JP2645828B2 - 二重効用吸収冷凍機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本発明は水を冷媒、臭化リチウム等の塩類溶液を吸収
液とする二重効用の吸収冷凍機もしくは吸収冷温水機ま
たは吸収ヒートポンプ（以下これらを二重効用吸収冷凍
機と記す）に関するものである。

（ロ）従来の技術 従来此種の二重効用吸収冷凍機においては、蒸発器も
しくは吸収器とこの容器よりも圧力の高い容器とを操作
弁を有する管路で接続し、冷水負荷に応じて冷媒ポンプ
の停止と共に前記操作弁を開閉し前記蒸発器における冷
却機能を停止できるもの（例えば実公昭52−49493号公
報参照）が公知となっている。

（ハ）発明が解決しようとする問題点 しかし、従来此種の二重効用吸収冷凍機においては、
一般に操作弁として電磁弁を使用しており、該電磁弁は
保守点検の為に管との溶接ができず、このために該電磁
弁と管とのシール部の耐久性が悪い、あるいは価格が高
い等の問題点を生じていた。

本発明は前述した従来技術の問題点に鑑みてなされた
ものであり、前記管との溶接構造がとれ、更に価格の安
い弁を用いて蒸発器における冷却機能を停止できる二重
効用吸収冷凍機の提供を技術的課題とする。

（ニ）問題点を解決するための手段 本発明は前記問題点を解決する手段として、高温再生
器から低温再生器を介して凝縮器へと冷媒を導く冷媒導
管と前記冷媒ポンプの下流側とを逆止弁を有する管にて
結び、この逆止弁は前記冷媒ポンプ側からの吐出圧力が
加わると閉塞するような構造を有するようにしたもであ
る。

（ホ）作用 本発明の二重効用吸収冷凍機では、高温再生器から低
温再生器を介して凝縮器へと冷媒を導く冷媒導管と冷媒
ポンプの下流側とが逆止弁を有する管に結ばれており、
この逆止弁は冷媒ポンプからの吐出圧力が加わると閉塞
するような構造を有している。よって冷媒ポンプの稼働
中は前記逆止弁は閉塞する。また、前記冷媒ポンプが停
止すると、前記逆止弁が開き、前記冷媒導管からの冷媒
を蒸発器へ流入させる。

（ヘ）実施例 以下本発明の二重効用吸収冷凍機の実施例を図面と共
に説明する。第１図に示す二重効用吸収冷凍機は本発明
の実施例であり、まずこの図から説明する。

（１）は蒸気と吸収液との熱の授受を行う熱交換器、
（２）は該熱交換器（１）からの熱を利用して冷媒を加
熱分離する高温再生器、（３）は低温再生器、（４）は
凝縮器、（５）は蒸発器、（６）は吸収器、（７）およ
び（８）は低温および高温熱交換器である。（９）は冷
媒管、（10）は冷媒ポンプ（11）を有する冷媒液還流管
である。（12）は溶液ポンプ（13）を有する稀液管、
（14）は前記高温再生器（２）から高温熱交換器（８）
を介して低温再生器（３）へ中間液を導く中間液管、
（15）は前記低温再生器（３）から低温熱交換器（７）
を介して吸収器（６）へ濃液を導く濃液管である。（1
6）は前記高温再生器（２）から低温再生器（３）を介
して凝縮器（４）へ冷媒蒸気を導く冷媒導管である。
（17）は冷水管、（18）は冷却水管である。（19）は蒸
気制御弁、（20）はスチーム・トラップである。

（21）は前記冷媒ポンプ（11）下流側の冷媒液還流管
（10）と冷媒導管（16）の低温再生器（３）の下流側と
を結ぶ管、（22）は冷媒ポンプ（11）からの吐出圧力が
加わると閉塞する構造を有する逆止弁である。

尚、前記管（21）の冷媒導管（16）との接続は管（2
3）のように高温再生器（２）と低温再生器（３）との
間における冷媒導管（16）との接続や、低温再生器
（３）内の冷媒導管（16）と接続（図示せず）をしても
良い。

第２図は逆止弁の構造を示す断面図である。（24）は
弁座、（25）は弁体、（26）は軸（27）を中心にして可
動するアームである。第２図には冷媒ポンプ（11）から
の吐出圧力を受け弁体（25）が閉塞しているときの状態
を示しており、仮想線は弁体（25）が開いているときの
状態を示している。

本発明の構成は以上の如くであり以下動作について説
明する。

まず最初に冷媒ポンプ（11）が稼働しているときの動
作について説明する。冷媒ポンプ（11）が稼働している
ときに逆止弁（21）はこの冷媒ポンプ（11）からの吐出
圧力を受け閉塞している。よって本発明の吸収冷凍機は
管（21）と逆止弁（22）とが設けられていないときと同
様の動作をし、冷水冷却運転が行われる。

冷水管（17）の冷水流量が所定量以下になったとき
や、冷水温度が所定値以下に低下して冷水管（17）内の
冷水および前記蒸発器（５）内の冷媒の凍結のおそれが
生じたときには、検知器（図示せず）がこれを検知し、
該検知器からの信号によって制御装置（図示せず）は冷
媒ポンプ（11）を停止させる。

前記冷媒ポンプ（11）からの吐出圧力がなくなると逆
止弁（22）は開き、冷媒導管（16）から冷媒が蒸発器
（５）へ流入する。この冷媒の蒸発器（５）への流入に
より、蒸発器（５）内の圧力および温度は上昇し、蒸発
器（５）内の冷媒および冷水管（17）内の冷水の凍結す
るおそれはなくなる。

尚、逆止弁を使用することにより、値段の高い電磁弁
を使用せずに値段の安い弁を使用でき、かつ、管には溶
接して取り付けられるので外気の漏入が少なく吸収冷凍
機に好適な構造とできる。

（ト）発明の効果 冷媒ポンプの稼働中は逆止弁が冷媒ポンプからの冷媒
吐出圧力を受けて閉塞し、また、前記冷媒ポンプが停止
すると、前記逆止弁が開き、冷媒導管からの冷媒が蒸発
器へ流入する。この冷媒の流入により、蒸発器内の圧力
および温度が上昇し、このため蒸発器内の冷媒および冷
水の凍結を防止する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す二重効用吸収冷凍機の
概略構成説明図、第２図は逆止弁の構造を示す断面図で
ある。 （10）……冷媒液還流管、（11）……冷媒ポンプ、（1
6）……冷媒導管、（21）……管、（22）……逆止弁、
（23）……管。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】低温再生器、高温再生器、凝縮器、蒸発
   器、吸収器、冷媒ポンプ、吸収液ポンプなどの機器を配
   管接続して冷媒と吸収液の循環路を形成した二重効用吸
   収冷凍機において、前記高温再生器から低温再生器を介
   して凝縮器へと冷媒を導く冷媒導管と前記冷媒ポンプの
   下流側とを弁を有する管にて結び、この弁は前記冷媒ポ
   ンプの吐出側の圧力が高くなると閉塞するような構造を
   有することを特徴とする二重効用吸収冷凍機。