JP2649632C - - Google Patents

Info

Publication number
JP2649632C
JP2649632C JP2649632C JP 2649632 C JP2649632 C JP 2649632C JP 2649632 C JP2649632 C JP 2649632C
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particle size
filler
resin composition
resin
epoxy resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
Other languages
English (en)
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Publication date

Links

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は成形作業性に優れた熱膨張係数が小さな半導体封止用エポキシ樹脂組
成物を用いた樹脂封止型半導体装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 トランジスタ、IC、LSI等の半導体装置の外装には金属、ガラス、セラミ
ックス等を用いるハーメチック封止型とエポキシ樹脂を主流とする樹脂封止型の
2種類がある。前者は気密性には優れているが非常に高価である。一方、後者は
大量生産によって極めて安価に製造することができる。近年、封止用樹脂の信頼
性が著しく向上したことにより、現在では全半導体製品の80%以上がエポキシ
樹脂を主流とする熱硬化性樹脂を用いた樹脂封止型になっている。しかし、半導
体素子の集積度は年々上昇し、それに伴ってチップサイズの大型化、配線の微細
化並びに 多層化等が進んでいる。一方、外装(パッケージ)についてみると、実装の高密
度化、自動化のために、パッケージサイズは小型薄型化の方向に進み、また、パ
ッケージの形状も従来のDILP(Dual in Line Package)からFPP(Flat Plas
tic Package)、SOP(Small Outline Package)、PLCC(Plastic Leaded
Chip Carrier)等ピン挿入実装型から面付実装型に移行している。このような
集積度の向上、パッケージサイズあるいは形状、実装方式等の変遷に伴い、素子
が繊細化し、パッケージの封止樹脂層は薄肉化の傾向をますます強めている。そ
のため、封止品に熱的ストレスが加わると半導体装置を構成する封止樹脂、フレ
ーム、チップ等の熱膨張係数の違いによって熱応力が生じ、そのために封止樹脂
にクラックが発生したり、あるいは逆にチップやチップ表面に形成されているパ
ッシベーション膜にクラックが生じたり、チップ表面の配線の切断、短絡、位置
ズレ等が生じ易くなり、素子特性変動や信頼性低下が問題になっている。この問
題はパッケージの実装方式がピン挿入型から面付型に移行し、実装時にパッケー
ジがさらされる温度条件が従来よりも厳しくなっていることによっても助長され
ている。 【0003】 樹脂封止半導体に発生する熱応力は、上述のように各構成材料の熱膨張係数の
違いによって発生するため、各構成材料特に熱膨張係数が大きな封止樹脂の熱膨
張係数を小さくすることができれば、熱応力の大幅な低減が可能になる。一般に
、封止用樹脂には熱膨張係数の低減を目的に樹脂よりも熱膨張係数が小さな無機
質充てん剤が配合されており、熱膨張係数を小さくするためには充てん剤の配合
量を従来よりも更に増やせば良い。しかし、従来は充てん剤の配合量を余り増や
すと樹脂組成物の粘度が著しく上昇し流動性が低下するため封止作業が困難にな
る。そのため、特許第802445号、同855789号各明細書及び特公昭 60−10533号公報に記載されているように特定の粒度分布を有する無機充
てん剤を用い、樹脂組成物の粘度上昇や流動性低下を余り起こさずに充てん剤の
配合量を増やす方法が提案されている。しかし、このような手法を用いても現在
樹脂封止型半導体の主流になっているフェノール硬化型エポキシ樹脂系組成物に
おいてはベース樹脂自体の粘度が高いために、充てん量を飛躍的に増やして熱膨
張係数の大幅な低減を図るには限界があった。その理由としては従来このような
用途には大きな原石を機械的に粉砕して製造した角ばった充てん剤が使用されて
きたため、充てん剤のかさばりによって樹脂組成物の粘度上昇や流動性の低下が
起り易かったものと推定される。そのため、その対策として特公昭60−265
05号及び同60−40188号各公報に開示されるように、球形の充てん剤を
