JP2673436B2 - 耐熱性電荷移動錯体及び耐熱性固体電解コンデンサ - Google Patents

耐熱性電荷移動錯体及び耐熱性固体電解コンデンサ

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JP2673436B2 JP10418588A JP10418588A JP2673436B2 JP 2673436 B2 JP2673436 B2 JP 2673436B2 JP 10418588 A JP10418588 A JP 10418588A JP 10418588 A JP10418588 A JP 10418588A JP 2673436 B2 JP2673436 B2 JP 2673436B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、導電性及び耐熱性の優れた電荷移動錯体に
関する。また本発明は上記電荷移動錯体を使用した固体
電解コンデンサに関するものである。
(従来の技術) 近年、ディジタル機器の発展に伴なって高周波数領域
においてインピーダンスが低くかつ高周波数特性の優れ
た大容量のコンデンサの要求が高まっている。
従来、高周波数特性の優れたコンデンサとしては、フ
ィルム、マイカ、セラミックコンデンサが用いられてい
るが、大容量化にすると形状が大きくなり価格も高くな
る。
また大容量のコンデンサとしての電解コンデンサには
電解液式と二酸化マンガンを用いる固体電解質式があ
る。前者は経時的コンデンサ特性が悪く、電解質がイオ
ン伝導性であるために高周波数特性も悪い。後者は硝酸
マンガンの熱分解時に酸化皮膜が損傷しやすいなどの理
由により高周波数領域でのインピーダンスあるいは損失
が高い。
上記の従来のコンデンサの欠点を解決する目的で、7,
7,8,8−テトラシアノキノジメタン(以下TCNQと略す)
をアクセプターとし、各種ドナーとの組み合わせからな
る電荷移動錯体を固体電解質とする電解コンデンサが提
案されている。提案されたTCNQ電荷移動錯体のドナーは
N−n−ヘキシルキノリン、N−エチルイソキノリン、
またはN−n−ブチルイソキノリン(特開昭58−1914
4)、N−n−アミルイソキノリン、またはN−イソア
ミルイソキノリン(特開昭62−116552)などがある。
他方、電子機器の小型化、形薄化、さらには省資源化
などから電子部品のチップ化が必然的となってきてい
る。このチップ部品は回路パターンであるランドとチッ
プ部品の端子とをリフローソルダ法またはディップソル
ダ法等によりはんだ付けされる。このためTCNQ電荷移動
錯体も230℃以上の耐熱性が要求されている。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、現在まで提案されているTCNQ電荷移動錯体は
230℃よりも低い温度で熱溶融し、この状態である時間
以上放置すると酸化分解を起こす。このため、特にはん
だ付けの時にコンデンサ特性の損失が大きくなり、導電
性も低下し、高周波数特性が悪くなる。
本発明の目的は上記問題点を解決するもので、第一に
耐熱性及び導電性の優れた電荷移動錯体を提供すること
にあり、第二に該電荷移動錯体をコンデンサの電解質に
することにより、はんだ付けにも耐え得る特性の優れた
電解コンデンサを提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は上記目的のために鋭意研究をした結果、
下記一般式Iで表わされる (但し、Rは炭素数1〜12のアルキレン基を表わす)で
表わされるキャピタルP位同士のアルキレン基で架橋し
たトリフェニルホスフィンをドナーとし、7,7,8,8−テ
トラシアノキノジメタンをアクセプターとする耐熱性電
荷移動錯体が上記問題を解決し、またこれらの錯体を電
解質としたコンデンサが特に耐熱性の優れた固体電解コ
ンデンサである事を見出し、本発明を完成するに至っ
た。
次に本発明の錯体を合成法について説明する。トリフ
ェニルホスフィンとアルキルジアイオダイドをアルコー
ル性溶媒あるいはアセトニトリル溶媒中にて反応させ、
P位同士をアルキレン基で架橋したドナーが得られ、前
記ドナーとTCNQとをアセトニトリル中にて反応させる
と、本発明の耐熱性電荷移動錯体が得られる。
対応するアルキレン基は炭素原子1〜12個の直鎖状も
しくは分枝鎖状アルキレン基であるが、好ましくは炭素
原子3〜10個のアルキレン基である。また一般に電荷移
動錯体はアクセプターとドナーのモル比が1または2の
ものが知られているが、本発明の錯体のモル比は3ない
し5、好ましくは3.5ないし4.5とする。
このようにして得られた該電荷移動錯体を熱溶融さ
せ、陽極体及び陰極体からなる素子の両極間に含浸さ
せ、その後冷却して錯体を付着させてコンデンサ素子と
し、これを組み込んで固体電解コンデンサとする。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
(実施例1) 1,4−ジヨウドブタン3.10g、トリフェニルホスフィン
5.25gおよびアセトニトリル5mlを還流冷却器および撹拌
器のついたフラスコに入れ還流下で1時間反応させた。
反応終了後減圧下でアセトニトリルを蒸発留去し、固形
分残渣をエチルエーテ30mlで2回洗浄し、黄白色結晶の
