JP2649468B2 - 緯糸探知装置 - Google Patents

緯糸探知装置

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JP2649468B2
JP2649468B2 JP4360054A JP36005492A JP2649468B2 JP 2649468 B2 JP2649468 B2 JP 2649468B2 JP 4360054 A JP4360054 A JP 4360054A JP 36005492 A JP36005492 A JP 36005492A JP 2649468 B2 JP2649468 B2 JP 2649468B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、織機、特に水噴射織
機における緯糸探知装置に関するもので、オサ打ち時に
緯糸の先端を投光器と受光器との間に形成した光路を一
時的に遮断するように通過させることによって、緯糸の
存否を検出する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水噴射織機の緯糸探知装置としては、オ
サの前面に設けた一対の電極に水に濡れて緯入れされた
緯糸の先端がオサ打ち時に接触して上記一対の電極を導
通させることを利用した探知装置や、揺動可能に設けた
接触針を緯糸に接触させて接触針の揺動動作の変化によ
り緯糸を探知する構造のものが用いられていたが、上記
従来の構造は織機が高速になりかつ緯糸が細デニールの
場合に誤動作を生じやすいという欠点があった。
【0003】そこでこの発明の発明者は、特公昭57−
13653号公報に記載された緯糸探知装置、すなわち
投光部端面と受光部端面との間に形成された検出部を織
布の反ノズル側の織耳外のオサ打ち時に緯糸が移動する
軌跡面を含む位置に配置して、オサ打ち時に緯糸の先端
が投光部端面と受光部端面との間に形成された光路を遮
断することを光電センサを用いて電気的に検出すること
により、緯糸の存否を検出する光電式緯糸探知装置を提
唱した。この装置では、投光部端面と受光部端面との間
隙を2mm以下としてこの間隙に水の層を保有可能にし
ており、検出部を緯糸が通過したときに保有されている
水の層が破壊されることを利用して、緯糸が細デニール
の場合でも大きな検出信号が得られるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来装置ではLE
Dなどの投光器とフォトトランジスタなどの受光器とを
検出部の両側に配置して投光部端面および受光部端面を
形成していた。また投光部端面と受光部端面との間に保
有された水の層がノズルからの噴射水によって乱れて緯
糸が存在しなくても受光器から検出信号が出力されるの
を防ぐために、投光部端面と受光部端面との間の間隙の
ノズル側にこの間隙に噴射水が流入するのを防ぐ遮蔽板
を設けている。
【0005】緯糸探知装置の検出部は、オサ打ち時に緯
糸が通過する位置に配置する必要があり、織機の回転が
速くなるほどオサ打ちの早い段階で、すなわちより緯入
れ位置近くで緯糸の存否を検出したいという要求が生ず
るから、検出部が噴射水に晒されるのを避けることは困
難である。そのため従来の光電式緯糸探知装置では、緯
糸がより細デニール化し、織機回転がさらに高速化する
につれて誤動作が増加し、また投光器や受光器に水がか
かることによって、電気装置が誤動作したり故障したり
するという問題が生じていた。
【0006】この発明はこのような従来の光電式緯糸探
知装置の問題点を解決し、誤動作や故障の発生を防止
し、緯糸をより高精度で検出することができる緯糸探知
装置を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る流体噴射織
機の緯糸探知装置は、織機の反緯入れノズル側端部にオ
サ7と対向して緯糸先端検出用の光ファイバー21、2
2を保持するセンサホルダ8が設けられ、このセンサホ
ルダはオサ打ち時に緯糸先端が通過するスリット13を
備え、前記光ファイバー21、22の投光部端面21a
と受光部端面21bとが上記スリット13を挟んで対向
している流体噴射織機の緯糸探知装置において、前記セ
ンサホルダ8は板厚方向を緯糸の飛走方向とした板状部
材からなり、このセンサホルダの前記スリット13の反
オサ側には、当該スリットの間隙より広い空所15が形
成されており、オサ7のセンサホルダ8に対向する部分
の両側にオサ7より織り前6側に位置しかつオサ7との
間に噴流水32が通過する空間10を形成する線材から
なる糸ガイド11が設けられていることを特徴とするも
のである。
【0008】請求項2にかかる発明は、上記構成を備え
た緯糸探知装置において、上記センサホルダ8はオサ打
ち時にオサ羽とセンサホルダ8の先端とが干渉しないよ
うに織り前6より反オサ側に退避した位置に配置されて
おり、前記糸ガイド11は、オサ打ち時に糸ガイド11
で押動された緯糸先端がセンサホルダの上記空所15に
