JP2650609B2 - 蒸着装置および蒸着方法 - Google Patents

蒸着装置および蒸着方法

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JP2650609B2
JP2650609B2 JP5191749A JP19174993A JP2650609B2 JP 2650609 B2 JP2650609 B2 JP 2650609B2 JP 5191749 A JP5191749 A JP 5191749A JP 19174993 A JP19174993 A JP 19174993A JP 2650609 B2 JP2650609 B2 JP 2650609B2
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忠 杉原
和史 吉田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばパルス状の電子
ビーム、レーザビーム、イオンビーム等を用いて各種材
料の薄膜形成を行う「Time of Flight
(TOF)」型レーザ成膜装置等の蒸着装置および蒸着
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金属や化合物の薄膜形成方法とし
ては、真空蒸着法やスパッタリング法等の物理的蒸着法
と、化学的蒸着法とが知られている。特に、低温で薄膜
を形成する技術として、スパッタリングを中心としたP
VD技術が多用されている。真空蒸着法は試料の直接、
間接の加熱による蒸発の過程を利用しており、エネルギ
交換過程を利用した方法で、試料の蒸発はスカラ的であ
る。これに対しスパッタリング法は運動量交換過程を利
用した方法でその蒸発はベクトル的である。
【0003】近年、誘電体薄膜、光学薄膜、超伝導体薄
膜等の開発が盛んに行われているが、これら薄膜の特性
はバルクの特性に比較して、かなり劣っている。その原
因は、結晶性が悪く、組成制御が難しい等である。その
特性向上や実用化に向けて特に単結晶に近いより結晶性
の優れた薄膜が望まれている。
【0004】結晶性の優れた薄膜を得る方法として、蒸
着するときの基板温度を高くし、蒸着粒子の動きを活発
化する方法が一般的である。しかし、基板材料と薄膜材
料との反応が問題になる。
【0005】そこで、低温で薄膜を形成する方法とし
て、スパッタリング法を中心としたPVD法が、蒸着粒
子の運動エネルギが高く、膜質が優れていることから多
用されている。しかしながら、蒸着粒子の速度は所定の
分布を有しており、低速の粒子での膜形成では結晶性が
悪く、一方、高速の粒子は、形成された結晶を乱したり
欠陥を発生させる等の問題がある。
【0006】仮に、被着体に蒸着する飛散粒子の運動エ
ネルギの分布の幅を制御することができるならば、飛散
粒子の被着体表面への衝突エネルギが制御されるので、
被着体、すなわち半導体基板等に堆積した粒子の再スパ
ッタリングを抑え、充分な付着確率が与えられるという
利点がある。また、運動エネルギの下限を規制すること
により、基板表面にある物理吸着ガスおよび化学吸着ガ
スを蒸着粒子が追い出すことが可能になるので、基板表
面を清浄化することができる。さらに、飛散粒子が適度
な運動エネルギを有するならば、以下のメリットが生じ
る。すなわち、被着体に形成される薄膜に過度のダメー
ジを与えない。また、表面拡散エネルギの増大により基
板表面でのマイグレーション効果の促進が図れる。ま
た、適度のイオン衝撃による結晶核成長の促進が期待で
きる。さらに、薄膜表面原子層に適度な変位や欠陥を生
じさせ、薄膜形成を促進できる。特に、薄膜表面の平滑
化、薄膜組成の均一化、薄膜の緻密性の向上等を図るに
は、以上の諸条件を満たす運動エネルギを有する薄膜構
成粒子を使用することが非常に重要となる。
【0007】そこで、本発明者らは、低速粒子はマイグ
レーション効果が少なく、また、反応性に劣る等のた
め、結晶性が悪く、一方、高速粒子は、基板に衝突する
ことで形成した結晶を乱す。この点から、これらの低速
粒子および高速粒子を除き、蒸着粒子の速度を制御する
ことにより、結晶性の良い薄膜の形成を可能とするパル
スビーム蒸着装置(特願平1−336740号)をすで
に提案している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この提案に係るパルス
