,4F) 発明の効果 本発明による含フッ素1,4−オキサチオピン誘導体は
医薬や農薬等の原料として有用なだけでなく、粘度が低
く、誘電率が高くしかも極性溶剤に対する溶解性も優れ
ているので、従来のフロン系溶剤に代替し得る溶剤とし
ても有用である。
意義である: IR(cm-1):1640(C=C)1300−1100(C−F)1 H−NMR[60MHz;δ(ppm);CDCl4] 4.35(t,J HH=7.0Hz,4H) 2.92(t,J HH=7.0Hz,4H)19 F−NMR[56.5MHz;δ(ppm);CDCl4] 55(m,6F) 58(q,JFF=9.4Hz,6F) 79(q,JFF=3.8Hz,6F) 111.5(q,JFF=18.8Hz,4F) 発明の効果 本発明による含フッ素1,4−オキサチオピン誘導体は
医薬や農薬等の原料として有用なだけでなく、粘度が低
く、誘電率が高くしかも極性溶剤に対する溶解性も優れ
ているので、従来のフロン系溶剤に代替し得る溶剤とし
ても有用である。
第1図および第2図は本発明による含フッ素1,4−オキ
サチオピン誘導体[I]の1H−NMRスペクトルおよび19F
−NMRスペクトルをそれぞれ示す。
サチオピン誘導体[I]の1H−NMRスペクトルおよび19F
−NMRスペクトルをそれぞれ示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 信之 滋賀県甲賀郡甲西町大池町1―1 株式 会社ネオス内
Claims (2)
- 【請求項1】次式[I]: で表わされる含フッ素1,4−オキサチオピン誘導体。
- 【請求項2】ペルフルオロ−2−メチル−2−ペンテン
および2−メルカプトエタノールを非水溶媒中におい
て、塩基性触媒の存在下で反応させることを特徴とす
る、請求項1に記載された化合物の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9424588A JP2651194B2 (ja) | 1988-04-14 | 1988-04-14 | 含フッ素1,4−オキサチオピン誘導体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9424588A JP2651194B2 (ja) | 1988-04-14 | 1988-04-14 | 含フッ素1,4−オキサチオピン誘導体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01265087A JPH01265087A (ja) | 1989-10-23 |
JP2651194B2 true JP2651194B2 (ja) | 1997-09-10 |
Family
ID=14104924
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9424588A Expired - Fee Related JP2651194B2 (ja) | 1988-04-14 | 1988-04-14 | 含フッ素1,4−オキサチオピン誘導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2651194B2 (ja) |
-
1988
- 1988-04-14 JP JP9424588A patent/JP2651194B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH01265087A (ja) | 1989-10-23 |
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