JP2643230B2 - 表面被覆サーメット製エンドミル - Google Patents
表面被覆サーメット製エンドミルInfo
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- JP2643230B2 JP2643230B2 JP63041590A JP4159088A JP2643230B2 JP 2643230 B2 JP2643230 B2 JP 2643230B2 JP 63041590 A JP63041590 A JP 63041590A JP 4159088 A JP4159088 A JP 4159088A JP 2643230 B2 JP2643230 B2 JP 2643230B2
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- Japan
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- end mill
- layer
- cermet
- coated cermet
- breakage
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、耐摩耗性および耐折損性のすぐれた表面
被覆サーメット製エンドミルに関するものである。
被覆サーメット製エンドミルに関するものである。
従来、硬質分散相形成成分としての炭化タングステン
（以下WCで示す）や炭窒化チタン（以下TiCNで示す）を
主成分とし、結合相形成成分としてCoやNiなどを含有す
るWC基超硬合金や、TiCN基サーメットで製造されたエン
ドミルが提案され、特にWC基超硬合金製エンドミルは高
速度鋼製エンドミルに比べて耐摩耗性にすぐれているこ
とから各種被削材の高速切削に用いられている。
（以下WCで示す）や炭窒化チタン（以下TiCNで示す）を
主成分とし、結合相形成成分としてCoやNiなどを含有す
るWC基超硬合金や、TiCN基サーメットで製造されたエン
ドミルが提案され、特にWC基超硬合金製エンドミルは高
速度鋼製エンドミルに比べて耐摩耗性にすぐれているこ
とから各種被削材の高速切削に用いられている。
しかし、上記のWC基超硬合金製エンドミルは、時とし
て切削中に突然折損する事故がしばしば発生し、信頼性
の点で問題があり、またTiON基サーメット製エンドミル
は、WC基超硬合金製エンドミルに比して脆いために、さ
らに折損を起し易く、実用的に普及するまでに至ってい
ないのが現状である。
て切削中に突然折損する事故がしばしば発生し、信頼性
の点で問題があり、またTiON基サーメット製エンドミル
は、WC基超硬合金製エンドミルに比して脆いために、さ
らに折損を起し易く、実用的に普及するまでに至ってい
ないのが現状である。
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、耐摩
耗性は勿論のこと、耐折損性にすぐれたエンドミルを開
発すべく研究を行なった結果、従来のエンドミルを構成
するTiCN基サーメットにおいて硬質分散相を形成するTi
CNを、Tiの一部、すなわち１〜40原子％をZr,Nb,Ta,M
o、およびＷで置換してなる複合金属炭窒化物、さらに
云い換えれば、TiとZr,Nb,Ta,Mo、およびＷとの複合金
属炭窒化物からなり、かつ原子比で、（Zr＋Nb＋Ta＋Mo
＋Ｗ）/Ti＝1/99〜40/60、を満足する複合金属炭窒化物
〔以下、（Ti,M）CNで示す〕で構成すると、この結果の
サーメットは著しくすぐれた靭性をもつようになり、し
たがってこのサーメットで構成されたエンドミルは耐折
損性が飛躍的に向上し、さらにこのエンドミルの表面
に、炭化チタン（以下TiCで示す）層、窒化チタン（以
下、TiNで示す）層、およびTiCN層のうちの１種の単層
または２種以上の複層からなるイオンプレーティング蒸
着硬質層を形成すると、この硬質層の形成によってエン
ドミルの耐摩耗性が一段と向上するようになるという知
見を得たのである。
耗性は勿論のこと、耐折損性にすぐれたエンドミルを開
発すべく研究を行なった結果、従来のエンドミルを構成
するTiCN基サーメットにおいて硬質分散相を形成するTi
CNを、Tiの一部、すなわち１〜40原子％をZr,Nb,Ta,M
o、およびＷで置換してなる複合金属炭窒化物、さらに
云い換えれば、TiとZr,Nb,Ta,Mo、およびＷとの複合金
属炭窒化物からなり、かつ原子比で、（Zr＋Nb＋Ta＋Mo
＋Ｗ）/Ti＝1/99〜40/60、を満足する複合金属炭窒化物
〔以下、（Ti,M）CNで示す〕で構成すると、この結果の
サーメットは著しくすぐれた靭性をもつようになり、し