達するように、センサホルダのスリット13のオサ打ち
方向の長さより大きく織り前側に進出させて設けられて
いることを特徴とするものである。
【0009】
【作用】上記構成によれば、検出部2を形成する投光部
端面21aおよび受光部端面22aを光ファイバー2
1、22の先端ないしその延長上に形成し、投光器29
および受光器30を緯入れ位置よりも反オサ側に離した
位置に設置できるようになるから、投光器29や受光器
30に水がかかることによって生ずる誤動作や故障を回
避することができる。また従来装置に比べて投光部端面
21aおよび受光部端面22aの面積を小さくできるか
ら、検出部2を緯糸12が通過したときのS/N比が大
きくなり、従って細い緯糸をより確実に検出することが
できる。
【0010】また糸ガイド11を設けた構造では、オサ
打ち時に緯糸先端が糸ガイド11によりオサ7の手前で
保持され、噴流水32よりも早いタイミングで検出部2
を通過するため、緯糸12が通過したときに生ずる信号
と、検出部2に噴流水32が衝突したときに生ずる信号
との間に時間差が生じるから、信号の出力タイミングに
よって正規の信号と雑音信号とをふるい分けることがで
き、緯糸がないときの噴射水の衝突による誤検出を避け
ることができる。
【0011】更に請求項2の発明によれば、オサ打ち時
にセンサホルダ8とオサ羽とが干渉しない位置関係にな
るから、オサ7にセンサホルダ8の先端を挿通させる開
口9を設ける必要が無くなると共に、検出部2が噴流水
の通路から更に離れるので、噴流水による雑音信号の発
生をより少なくできる。
【0012】
【実施例】図1ないし図3はこの発明の第一実施例を示
したもので、図1はセンサホルダの断面図、図2は緯糸
探知部の斜視図、図3は緯糸を検出するタイミングでの
平面図である。図2、3においてこの実施例の緯糸探知
装置1の検出部2は、織布3の反緯入れノズル側の織耳
4とキャッチコード5との間で、かつ織り前6とオサ7
の後退位置との間に位置している。オサ7には織り前6
に打ち込まれたときにオサ羽と緯糸探知装置のホルダ8
との干渉を避けるための開口9が設けられており、この
開口9を挟む両側でオサの前面より手前側の位置に線材
で形成した糸ガイド11がオサ羽の前面より空間10を
隔ててその基端をオサ7に固定したブラケット35に立
設して設けられている。緯糸12はオサ7が後退した位
置にあるとき、糸ガイド11と緯糸探知装置1との間の
位置に打ち込まれる。
【0013】図1において、緯糸探知装置のホルダ8
は、オサ7に向く側の高さ方向中央部に緯糸先端の通路
となるスリット13が設けられており、スリット13に
緯糸先端を導くためのラッパ状の導入口14が形成され
ている。スリット13の反オサ側には、打ち込まれた後
の緯糸の先端部が挿通される空所15が形成されてお
り、緯糸先端がこの空所15を通過していく間の所定の
位置でカッタ16により緯糸先端が織耳4から切り離さ
れ、キャッチコード5に巻きつけられる。スリット13
の略中央部分には、上下に貫通する光路孔17が設けら
れており、この光路孔17に連接して光ファイバー2
1、22の先端部を収容するガイド孔18、19が設け
られている。
【0014】先端部をガイド孔18、19に挿通して光
路孔17を挟んで先端面21a、22aを対向させた2
本の光ファイバー21、22は、ホルダ8の上下縁に設
けた溝23、24を通り、さらにホルダ8の基端側に設
けた上下方向の引き出し孔25を通って、ホルダ8の基
端部上方に導かれ、この引き出し孔25の上方に植立し
たクランプパイプ26でクランプされた後、さらに後方
に引き出され、その基端面21b、22bをLED29
およびフォトトランジスタ30に対向させてある。ホル
ダ8はその基端に設けた取付孔31に挿通したネジで織
機に固定される。
【0015】なお本願発明者が試験に供したホルダ8
は、セラミック製で上下方向の寸法が25mm、厚さが
4mm、前後方向の長さが53mmのものであり、スリ
ット13の間隙は0.5mmとし、スリット13に水の
層が保有されるようにしている。
【0016】再び図2および図3を参照して、緯入れタ
イミングにおいて、糸ガイド11と緯糸探知装置1との
間に緯入れされた緯糸12の先端は、オサ7の前進動作
により、オサ7とともに前進する糸ガイド11にまず接
触して、2本の糸ガイド11、11の間に掛け渡された
状態で前進し、ホルダ8の導入口14に案内されてスリ
ット13に導かれ、検出部2を通過していく。検出部2
にはLED29の光が光ファイバー21を通って、その
先端面21aから光路孔17を通って対向する光ファイ
バー22の先端面22aに投射され、さらに受側の光フ
ァイバー22を通ってフォトトランジスタ30に導かれ
ている。
【0017】スリット13を通過する緯糸は、検出部2
を通過するときにLED29からの光ビームを瞬間的に
遮断し、また緯糸の通過に伴うスリット13の水の層の
乱れにより、光ビームが遮断ないし散乱させられて、フ
ォトトランジスタ30の出力レベルが変動する。従って
