JPH06330318A - ガスバリアフィルムの製造方法及び製造装置 - Google Patents

ガスバリアフィルムの製造方法及び製造装置

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JPH06330318A
JPH06330318A JP11872193A JP11872193A JPH06330318A JP H06330318 A JPH06330318 A JP H06330318A JP 11872193 A JP11872193 A JP 11872193A JP 11872193 A JP11872193 A JP 11872193A JP H06330318 A JPH06330318 A JP H06330318A
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film
thin film
gas barrier
barrier film
ray
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JP11872193A
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Naganari Matsuda
修成 松田
Seiji Izeki
清司 伊関
Yoshiharu Morihara
芳治 森原
Toru Kotani
徹 小谷
Toshio Uno
利夫 宇野
Yozo Yamada
陽三 山田
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 無機薄膜を形成する原子を励起状態とした後
に放たれる当該薄膜組成の元素の特性X線の内、少なく
とも一つの元素の特性X線強度を測定することにより当
該薄膜の膜厚をモニターしながら、連続に走行するプラ
スチック基材上に無機薄膜を設けることを特徴とするガ
スバリアフィルムの製造方法。また、その製造装置。 【効果】 本発明のガスバリアフィルムの製造方法又は
製造装置によれば、無色透明の薄膜及び複合酸化物薄膜
等を用いたガスバリアフィルムに対しても膜厚がモニタ
ーでき、そのため長さ方向に均一な特性を有するガスバ
リアフィルムを作製することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】食品、医薬品、電子部品等の気密
性を要求される包装材料又は工業用のガス遮断材料とし
て優れた特性を有するガスバリアフィルムの製造方法、
及び製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチック基材と該基材上に設けられ
たガスバリア性を有する無機薄膜とで構成されるガスバ
リアフィルムは、真空蒸着法、スパッター法、CVD
(化学気相堆積)法等の作製法で作られ、一般にロール
コーター式装置を用いる。このとき作製されるガスバリ
ア薄膜(無機薄膜)の膜厚をモニターする方法として
は、可視光線を当該薄膜に照射し、その透過率又は反射
率あるいは吸収率を求め、その値より膜厚を推定する方
法が用いられている。従来、無機薄膜を用いたガスバリ
アフィルムとして最も一般的な酸化硅素(SiOX :x
=1.3〜1.8)薄膜系ガスバリアフィルムは、透明
ではあるが褐色を呈しており、可視光線を用いた膜厚モ
ニター法でも有効である。また、この可視光線による膜
厚モニター法で求めた薄膜の膜厚データをフィードバッ
クし、ガスバリアフィルムの生産工程の管理に用いる方
法や製造装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のやや褐色を帯び
ているSiOX 薄膜系ガスバリアフィルムの場合でも、
100Å程度の膜厚変化では可視光線透過率の変化はご
く小さく、膜厚測定の精度としては不十分で生産工程で
のフィードバックの精度が上がらないという問題があ
る。また、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無
色透明の薄膜を用いたガスバリアフィルムや、最近提案
されている酸化アルミニウム・酸化硅素系や酸化マグネ
シウム・酸化硅素系等の複合酸化物薄膜系ガスバリアフ
ィルムでは、薄膜の膜厚による可視光線透過率の変化が
小さく、従来の可視光線を用いた膜厚モニター法では薄
膜の膜厚の制御は殆ど不可能な状態である。さらに、複
合酸化物をガスバリア薄膜としている場合には、従来の