用いる方法が提案されているが、前述のような素子の高集積化、パッケージの小
型薄型化に充分対応し得る封止用樹脂組成物を得るに至っていない。 【0004】 一方、樹脂封止型半導体の素子に加わる熱応力は、封止樹脂の弾性率やガラス
転移温度を下げることによっても低減することができる。しかし、樹脂組成物の
ガラス転移温度を下げると一般には高温の電気特性や耐湿性等が低下するため、
半導体装置にとっては好ましくない。そのため、最近ではベース樹脂中にシリコ
ーンゴムやポリブタジエンゴムのようなゴム成分を配合してマトリックスのエポ
キシ樹脂を海島構造にし硬化物の弾性率を小さくする方法が検討されている。し
かし、この方法はチップに加わる熱応力をある程度小さくすることができるが半
導体装置を構成する各材料間の熱膨張係数の違いを縮少する効果はほとんどなく
、本質的な熱応力低減対策ではない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 そのため、熱応力の発生がより小さな半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びそ
れを用いた半導体装置が強く望まれていた。本発明は上記のような状況にかんが
みてなされたものであって、その目的とするところは成形作業性が良く、しかも
熱膨張係数が小さなエポキシ樹脂組成物を用いた信頼性の優れた樹脂封止型半導
体装置を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】 本発明を概説すれば、本発明は樹脂封止型半導体装置に関する発明であって、
常温で固体のエポキシ樹脂に充てん剤を配合した樹脂組成物で半導体チップを封
止した半導体装置において、前記充てん剤が、石英粉を溶融して球形化した溶融
石英粉であり、その粒径が100μm以下であり、粒度分布がRRS粒度線図で
表示した場合に直線であり、勾配nの値が0.6〜0.95であり、配合量が前記
エポキシ樹脂組成物全体の85重量%以上であることを特徴とする。 【0007】 前記問題点は樹脂の粘度上昇や流動性を損わずに充てん剤を多量に配合できれ
ば解決が可能である。そこで、本発明者等は充てん剤の形状、粒径、粒度分布、
充てん量と樹脂組成物の諸特性並びにこれらの樹脂組成物で封止した半導体装置
の信頼性との関係を詳細に検討した。 【0008】 その結果、エポキシ樹脂に充てん剤が、粒径100μm以下の範囲内にあって
、しかもその粒度分布をRRS粒度線図で示した場合に勾配nが0.6〜0.95
の範囲で直線性を示す球形の溶融石英粉を樹脂組成物全体に対し85重量%以上
配合すれば良いことを見出した。 【0009】 ここで、RRS粒度線図とは下記のロジン−ラムラー(Rosin-Rammler)の式(
数1)に従う粒度分布を表わす粒度線図のことである。 【0010】 【数1】 【0011】 〔但し、式中R(Dp)は最大粒径から粒径Dpまでの累積重量%、Dpは粒径、
b及びnは定数である〕 式中のR(Dp)は積算残留重量%とも呼ばれている。 【0012】 また、RRS粒度線図における勾配とは、RRS粒度線図の最大粒径から粒径
pまでの累積重量%が25重量%と75重量%の2点を結んだ直線で代表され
るロジン−ラムラーの式のn値のことをいう。一般に、充てん剤の原石を微粉砕
した場合その粒度分布はロジン−ラムラーの式に合い、この式に基づいた粒度分
布の表わし方であるRRS粒度線図においてほぼ直線性を示すとされている。本
発明者等は各種充てん剤の粒度分布を測定したところ、特別のふるい分けをしな
い限りいずれの充てん剤もその90重量%以上が上記RRS粒度線図でほぼ直線
性を示し上式によく適合することを確認している。このような粒度分布を有する
球形の溶融石英粉は、例えば特開昭59−59737 号公報に示されているように、あ
らかじめ所定の粒度分布に粉砕した角ばった溶融石英粉をプロパン、ブタン、水
素などを燃料とする溶射装置から発生させた高温の火炎中に一定量ずつ供給し、
溶融、冷却することによって得られる。 【0013】 エポキシ樹脂に充てん剤が粒径100μm以下の範囲内にあって、し かもその粒度分布をRRS粒度線図で表示した場合にその勾配nが0.6〜0.95
の範囲で直線性を示す球形の溶融石英粉を樹脂組成物全体に対し80重量%以
上配合した樹脂組成物は、充てん剤配合量が多いにもかかわらず比較的粘度が低
く流動性が優れ、しかも硬化物は熱膨張係数が1.3×10-5/℃ 以下と小さい
。それ故、Au線をボンディングした半導体素子を封止してもAu線の変形や断
線が起りにくく、また、封止品は熱応力の発生が少ないために耐温度サイクル性
、耐熱性、耐湿性等が良好である。 【0014】 本発明におけるエポキシ樹脂組成物とは現在半導体封止用成形材料として一般