ビーム蒸着装置は、蒸着用原料と基板との間にスリット
を持ったチョッパと、チョッパを回転させる装置と、ス
リット、基板、蒸着用粒子の発生部が一直線に並ぶ位置
にくる時刻の所定時間前に蒸着粒子発生用のパルス状エ
ネルギを発生させる装置と、を有している。しかしなが
ら、このパルスビーム蒸着装置は、チョッパのスリット
を通過する粒子を検知するセンサからの出力信号をレー
ザ発生装置にフィードバックする制御系が具体化されて
おらず、飛散粒子のフライトタイム制御も不十分なもの
であった。
【0009】本発明は、スパッタリング等の際にターゲ
ットから飛散する粒子のフライトタイムを規制して、所
定範囲の運動エネルギ分布を有する飛散粒子群の中で薄
膜形成に最適な飛散粒子のみを利用することができる蒸
着装置および蒸着方法を提供することを、その目的とし
ている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、本願発明は、
被着体と、この被着体に対して所定間隔を有して配設さ
れ、その運動エネルギが所定範囲で分布し、それぞれが
被着体に向かって飛散する飛散粒子群を発生させる飛散
粒子発生手段と、これらの被着体と飛散粒子発生手段と
の間に介設され、一定範囲の運動エネルギを有する飛散
粒子のみを通過させる制御手段と、を備えた蒸着装置に
おいて、上記制御手段は、飛散粒子を通過するスリット
が設けられた回転自在なチョッパと、このチョッパを回
転駆動する駆動部材とを有し、上記被着体に蒸着する飛
散粒子の質量を質量センサにより検出するとともに、こ
の検出値に基づいて、上記制御手段が、上記駆動部材に
より上記チョッパを回転させて、上記スリットを通過す
る飛散粒子を制御する蒸着装置である。また、上記飛散
粒子発生手段は、蒸着用原料を保持する原料保持部材
と、この蒸着用原料に対してビームをパルス状に照射す
るビーム照射部材と、を有している。
【0011】また、本発明の蒸着方法は、その運動エネ
ルギが所定範囲で分布し、それぞれが質量センサに向か
って飛散する飛散粒子群を発生させ、この飛散粒子の質
量を質量センサにより検出し、この検出値に基づいて、
一定範囲以外の運動エネルギを有する飛散粒子を、駆動
部材により回転駆動しているスリット付きのチョッパに
より遮断し、上記スリットを通り抜けた一定範囲の運動
エネルギを有した飛散粒子のみが飛散する範囲へ被着体
を移動させ、この被着体に一定範囲の運動エネルギを有
する飛散粒子のみを堆積させるものである。
【0012】
【作用】例えばスパッタリングにおける蒸着粒子の最適
運動エネルギをEとすると、許容される運動エネルギの
広がりの最小値E1と最大値E2とは下記の式によって与
えられる。 E1=M/2×[L/{L(M/2E)1/2+d/4πfD}]2・・・・ E2=M/2×[L/{L(M/2E)1/2−d/4πfD}]2・・・・ 上記式,において、E:粒子の運動エネルギの目標
値、M:粒子の質量、L:蒸着源とメカニカルチョッパ
との間の距離、d:スリットの幅、f:メカニカルチョ
ッパの回転数、D:メカニカルチョッパの半径、E1
運動エネルギの分布幅の中の最小値、E2:運動エネル
ギの分布幅の中の最大値である。したがって、最適運動
エネルギ値を設定して、E1≦E≦E2の運動エネルギを
有する粒子のみが、チョッパのスリットを通過するよう
に、本発明装置の諸定数を定めることにより、好適な品
質の薄膜を得ることができる。
【0013】
【実施例】図1〜図4は本発明の第1実施例に係る蒸着
装置を説明するための図である。図1および図2におい
て、11は蒸着粒子を発生させるためのパルスビーム
源、例えばエキシマレーザ発生装置である。このパルス
ビーム源11としては他にNd−YAGパルスレーザ等
を使用することもできる。12はこのパルス状のレーザ
が照射されて飛散粒子群を発生させる蒸着用原料、例え
ばAl、Fe等の金属や、Al23、Fe34等の化合
物をターゲットに加工したものである。このターゲット
12はスパッタリングチャンバ10内の下部に回転自在
に保持されている。このチャンバ10内でターゲット1
2の上方には所定距離だけ離れて円盤状の回転チョッパ
13が配設されている。この回転チョッパ13は例えば
モータによって駆動回転される構成である。
【0014】そして、図2に示すように、この回転チョ
ッパ13の半径方向の所定位置には矩形であって所定幅
のスリット21、22、23、24が円周方向に90度
