JP2643278B2 - 炊飯器 - Google Patents

炊飯器

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JP2643278B2
JP2643278B2 JP9480788A JP9480788A JP2643278B2 JP 2643278 B2 JP2643278 B2 JP 2643278B2 JP 9480788 A JP9480788 A JP 9480788A JP 9480788 A JP9480788 A JP 9480788A JP 2643278 B2 JP2643278 B2 JP 2643278B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、家庭で使用され、かつ誘導加熱用コイルと
通常のヒータとを熱源とした炊飯器に関し、特に保温時
における加熱方法に関するものである。
従来の技術 従来の一般の炊飯器は第5図に示すような構成となっ
ており、炊飯時は、炊飯ヒータ60と、側面ヒータ61に通
電され、その入力電力の比は、約800W:50Wである。また
保温時は蓋ヒータ62と、側面ヒータ61および炊飯ヒータ
60に通電され、その入力電力の比は、約24W:48W:8Wであ
る。そしてまた炊飯ヒータ60は鋳込みヒータであり、鍋
63の底面と接触するような形状となっている。
発明が解決しようとする課題 上記従来の炊飯器においては、炊飯ヒータ60と鍋63と
の間に、異物が混入すると、炊飯ヒータ60の熱が鍋63に
伝わらなくなり、その結果鋳込みヒータである炊飯ヒー
タ60が異常高温となり、安全上問題がある。このため、
炊飯ヒータ60の入力電力は、上限が約800Wから1000Wと
され、これは炊飯時間の短縮の限界の原因ともなってい
た。そこで、この問題を解決するために、鍋63と非接触
の熱源となるインバータを利用した誘導加熱方式が考え
られる。
ここで、炊飯ヒータ60の代りに誘導加熱用コイルを鍋
63の下部に配置すれば、従来の炊飯器の炊飯時における
入力電力の上限である1000W以上、たとえば1200Wの入力
電力で炊飯できるが、保温時については、誘導加熱用コ
イルによる入力電力は0Wとし、鍋63の上部に位置する蓋
ヒータ62と側面ヒータ61で保温を行わなければならな
い。しかしながら、これでは、鍋63の下部の温度が低下
して水蒸気が結露し、これにより、鍋63の下部の御飯
が、水分を含んでしまって、御飯がまずいものになると
いう問題点がある。また、保温時において、誘導加熱用
コイルによる入力電力を1200Wとし、鍋の上部に位置す
る蓋ヒータ62と側面ヒータ61とで交互にオン,オフを行
う方式も考えられるが、これでは、大電流を頻繁にオ
ン,オフすることになるためノイズが発生し、他の電子
機器に悪い影響を与える。また、入力電力を1200Wとす
ると、インバータを冷却するためのファンを回す必要が
あり、この場合、ファンを回すことは非常に不経済であ
るとともに、ファンの音が騒音となり、かつ鍋底もファ
ンで冷却されることになるため、保温特性が悪くなると
いう問題点を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、鋳込み
ヒータである炊飯ヒータの代りに、鍋の下部に誘導加熱
用コイルを配置して、インバータを利用した誘導加熱方
式とし、かつ保温時は、インバータによる入力電力を炊
飯時より小さく設定し、かつファンを停止させることに
より、炊飯ヒータが異常に高温になることもなく、安全
性が高いとともに、炊飯時間も短縮でき、また保温時に
おいては、鍋の下部の温度を低下させることがなく、し
かもファンの騒音もなく、経済性および保温特性が優
れ、かつ他の電子機器に悪い影響を与えるノイズが発生
することもない炊飯器を提供することを目的とするもの
である。
課題を解決するための手段 上記課題を解決するために、本発明の炊飯器は、鍋の
温度を検知する鍋温度検知手段と、この鍋温度検知手段
により検知された温度が、保温温度よりも高いか低いか
を判定する保温判定手段と、時間を計時するタイマカウ
ンタと、鍋の上部に位置する保温ヒータへの通電を行う
保温ヒータ駆動手段と、前記保温ヒータよりも鍋の下部
に位置する誘導加熱用コイルを共振コイルとするインバ
ータと、このインバータを駆動するインバータ駆動手段
と、前記インバータにより入力される電力値を設定する
