JP2643761B2 - 周波数変調楽音合成原理による波形加工装置 - Google Patents

周波数変調楽音合成原理による波形加工装置

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JP2643761B2
JP2643761B2 JP5076482A JP7648293A JP2643761B2 JP 2643761 B2 JP2643761 B2 JP 2643761B2 JP 5076482 A JP5076482 A JP 5076482A JP 7648293 A JP7648293 A JP 7648293A JP 2643761 B2 JP2643761 B2 JP 2643761B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、供給される基準波形
信号を周波数変調原理によって加工して多くの高調波成
分を含む豊かな音色の楽音信号を発生することのできる
周波数変調楽音合成原理による波形加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子楽器等の楽音発生装置とし
て、所定周波数の正弦波形信号を周波数変調することに
より、多くの高調波成分を含む豊かな音色の楽音信号を
得るようにした周波数変調方式の楽音信号発生装置が知
られている。例えば、特公昭54−33525号公報に
開示されている装置がこれに該当する。一方、特開昭5
8−108583号公報や特開昭58−50595号公
報等に示されるように、遅延用のRAMやシフトレジス
タを用いて入力楽音信号を遅延し、その遅延時間をLF
O(低周波発振器)等により発生した所定の低周波信号
で変調してビブラート効果やコーラスやアンサンブルな
どといった多系列効果を入力楽音に付与する効果装置も
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
公昭54−33525号公報等に示されたような従来の
周波数変調方式に従う楽音合成技術では、波形の読み出
しシステムの中に周波数変調の仕組みを持たない限り、
周波数変調による楽音合成が出来ないという欠点があ
る。すなわち、この種の楽音合成技術では搬送波信号の
位相データに対して変調信号を導入することを不可欠と
しているので、初めから周波数変調方式に従う楽音合成
装置としてそれ専用に構成した装置を用いなければ、周
波数変調による楽音合成が出来なかったのである。
【0004】この発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、楽音信号を発生する楽音発生手段において波形の読
み出しシステムの中に周波数変調の仕組みを持たないも
のにおいても、その楽音発生手段から発生し終わった楽
音信号を導入して加工することにより、周波数変調楽音
合成の原理にしたがって音色加工することの出来るよう
にすることを目的としている。
【0005】ところで、前述の特開昭58−10858
3号公報や特開昭58−50595号公報に記載の効果
装置は、遅延手段を用いた周波数変調の原理を内在して
いる。しかしながら、これらの効果装置にあっては、入
力される楽音信号の周波数とは無関係にLFOの周波数
が低周波(0.1〜数Hzの可聴帯域以下の帯域)に設
定されるのみである。これは、このLFOの周波数が可
聴帯域以下の低周波であれば、その効果は時間的に音高
が変化することに起因する多系列効果の範囲であるが、
その周波数が可聴帯域に及ぶようであれば、その効果は
もはや時間的に音高が変化するものではなく、波形が変
形して別の音色の楽音になることになるためである。そ
れ故、これらの効果装置では、LFOの周波数を可聴帯
域以下とすることが宿命となる。
【0006】さて、特開昭50−12606号公報など
では、ビブラートなどのためのLFOの周波数を可聴帯
域まで上げることによって、音高の加工から音色の加工
ができることが示されているので、あえて、前述の特開
昭58−108583号公報や特開昭58−50595
号公報に記載の効果装置の変調周波数を可聴帯域まで上
げて音色加工をする装置を作成することを想像してみ
る。しかしながら、このような装置においては、変調周
波数は可聴帯域にこそなるが、その周波数は変調を受け
る楽音信号の周波数とは無関係となるため、その加工さ
れた楽音に付加される倍音は必ずしも整数倍とならず、
また、基本周波数と倍音の関係も変調される楽音信号の
周波数によってバラバラとなり、きわめて限定された内
容の楽音しか合成できないことになるといった問題があ
る。
【0007】この発明は、この点にも鑑みて工夫された
