JP2649239B2 - 耐熱性電荷移動錯体及び耐熱性固体電解コンデンサ - Google Patents

耐熱性電荷移動錯体及び耐熱性固体電解コンデンサ

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JP2649239B2 JP5599288A JP5599288A JP2649239B2 JP 2649239 B2 JP2649239 B2 JP 2649239B2 JP 5599288 A JP5599288 A JP 5599288A JP 5599288 A JP5599288 A JP 5599288A JP 2649239 B2 JP2649239 B2 JP 2649239B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、導電性及び耐熱性の優れた電荷移動錯体に
関する。また本発明は上記電荷移動錯体を使用した固体
電解コンデンサに関するものである。
(従来の技術) 近年、ディジタル機器の発展に伴なって高周波領域に
おいてインピーダンスが低くかつ高周波特性の優れた大
容量のコンデンサの要求が高まっている。
従来、高周波特性の優れたコンデンサとしては、フィ
ルム、マイカ、セラミックコンデンサが用いられている
が、大容量化にすると形状が大きくなり価格も高くな
る。
また大容量のコンデンサとしての電解コンデンサには
電解液式と二酸化マンガンを用いる固体電解質式があ
る。前者は経時的コンデンサ特性が悪く、電解質がイオ
ン伝導性であるために高周波特性も悪い。後者は硝酸マ
ンガンの熱分解時に酸化皮膜が損傷しやすいなどの理由
により高周波領域でのインピーダンスあるいは損失が高
い。
上記の従来のコンデンサの欠点を解決する目的で、7,
7,8,8−テトラシアノキノジメタン(以下TCNQと略す)
をアクセプターとし、各種ドナーとの組み合わせからな
る電荷移動錯体を固体電解質とする電解コンデンサが提
案されている。提案されたTCNQ電荷移動錯体のドナーは
N−n−ヘキシルキノリン、N−エチルイソキノリン、
またはN−n−ブチルイソキノリン(特開昭58−1914
4)、N−n−アミルイソキノリン、またはN−イソア
ミルイソキノリン(特開昭62−116552)などがある。
他方、電子機器の小型化、形薄化、さらには省資源化
などから電子部品のチップ化が必然的となってきてい
る。このチップ部品は回路パターンであるランドとチッ
プ部品の端子とをリフローソルダ法またはディップソル
ダ法等によりはんだ付けされる。このためTCNQ電荷移動
錯体も230℃以上の耐熱性が要求されている。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、現在まで提案されているTCNQ電荷移動錯体は
230℃よりも低い温度で熱溶融し、この状態である時間
以上放置すると酸化分解を起こす。このため、特にはん
だ付けの時にコンデンサ特性の損失が大きくなり、導電
性も低下し、高周波特性が悪くなる。
本発明の目的は上記問題点を解決するもので、第一に
耐熱性及び導電性の優れた電荷移動錯体を提供すること
にあり、第二に該電荷移動錯体をコンデンサの電解質に
することにより、はんだ付けにも耐え得る特性の優れた
電解コンデンサを提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は上記目的のために鋭意研究した結果、一
般式I (但し、Rは炭素数2〜6のアルキル基を表わす)で表
わされるN′位を置換した2,3′−ビピリジニウムをド
ナーとし、TCNQをアクセプターとする電荷移動錯体が上
記問題を解決し、またこれらの錯体を電解質としたコン
デンサが特に耐熱性の優れた固体電解コンデンサである
事を見出し、本発明を完成するに至った。
次に本発明の錯体の合成法について説明する。対応す
る炭素数2〜6のアルキルアイオダイドとドナーの母体
となる2,3−ビピリジニウムとをアルコール性溶媒中に
て反応させ、N位に対応するアイオダイドを導入し、ド
ナーを得、前記ドナーとTCNQとをアセトニトリル中にて
反応させると、本発明の耐熱性電荷移動錯体が得られ
る。
一般に電荷移動錯体にアクセプターとドナーのモル比
が1または2のものが知られているが、本発明の錯体の
モル比は1.5ないし3、好ましくは1.8ないし2.2とす
る。
このようにして得られた該電荷移動錯体を熱溶融さ
せ、陽極体及び陰極体からなる素子の両極間に含浸さ
せ、その後冷却して錯体を付着させてコンデンサ素子と
し、これを組み込んで固体電解コンデンサとする。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
実施例1 iso−アミルアイオダイド19.81g、2,3′−ビピリジニ
ウム15.62gおよびアセトニトリル30mlを還流冷却器およ
び撹拌器のついたフラスコに入れ還流下で3時間反応さ
せた。反応終了後減圧下でアセトニトリルを蒸発留去
し、固形分残渣をエチルエーテル50mlで2回洗浄し、
N′−iso−アミル−2,3′−ビピリジニウムアイオダイ
ド34.0gを得た。次いでアセトニトリル70mlとTCNQ2.04g
を還流冷却器および撹拌器のついたフラスコに入れ加熱
し、これにN′−iso−アミル−2,3′−ビピリジニウム