入力電子設定手段と、前記インバータを冷却するファン
と、このファンを駆動するファン駆動手段と、保温工程
に入った時、前記入力電力設定手段により、炊飯時にお
ける入力電力より小さい入力電力を設定し、かつ前記フ
ァン駆動手段によるファンの回転を停止させ、さらに前
記保温判定手段の出力信号により、鍋の温度が保温温度
より高い時は、前記インバータ駆動手段と保温ヒータ駆
動手段にOFF信号を与え、低い時は、前記タイマカウン
タにより計時される時間にもとづき、前記インバータ駆
動手段と保温ヒータ駆動手段とに交互にON,OFF信号を与
える制御手段とにより構成したものである。
作用 上記のように構成された炊飯器では、炊飯時において
は、鍋と熱源であるインバータの共振コイルとして働く
誘導加熱用コイルとの間は、非接触であるため、従来の
方式の炊飯器の入力電力の上限である1000W以上の入力
電力を入力でき、その結果、炊飯ヒータが異常高温にな
るということはなく、かつ炊飯時間も短縮できる。ま
た、保温時においては、インバータによる入力電力を炊
飯時より小さく設定し、かつファンを停止させ、保温ヒ
ータとインバータとを交互にON,OFFさせるようにしてい
るため、鍋の下部の温度を適温に維持することができ、
その結果、水蒸気が結露することもなく、鍋の中の御飯
をおいしく保温することができる。しかも保温時におい
ては、ファンの回転が停止しているため、ファンの騒音
もなく、経済的であり、かつ他の電子機器に悪影響を与
えるノイズが発生することもなくなる。
実 施 例 以下、本発明の一実施例を添付図面にもとづいて説明
する。第1図は本発明の一実施例における炊飯器のブロ
ック図を示したものである。1は炊飯用の鍋であり、2
は鍋温度検知手段で、この鍋温度検知手段1は鍋1の底
面の温度を検知している。3は保温判定手段であり、前
記鍋温度検知手段2の出力信号を入力とし、この鍋温度
が設定されている保温温度より高いか低いかを判定す
る。4は時間を計時するタイマカウンタである。5は鍋
1の上部に位置する保温ヒータで、この保温ヒータ5は
保温ヒータ駆動手段6によりのその通電が制御される。
7は保温ヒータ5よりも鍋1の下部に位置する誘導加熱
用コイルであり、8は誘導加熱用コイル7を共振コイル
とするインバータである。9はインバータ8を駆動する
インバータ駆動手段である。10はインバータ8により入
力される入力電力値を設定する入力電力設定手段であ
る。11はインバータ8を冷却するファンで、このファン
11はファン駆動手段12により駆動される。13は制御手段
で、この制御手段13は保温工程に入った時、前記入力電
力設定手段10により炊飯時における入力電力より小さい
入力電力を設定し、また、ファン駆動手段12に信号を与
えて、ファン11の回転を停止する。次に保温判定手段3
と、タイマカウンタ4との出力信号を入力とし、鍋1の
温度が保温温度より高い時は、保温ヒータ駆動手段6と
イバータ駆動手段9とにオフ信号を与える。一方、鍋1
の温度が保温温度より低い時は、t1秒間、インバータ駆
動手段9にON信号を、かつ保温ヒータ駆動手段6にはOF
F信号を、次のt2秒間には、インバータ駆動手段9にOFF
信号を、かつ保温ヒータ駆動手段6にはON信号を与える
という具合に、鍋1の温度が保温温度より低い時は、こ
れを繰り返すものである。ここでt1,t2秒はタイマカウ
ンタ4で計時される時間である。
また保温ヒータ5の入力電力をP1、誘導加熱用コイル
7による入力電力をP2、保温特性の最もよい保温ヒータ
5の平均入力電力と誘導加熱用コイル7による平均入力
電力との比をX:Yにした場合、 となるように、t1,t2秒の値を設定しておく。
第2図は本発明の一実施例における炊飯器の具体的な
回路図を示し、また第3図は同炊飯器の構成を示したも
ので、この第2図および第3図において、1は炊飯用の
鍋であり、2は鍋1の温度を検知するサーミスタであ
る。3は保温判定手段であり、コンパレータ14と、抵抗
15〜18とにより構成されている。そして抵抗16と抵抗17
により保温温度に対する基準電位がコンパレータ14の−
端子に入力されている。抵抗18は、サーミスタ2と共
に、鍋1の温度に対する電位をコンパレータ14の+端子
に与える。これにより、コンパレータ14の出力は、鍋1
の温度が保温温度より高い時は、正出力となり、一方、
保温温度より低い時は負出力となり、したがって、この
保温判定手段3により、保温温度より高いか低いかを判