ものであり、楽音信号を発生する楽音発生手段において
波形の読み出しシステムの中に周波数変調の仕組みがな
い場合であっても、その楽音発生手段から発生し終わっ
た楽音信号を導入して加工することにより、周波数変調
楽音合成の原理にしたがって音色加工することの出来る
ようにすることを目的とするとともに、該楽音発生手段
から発生し終わった楽音信号に対し、その楽音周波数に
よってバラバラとならず、整数倍音を付加する音色加工
を行なうことが出来るようにすることをも目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】 この発明に従う周波数
変調楽音合成原理による波形加工装置は、発生させるべ
き波形信号の音高を表す音高指定情報が入力されると、
該音高指定情報に対応した可聴帯域の周波数を持つ基準
の波形信号の各サンプル点振幅値に関する波形データを
発生する基準波形発生手段と、前記波形データを順次入
力して遅延する遅延手段と、前記遅延手段のいずれかの
遅延段階から出力される波形データの周波数を可聴帯域
で変更制御し、この変更制御された周波数を持つ波形デ
ータを変調信号として出力する変調信号発生手段と、上
記変調信号の時間変化に従って上記遅延手段から取り出
す前記波形データの遅延時間を変調する制御手段とを備
え、前記基準の波形信号に対し周波数変調によって音色
加工された特性を持つ楽音信号を発生することを特徴と
するものである。
【0009】
【作用】 発生させるべき波形信号の音高を表す音高指
定情報が入力されると、該音高指定情報に対応した可聴
帯域の周波数を持つ基準の波形信号の各サンプル点振幅
値に関する波形データが、基準波形発生手段から発生さ
れる。この波形データは、遅延手段に順次入力され、遅
延される。一方、変調信号発生手段では、前記遅延手段
のいずれかの遅延段階から出力される波形データの周波
数を可聴帯域で変更制御し、この変更制御された周波数
を持つ波形データを変調信号として出力する。制御手段
によって、この変調信号の時間変化に従って上記遅延手
段から取り出す前記波形データの遅延時間が変調制御さ
れる。これにより、可聴帯域の周波数を持つ基準の波形
信号を、該基準の波形信号を適宜遅延した信号に相当す
る可聴帯域の変調信号によって周波数変調した信号が、
遅延手段から取り出される。
【0010】従って、基準波形発生手段それ自体が、周
波数変調楽音合成原理による楽音発生を行なわないもの
であっても、そこから発生した基準の波形信号を本装置
の遅延手段に導入し、該基準の波形信号の遅延出力に基
づく変調信号によって該遅延時間の変調制御を行なうこ
とにより、周波数変調楽音合成原理による音色加工を行
なうことができるようになる。すなわち、任意の音源か
ら発生した基準の波形信号に対して、周波数変調楽音合
成原理による音色加工を行なうことができるようになる
という優れた効果を奏するものである。しかも、その場
合において、変調信号としては、該基準の波形信号の遅
延出力を利用してこの周波数を可聴周波数帯域で変更制
御したものを使用するようにしているため、この変調信
号の周波数は基準波形信号の周波数と好ましい関係のも
のにすることができ、音高の変化によって倍音関係がバ
ラバラな音色になるといったことがなく、音楽用楽音と
して好ましい音色加工を行なうことが出来るものであ
る。しかも、該変調信号の周波数を可聴周波数帯域で変
更制御することにより、搬送波(基準の波形信号)と変
調波(変調信号)との周波数関係を自由な設定すること
ができ、周波数変調楽音合成原理によって得られる楽音
の音色を多彩に制御することができるようになる。ま
た、基準の波形信号の遅延出力を利用して変調信号を作
成するので、変調信号の位相がその遅延段階に応じて基
準の波形信号の位相に対して適宜異なるものとなり、搬
送波(基準の波形信号)と変調波(変調信号)との位相
関係を異ならせることにより、周波数変調楽音合成原理
によって得られる楽音の音色を多彩に制御することがで
きるようになる。加えて、搬送波(基準の波形信号)の
位相変調すなわち周波数変調に使用する遅延手段が、事
実上、搬送波(基準の波形信号)に対する変調波(変調
信号)の波形の位相を異ならせるための手段としても兼
用されているので、その分、構成が簡略化されている、
という効果も奏する。
【0011】
【実施例】以下、添付図面を参照してこの発明の一実施
例を詳細に説明しよう。図1はこの発明の実施例に一部
関連する構成例を示すブロック図であり、基準波形発生
手段に相当する構成部分と、遅延手段に相当する構成部
分は、この発明の実施態様を示している。変調信号発生
手段に相当する構成部分は、図1の例では、必ずしもこ