間隔を有して配設されている。これらのスリット21〜
24はターゲット12の直上を通過可能に構成され、タ
ーゲット12からの飛散粒子はこれらのスリット21〜
24を通って上方に向かって飛散する構成である。さら
に、このスリット21〜24の位置を検出するため、円
周方向にて回転チョッパ13のターゲット12とは反対
側の位置には発光ダイオードLEDまたはレーザダイオ
ードLDからなる発光素子25が配設され、回転チョッ
パ13を挟んでこの発光素子25の反対側には受光素子
(フォトダイオード:PD)26が配設されている。一
対の発光素子25と受光素子26とによりスリット21
〜24の円周方向位置を検出し、回転チョッパ13の回
転速度を演算するものである。14はこれらの発光素子
25および受光素子26のための電源である。
【0015】さらに、このスパッタリングチャンバ10
内の上部はTOFチャンバ10Aとして用いられるもの
で、このTOFチャンバ10A内を下方から上方に向か
って回転チョッパ13のスリット21〜24を通過した
飛散粒子が飛行して、その上部に設けた成膜用の基板2
7に堆積する構成である。この基板27はその膜厚等特
性の均一性を増すために回転させる構成としてもよい。
これらのチャンバ10および10A内は排気系、例えば
真空ポンプ15および15Aにより真空に保持されてい
る。
【0016】また、このTOFチャンバ10Aの上部
(天井部分)には四重極質量分析計(および/または多
チャンネル型イオン検出器)16が垂下、配設されてい
る。この質量分析計16はスリット21〜24を通過し
てきた飛散粒子の質量数を測定するものである。例えば
粒子の衝突により生じる電圧変化に基づいてコントロー
ラ17が検出信号を高速アンプ18、ディジタルストレ
ージスコープ19を介してコンピュータ20、20Aに
出力するものである。コンピュータ20はこの蒸着装置
全体を制御するものであって、コンピュータ20Aは上
記エキシマレーザ11を制御するものである。すなわ
ち、コンピュータ20はディレイ信号を生成するディレ
イジェネレータ31を制御することにより、カウンタ3
2を介してエキシマレーザ11によるパルス状のレーザ
の照射タイミング等をコントロールしている。なお、こ
れらのコンピュータ20および20Aはいずれも周知の
構成を有しており、例えばCPU、ROM、RAM、I
/O等で構成されている。
【0017】以上の構成の蒸着装置にあっては、チャン
バ10、10A内にて、ターゲット12、スリット21
〜24、基板27が一直線に並ぶように調整する。そし
て、チャンバ10、10A内を真空ポンプ15、15A
で真空に引く。次いで、蒸着粒子の運動エネルギ値Eを
設定し(例えばコンピュータ20への入力)、式およ
び式にしたがって、運動エネルギ分布の幅E1および
2を決定する(コンピュータ20により演算する)。
このE1とE2との幅から、蒸着源12と回転チョッパ1
3との間の距離Lおよび回転チョッパ13の回転数fを
決定する(コンピュータ20)。回転数fと間隔Lとに
より、スリット21〜24を高速の蒸着粒子が通過する
時間T0が求まり、パルスレーザの発生時間が決定され
る。チョッパ13の回転速度によりスリット21〜24
の飛散粒子に対する開き時間T1が求まる。よって、E
2以上の運動エネルギを有する蒸着粒子はチョッパ13
により遮断され、E1未満の運動エネルギを有する蒸着
粒子はスリット21〜24のいずれかが所定位置を通過
した後にチョッパ13に到達することとなる。この結
果、スリット21〜24を通過する飛散粒子はE1、E2
の間の運動エネルギ分布幅の粒子だけとなり、好適な蒸
着膜が得られる。
【0018】次に、図3および図4を参照して本装置の
制御について説明する。まず、受光素子PDの出力パル
スの立ち下がりの時点t0(スリット21〜24のいず
れかが受光素子位置を通過したことを示す)から所定時
間後レーザ発生用のパルス信号がONとなる。パルスレ
ーザの立ち下がりの時点t1から所定時間T0のディレ
イタイム経過後スパッタビーム(飛散粒子)はスリット
21〜24を通過して基板27に向かって飛行する。こ
の通過させる時間はT1となる。この結果、中速の飛散
粒子のみが、すなわち所定幅の運動エネルギ分布の飛散
粒子のみが基板27に到達し、良好な膜を形成するもの
である。例えば、この場合、受光素子PD、発光素子L
EDの出力に基づいて上記遅延時間T0が算出される。
