JP2650346B2 - 酸素センサ - Google Patents

酸素センサ

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JP2650346B2
JP2650346B2 JP63205410A JP20541088A JP2650346B2 JP 2650346 B2 JP2650346 B2 JP 2650346B2 JP 63205410 A JP63205410 A JP 63205410A JP 20541088 A JP20541088 A JP 20541088A JP 2650346 B2 JP2650346 B2 JP 2650346B2
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oxygen sensor
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章三 小林
洋 鷹木
行雄 坂部
嘉朗 森
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は酸素センサに関し、特に固体電解質層を有
する酸素センサ素子がアルミナ層で補強された酸素セン
サに関する。
(従来技術) 従来、この種の酸素センサは、固体電解質層となるべ
きZrO2のセラミックグリーンシートとアルミナ層となる
べきアルミナグリーンシートとを積層したものを同時に
焼結することによってつくられる。あるいは、あらかじ
め焼結したアルミナ基板(層)の上に、安定化ZrO2を薄
膜または厚膜で積層してから熱処理により焼結すること
によってつくられる。
(発明が解決しようとする課題) ところが、従来の酸素センサでは、酸素センサ素子と
アルミナ層との熱膨張係数が大きく相違するため、酸素
センサ素子とアルミナ層との接合界面には、センサの動
作温度(600〜900℃)と停止温度との熱膨張差による応
力が働き、剥離または割れが生じてしまう場合があっ
た。
それゆえに、この発明の主たる目的は、温度変化に対
する耐久性のよい、酸素センサを提供することである。
(課題を解決するための手段) この発明は、固体電解質層を有する膜状の酸素センサ
素子と、酸素センサ素子の主面に形成されるアルミナ層
を含む酸素センサであって、ZrO2にSiO2を添加すること
によって熱膨張係数をアルミナと同程度にした固体電解
質層となるべきセラミックグリーンシートとアルミナ層
となるべきアルミナグリーンシートとを積層してそれら
を同時に焼結することによって、固体電解質層およびア
ルミナ層を形成した、酸素センサである。
(作用) 酸素センサ素子の熱膨張係数がアルミナ層の熱膨張係
数と同程度になる。そのため、温度変化によって酸素セ
ンサ素子とアルミナ層との間に働く応力が小さくなる。
(発明の効果) この発明によれば、温度変化によって酸素センサ素子
とアルミナ層との間に働く応力が小さくなるので、酸素
センサの温度変化に対する耐久性がよくなる。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利
点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明か
ら一層明らかとなろう。
(実施例) 第1A図ないし第1C図は、それぞれ、この発明の一実施
例を示し、第1A図はその分解斜視図であり、第1B図はそ
の斜視図であり、第1C図は第1B図の線IC−ICにおける断
面図である。この酸素センサ10は、膜状の酸素センサ素
子12を含む。
酸素センサ素子12は、積層されたたとえば3層の固体
電解質層14a,14bおよび14cを含む。これらの固体電解質
層14a〜14cは、それぞれ、ZrO2にSiO2を添加してその熱
膨張係数がアルミナの熱膨張係数と同程度となる材料で
形成される。この材料の好ましい例としては、たとえ
ば、酸化イットリウム(Y2O3),二酸化珪素(SiO2)お
よび酸化ジルコニウム(ZrO2)からなり、一般式aY2O3
・bSiO2・(1−a−b)ZrO2で表したとき、aおよび
bが、0.012≦a≦0.122かつ0.088≦b≦0.385の範囲に
ある材料があげられる。この場合、固体電解質層14a〜1
4cの熱膨張係数は、アルミナの熱膨張係数(8.0×10-6c
m/℃)に近い約10×10-6cm/℃〜6.2×10-6cm/℃にな
る。さらに好ましくは、一般式aY2O3・bSiO2・(1−a
−b)ZrO2で表したとき、a=0.049かつb=0.190であ
る材料、a=0.025かつb=0.187である材料あるいはa
=0.091かつb=0.197である材料があげられる。この場
合、固体電解質層14a〜14cの熱膨張係数は、8.08×10-6
cm/℃、8.12×10-6cm/℃あるいは7.97×10-6cm/℃とな
る。
中央の固体電解質層14bには、たとえばほぼU字状の
溝ないし通路16が形成される。この場合、通路16は、そ
の2つの端部が固体電解質層14bの一端にまで延びて形
成される。この通路16は、標準ガスを流通するための通
路として働く。また、この通路16は、その中央部分16a
が他の部分より幅広に形成される。
さらに、固体電解質層14cの一方主面には、通路16の
中央部分16aに対応した位置にたとえば白金からなる円
形の内部電極18aが形成され、固体電解質層14cの他方主
面には、内部電極18aに対向するたとえば白金からなる
円形の外部電極18bが形成される。また、固体電解質層1
4cの一方主面には、たとえば白金からなる直線状の引出
電極20aが形成される。この場合、引出電極20aは、その
一端が内部電極18aに接続され、その他端が固体電解質
層14cの一端側から外側に延びて形成される。さらに、
固体電解質層14cの他方主面には、たとえば白金からな
るL字状の引出電極20bが形成される。この場合、引出
電極20bは、その一端が外部電極18bに接続され、その中
央部が固体電解質層14cの側部に沿い、かつ、その他端
が固体電解質層14cの一端側から外側に延びて形成され
る。これらの引出電極20aおよび20bは、酸素センサ10の
端子として働く。
さらに、酸素センサ素子12の両主面には、それぞれ、
酸素センサ素子12を補強するためのアルミナ層22および
