JP2645594B2 - 押ボタン機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は押ボタン機構に関し、特にプリント配線板
上のスイツチを起動する押ボタン機構に関する。

〔従来の技術〕

従来、この種の押ボタン機構には種々のタイプのもの
が見受けられ、例えば、実開昭63−112722号公報に開示
されるように、押ボタンにスイツチパネルと略平行な板
バネ状部材を一体的に連設し、押ボタンを押圧すると、
板バネ状部材がその両端を支点にして中央部が湾曲する
ように撓み、このバネ状部材自体の弾性復元力によつて
押ボタンを当初位置へ復帰させるようにしたタイプのも
のがある。

第６図はこの従来の押ボタン機構を示す斜視図、第７
図はその動作説明図である。図において、（１）は押ボ
タン、（1A）はその背面上端両側に押ボタン動作方向
（Ｘ方向）に立設された脚部、（1B）はこの脚部（1A）
に一体的に連設された板バネ状部材、（10）は固定基板
（1D）に上記板バネ部材（1B）の中央部を一体的に連設
する連結部である。

以上のように構成された従来の押ボタン機構において
は、押ボタン（１）をＸ方向に押圧すると、板バネ状部
材（1B）が、第７図に示すように、脚部（1A）に両端を
支持された状態で撓み、押ボタン（１）から押圧力を解
除すると、連結部（1C）の弾性復元力により押ボタン
（１）がＸ方向に復帰するものである。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、上記従来の押ボタン機構では、押ボタン
（１）の背面側に脚部（1A）、バネ状部材（1B）及び連
結部材（1C）を配置するためのＸ方向のスペースを必要
とするので、このＸ方向のスペースをできるだけ節約し
たい場合には不都合である。また、押ボタン（１）、脚
部（1A）、板バネ状部材（1B）、連結部（1C）及び固定
基板（1D）を一体的に合成樹脂成形する場合、脚部（1
A）と板バネ状部材（1B）とで囲まれるＵ字状部（1E）
があるため、金型による成形時、金型をＸ方向及びこれ
を直角なＹ方向に抜かなければならず、それだけ金型が
複雑になるとともに、成形工程も複雑で時間がかかると
いう問題がある。

この発明は上記の問題点を解決するためになされたも
のであり、押ボタンの操作方向のスペースが少なくて済
み、それだけコンパクトに形成することができ、また、
押ボタン部分及びこれに連設される部分の成形が容易で
あり、従つて安価に製作できる押ボタン機構を提供する
ことを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

孔を有した板状のスイッチパネルと、このスイッチパ
ネルの孔に嵌合した操作部と、この操作部の周縁部の一
部に沿って形成するとともに、略中央部を操作部の周縁
部の一部に連結させ、操作部の操作方向に対して略垂直
方向に突出した連結部を有した１つの板バネと、操作部
へのスイッチパネル外部からの押圧力に応じて生じる板
バネの弾性力を板バネ両端で受けるよう形成した支点部
とを備えたものである。

〔作用〕

この発明においては、操作部の周縁部の一部に沿って
形成するとともに、略中央部を操作部の周縁部の一部に
連結させ、操作部の操作方向に対して略垂直方向に突出
した連結部を有した１つの板バネと、操作部へのスイッ
チパネル外部からの押圧力に応じて生じる板バネの弾性
力を板バネ両端で受けるよう形成した支点部とを備えた
ことにより、連結部が複数の場合と比べ、操作部の変異
を得るために必要な板バネの弾性力に対抗する力、すな
わち操作部への押圧力を少なくさせられ、また、板バネ
を操作部の周縁部の一部に沿って形成したので、操作部
の周縁部の一部以外の操作部の周縁部に隣接するスペー
スを少なくすることができる。

〔実施例〕

以下、この発明の一実施例を図について説明する。第
１図は一部を断面で示すその全体平面図、第２図は押ボ
タン部分の正面図、第３図は押ボタンを押圧した状態の
平面図、第４図は第３図のＸ−Ｘ線断面図である。図に
おいて、（１）は押ボタン、（２）はスイツチパネル、
（３）は支点部材、（４）は照明部材、（５）はプリン
ト配線板、（６）はプリント配線板（５）上に配設され
たスイツチである。スイツチパネル（２）はスイツチ
（６）が設けられたプリント配線板（５）の前方に配置
されている。押ボタン（１）は、操作部となる一部（1
a）がスイツチパネル（２）のボタン嵌合孔（2a）から
スイツチパネル（２）の外部へ突出しており、スイツチ
パネル（２）の内側においては、押ボタン（１）の周縁
部上端に板バネ部（1b）の中央部が連結部（1c）を介し
て一体的に設けられていると共に、下部に押ボタン
（１）の操作方向に伸びるスイツチ起動部（1d）を有し
ている。板バネ部（1b）はパネル（２）と略平行に延設
されている。この板バネ部（1b）の両端部及び中央部は
肉厚に形成されているが、両端部から中央部までの中間
部分はそれぞれ薄肉に形成されており、撓み易くなつて
いる。また板バネ部（1b）の両端部はそれぞれパネル
（２）の背面に当接していると共に、板バネ部（1b）の
背面側から支点部材（３）によつて支持されている。こ
の支点部材（３）は、図示しない照明灯を嵌め込む照明
部材（４）と共に合成樹脂成形により一体的に形成され
ている。