アイオダイド2.66gを溶解させたアセトニトリル溶液15m
lを滴下し、30分間還流反応させた。反応液を冷却後、
析出した結晶をろ別し、メチルアルコール50mlで2回洗
浄し、N′−iso−アミル−2,3′−ビピリジニウム・TC
NQ錯体3.02gを得た。
該錯体の元素分析の結果を次に示す。
元素分析値C39H27N10 計算値:C%:73.69,H%:4.28,N%:22.03 実測値:C%:73.74,H%:4.25,N%:22.01 また熱分析装置を用いた示差熱分析の結果(第1
図)、該錯体の融点は239℃、発熱分解点は260℃であっ
た。また該錯体の赤外吸収スペクトルを第6図に示し
た。
実施例2〜4 iso−アミルアイオダイドの代わりに、これと等モル
のiso−プロピルアイオダイド、n−ブチルアイオダイ
ド、n−アミルアイオダイドを用いた以外は実施例1に
準じてTCNQ電荷移動錯体を合成し、熱分析装置を用いた
示差熱分析の結果から融点と発熱分解点を測定し第1表
に示した。対応する示差熱分析データおよび赤外吸収ス
ペクトルを、iso−プロピルは第2図及び第7図、n−
ブチルは第3図及び第8図、n−アミルは第4図及び第
9図にそれぞれ示した。
比較例1 iso−アミルアイオダイドの代りにn−ブチルアイオ
ダイド18.4gを、また2,3′−ビピリジニウムの代わりに
キノリン12.9gをそれぞれ用いた以外は実施例1に準じ
てN−n−ブチルキノリニウムTCNQ錯体を合成し、熱分
析装置を用いた示差熱分析データ(第5図)から融点と
発熱分解点を測定し結果を第1表に示した。またこの赤
外吸収スペクトルを第10図に示した。
第1表から、実施例に示した錯体は一様に融点が230
℃以上と高く、かつ、比較例に挙げたN−n−ブチルキ
ノリニウム錯体あるいは従来知られている錯体よりも発
熱分解点が高いので、熱安定性がきわめて優れているこ
とがわかった。
実施例5〜8 実施例1〜4において得られたそれぞれの錯体60mgを
直径6.3mmのアルミケースに充填し、加熱溶解させ巻回
型アルミ電解コンデンサユニットを浸漬させ、直ちに冷
却しコンデンサを得た。コンデンサユニットはアルミニ
ウム表面を化成処理して酸化皮膜を形成させたものを用
い、浸漬前に予め加熱しておいた。得られたコンデンサ
の特性を第2表の耐熱試験前の欄に示した。次にこのコ
ンデンサを230℃の半田浴中にケースごと30秒間入れ室
温に放置後、再びコンデンサ特性を測定した。この値を
第2表の耐熱試験後の欄に示した。
比較例2 比較例1にて得られた錯体を実施例5〜8に従ってコ
ンデンサを作成し、特性を測定した。得られた結果を第
2表に示した。
第2表中のCapは20℃、120Hzにおける静電容量(μ
F)、tanδは20℃、120Hzにおける誘電正接(%)、ES
Rは20℃、100kHzにおける等価直列抵抗(mΩ)であ
る。ΔC/Cは20℃に対する85℃の静電容量の変化率
(%)である。
第2表から、実施例に示す錯体で作ったコンデンサを
はんだ浴に入れた後の特性は初期特性と比べ変化が少な
く、優れたコンデンサ特性を示すことが判明した。
(発明の効果) 本発明のN′位を炭素数2〜6のアルキル基で置換し
た2,3′−ビピリジニウムをドナーとし、TCNQをアクセ
プターとする電荷移動錯体は230℃以上の融点を持ち、
熱安定性が著しく改良された。また本発明の錯体を電解
質とした固体電解コンデンサは、はんだ付けにも耐え得
る耐熱性を示すため、損失が少なく、導電率も低下せ
ず、高周波特性の優れたコンデンサである。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図及び第6図〜第9図は本発明の実施例1
〜4の錯体の示差熱分析データ及び赤外吸収スペクトル
であり、第5図及び第10図は比較例1により得られた錯
体の示差熱分析データ及び赤外吸収スペクトルである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−254561(JP,A) 特開 昭61−7620(JP,A) 特開 昭63−14768(JP,A) 特開 平1−166405(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式I (但し、Rは炭素数2〜6のアルキル基を表わす)で表
    わされるN′位を置換した2,3′−ビピリジニウムをド
    ナーとし、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタンをアク
    セプターとする耐熱性電荷移動錯体。
  2. 【請求項2】一般式I (但し、Rは炭素数2〜6のアルキル基を表わす)で表
    わされるN′位を置換した2,3′−ビピリジニウムをド
    ナーとし、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタンをアク
    セプターとする耐熱性電荷移動錯体を電解質とする耐熱
    性固体電解コンデンサ。
JP5599288A 1988-03-11 1988-03-11 耐熱性電荷移動錯体及び耐熱性固体電解コンデンサ Expired - Lifetime JP2649239B2 (ja)

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