定することができる。5は保温ヒータで、この保温ヒー
タ5は側面ヒータ5aと蓋ヒータ5bとからなり、鍋1の上
部に位置する。6は保温ヒータ5への通電を行う保温ヒ
ータ駆動手段であり、抵抗19,20、トランジスタ21、三
端子サイリスタ22により構成されている。
7は誘導で加熱用コイルであり、これは保温ヒータ5
よりも鍋1の下部に位置する。8は誘導加熱用コイル7
を共振コイルとするインバータで、このインバータ8は
インバータ制御回路23と、抵抗24,25、ツェナーダイオ
ード26,スイッチング素子27,ダイオード28,コンデンサ2
9〜31,コイル32,交流電源全波整流用ダイオードブリッ
ジ33により構成されている。9はインバータ8を駆動す
るインバータ駆動手段であり、抵抗34,35とトランジス
タ36により構成されている。10はインバータ8により入
力される入力電力値を設定するための入力電力設定手段
であり、抵抗37〜40,トランジスタ41により構成されて
いる。11はインバータ8を冷却するファンである。12は
ファン11を駆動するファン駆動手段で、このファン駆動
手段12は抵抗42,43,トランジスタ44,三端子サイリスタ4
5により構成されている。46はマイクロコンピュータ
で、このマイクロコンピュータ46はタイマカウンタ4と
制御手段13よりなり、前記保温判定手段3の出力信号を
入力とし、インバータ駆動手段9,ファン駆動手段12,入
力電力設定手段10,保温ヒータ駆動手段6に出力信号を
与える。
次に第4図のフローチャートにもとづいて本実施例の
動作を説明する。炊飯工程を終了して保温工程に入る
と、ステップ50で、マイクロコンピュータ46は、入力電
力設定手段10につながる出力をローレベルとして、トラ
ンジスタ41をONさせ、かつ抵抗39と抵抗40で分圧される
電圧を、インバータ制御回路23に入力する。これによ
り、インバータ制御回路23は、誘導加熱用コイル7によ
り入力される入力電力を炊飯時より小さくするようにス
イッチング素子27を制御することになる。次にステップ
51で、マイクロコンピュータ46は、ファン駆動手段12に
つながる出力をローレベルとし、トランジスタ44をOFF
し、三端子サイリスタ45を非導通としファン11を停止さ
せる。
次にステップ52で、マイクロコンピュータ46は、保温
判定手段3の出力を入力し、鍋1の温度が保温温度より
高いか低いかを認識する。そして鍋1の温度が保温温度
より高い時は、ステップ53へ進み、ステップ53では、マ
イクロコンピュータ46は、インバータ駆動手段9および
保温ヒータ駆動手段6にローレベルを出力する。これに
より、インバータ駆動手段9のトランジスタ36をOFF
し、インバータ制御回路23に、ハイレベルの電位を与
え、これによりインバータ制御回路23はインバータ8を
停止させる。また、保温ヒータ駆動手段6のトランジス
タ21をOFFし、三端子サイリスタ22を非導通とし、保温
ヒータ5への通電を停止する。そしてステップ52へ戻
る。このステップ52で鍋1の温度が、保温温度より低い
時は、ステップ54へ進み、ステップ54では、マイクロコ
ンピュータ46は、タイマカウンタ4の計時する時間にも
とづきt1秒間、保温ヒータ駆動手段6に対しては、ロー
レベルの出力を、一方、インバータ駆動手段9に対して
は、オープン状態の出力を行う。これにより、トランジ
スタ21をOFFさせ、三端子サイリスタ22を非導通として
保温ヒータ5への通電を停止し、またトランジスタ36を
ONさせてインバータ制御回路23にローレベルの電位を与
えることによりインバータ8を駆動させる。
さらにステップ55へ進み、マイクロコンピュータ46
は、タイマカウンタ4の計時する時間にもとづき、t2秒
間、保温ヒータ駆動手段6に対してはオープン状態の出
力を、一方、インバータ駆動手段9に対しては、ローレ
ベルの出力を行って、トランジスタ21をONさせ、かつ三
端子サイリスタ22を導通させ、保温ヒータ5への通電を
行い、またトランジスタ36をOFFさせ、インバータ制御
回路23にハイレベルの電位を与えてインバータを停止さ
せる。この後ステップ52へ戻り、以上のステップを繰り
返す。ここでステップ54と55は順序が逆になってもよ
く、この場合、保温ヒータ5による平均入力電力と、イ
ンバータ8による平均入力電力との比が保温特性のよい
比率になっていればよい。またステップ54において、イ
ンバータ8による入力電力は、炊飯時の1200Wより充分