モニター法では組成の均一性についての情報は全く得ら
れない。
【0004】このように、無色透明の薄膜及び複合酸化
物薄膜等を用いたガスバリアフィルムの生産工程におい
ては有効な膜厚モニター法がないため、オンラインでの
蒸着速度のコントロールが不可能であり、作製されたガ
スバリアフィルムの特性(酸素バリア性、ボイル特性を
はじめとする各種の特性)の保証が出来ないという問題
がある。
【0005】本発明の目的は、無色透明の薄膜及び複合
酸化物薄膜等を用いたガスバリアフィルムに対しても有
効な膜厚モニター法を有するガスバリアフィルムの製造
装置及び製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、本発明に
より上記目的が達成されることを見出した。即ち、本発
明は、無機薄膜を形成する原子を励起状態とした後に放
たれる当該薄膜組成の元素の特性X線の内、少なくとも
一つの元素の特性X線強度を測定することにより当該薄
膜の膜厚をモニターしながら、連続に走行するプラスチ
ック基材上に無機薄膜を設けることを特徴とするガスバ
リアフィルムの製造方法であり、また、当該ガスバリア
フィルムの製造装置である。
【0007】本発明におけるプラスチック基材とは、有
機高分子を溶融押出しし、必要に応じて、長手方向及び
/又は幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したプラスチッ
クフィルムのことをいう。当該プラスチックフィルム
は、その厚さが5〜500μmであることが好ましく、
さらに好ましくは8〜200μmである。
【0008】上記有機高分子としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレン−2,6−ナフタレート、ナイロン6、ナイロン
4、ナイロン66、ナイロン12、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、全芳香族ポ
リアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテ
ルイミド、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、
ポリフェニレンオキサイド等が挙げられる。また、これ
らの有機高分子は、他の有機高分子を少量共重合した
り、ブレンドしたものでもよい。当該有機高分子には、
公知の添加剤、例えば紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑
剤、滑剤、着色剤等が添加されていてもよい。
【0009】また、蒸着膜の密着力等を向上させる目的
で、上記基材の少なくとも片面に、シランカップリング
剤やプライマー(ポリエステル系、ポリウレタン系、ア
クリル系、シリコン系等)による処理、コロナ放電処
理、低温プラズマ処理等の表面処理を施してもよいし、
あるいは基材として一軸延伸されたプラスチックフィル
ムを用いてもよい。さらに、蒸着膜組成の安定化や密着
力の向上のために、基材を蒸着中あるいは蒸着後に加熱
してもよい。
【0010】本発明で用いる無機薄膜は、ガスバリア性
を有するものであれば特に制限はない。その材料として
は、アルミニウム、ニッケル、クロム、鉄、コバルト、
亜鉛、金、銀、銅等の金属;硅素、ゲルマニウム、炭素
等の半導体;酸化アルミニウム、酸化硅素、酸化マグネ
シウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタ
ン、酸化ホウ素、酸化ハフニウム、酸化バリウム等の酸
化物;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化マグネシウ
ム等の窒化物;硫化物;炭化物等が挙げられる。透明ガ
スバリア薄膜として好ましいのは、酸化アルミニウム、
酸化硅素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ジ
ルコニウム、酸化チタン等の酸化物や、それらに金属や
半導体等を添加あるいは置換したもの、またはそれらの
混合物等である。
【0011】無機薄膜の膜厚は、ガスバリアとして有用
な厚さであれば特に制限はないが、好ましくは30〜1
0000Å、さらに好ましくは70〜8000Åであ
る。また、色についても特に無色である必要はない。
【0012】本発明におけるガスバリアフィルムは、主