に用いられているエポキシ樹脂組成物であって、クレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂等に硬化剤としてフェノールノボラック樹脂、硬化促進剤、充てん剤、可とう
化剤、カップリング剤、着色剤、難燃化剤、離型剤などを配合した組成物である
。 【0015】 充てん剤として球形の溶融石英粉を用いるのは前述のように球形化することに
よって充てん剤のかさばりが少なくなり高充てん化し易くなることの他に、素子
を封止する際充てん剤の角部が素子表面に触れて素子を損傷したり素子特性に悪
影響を及ぼすのを防止する効果もある。溶融石英は入手が容易な上に、それ自体
の熱膨張係数が比較的小さいため樹脂組成物の低熱膨張化に有効なこと、イオン
性不純物の含有率が極めて少ないことなどによる。充てん剤を粒径100μm以
下の範囲に限定する理由は、100μm超の粗い粒子が多くなると封止の際Au
線の変形や切断が起きたり、また、薄型パッケージを封止する際粗い粒子が金型
の中で目詰りを起し樹脂の充てん不良が発生するためである。RRS粒 度線図で表示した勾配nを0.6〜0.95とするのは、nが0.95 超すなわち
粒度の分布が極端に狭いと充てん剤のかさばりが大きくなり、樹脂組成物の粘度
上昇や流動性の低下が起るためである。一方、勾配nを小さくすということは
充てん剤中の微粒子成分を増やすことになるが、微粒子成分が余り多くなると樹
脂組成物がチキソトロピック性を示すために著しい粘度上昇と流動性の低下が起
る。これを防ぐためにはnは0.6以上が望ましい。 【0016】 本発明のエポキシ樹脂組成物は充てん剤配合量が多いにもかかわらず、従来の
半導体封止用成形材料と全く同様の方法で作製することができ、更に、半導体の
封止作業も全く同様にして行える。すなわち、各素材は70〜100℃に加熱さ
れた二軸ロールや押出機で混練し、トランスファプレスで金型温度160〜19
0℃、成形圧力30〜100kg/cm2、硬化時間1〜3分で成形することができ
る。 【0017】 【実施例】 以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例
に限定されない。 【0018】 参考例1と2、及び比較例1〜4 図1に示す各種充てん剤を用い、表1又は表2に示す配合のエポキシ樹脂組成
物を約80℃に加熱した二軸ロールで約10分間混練した。得られた各組成物に
ついて180℃におけるゲル化時間(G.T.)をJIS−K5909の熱板法によ
り、180℃における最低溶融粘度(ηmin)を高化式フローテスターにより、更
に組成物の流動性の尺度としてスパイラルフロー(S.F)をEMMI−1−66
に準じ、金型温度180℃ 、成形圧力70kg/cm2、成形時間1.5 分で測定した。結果を表1及び表2に
まとめて示す。各表中、*印の樹脂組成物全体に対する配合割合はいずれも80
重量%である。 【0019】 なお、図1は、各種の形及び勾配nが溶融石英の粒径Dp(μm、横軸)と最
大粒径から粒径Dpまでの累積重量%、R(Dp)との関係を示すグラフである。 【0020】 【表1】 【0021】 【表2】 【0022】 表1及び表2から明らかなように、本発明の組成物は、RRS粒度線図の勾配
nが0.6より小さいか、あるいは0.95よりも大きい球形溶融石英を用いた組
成物並びに角形の溶融石英を用いた組成物に比べて、ゲル化時間はほとんど同じ
で硬化性には差がないが、溶融粘度は極めて低く、流動性が大きいことが分かる
。 【0023】 参考例3、実施例1、及び比較例5〜7 充てん剤として図1に示した球形溶融石英(球−2)及び角形溶融石英(角−
2)を用い、上記実施例と同様にして充てん剤配合量が70、75、80及び8
5重量%の樹脂組成物を作製した。この組成物を用いてφ10×100mmの丸棒
をトランスファ成形し、180℃/6時間の2次硬化を行った後ASTM−C6
96−44に準じ熱膨張係数を測定しその変曲点からガラス転移温度を求めた。
また、図2に示すような金属(SUS)製円筒をモールドした際の金属円筒に加
わる熱応力を金属円筒の内側に貼り付けたストレインゲージによって測定した。
すなわち、図2は、本発明の樹脂組成物の熱応力測定装置の断面概略図である。
図2において、符号1は樹脂、2はストレインゲージ、3は熱電対、4は鋼(S
US)製円筒を意味し、直径及び高さの各数値の単位はmmである。 【0024】 更に、シリコンウエハの表面にアルミニウムのジグザグ配線を有する半導体素
子を封止し、この封止品について冷熱サイクル試験(−55℃/30分と150
℃/30分のサイクル)を行い、封止層の耐クラック性並びにリード〜金線〜ア