次に動作について説明する。まず、押ボタン（１）が
操作される前の状態は、第１図に示すように、押ボタン
（１）の板バネ部（1b）は真つ直ぐ伸びており、スイツ
チ起動部（1d）はスイツチ（６）に軽く当接していて、
グラツキのない安定した状態にある。この状態から指Ｆ
で押ボタン（１）をその操作方向に押圧すると、板バネ
部（1b）は、第３図及び第４図に示すように、弾性変形
する。この板バネ部（1b）の弾性変形時に、板バネ部
（1b）の両端部は支点部材（３）により支持され、その
中央部は照明部材（４）に当接する。そして、この板バ
ネ部（1b）の弾性変形により、スイツチ起動部（1d）が
スイツチ（６）を起動する。つぎに、第３図及び第４図
に示す押圧状態から指Ｆの力を解除すると、板バネ部
（1b）の弾性復元力により、押ボタン（１）及びのスイ
ツチ起動部（1d）は第１図に示す当初位置へ復帰し、ス
イツチ（６）も起動力から解除される。

以上のように、この実施例においては、板バネ部（1
b）は押ボタン（１）の背面の延長線上にパネル（２）
と略平行に配置されているので、板バネ部（1b）が押ボ
タン操作方向に占めるスペースは少なくて済み、従つて
それだけ押ボタン機構全体がコンパクトに形成されてい
る。また、押ボタン（１）は、例えば合成樹脂成形によ
り製作することができるが、この場合、押ボタン（１）
は、第５図に示すように、雌雄金型（7a）、（7b）の一
方向（Ｘ方向）の動作だけで、金型から抜き出すことが
できるので、金型製作費が安価となり、その結果、押ボ
タン機構そのものを安価に製作することができる。

〔発明の効果〕

以上のように、この発明によれば、操作部の周縁部の
一部に沿って形成するとともに、略中央部を操作部の周
縁部の一部に連結させ、操作部の操作方向に対して略垂
直方向に突出した連結部を有した１つの板バネと、操作
部へのスイッチパネル外部からの押圧力に応じて生じる
板バネの弾性力を板バネ両端で受けるように形成した支
点部とを備えたことにより、連結部が複数の場合と比
べ、操作部の変位を得るために必要な板バネの弾性力に
対抗する力、すなわち操作部への押圧力が少なく済み、
また、連結部を介して板バネを操作部の周縁部の一部に
沿って形成するようにしたので、板バネが設けられた操
作部の周縁部の一部以外の操作部の周縁部に隣接するス
ペースを少なくでき、装置の小型化が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本発明の一実施例を示し、第１図は
その全体を示す一部断面平面図、第２図は押ボタン部分
の正面図、第３図は押ボタンを押した状態の平面図、第
４図は第３図のＸ−Ｘ線断面図である。第５図は押ボタ
ンの合成樹脂成形例の説明図、第６図は従来例の斜視
図、第７図は第６図に示す従来例の動作説明図である。 図において、（１）は押ボタン、（1a）は押ボタンの一
部、（1b）は板バネ部、（1c）は連結部、（1d）はスイ
ツチ起動部、（２）はスイツチパネル、（2a）はボタン
嵌合孔、（３）は支点部材、（４）は照明部材、（５）
はプリント配線板、（６）はスイツチである。 なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】孔を有した板状のスイッチパネルと、 このスイッチパネルの孔に嵌合した操作部と、 この操作部の周縁部の一部に沿って形成するとともに、
   略中央部を上記操作部の周縁部の一部に連結させ、上記
   操作部の操作方向に対して略垂直方向に突出した連結部
   を有した１つの板バネと、 上記操作部への上記スイッチパネル外部からの押圧力に
   応じて生じる上記板バネの弾性力を上記板バネ両端で受
   けるよう形成した支点部と、 を備えた押ボタン機構。