としてプラスチック基材と無機薄膜よりなるものである
が、さらに、無機薄膜上に従来公知の接着剤を設け、そ
の上にプラスチックフィルムを積層させたもの等でもよ
い。
【0013】使用される接着剤としては、例えば天然ゴ
ム系、合成ゴム系、ポリエステル系、ポリウレタン系、
アクリル系、シリコーン系等やこれらの混合物等からな
る接着剤が挙げられ、好ましくはポリウレタン、ポリエ
ステル、ポリイソシアネート、またはこれらの混合物等
からなる接着剤である。当該接着剤の膜厚は、好ましく
は0.5〜20μm、さらに好ましくは0.5〜10μ
mである。
【0014】また、積層されるプラスチックフィルムと
しては前述したもの等が挙げられ、当該フィルムの膜厚
は、好ましくは5〜500μm、さらに好ましくは8〜
300μmである。
【0015】本発明におけるガスバリアフィルムの製造
方法としては、薄膜の膜厚をモニターする方法を除いて
特に制限はないが、望ましくは真空蒸着法、スパッター
法、CVD法等のドライプロセスでの形成法である。
【0016】例えば蒸着法とは、抵抗加熱、高周波誘導
加熱、電子線やイオンビーム等のビーム加熱等により、
るつぼに入った材料を加熱、蒸発させて基材(プラスチ
ックフィルム等)に付着させ、薄膜を得る方法である。
その際、材料、目的等により加熱温度、加熱方法が異な
り、酸化反応等を起こさせる反応性蒸着法も使用でき
る。
【0017】また、スパッター法とは、真空槽内に放電
ガス(アルゴン等)を導入し、ターゲットと基材(プラ
スチックフィルム等)との間に高周波電圧あるいは直流
電圧を加えて放電ガスをプラズマ化し、ターゲットに衝
突させることでターゲット材料を飛ばし、基板に付着さ
せて薄膜を得る方法である。また、酸素等の反応ガスを
導入して酸化反応を起こさせる反応性スパッター法を用
いることもある。CVD法についても同様である。
【0018】本発明における無機薄膜の膜厚モニター法
について、具体例を挙げて以下に説明する。 まず、例えばW、Mo、Rh、Cr等をターゲットと
したX線管球から発生したX線をコリメーターで面積を
制限し、励起源として無機薄膜に照射する。
【0019】このとき照射するX線のスポット径は、測
定する面積及び要求されるフィードバックの精度によっ
て規定され、特に限定されるものではないが、1〜50
mmが好ましい。また、無機薄膜を形成する原子を励起
状態にする方法は特に制限されず、X線照射以外に、電
子線照射、放射線照射、レーザー照射等が挙げられる。
【0020】薄膜を形成する原子は、X線等を照射さ
れて励起状態になり、その後基底状態に戻るときに各元
素に固有の蛍光X線(特性X線)を放出する。この放出
された特性X線を分光し、検出部で検出する。
【0021】この分光、検出部としては、グラファイ
ト、フッ化リチウム、塩化ナトリウム等の分光結晶や回
折格子による回折現象を利用した分散型でも、測定X線
のエネルギーに比例した出力をもつ検出器を使用する波
高分析法による非分散型でもどちらでもよい。また、特
性X線検出器としては、ガス増幅比例計数管、半導体検
出器、シンチレーション検出器等を用いることができ
る。
【0022】ここで特性X線とは、各元素に固有な線ス
ペクトル又はその一部によって構成されるX線であり、
固有X線ともいう。この特性X線の波長としては、例え
ばCuのKα線(特性X線の一種で電子がL殻からK殻
の空準位へ遷移する時に放出されるX線)は1.542
Å、MoのKα線は0.710Åであり、また、Al、
Si、Mg、CaのKα線の波長は、それぞれ8.33
9Å、7.126Å、9.889Å、3.360Åであ
る。
【0023】上記のようにして得られた無機薄膜を形成
する元素の特性X線強度は、薄膜の膜厚と相関関係があ
り、前もって膜厚既知のサンプルで特性X線強度を測定
して作製した検量線から、膜厚測定が可能となる。即
ち、薄膜中に含まれる元素の内の少なくとも1つの元素
の特性X線強度を測定すればよい。また、2つ以上の構
成元素の特性X線の強度比をとることによって、薄膜組
成に関する情報も得られる。
【0024】上記のようにプラスチック基材上への蒸
着と同一工程で、薄膜の膜厚モニターを行いながら、そ
の結果を蒸着条件にフィードバックする。
【0025】蒸着条件としては、電子銃(以下EB銃と
いう)のエミッション電流、スキャンスピード、フィル
ム送り速度等が挙げられる。即ち、膜厚が増加しつつあ
るときには、蒸着条件として、例えばEBパワーを下げ
る。逆に膜厚が減少しつつあるときには、EBパワーを