の発明の実施態様に対応しているとは言えないが、基準
波形発生手段に相当する構成部分と遅延手段に相当する
構成部分の実施態様を理解するために、まず、図1の例
につき説明する。
【0012】図1において、位相信号発生回路1は発生
すべき楽音信号の音高を表わす音高指定情報KCを受
け、この音高指定情報KCが表わす音高に対応した速度
で順次変化する位相指定信号xを出力する。基準波形発
生回路2は、例えば基準波形信号としての正弦波形の各
サンプル点振幅値を一周期に亘って記憶しており、位相
指定信号xが入力されることにより、この位相指定信号
xで指定される正弦波位相のサンプル点振幅値を読み出
して出力する。これにより、基準波形発生回路2からは
基準波形信号(正弦波形)の各サンプル点振幅値を表わ
す波形データが発生すべき楽音信号の音高に対応した速
度で順次発生されることになる。このようにして発生さ
れた基準波形信号の波形データはシフトレジスタ3に供
給される。
【0013】シフトレジスタ3は、n(≧2)ステージ
の記憶位置ST1〜STnを有しており、基準波形発生回
路2から基準波形信号の波形データが入力されると、こ
の波形データを位相指定信号xに同期したクロックパル
スφによって入力側記憶位置ST1から出力側記憶位置
STnに向けてサンプル点単位で順次記憶する。従っ
て、クロックパルスφの一周期時間をtとすると、m
(m=1〜n)番目の記憶位置STmからは現在時刻t0
よりmt時間前に基準波形発生回路2から出力された波
形データが得られる。このようにしてシフトレジスタ3
の各記憶位置ST1〜STnから得られる基準波形信号の
各サンプル点の波形データは、シフトレジスタ3の記憶
位置数と同数の入力A1〜Anを有するセレクタ4の各入
力A1〜Anにそれぞれ供給される。
【0014】一方、シフトレジスタ3の最終記憶位置S
Tnから得られるnt時間前のサンプル点の波形データ
は変調信号発生回路5の乗算器50に入力される。この
変調信号発生回路5は、基準波形信号を周波数変調する
ための変調信号を発生するもので、変調深さを制御する
ための変調係数Iを発生して乗算器50に入力する変調
計数発生回路51と、乗算器50の出力データをデコー
ドするデコーダ52を有している。
【0015】このような構成の変調信号発生回路5に対
してシフトレジスタ3からnt時間前の基準波形信号の
波形データが供給されると、この波形データと変調係数
発生回路51から発生される変調係数Iとが乗算器50
において乗算される。そして、その乗算結果はデコーダ
52に入力され、ここでデコードされる。デコーダ52
のデコード出力は、セレクタ4の各入力A1〜Anにそれ
ぞれ入力された基準波形信号の各サンプル点の波形デー
タのうち1つを選択するためのセレクト制御信号として
セレクタ4の制御端子SCに供給される。
【0016】従って、例えば乗算器50の出力データが
最大値のときにセレクタ4において入力Anの波形デー
タを選択出力し、最小値のときには入力A1の波形デー
タを選択出力するような関係にセレクタ4の選択動作を
設定した場合、nt時間前のサンプル点の波形データが
最大振幅値を示すときにはセレクタ4において入力An
が、また最小振幅値を示すときには入力A1が、さらに
最大振幅値と最小振幅値との中間値を示すときにはこの
中間値に応じて入力A2〜An-1がそれぞれ選択され、こ
れら各入力A1〜Anに入力された1・t〜n・t時間前の
サンプル点波形データのうち1つが選択出力されるよう
になる。
【0017】すなわち、セレクタ4からはn・t時間前
のサンプル点波形データの振幅値の大小に応じて異なる
サンプル点波形データが選択出力される。換言すれば、
基準波形信号を自己のn・t時間前の振幅値に応じて周
波数変調した信号がセレクタ4から選択出力される。従
って、変調係数Iを適宜設定することにより、セレクタ
4からは基準波形信号を周波数変調した状態の楽音信号
DGSを得ることができる。この場合、乗算器50の入
力側または出力側に、基準波形信号の周波数(サンプリ
ンググレート)を整数倍あるいは整数分の1にする周波
数変更回路を挿入すれば、さらに異なる周波数変調がな
され、さらに豊かな音色の楽音信号DGSを得ることが
できる。
【0018】図2は、図1における変調信号発生回路5
の変更例を示すもので、変調信号発生手段に関しての、
この発明の実施態様を示している。すなわち、詳しい図
示は省略してあるが、図2のセレクタ4には図1と同様
にシフトレジスタ3の各遅延出力が入力され、上述と同
様に、制御端子SCに供給されるセレクト制御信号に応
じて基準波形信号の各サンプル点の波形データのうち1
つが選択される。図2において、変調信号発生回路5内