糸ガイド11が緯糸探知装置の検出部2の位置を通過す
るタイミングにおけるフォトトランジスタ30の出力変
動を検出することにより、緯糸12の存否を検知するこ
とができる。
【0018】緯入れのために用いられた水の噴流32
は、緯入れが終了した後オサ7の前面に沿って流れてお
り、従って噴流水32が緯糸探知装置の検出部2を通過
するタイミングは、緯糸先端が検出部2を通過するタイ
ミングより遅れる。従ってスリット13内の水の層が噴
流水32によって乱されて、それによるLED29から
の光ビームの遮蔽または散乱により、フォトトランジス
タ30の出力レベルが変動しても、緯糸通過時と噴流水
通過時のタイミング差を利用して、噴流水による雑音信
号をキャンセルすることが可能になり、緯糸探知装置1
に噴流水32が衝突することに起因する雑音信号による
誤検出を回避することができる。
【0019】図4に示した第二実施例では、センサホル
ダ8を織り前から反オサ側に後退させた位置に設けてお
り、オサ7が最前進端に達したときにオサ羽の前面が図
に想像線7で示す位置となり、オサ羽はセンサホルダ8
の位置に達していない。またこのときオサ羽の手前側に
ある糸ガイド11は、センサホルダ8の空所15の位置
まで進出している。すなわち、オサ羽とセンサホルダ8
とを干渉しない位置関係としても、糸ガイド11でオサ
羽の手前側に保持される緯糸の先端は、緯糸探知装置の
検知部2を通過してセンサホルダ8の空所15に導かれ
る。
【0020】またこの図4に示した実施例では、緯糸先
端が通過するセンサホルダのスリット13を斜めに設け
て空所15に顎36を形成し、空所15まで導かれた緯
糸先端が、糸ガイド11が後退したときにスリット13
を通って空所15から外れるのを防止する構造となって
いる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の緯糸探
知装置によれば、緯糸を検出するのに用いられる電子部
品に緯入れ用の噴流水がかかることを回避することがで
き、それによる緯糸探知装置の誤動作や電気装置の故障
を未然に防止できる。また検出部を小さくできるため、
緯糸が細い場合にもS/N比の高い緯糸検出が可能にな
る。そして緯糸先端をオサより織り前側に設けた糸ガイ
ドによって、緯糸探知装置の検出部に導く構造を採用す
ることにより、噴流水の衝突に起因する雑音信号を有効
にカットすることができ、緯糸が存在しないにも関わら
ず、噴流水の衝突によって緯糸有り信号が出力されるの
を防止することができ、より正確な緯糸の存否の検出が
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例の要部を示す断面図
【図2】緯糸探知装置装着部分の斜視図
【図3】緯糸探知装置装着部分の緯糸検出時における平
面図
【図4】第二実施例の要部を示す断面図
【符号の説明】
2 検出部 6 織り前 7 オサ 8 ホルダ 9 開口 11 糸ガイド 12 緯糸 21 光ファイバー 21a 先端面 22 光ファイバー 22a 先端面 29 LED 30 フォトトランジスタ 32 噴流水

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 織機の反緯入れノズル側端部にオサ
    (7)と対向して緯糸先端検出用のファイバー(2
    1),(22)を保持するセンサホルダ(8)が設けら
    れ、このセンサホルダはオサ打ち時に緯糸先端が通過す
    るスリット(13)を備え、前記光ファイバー(2
    1),(22)の投光部端面(21a)と受光部端面
    (21b)とが上記スリット(13)を挟んで対向して
    いる流体噴射織機の緯糸探知装置において、前記センサ
    ホルダ(8)は板厚方向を緯糸の飛走方向とした板状部
    材からなり、このセンサホルダの前記スリット(13)
    の反オサ側には、当該スリットの間隙より広い空所(1
    5)が形成されており、オサ(7)のセンサホルダ
    (8)に対向する部分の両側にオサ(7)より織り前
    (6)側に位置しかつオサ(7)との間に噴流水(3
    2)が通過する空間(10)を形成する線材からなる糸
    ガイド(11)が設けられていることを特徴とする、緯
    糸探知装置。
  2. 【請求項2】 上記センサホルダ(8)はオサ打ち時に
    オサ羽とセンサホルダ(8)の先端とが干渉しないよう
    に織り前(6)より反オサ側に退避した位置に配置され
    ており、前記糸ガイド(11)は、オサ打ち時に糸ガイ
    ド(11)で押動された緯糸先端がセンサホルダの上記
    空所(15)に達するように、センサホルダのスリット
    (13)のオサ打ち方向の長さより大きく織り前側に進
    出させて設けられていることを特徴とする、請求項1記
    載の緯糸探知装置。
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