上げることにより膜厚のばらつきを抑え、膜厚を一定に
保つことができる。また、2つ以上の元素の特性X線の
強度比から薄膜組成に関するデータも得られるので、多
元系蒸着等のように各々の組成へのフィードバックが行
える作製法では、フィードバックすることにより組成比
率も安定に保つことができる。
【0026】ここで、図1は本発明のガスバリアフィル
ム製造装置の一実施例を示す図であり、この図を用いて
本発明のガスバリアフィルムの製造方法を説明する。る
つぼ6に入った蒸着源材料10に、EB銃5から電子ビ
ームを照射し、巻き出しロール1から送り出されたプラ
スチック基材4に蒸着源材料10を蒸着させる。これに
より、プラスチック基材4上に無機薄膜16を形成さ
せ、ガスバリアフィルム15が得られる。次に、励起用
X線源11から発生させた励起用X線17をコリメータ
ー14でその直径を制限しながら、ガスバリアフィルム
15の無機薄膜16上に照射し、その時に放出される特
性X線18の強度を特性X線検出器12で測定する。こ
の得られたデータをパソコンに入れ、目標値との差をE
B銃5のエミッション電流等へフィードバックしながら
ガスバリアフィルム15の作製を行う。
【0027】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を説明するが、
本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0028】また、下記実施例、比較例で作製されたガ
スバリアフィルムの取り出されたサンプルにおける、膜
厚、酸素透過度の測定方法、及び組成分析の方法は以下
のとおりである。 膜厚(無機薄膜の膜厚) 蛍光X線分析装置(理学電機製、システム3270)を用
い、測定を行った。X線の発生はロジウム管球を用い、
50kV、50mAで行った。 酸素透過度(ガスバリアフィルムの酸素透過度) 酸素透過率測定装置(モダンコントロールズ社製、OX-T
RAN100)を用い、室温で測定した。 組成分析(ICP原子吸光分析) サンプルを燃焼、灰化後、炭酸ソーダに溶かし、溶液化
後、高周波誘導結合プラズマ発光分析装置(島津製作所
製、ICPS-2000 型)を用い、定量した。
【0029】実施例1 蒸着源として3〜5mm程度の大きさの粒子状の酸化ア
ルミニウム(Al2 3 ,純度99.5%)を用い、電
子ビーム蒸着法により12μm厚のポリエチレンテレフ
タレート(PET)フィルム(東洋紡績(株) 製、E510
0)上に、酸化アルミニウム薄膜の形成を行った。フィル
ム送り速度を約100m/min 、EB銃のエミッション電
流を1.2A付近とし、目標膜厚は500Åとした。膜
厚モニターとしてX線管から発生させた白色X線を、コ
リメーターで直径30mmに制限し、酸化アルミニウム
薄膜に照射した。このとき、薄膜を形成するアルミニウ
ム原子は励起状態となり、その後基底状態に戻るときに
波長8.339Åの特性X線を放出した。この強度をシ
ンチレーションカウンターで測定し、前もって用意して
いた検量線により自動的に膜厚値に換算できるようにし
た。この膜厚モニターからの出力をパソコンにいれ、目
標値との差をEB銃のエミッション電流等へフィードバ
ックしながら、ガスバリアフィルムの作製を行った。こ
のようにして作製されたガスバリアフィルムの蒸着開始
位置から2000、4000、6000mのところのサ
ンプルを切り出し、膜厚と酸素透過度を測定した。その
結果を表1に示す。これからわかるように、膜厚が一定
で、酸素バリア性が良好で、長さ方向に酸素バリア特性
の均一な長尺透明ガスバリアフィルムが得られた。
【0030】
【表1】
【0031】比較例1 実施例1と同様にして電子ビーム蒸着法で酸化アルミニ
ウム薄膜系ガスバリアフィルムを作製したが、特に膜厚
のモニターは行わず、目標膜厚は500Åとした。実施
例1と同様に蒸着開始位置から2000m毎にサンプリ
ングして、膜厚及び酸素透過度を測定した。その結果を
表2に示す。これからわかるように、このガスバリアフ
ィルムは後ろの方の薄膜の膜厚が薄くなり、かつ酸素バ
リア性が劣るものになった。
【0032】
【表2】
【0033】実施例2 蒸着源として3〜5mm程度の大きさの粒子状の酸化マ
グネシウム(MgO,純度99.5%)と酸化硅素(S
iO2 ,純度99.9%)を用い、電子ビーム蒸着法で
12μm厚のPETフィルム(東洋紡績(株)製、E510
0)上に、酸化物薄膜の形成を行った。蒸着材料のMgO