には、変調波形メモリ53とアドレス信号発生回路54
が設けられている。アドレス信号発生回路54には、音
高指定情報KCが入力され、この音高指定情報KCに応
じた速度で変化するアドレス信号を発生する。このアド
レス信号発生回路54から発生されるアドレス信号によ
って変調波形メモリ53に記憶された変調波形が読み出
される。変調波形メモリ53から音高指定情報KCに応
じた速度で読み出された変調波形信号は、前述と同様
に、乗算器50で変調係数発生回路51から発生される
変調係数Iと乗算され、変調度が制御される。この乗算
結果に基づきセレクタ4のセレクト制御がなされる。
【0019】こうして、変調波形メモリ53に記憶され
た変調波形を、前記基準波形信号とは全く独立して、発
生すべき楽音信号の音高に応じた(音高指定情報KCに
応じた)速度で変化するアドレス信号発生回路4からの
アドレス信号によって読み出し、この変調波形と変調係
数Iとの乗算値をセレクタ4にセレクト制御信号として
供給することにより、図1の実施例とは異なる態様で周
波数変調された楽音信号DGSを発生することができ
る。すなわち、変調周波数が発生すべき楽音信号の音高
に応じて変化するので、周波数変調の結果得られる楽音
の音色(倍音関係)が、音高の変化によってバラバラに
なるといったことがなく、音楽用楽音として好ましい音
色加工を行なうことが出来るものである。
【0020】図3は、図1における変調信号発生回路5
の別の変更例を示すブロック図であり、図1の実施例と
異なる点は変調信号発生回路5の乗算器50に入力する
波形データをセレクタ4の出力側から取り出すようにし
たことである。この構成によれば、最初のうちはセレク
タ4の出力データの値は零であるため、セレクタ4は入
力A1〜Anのうち例えばA1に入力されている波形デー
タを選択出力する。この最初の波形データが選択出力さ
れると、その振幅値に変調係数Iが乗算されてデコーダ
52に入力されるため、デコーダ52は新たなデコード
出力を送出するようになり、これによって別の新たなサ
ンプル点の波形データがセレクタ4から選択出力される
ようになる。そして、これ以後は最新に選択出力された
サンプル点の波形データの振幅値に応じて次の新たなサ
ンプル点の波形データを選択出力する動作が繰返され
る。すなわち、楽音信号DGSの現在のサンプル点振幅
値により次に楽音信号DGSとして発生すべきサンプル
点振幅値が決定されるという動作が繰返される。これに
より、フィートバックFM変調方式と同様の音色の楽音
信号DGSを得ることができる。
【0021】図4はこの発明の他の実施例を示すブロッ
ク図であり、遅延手段に関しての、この発明の別の実施
態様を示している。この実施例が先の実施例と基本的に
異なる点は、遅延手段として、基準波形信号の各サンプ
ル点波形データを記憶する読み書き可能なディジタルメ
モリ(RAM)6を使用し、その読出しアドレス信号A
Rを変調するようにしたことである。
【0022】図4において、基準波形発生回路2から出
力される基準波形信号のサンプル点波形データは書込み
指示信号SWが“1”となっている書込みモードにおい
てディジタルメモリ6に書き込まれる。この場合の書込
みアドレスは前述のクロックパルスφをカウントするア
ドレスカウンタ7から出力される書込みアドレス信号A
Wによって指示される。なお、この書込みアドレス信号
AWは、セレクタ8に対するセレクト制御信号SSが
“1”となっている時にセレクタ8によって選択されて
ディジタルメモリ6に与えられる。
【0023】これにより、ディジタルメモリ6には基準
波形発生回路2から発生される基準波形信号のサンプル
点波形データがサンプル点単位で順次記憶されるが、こ
の記憶された各波形データは読出し指示信号SRが
“1”となっている読出しモードにおいてセレクタ8を
介して演算回路9から与えられる読出しアドレス信号A
Rに従って読み出される。この読出しアドレス信号AR
は周波数変調された楽音信号DGSを得るために次のよ
うにして形成される。
【0024】すなわち、基準波形発生回路2から発生さ
れる基準波形信号のサンプル点波形データと変調係数発
生回路51から発生される変調係数Iとを乗算器50に
おいて乗算することにより、基準波形信号の時間変化に
対応して変化する変調信号MDを形成し、この変調信号
MDを演算回路9の第1の加算入力に入力する。さら
に、演算回路9の第2の加算入力にアドレスカウンタ7
から出力される連続的変化を示す書込みアドレス信号A
Wを入力したうえ、減算入力にオフセットアドレス情報
発生器55から発生されるオフセットアドレス情報AO
Fを入力し、演算回路9において AR=AW−AOF+MD …(1) で示される読出しアドレス信号ARを形成する。ここ