24が形成される。すなわち、固体電解質層14aの表面に
一方のアルミナ層22が形成され、固体電解質層14cの表
面に他方のアルミナ層24が形成される。この場合、アル
ミナ層24には、外部電極18bに対応した位置にたとえば
断面円形の孔26が形成される。したがって、酸素センサ
10の外部電極18bは、この孔26から露出することにな
る。
なお、アルミナ層24の表面には、孔26を覆うようにし
て、第2図に示す多孔質のアルミナからなる保護膜28を
形成してもよい。このように保護膜28を形成すれば、外
部の塵や埃から外部電極18bを保護することができる。
次に、この酸素センサ10の製造方法の一例について説
明する。
まず、固体電解質層14a〜14cとなるべきセラミックグ
リーンシートが準備される。さらに、アルミナ層22およ
び24となるべきアルミナグリーンシートが準備される。
この場合、セラミックグリーンシートは、それをグリー
ンシート化するにあたりバインダ量や粉体粒径を調整す
ることによって、その収縮率をアルミナグリーンシート
の収縮率と一致させてある。
なお、固体電解質層14bとなるべきセラミックグリー
ンシートには、溝ないし通路16が形成されている。ま
た、固体電解質層14cとなるべきセラミックグリーンシ
ートの両主面には、電極18aおよび18bとなるべき多孔質
の白金ペーストが印刷され、さらに、引出電極20aおよ
び20bが形成されている。
また、アルミナ層24となるべきアルミナグリーンシー
トには、断面円形の孔26が形成されている。
そして、それらのセラミックグリーンシートとアルミ
ナグリーンシートとを重ね合わせ圧着し、それを同時に
焼成して焼結することによって、酸素センサ10がつくら
れる。
この酸素センサ10では、従来例に比べて、酸素センサ
素子12の固体電解質層14a〜14cの材料としてアルミナの
熱膨張係数に近い材料が用いられるので、酸素センサ素
子12とアルミナ層22および24との間に生じる熱応力が小
さくなり、そのため、温度変化に対する耐久性がよくな
る。
さらに、この酸素センサ10では、酸素センサ素子12と
アルミナ層22および24との間に生じる熱応力が小さくな
るので、酸素センサ素子12ないし固体電解質層14a〜14c
をより薄く形成することができる。そのため、より低温
で動作可能になり、しかも、小型化かつ軽量化が可能に
なる。
実験例 まず、酸素センサの固体電解質層が別表1に示すそれ
ぞれの組成および厚みになるようにして、上述の実施例
と同様の構造の酸素センサをつくり、それらを試料1〜
8とした。この場合、試料1〜4における固体電解質層
の熱膨張係数は10.50×10-6cm/℃であり、試料5〜8に
おける固体電解質層の熱膨張係数はアルミナの熱膨張係
数(8.0×10-6cm/℃)に近い7.97×10-6cm/℃であっ
た。
そして、それらの試料1〜8について、それぞれ、作
動開始温度(℃)を測定した。この測定結果を、別表2
に示す。この結果から、酸素センサの固体電解質層が薄
くなればなるほど、酸素センサの作動開始温度(℃)が
低くなることがわかる。これは、酸素センサの固体電解
質層が薄くなれば、その熱容量が小さくなって温度変化
に対する応答が速くなるからであると考えられる。
さらに、各試料1〜8について、それぞれ、熱サイク
ルによるライフ特性を測定した。ここでいう熱サイクル
とは、特に第3図に示すように、600℃〜1200℃まで1
時間に400℃の割合で昇温し1200℃で30分保持し、1200
℃〜600℃まで1時間に400℃の割合で降温したものを1
サイクルとした。この測定結果を別表2に示す。別表2
の結果から明らかなように、この発明の範囲外である試
料1〜4ではそのライフ特性が悪いのに対して、この発
明の範囲内である試料5〜8ではそのライフ特性がいず
れも良好であった。
なお、上述の実施例では、標準ガスを流通するため通
路16が固体電解質層14bの厚み方向の一部にしか形成さ
れていないが、この通路16は固体電解質層14bの厚みと
同じ深さに形成されてもよい。この場合、通路16を形成
するにはこの通路16に相当する厚みのセラミックグリー
ンシートを積層することによって行えばよい。
また、上述の実施例では3層の固体電解質層14a〜14b
などで酸素センサ素子12が構成されているが、たとえば
2層の固体電解質層14bおよび14cあるいは4層以上の固
体電解質層などで酸素センサ素子12が構成されてもよ
く、酸素センサ素子12を構成するための固体電解質層の
層数は任意に変更されてもよい。
【図面の簡単な説明】
第1A図ないし第1C図は、それぞれ、この発明の一実施例
を示し、第1A図はその分解斜視図であり、第1B図はその
斜視図であり、第1C図は第1B図の線IC−ICにおける断面
図である。 第2図は第1A図ないし第1C図に示す実施例における外部
電極を保護するための保護膜を示す平面図である。 第3図は熱ライフ特性を調べるための熱サイクルの一例
を示すグラフである。 図において、10は酸素センサ、12は酸素センサ素子、14
a,14bおよび14cは固体電解質層、22および24はアルミナ
層を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 嘉朗 京都府長岡京市天神2丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (56)参考文献 特開 昭53−139595(JP,A) 特開 昭62−50658(JP,A) 特開 昭61−241658(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体電解質層を有する膜状の酸素センサ素
    子、および 前記酸素センサ素子の主面に形成されるアルミナ層を含
    む酸素センサであって、 ZrO2にSiO2を添加することによって熱膨張係数をアルミ
    ナと同程度にした前記固体電解質層となるべきセラミッ
    クグリーンシートと前記アルミナ層となるべきアルミナ
    グリーンシートとを積層しそれらを同時に焼結すること
    によって、前記固体電解質層および前記アルミナ層を形
    成した、酸素センサ。
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