そして、この遅延時間T0によりディレイジェネレータ
31はディレイ信号を生成する。例えばカウントプリセ
ッタブルパルスジェネレータに所定の出力を供給しディ
レイ時間に基づいてカウンタ32をセットする。チョッ
パ13は複数のスリット21〜24を備えているので、
複数のPD信号がカウントプリセッタブルジェネレータ
に入力される。この複数のPD信号には不要な信号も含
まれているので、このカウントプリセッタブルジェネレ
ータが、不要な信号をカットして必要な信号だけを制御
系コンピュータ20Aに発信する。この制御系コンピュ
ータ20Aの命令信号により、エキシマレーザ11がパ
ルス状レーザを蒸着源であるターゲット12に入射し、
蒸着粒子が発生する。四重極質量分析計16または多チ
ャンネル型イオン検出器は、ターゲットから飛散、到達
した粒子数をカウントし、レーザ11の発振からの時間
を測定して、粒子の運動エネルギを決定する。
【0019】なお、質量分析計16でカウントできない
ような質量数の大きな粒子はイオン検出器により測定す
る。コントローラ17の出力は高速アンプ18により時
間遅れが回復され、増幅されてデジタルストレージスコ
ープ19に出力される。デジタルストレージスコープ1
9によってこの出力信号を目視して確認し、上記制御系
コンピュータ20Aにより時間差を測定して粒子のフラ
イトタイムを決定する。このようにして式および式
の可変因子を様々な値にセットして、その際の飛行粒子
の運動エネルギー分布の変化を測定してデータを蓄積
し、コンピュータに記憶させることにより、条件を変化
させた場合に対応して、フライトタイムの最適条件を選
定することが可能となる。
【0020】例えば式および式において、E=20
eVに設定し、その他の変数は、L=0.1m、d=
0.001m、f=10000rpmおよびD=0.2
mとし、これらのスパッタリング条件のもとで、ターゲ
ットのAu単体をシリコン製半導体基板にスパッタし
た。質量分析計の測定によるスリット開き時間T1は
4.8×10-6secであった。そして、式、から
1=15eV、E2=25eVの範囲の運動エネルギの
Au粒子を使用した。また、エキシマレーザとしては、
XeClを用い、波長は308nmとした。
【0021】こうして半導体基板上に800〜2000
オングストローム厚のAu薄膜を形成し、その表面平滑
性および膜の緻密性について評価を行った。ここで、表
面平滑性は、反射率測定、SEM像により、膜の緻密性
は、薄膜の密度、SEM像によりそれぞれ評価した。結
果を表1に示す。これとは別に、目的運動エネルギ値は
同じくE=20eVであるが、チョッパの回転数を変更
することにより、運動エネルギの分布幅がE1=10e
V、E2=30eVと上記実施例より広い範囲のAu粒
子を用いて、同様のスパッタリングを行い、同様の評価
を行った。結果を表1に併記する。また、チョッパの回
転を停止して成膜した場合を表2に示す。表1、表2か
らスパッタリングの際の飛行粒子の運動エネルギを制御
した本発明品が良好な膜特性を与えることが明らかであ
る。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】次に、本発明の第2実施例を図5を用いて
説明する。この実施例は、基板の導入機構を詳しく説明
するものである。図5において、52はパルス状のレー
ザが照射されて飛散粒子群を発生させる蒸着用原料をタ
ーゲットに加工したものである。このターゲット52は
スパッタリングチャンバ50内の下部に回転自在に保持
されている。このチャンバ50内でターゲット52の上
方には所定距離だけ離れて円盤状の回転チョッパ53が
配設されている。この回転チョッパ53は例えばモータ
によって駆動回転される構成である。
【0025】そして、この回転チョッパ53の半径方向
の所定位置には、上記実施例と同じように、矩形であっ
て所定幅のスリットが円周方向に90度間隔を有して配
設されている。回転チョッパ53のスリットはターゲッ
ト52の直上を通過可能に構成され、ターゲット52か
らの飛散粒子はこれらのスリットを通って飛散する構成
である。さらに、このスリットの位置を検出するため、
回転チョッパ53のターゲット52とは反対側の位置に
は、上記実施例と同じ発光素子65が配設され、回転チ
ョッパ53を挟んでこの発光素子65の反対側には受光
素子66が配設されている。一対の発光素子65と受光