で、オフセットアドレス情報AOFは、所望の変調深さ
に対応した定数として与えられるものである。
【0025】これにより、書込みアドレス信号AWで示
されるアドレスからオフセットアドレス情報AOFで示
されるアドレスだけ離れたアドレス(AW−AOF)を
中心として変調信号MDの時間変化に従ってアドレス値
が増減する読出しアドレス信号ARが形成される。従っ
て、基準波形信号のサンプリング周期をTとし、この周
期Tの前半で書込み指示信号SWおよびセレクト制御信
号SSを“1”とし、後半ではこれら信号SWおよびS
Sを“0”としかつ読出し指示信号SRを“1”とすれ
ば、周期Tの前半では書込みアドレス信号AWがセレク
タ8によって選択され、また後半では読出しアドレス信
号ARがセレクタ8によって選択されてディジタルメモ
リ6のアドレス信号として与えられる。このため、周期
Tの前半では現在時刻tに発生された基準波形信号のサ
ンプル点波形データが書込みアドレス信号AWに従って
メモリ6に書き込まれる。一方、後半では読出しアドレ
ス信号ARに従って現在時刻tよりT・(AW−AOF
+MD)時間前のサンプル点波形データがメモリ6から
読み出される。この結果、ディジタルメモリ6から変調
信号MDによって周波数変調された楽音信号DGSを得
ることができる。
【0026】なお、上述した実施例では、基準波形信号
は正弦波形としたが、正弦波形に限らずどのような波形
形状の信号でもよい。この場合、波形形状が順次異なる
複数周期分の波形を記憶した波形メモリを読み出すこと
により基準波形信号を発生するようにしてもよい。ま
た、基準波形発生回路は、波形メモリを読み出すことに
より基準波形信号を発生するものに限らず、位相指定信
号xに従って所定の波形形成演算を行なうことにより基
準波形信号を発生するようなものであってもよいし、ま
た、その他どのような音源であってもよい。また、図1
〜図3の実施例においては、変調係数を乗算器50に入
力して変調深さを制御するようにしているが、デコーダ
52のデコード論理を変調係数Iによって変えることに
より変調深さを制御するようにしてもよい。
【0027】さらに、上述した実施例では、単音の(1
系列のみの)楽音信号を発生する場合についてのみ説明
したが、この発明は複音の(複数系列の)楽音信号を発
生する場合にも同様に実施し得るものである。さらに、
上述した実施例により得られる楽音信号GDSを新たな
基準波形信号としこの基準波形信号に対して上述した実
施例と同様にして再度周波数変調を施すようにしてより
多くの高調波成分を含む楽音信号を発生するようにして
もよい。また、この発明による楽音信号発生装置は、音
階音に対応した楽音信号の発生に限らず、リズム音や人
声などに対応した種々の楽音信号を発生する場合にも使
用できるものである。
【0028】
【発明の効果】 以上説明したように、この発明によれ
ば、楽音信号を発生する手段自体の中に波形の読み出し
の位相データに変調信号を導入する周波数変調の仕組み
を持たなくても、その楽音信号発生手段から発生し終わ
った信号に対して、周波数変調楽音合成原理による音色
の加工を行なうことが出来る、という優れた効果を奏す
る。すなわち、基準波形発生手段それ自体が、周波数変
調楽音合成原理による楽音発生を行なわないものであっ
ても、そこから発生した基準の波形信号を本装置の遅延
手段に導入し、該基準の波形信号の遅延出力に基づく変
調信号によって該遅延時間の変調制御を行なうことによ
り、周波数変調楽音合成原理による音色加工を行なうこ
とができるようになる。これによって、任意の音源から
発生した基準の波形信号に対して、周波数変調楽音合成
原理による音色加工を行なうことができるようになると
いう優れた効果を奏するものである。しかも、その場合
において、変調信号としては、該基準の波形信号の遅延
出力を利用してこの周波数を可聴周波数帯域で変更制御
したものを使用するようにしているため、この変調信号
の周波数は基準波形信号の周波数と好ましい関係のもの
にすることができ、音高の変化によって倍音関係がバラ
バラな音色になるといったことがなく、音楽用楽音とし
て好ましい音色加工を行なうことが出来るものである。
また、該変調信号の周波数を可聴周波数帯域で変更制御
することにより、搬送波(基準の波形信号)と変調波
(変調信号)との周波数関係を自由な設定することがで
き、周波数変調楽音合成原理によって得られる楽音の音
色を多彩に制御することができるようになる。更に、基
準の波形信号の遅延出力を利用して変調信号を作成する
ので、変調信号の位相がその遅延段階に応じて基準の波
形信号の位相に対して適宜異なるものとなり、搬送波
