JP2646691B2 - 雨滴センサ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は車両ワイパの自動作動制御等に使用できる雨
滴センサに関し、特に検出面の耐久性を向上せしめた雨
滴センサに関する。

［従来の技術］ ウインドシールドガラスに付着する雨滴量を検出でき
れば、ワイパをこれに応じて自動作動せしめることが可
能であり、極めて便利である。かかる雨滴センサとして
は、相対向する検出電極を設けて、雨滴付着による電極
間容量の変化を検出するものが一般的に知られている。
この場合通常、上記検出電極の間に汚れ等が付着して電
極間短絡を生じることが無いように、上記電極を絶縁被
膜で被覆している。

［発明が解決しようとする課題］ ところで、車両外表面に設けられる上記雨滴センサに
は異物が接触することが往々にしてあり、かかる接触に
よる絶縁被膜の損傷を防止するためにはその膜厚は厚く
する必要があるが、これは検出感度の低下を来たすとい
う問題があり、この矛盾の解決が要請されていた。

本発明はかかる背景に鑑みてなされたもので、検出電
極を覆う被膜の構造に工夫を加えることにより、十分な
耐候性と機械的強度を有し、かつ検出感度も良い雨滴セ
ンサを提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本発明の構成を第１図で説明すると、相対向する検出
電極１、２を有し、これら検出電極１、２間の容量変化
より検出面6aへの雨滴Ｌの付着を検出する雨滴センサ
は、基板３上に上記検出電極１、２を構成する電極膜を
位置せしめ、その上に電気絶縁性接着剤層４を介してポ
リイミドフィルム５ないしポリエステルフィルムを圧着
形成するとともに、これらポリイミドフィルム５ないし
ポリエステルフィルムのピンホールを上記電気絶縁性接
着剤で閉鎖し、これらポリイミドフィルム５ないしポリ
エステルフィルムの上に耐候性塗膜６を形成してなるも
のである。

［作用］ 上記ポリイミドフィルムないしポリエステルフィルム
は機械的強度に優れており、したがって比較的薄い膜厚
によっても異物の接触による損傷を効果的に防止するこ
とができる。この結果、検出電極上の被覆厚は薄くな
り、検出感度が向上する。

また、上記ポリイミドフィルムないしポリエステルフ
ィルムが接着剤層を介して上記基板上に圧着形成される
時に、上記フィルムのピンホールには上記接着剤が入り
込んでこれを閉塞するから、たとえ耐候性塗膜が損傷し
ても水分等の浸入は有効に防止される。

［実施例］ 第１図および第２図に雨滴センサを示し、センサ基板
３は長方形状をなし、ガラス繊維強化のエポキシ樹脂、
セラミック、あるいはポリイミドフィルム等よりなる。
上記基板３上には検出電極１、２が設けられ、これらは
一定幅の帯状をなした銅の電極膜を交互に等間隔で形成
して構成され、各検出電極１、２の基端はそれぞれリー
ド電極11、21に一体化されている。リード電極11、21の
端部は基板３外へ延び、ここに図略のワイパ制御回路よ
り至るリード線が接続される。

上記基板３には熱硬化性の絶縁性接着剤層４によりポ
リイミドフィルム５が圧着してあり、該フィルム５は上
記リード電極端部を覆うように一部が矩形状に突出して
いる。そして、上記ポリイミドフィルム５の上面に耐候
性のあるシリコン系塗膜６を塗着し、その表面を検出面
6aとしてある。

上記ポリイミドフィルム５には、第１図に示す如きピ
ンホール51が存在することがあるが、このピンホール51
には上記接着剤４が入り込んでこれを閉鎖している。

上記構造のセンサを製造するには、上記ポリイミドフ
ィルム５の下面に、上記電極１、２用の銅箔を上記接着
剤層４により接着し、エッチング等により上記電極１、
２をパターン化し、これらを上記基板３上に接着せしめ
る。

かかる雨滴センサの検出面6aに雨滴Ｌが付着すると
（第１図）、検出電極１、２間の容量が増大し、この容
量増大はリード電極11、21を経てワイパ制御回路に伝達
され、これに基づいてワイパ作動が制御される。

上記検出面6aは耐候性塗膜６により構成してあるか
ら、車両の外表面に設けても十分な寿命を有し、また、
検出面6aに異物が接触して上記塗膜６が損傷しても、そ
の下方には機械的強度の大きいポリイミドフィルム５が
存在するから、損傷が内部に達することはない。

さらに、上記ポリイミドフィルム５のピンホール51は
接着剤により閉鎖されているから、たとえ上記塗膜６が
損傷しても水分が浸入することはない。

かかる作用を効果的に発揮する膜厚としては、ポリイ
ミドフィルム５が10〜15μｍ厚、塗膜６が10〜20μｍ厚
であり、従来の絶縁塗膜一層では同じ効果を得るために
膜厚が100μｍ程度必要であったことと比較すると、電
極被覆をより薄くすることができるから検出感度が向上
する。

上記実施例において、検出電極を烝着等により基板上
に予め形成して、その上に接着剤層によりポリイミドフ
ィルムを圧着するようにしても良い。

なお、上記ポリイミドフィルムに代えてポリエステル
フィルムを使用することもできる。

［発明の効果］ 以上の如く、本発明の雨滴センサは、検出電極の保護
膜を耐候性塗膜とポリイミドフィルムないしポリエステ
ルフィルム、さらに電気絶縁性接着剤層の三層構造と
し、電気絶縁性接着剤がポリイミドフィルムないしポリ
エステルフィルムのピンホールを埋めるように構成した
ことにより、耐候性と機械的強度に優れるとともに、良
好な検出感度をも有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は雨滴センサの要部拡大断面図で、第２図のＩ−
Ｉ線に沿う断面図、第２図は雨滴センサの平面図であ
る。 １、２……検出電極 ３……基板 ４……接着剤層 ５……ポリイミドフィルム ６……シリコン系塗膜（耐候性塗膜） Ｌ……雨滴

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】相対向する検出電極を有し、これら検出電
   極間の容量変化より検出面への雨滴付着を検出する雨滴
   センサにおいて、基板上に上記検出電極を構成する電極
   膜を位置せしめ、その上に電気絶縁性接着剤層を介して
   ポリイミドフィルムないしポリエステルフィルムを圧着
   形成するとともに、これらポリイミドフィルムないしポ
   リエステルフィルムのピンホールを上記電気絶縁性接着
   剤で閉鎖し、これらポリイミドフィルムないしポリエス
   テルフィルムの上に耐候性塗膜を形成して上記検出面と
   なしたことを特徴とする雨滴センサ。