素子66とにより、回転チョッパ53のスリットの円周
方向位置を検出し、回転チョッパ53の回転速度を演算
するものである。14はこれらの発光素子65および受
光素子66のための電源である。
【0026】さらに、このスパッタリングチャンバ50
内の上部はTOFチャンバ50Aとして用いられるもの
で、このTOFチャンバ50A内を下方から上方に向か
って回転チョッパ53のスリットを通過した飛散粒子が
飛行して、その上部に水平移動可能な成膜用の基板67
に堆積する構成である。詳しくは、TOFチャンバ50
Aの図中右側部分には、バルブ70を介して、サブチャ
ンバ69が接続されている。基板67を保持する基板ホ
ルダ68は、TOFチャンバ50Aおよびサブチャンバ
69内を水平方向に移動可能である。基板67は回転さ
せる構成としてもよい。これらのチャンバ50、50A
および69内は排気系、例えば真空ポンプ15、15A
および71によりそれぞれ真空に保持されている。
【0027】また、このTOFチャンバ50Aの上には
四重極質量分析計(および/または多チャンネル型イオ
ン検出器)56が載設されている。この質量分析計56
は回転チョッパ53のスリットを通過してきた飛散粒子
の質量数を測定するものである。この質量分析計56
は、第1実施例と同じコントローラ17に接続されてい
る。その他の構成は第1実施例のものと同じである。
【0028】以上の構成の蒸着装置にあっては、まず、
基板ホルダ68をサブチャンバ69内に移動させ、バル
ブ70を閉じる。次に、スパッタチャンバ50およびT
OFチャンバ50A内にて、ターゲット52、回転チョ
ッパ53のスリット、質量分析計56が一直線に並ぶよ
うに調整する。そして、スパッタチャンバ50およびT
OFチャンバ50A内を真空ポンプ15、15Aで真空
に引く。次いで、エキシマレーザ11からターゲット5
2へパルスレーザを照射する。このターゲット52から
飛散する飛散粒子の運動エネルギEを質量分析計56で
検出する。
【0029】次に、蒸着粒子の運動エネルギ値E、その
運動エネルギ分布の幅が所望の値になるように、ターゲ
ット52と回転チョッパ53との間の距離L、回転チョ
ッパ53の回転数f、回転チョッパ53の回転速度、質
量分析計56と回転チョッパ53のスリットとターゲッ
ト52とが一直線になる時刻とパルス発生時刻との間隔
を調整する。
【0030】この後、サブチャンバ69内の基板ホルダ
68に基板67をセットする。サブチャンバ69内を真
空に引き、このサブチャンバ69内の真空度がスパッタ
チャンバ50およびTOFチャンバ50Aと同程度に達
した後に、バルブ70を開く。そして、基板回転機構を
有する基板ホルダ68をTOFチャンバ50A内に導入
する。このとき、ターゲット52、回転チョッパ53の
スリット、基板67が一直線に並ぶようにする。上記調
整した条件で基板67に飛散粒子を蒸着させる。このと
き、基板67には、好適な蒸着膜が堆積する。
【0031】この蒸着後、基板ホルダ68をサブチャン
バ69内に移動させる。この後、バルブ70を閉じる。
再度質量分析計56で飛散粒子の運動エネルギEをモニ
タリングする。この結果、蒸着条件の変動を確認するこ
とができるものである。さらに、この実施例では、基板
導入用のサブチャンバを設けたため、スパッタチャンバ
50およびTOFチャンバ50A内を真空に保持した状
態で、基板に蒸着膜を形成する量産化が可能である。
【0032】次に、図6に示す第3実施例を説明する。
この実施例は、TOFチャンバ50Aに、窓、バルブ7
0、サブチャンバ69を設けない蒸着装置である。この
蒸着装置では、飛散粒子の運動エネルギをモニタリング
するとき、基板ホルダ68は、ターゲット52と回転チ
ョッパ53のスリット61と質量分析計56とが一直線
になる範囲から移動する。基板67に蒸着膜を体積させ
るとき、基板ホルダ68は、ターゲット52と回転チョ
ッパ53のスリット61と質量分析計56とが一直線に
なる範囲内に移動する。そして、この実施例の蒸着装置
は、TOFチャンバにサブチャンバ等を設けていないの
で、不純物に汚染されにくいものである。その他の構成
および作用は、第2実施例のものと同じである。
【0033】
【発明の効果】本発明の蒸着装置および蒸着方法は、蒸
着膜の特性を高めるために不都合な運動エネルギを有す
る飛散粒子を、スリット付チョッパを所定の回転速度で
回転させることで排除して、最適な範囲の運動エネルギ