とSiO2 は別々のるつぼに入れた。膜厚モニターは、
実施例1と同様に励起用X線を照射して、薄膜の特性X
線を測定できるようになっている。ここでは、Mg
(9.889Å)とSi(7.129Å)の特性X線を
測定し、EB銃のエミッション電流にフィードバックを
かけられるようにした。フィルム送り速度は約100m/
min とし、加熱源として一台のEB銃を用い、MgOと
SiO2 のそれぞれを時分割で加熱し、MgOとSiO
2 の複合膜を作製した。その時のEB銃のエミッション
電流を1.5A付近とし、MgOとSiO2 への加熱比
を1:1とし、目標膜厚を500Åとした。このように
して作製されたガスバリアフィルムの蒸着開始位置から
1000m毎にサンプリングし、組成分析(ICP原子
吸光分析)と膜厚測定を行った。この結果を表3に示
す。これからわかるように、組成、膜厚とも一定な長尺
透明ガスバリアフィルムが得られた。
【0034】さらに、このPETフィルム上の複合薄膜
に対し、厚さ40μmの未延伸ポリプロピレンフィルム
(OPPフィルム)を、二液硬化型ポリウレタン系接着
剤(厚さ3μm)を用いてドライラミネートし、包装用
ガスバリアフィルムを得た。この包装用フィルムに対し
てボイル処理(80℃×30分)をした後、酸素透過度
を測定した。この結果も表3に示す。これからわかるよ
うに、ボイル処理後の酸素バリア性が良好で、長さ方向
に酸素バリア特性の均一な長尺透明ガスバリアフィルム
が得られた。
【0035】
【表3】
【0036】比較例2 MgOとSiO2 を用い、実施例2と同様にしてMgO
−SiO2 薄膜系ガスバリアフィルムを作製したが、膜
厚モニターとしては可視光線透過率光学モニターを用
い、目標膜厚は500Åとした。実施例2と同様にサン
プリングして、組成分析、膜厚測定を行い、さらにボイ
ル処理後の酸素透過度を測定した。その結果を表4に示
す。これからわかるように、このガスバリアフィルムは
後ろの方の組成のずれが大きくなり、また、ボイル後の
酸素バリア性は不十分なものになった。
【0037】
【表4】
【0038】
【発明の効果】本発明のガスバリアフィルムの製造方法
又は製造装置によれば、無色透明の薄膜及び複合酸化物
薄膜等を用いたガスバリアフィルムに対しても膜厚がモ
ニターでき、そのため長さ方向に均一な特性を有するガ
スバリアフィルムを作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスバリアフィルム製造装置の一実施
例の概略図である。
【図2】本発明の薄膜膜厚モニター部分の拡大図であ
る。
【符号の説明】
1 巻き出しロール 2 巻き取りロール 3 チルロール 4 プラスチック基材 5 電子銃(EB銃) 6 るつぼ 7 二次電子トラップ 8 排気系 9 防着板 10 蒸着源材料 11 励起用X線源 12 特性X線検出器 13 シャッター 14 コリメーター 15 ガスバリアフィルム 16 無機薄膜 17 励起用X線 18 特性X線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小谷 徹 滋賀県大津市堅田二丁目1−1 東洋紡績 株式会社総合研究所内 (72)発明者 宇野 利夫 滋賀県大津市堅田二丁目1−1 東洋紡績 株式会社総合研究所内 (72)発明者 山田 陽三 滋賀県大津市堅田二丁目1−1 東洋紡績 株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機薄膜を形成する原子を励起状態とし
    た後に放たれる当該薄膜組成の元素の特性X線の内、少
    なくとも一つの元素の特性X線強度を測定することによ
    り当該薄膜の膜厚をモニターしながら、連続に走行する
    プラスチック基材上に無機薄膜を設けることを特徴とす
    るガスバリアフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 連続に走行するプラスチック基材上に無
    機薄膜を設けるガスバリアフィルムの作製において、当
    該無機薄膜を形成する原子を励起状態とした後に放たれ
    る薄膜組成の元素の特性X線の内、少なくとも一つの元
    素の特性X線強度を測定することにより当該薄膜の膜厚
    をモニターしうる設備を有してなるガスバリアフィルム
    の製造装置。
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