(基準の波形信号)と変調波(変調信号)との位相関係
を異ならせることにより、周波数変調楽音合成原理によ
って得られる楽音の音色を多彩に制御することができる
ようになる。加えて、搬送波(基準の波形信号)の位相
変調すなわち周波数変調に使用する遅延手段が、事実
上、搬送波(基準の波形信号)に対する変調波(変調信
号)の波形の位相を異ならせるための手段としても兼用
されているので、その分、構成が簡略化されている、と
いう効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に一部関連する構成例を示す
ブロック図であり、基準波形発生手段に相当する部分と
遅延手段に相当する部分の実施態様を示す図。
【図2】図1における変調信号発生回路の変更例を示す
もので、変調信号発生手段に関する部分の実施態様を示
すブロック図。
【図3】図1における変調信号発生回路の別の変更例を
示すブロック図。
【図4】遅延手段に関してのこの発明の別の実施態様を
示すブロック図。
【符号の説明】
1…位相信号発生回路、2…基準波形発生回路、3…シ
フトレジスタ、4…セレクタ、5…変調信号発生回路、
6…ディジタルメモリ、9…演算回路、51…変調係数
発生回路、52…デコーダ。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発生させるべき波形信号の音高を表す音
    高指定情報が入力されると、該音高指定情報に対応した
    可聴帯域の周波数を持つ基準の波形信号の各サンプル点
    振幅値に関する波形データを発生する基準波形発生手段
    と、 前記波形データを順次入力して遅延する遅延手段と、前記遅延手段のいずれかの遅延段階から出力される波形
    データの周波数を可聴帯域で変更制御し、この変更制御
    された周波数を持つ波形データを変調信号として出力
    る変調信号発生手段と、 上記変調信号の時間変化に従って上記遅延手段から取り
    出す前記波形データの遅延時間を変調する制御手段とを
    備え、 前記基準の波形信号に対し周波数変調によって音色加工
    された特性を持つ楽音信号を発生することを特徴とする
    周波数変調楽音合成原理による波形加工装置。
  2. 【請求項2】 前記基準の波形信号は、1周期の波形デ
    ータを繰り返し読み出すことにより発生されるものであ
    る請求項1に記載の周波数変調楽音合成原理による波形
    加工装置。
  3. 【請求項3】 前記基準の波形信号は、波形形状が時間
    的に順次異なる複数周期の波形信号である請求項1に記
    載の周波数変調楽音合成原理による波形加工装置。
  4. 【請求項4】 前記遅延手段は、前記波形データを順次
    書き込んで記憶する読み書き可能な記憶手段を有し、こ
    の記憶手段に記憶した波形データを遅延して読み出すこ
    とにより遅延出力を生ずるものであり、 前記制御手段は、前記記憶手段の読み出しを前記変調信
    号に従って変調制御することにより前記波形データの遅
    延時間を変調するものである請求項1に記載の周波数変
    調楽音合成原理による波形加工装置。
  5. 【請求項5】 前記遅延手段は、前記所定の書き込み速
    度に従って変化する書き込みアドレス信号によって前記
    波形データを前記記憶手段に順次書き込む書き込み手段
    と、前記波形データを遅延する時間に対応して前記書き
    込みアドレス信号とは異なる値を示す読み出しアドレス
    信号によって前記記憶手段から前記波形データを読み出
    す読み出し手段とを有するものであり、 前記制御手段は、前記読み出しアドレス信号を前記変調
    信号に従って変調する演算を行なうものであり、これに
    より前記記憶手段の読み出しを前記変調信号に従って変
    調制御するものである請求項4に記載の周波数変調楽音
    合成原理による波形加工装置。
  6. 【請求項6】 前記遅延手段は、複数の記憶ステージを
    有し前記所望の速度に同期して該各記憶ステージの内容
    を順次シフトするシフトレジスタと、このシフトレジス
    タの各記憶ステージのうち選択制御信号に対応した記憶
    ステージの前記波形データを選択して出力するセレクタ
    とを有するものであり、 前記制御手段は、前記変調信号に対応して前記選択制御
    信号を変化させることにより前記波形データの遅延時間
    を変調するものである請求項1に記載の周波数変調楽音
    合成原理による波形加工装置。
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