を有する飛散粒子だけを被着体に蒸着することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る蒸着装置を示すブロ
ック図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る蒸着装置の主要部を
示す模式図である。
【図3】本発明の第1実施例に係る受光素子の出力信
号、パルスレーザ発生装置の出力信号、チョッパの開き
時間の相互関係を示すタイミングチャートである。
【図4】本発明の第1実施例に係る蒸着装置での概略制
御手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施例に係る蒸着装置を示すブロ
ック図である。
【図6】本発明の第3実施例に係る蒸着装置の一部を示
す断面図である。
【符号の説明】
11 エキシマレーザ 12 蒸着源 13 チョッパ 16 質量分析計 20、20A コンピュータ 21〜24 スリット 27 被着体
フロントページの続き (72)発明者 久芳 完治 埼玉県大宮市北袋町一丁目297番地 三 菱マテリアル株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭64−39371(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被着体と、 この被着体に対して所定間隔を有して配設され、その運
    動エネルギが所定範囲で分布し、それぞれが被着体に向
    かって飛散する飛散粒子群を発生させる飛散粒子発生手
    段と、 これらの被着体と飛散粒子発生手段との間に介設され、
    一定範囲の運動エネルギを有する飛散粒子のみを通過さ
    せる制御手段と、を備えた蒸着装置において、 上記制御手段は、飛散粒子を通過するスリットが設けら
    れた回転自在なチョッパと、このチョッパを回転駆動す
    る駆動部材とを有し、 上記被着体に蒸着する飛散粒子の質量を質量センサによ
    り検出するとともに、この検出値に基づいて、上記制御
    手段が、上記駆動部材により上記チョッパを回転させ
    て、上記スリットを通過する飛散粒子を制御することを
    特徴とする蒸着装置。
  2. 【請求項2】 上記飛散粒子発生手段は、蒸着用原料を
    保持する原料保持部材と、この蒸着用原料に対してビー
    ムをパルス状に照射するビーム照射部材と、を有する請
    求項1に記載の蒸着装置。
  3. 【請求項3】 質量センサと、 この質量センサに対して所定間隔を有して配設され、そ
    の運動エネルギが所定範囲で分布し、それぞれが質量セ
    ンサに向かって飛散する飛散粒子群を発生させる飛散粒
    子発生手段と、 これらの質量センサと飛散粒子発生手段との間に介設さ
    れて、飛散粒子が通過するスリットが設けられた回転自
    在なチョッパと、このチョッパを回転駆動する駆動部材
    とを有し、しかも質量センサにより検出された上記飛散
    粒子の質量の検出値に基づいて、上記駆動部材により回
    転中のチョッパのスリットを通過する飛散粒子を制御
    し、一定範囲の運動エネルギを有する飛散粒子のみを通
    過させる制御手段と、 この飛散粒子のみが飛散する範囲に被着体を移動させる
    移動機構と、を備えることを特徴とする蒸着装置。
  4. 【請求項4】 上記被着体は上記飛散粒子群の発生す
    るチャンバの内部でのみ移動可能、または、上記被着体
    は飛散粒子群の発生するチャンバの外部にも移動可能に
    構成された請求項3に記載の蒸着装置。
  5. 【請求項5】 その運動エネルギが所定範囲で分布し、
    それぞれが質量センサに向かって飛散する飛散粒子群を
    発生させ、 この飛散粒子の質量を質量センサにより検出し、 この検出値に基づいて、一定範囲以外の運動エネルギを
    有する飛散粒子を、駆動部材により回転駆動しているス
    リット付きのチョッパにより遮断し、 上記スリットを通り抜けた一定範囲の運動エネルギを有
    した飛散粒子のみが飛散する範囲へ被着体を移動させ、 この被着体に一定範囲の運動エネルギを有する飛散粒子
    のみを堆積させることを特徴とする蒸着方法。
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