P,P′−1,4−n−ブチレン−ビストリフェニルホスホニ
ウム−ジアイオダイド8.23gを得た。次いでアセトニト
リル130mlとTCNQ4.08gを還流冷却器および撹拌器のつい
た四口フラスコに入れ加熱し、これにP,P′−1,4−n−
ブチレン−ビストリフェニルホスホニウム−ジアイオダ
イド6.26gを溶解させたアセトニトリル溶液40mlを滴下
し、20分間還流反応させた。反応後を冷却後、析出した
結晶をろ別し、メチルアルコール50mlで2回洗浄し、P,
P′−1,4−n−ブチレン−ビストリフェニルホスホニウ
ム・TCNQ錯体5.37gを得た。
該錯体の元素分析の結果を次に示す。
元素分析値 C86H54N16P2 計算値:C%:75.63,H%:3.89,N%:16.04 実測値:C%:75.76,H%:3,84,N%:15,97 また熱分析装置を用いた示差熱分析の結果(第1
図)、該錯体の融点は255℃、発熱分解点は267℃であっ
た。また該錯体の赤外吸収スペクトルを第7図に示し
た。
(実施例2〜5) 1モルのトリフェニルホスフィンと1/2モルの1,5−ジ
ヨウド−n−ペンタン、1,6−ジヨウド−n−ヘキサ
ン、1,8−ジヨウド−n−オクタンまたは1,10−ジヨウ
ド−n−デカンとをそれぞれ実施例1に準じてアセトニ
トリル中にて反応させ、それぞれ相当するジアイオダイ
ドを得る。以下実施例1に準じてTCNQ電荷移動錯体を合
成し、熱分析装置の用いた示差熱分析の結果から融点と
発熱分解点を測定し第1表に示した。対応する錯体の示
差熱分析データおよび赤外吸収スペクトルを、1,5−n
−ペンタンは第2図及び第8図、1,6−n−ヘキサンは
第3図及び第9図、1,8−n−オクタンは第4図及び第1
0図、1,10−n−デカンは第5図及び第11図にそれぞれ
示した。
(比較例1) n−ブチルアイオダイド1.84gとキノリン1.29gとを実
施例1に準じてアセトニトリル中にて反応させ、以下実
施例1に準じてN−n−ブチルキノリニウムTCNQ錯体を
合成し、熱分析装置を用いた示差熱分析データ(第6
図)から融点と発熱分解点を測定し結果を第1表に示し
た。またこの赤外吸収スペクトルを第12図に示した。
第1表から、2個のトリフェニルホスフィンのP位同
士をアルキレン基で架橋したものをドナーとする錯体は
一様に融点が230℃以上と高く、かつ、比較例に挙げた
N−n−ブチルキノリニウム錯体あるいは従来知られて
いる錯体よりも発熱分解点が高いので、熱安定性がきわ
めて優れていることがわかった。
(実施例6〜10) 実施例1〜5において得られたそれぞれの錯体60mgを
直径6.3mmのアルミケースに充填し、加熱溶解させ巻回
型アルミ電解コンデンサユニットを浸漬させ、直ちに冷
却しコンデンサを得た。コンデンサユニットはアルミニ
ウム表面を化成処理して酸化皮膜を形成させたものを用
い、浸漬前に予め加熱しておいた。得られたコンデンサ
の特性を第2表の耐熱試験前の欄に示した。次にこのコ
ンデンサを230℃の半田浴中にケースごと30秒間入れ室
温に放置後、再びコンデンサ特性を測定した。この値を
第2表の耐熱試験後の欄に示した。
(比較例2) 比較例1にて得られた錯体を実施例5〜8に従ってコ
ンデンサを作成し、耐熱性試験前後のコンデンサ特性を
測定した。得られた結果を第2表に示した。
第2表中のCapは20℃、120Hzにおける静電容量(μ
F)、tanδは20℃、120Hzにおける誘電正接(%)、ES
Rは20℃、100KHzにおける等価直列抵抗(mΩ)であ
る。ΔC/Cは20℃に対する85℃の静電容量の変化率
(%)である。
第2表から、実施例に示す錯体で作ったコンデンサを
はんだ浴に入れた後の特性は初期特性と比べ変化が少な
く、優れたコンデンサ特性を示すことが判明した。
(発明の効果) 本発明の2個のトリフェニルホスフィンのP位同士を
アルキレン基で架橋したドナーとTCNQをアクセプターと
する電荷移動錯体は230℃以上の融点を持ち、熱安定性
が著しく改良された、また本発明の錯体を電解質とした
固体電解コンデンサは、はんだ付けにも耐え得る耐熱性
を示すため、損失がなく、導電率も低下せず、高周波数
特性の優れたコンデンサである。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第5図及び第7図〜第11図は本発明の実施例1
〜5の錯体の示差熱分析データ及び赤外吸収スペクトル
であり、第6図及び第12図は比較例1により得られた錯
体の示差熱分析データ及び赤外吸収スペクトルである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式I (但し、Rは炭素数1〜12のアルキレン基を表す)で表
    される2個のトリフェニルホスフィンのアルキレン基架
    橋体をドナーとし、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタ
    ンをアクセプターとする耐熱性電荷移動錯体。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の耐熱性電荷移動錯体を電
    解質とする耐熱性固体電解コンデンサ。
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