ルミニウム配線間の接続信頼性(抵抗値が50%以上変化した場合を不良と判定
)を評価した。これらの結果を表3及び表4にまとめて示す。 【0025】 【表3】 【0026】 【表4】 【0027】 表3及び表4から、充てん剤を80重量%以上配合した実施例の組成物は硬化
物の熱膨張係数が極めて小さく、インサートに加わる熱応力が著しく低減される
ことが明らかである。更に、このような樹脂組成物で封止した半導体装置は冷熱
サイクル試験により熱衝撃を加えた場合の封止樹脂層の耐クラック性や配線の接
続信頼性も極めて優れていることが分かる。 【0028】 【発明の効果】 以上詳細に説明したように、本発明の樹脂組成物は、硬化収縮率が小 さいため、その成形品の寸法精度が向上するという効果が奏せられる。また、本
発明の樹脂組成物を、半導体の樹脂封止に用いた場合、その成形作業性が優れて
いると共に、該樹脂硬化物が耐クラック性に優れていること、そして硬化収縮率
の小さいことに基づき、配線の位置ずれを防ぎ、素子の表面層間絶縁膜の破損を
防止する点で、得られた半導体装置の信頼性が向上するという顕著な効果が奏せ
られる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 各種の形及び勾配nの溶融石英の粒径と、最大粒径から粒径Dpまでの累積重
量%との関係を示すグラフである。 【図2】 本発明の樹脂組成物の熱応力測定装置の断面概略図である。 【符号の説明】 1:樹脂、2:ストレインゲージ、3:熱電対、4:鋼(SUS)製円筒

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 常温で固体のエポキシ樹脂に充てん剤を配合した樹脂組成物で半導体チップを
    トランスファプレスにより封止した半導体装置において、前記充てん剤が、石英
    粉を溶融して球形化した溶融石英粉であり、その粒径が100μm以下であり、
    粒度分布がRRS粒度線図で表示した場合に直線であり、勾配nの値が0.6〜
    0.95であり、配合量が前記エポキシ樹脂組成物全体の85重量%以上である
    ことを特徴とする樹脂封止型半導体装置。

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6054222A (en) Epoxy resin composition, resin-encapsulated semiconductor device using the same, epoxy resin molding material and epoxy resin composite tablet
JPS6157347B2 (ja)
JP2649632B2 (ja) 樹脂封止型半導体装置
JPH11288979A (ja) 半導体装置の製造方法
JPS63108021A (ja) 樹脂封止型半導体装置
JPH0288621A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JP2702401B2 (ja) 樹脂封止型半導体装置とその製法
JP2649632C (ja)
JP3249958B2 (ja) 面付実装型樹脂封止半導体装置
JP3249957B2 (ja) 面付実装型樹脂封止半導体装置
JP2633856B2 (ja) 樹脂封止型半導体装置
JP3127146B2 (ja) 樹脂封止型半導体装置およびその製法
JP3002652B2 (ja) 面付実装型樹脂封止半導体装置およびその製造法
JP2760348B2 (ja) 熱硬化性樹脂成形材料
JP3343448B2 (ja) プラスチックボールグリッドアレイ用封止樹脂組成物
JP3880211B2 (ja) 封止用樹脂組成物および半導体装置
JP4380237B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JPH0479379B2 (ja)
JP4961638B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JPS63297436A (ja) Ic用封止材樹脂組成物
JP3973137B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JPS63277225A (ja) 樹脂組成物の混練方法
JP2003277486A (ja) 片面封止用エポキシ樹脂組成物及び片面封止型半導体装置
JP2000226497A (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2004027004A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置