小さい値、例えば150Wになっているため、これを頻繁に
ON,OFFしても、他の電子機器に悪影響を与えるようなノ
イズは発生しない。また、通常、炊飯時のインバータ8
による入力電力を1200Wにすると、すなわち、トランジ
スタ41をOFFにしておくと、スイッチング素子27のON時
間が長くなってロスが大きくなるため、ファン11による
冷却が必要となるが、保温時に、インバータ8による入
力電力を150W程度にすることにより、スイッチング素子
27のON時間を短くし、かつt1秒ON,t2秒OFFすることによ
り、スイッチング素子27自体のロスが小さくなって平均
のロスが小さくなるため、ファン11を運転する必要はな
くなる。
発明の効果 上記実施例の説明から明らかなように本発明によれ
ば、鍋に対して非接触の熱源である誘導加熱を利用して
いるため、従来の鋳込みヒータのように、鍋とヒータの
間に異物が混入しても、ヒータ自体が異常高温となるこ
とはなく、非常に安全である。また入力電力は従来1000
W以下とされていたが、これ以上の入力電力で炊飯がで
きるため、炊飯時間を短縮できる。また、保温工程に入
った時、この保温工程時におけるインバータによる入力
電力を炊飯工程時より小さく設定し、保温ヒータと交互
に、オン,オフさせ、かつファンを停止させるようにし
ているため、鍋の上部と下部の入力電力の比を、保温特
性が最もよい比に設定することができ、かつファンの騒
音もなく、経済的にもすぐれ、しかも他の電子機器に悪
影響を与えるノイズが発生することもなくなるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における炊飯器のブロック
図、第2図は同炊飯器の具体的な回路図、第3図は同炊
飯器の縦断面図、第4図は同炊飯器の動作を示すフロー
チャート、第5図は従来の炊飯器を示す縦断面図であ
る。 1……鍋、2……鍋温度検知手段、3……保温判定手
段、4……タイマカウンタ、5……保温ヒータ、6……
保温ヒータ駆動手段、7……誘導加熱用コイル、8……
インバータ、9……インバータ駆動手段、10……入力電
力設定手段、11……ファン、12……ファン駆動手段、13
……制御手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜岡 重男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 荒井 俊夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−265479(JP,A) 特開 平1−265480(JP,A) 特開 平1−265917(JP,A) 特開 平1−265482(JP,A) 特開 平1−265483(JP,A) 特開 平1−265484(JP,A) 実開 昭53−164964(JP,U) 実開 昭63−108197(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鍋の温度を検知する鍋温度検知手段と、こ
    の鍋温度検知手段により検知された温度が、保温温度よ
    りも高いか低いかを判定する保温判定手段と、時間を計
    時するタイマカウンタと、鍋の上部に位置する保温ヒー
    タへの通電を行う保温ヒータ駆動手段と、前記保温ヒー
    タよりも鍋の下部に位置する誘導加熱用コイルを共振コ
    イルとするインバータと、このインバータを駆動するイ
    ンバータ駆動手段と、前記インバータにより入力される
    電力値を設定する入力電力設定手段と、前記インバータ
    を冷却するファンと、このファンを駆動するファン駆動
    手段と、保温工程に入った時、前記入力電力設定によ
    り、炊飯工程時における入力電力より小さい入力電力を
    設定し、かつ前記ファン駆動手段によるファンの回転を
    停止させ、さらに前記保温判定手段の出力信号により、
    鍋の温度が保温温度より高い時は、前記インバータ駆動
    手段と保温ヒータ駆動手段にOFF信号を与え、低い時
    は、前記タイマカウンタにより計時される時間にもとづ
    き、前記インバータ駆動手段と保温ヒータ駆動手段とに
    交互にON,OFF信号を与える制御手段とにより構成したこ
    とを特徴とする炊飯器。
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