たがってこのサーメットで構成されたエンドミルは耐折
損性が飛躍的に向上し、さらにこのエンドミルの表面
に、炭化チタン（以下TiCで示す）層、窒化チタン（以
下、TiNで示す）層、およびTiCN層のうちの１種の単層
または２種以上の複層からなるイオンプレーティング蒸
着硬質層を形成すると、この硬質層の形成によってエン
ドミルの耐摩耗性が一段と向上するようになるという知
見を得たのである。
この発明は、上記知見にもとづいてなされたものであ
って、結合相形成成分として、CoおよびNi:10〜35重量
％を含有し、 残りが実質的に硬質分散相形成成分としての（Ti,M）
CNからなり、 上記（Ti,M）CNは、原子比で、 M/T＝1/99〜40/60、 を満足する組成を有するサーメット製基体の表面に、 TiC層、TiN層、およびTiCN層のうちの１種の単層また
は２種以上の複層からなるイオンプレーティング蒸着硬
質層を形成してなる耐摩耗性および耐折損性のすぐれた
表面被覆サーメット製エンドミルに特徴を有するもので
ある。
って、結合相形成成分として、CoおよびNi:10〜35重量
％を含有し、 残りが実質的に硬質分散相形成成分としての（Ti,M）
CNからなり、 上記（Ti,M）CNは、原子比で、 M/T＝1/99〜40/60、 を満足する組成を有するサーメット製基体の表面に、 TiC層、TiN層、およびTiCN層のうちの１種の単層また
は２種以上の複層からなるイオンプレーティング蒸着硬
質層を形成してなる耐摩耗性および耐折損性のすぐれた
表面被覆サーメット製エンドミルに特徴を有するもので
ある。
なお、この発明のエンドミルにおいて、これを構成す
るサーメットの結合相形成成分の含有量を10〜35重量％
と定めたのは、その含有量が10重量％未満では靭性が低
下し、所望の耐折損性を確保することができず、一方そ
の含有量が35重量％を越えると耐摩耗性が低下するよう
になるという理由によるものである。
るサーメットの結合相形成成分の含有量を10〜35重量％
と定めたのは、その含有量が10重量％未満では靭性が低
下し、所望の耐折損性を確保することができず、一方そ
の含有量が35重量％を越えると耐摩耗性が低下するよう
になるという理由によるものである。
また、上記のようにこの発明のエンドミルにおいて
は、サーメットの硬質分散相を（Ti,M）CNで構成するこ
とによってすぐれた靭性を確保し、もって耐折損性の著
しい向上をはかっているが、この場合ＭのTiに対する原
子比は、1/99〜40/60とするのがよく、これはＭの割合
が１未満だとTiの割合が99を越えて多くなって所望のす
ぐれた耐折損性を確保することができず、一方Ｍの割合
が40を越えるとTiの割合が60未満となってしまい、所定
の耐摩耗性を確保することができなくなるという理由か
らである。
は、サーメットの硬質分散相を（Ti,M）CNで構成するこ
とによってすぐれた靭性を確保し、もって耐折損性の著
しい向上をはかっているが、この場合ＭのTiに対する原
子比は、1/99〜40/60とするのがよく、これはＭの割合
が１未満だとTiの割合が99を越えて多くなって所望のす
ぐれた耐折損性を確保することができず、一方Ｍの割合
が40を越えるとTiの割合が60未満となってしまい、所定
の耐摩耗性を確保することができなくなるという理由か
らである。
つぎに、この発明のエンドミルを実施例により具体的
に説明する。
に説明する。
原料粉末として、いずれも1.0〜2.0μｍの範囲内の平
均粒径を有する、（Ti0.74Ta0.06Nb0.01Zr0.01Ｗ0.11Mo
0.07）（Ｃ0.72Ｎ0.28）からなる組成の（Ti,M）CN粉
末、TiCN粉末、WC粉末、Co粉末、およびNi粉末を用意
し、これら原料粉末をそれぞれ第１表に示される配合組
成に配合し、ボールミルで96時間湿式粉砕混合した後、
乾燥し、この混合粉末を所定寸法の丸棒にプレス成形
し、これを窒素雰囲気中、1400〜1500℃の範囲内の所定
温度で焼結して、実質的に配合組成と同一の成分組成を
有し、かつ寸法が直径:6.5mm×長さ:50.5mmの焼結体と
し、ついで研磨により直径:6mm×長さ:50mmの寸法を有
し、ねじれ角が45゜の切刃をもつ４枚刃エンドミル基体
を成形し、この基体の表面に、物理蒸着法の１つである
イオンプレーティング法を用い、通常の条件でそれぞれ
第１表に示される組成および平均層厚のイオンプレーテ
ィング蒸着硬質層を被覆することによって本発明エンド
ミル１〜３および比較エンドミル1,2をそれぞれ製造し
た。
均粒径を有する、（Ti0.74Ta0.06Nb0.01Zr0.01Ｗ0.11Mo
0.07）（Ｃ0.72Ｎ0.28）からなる組成の（Ti,M）CN粉
末、TiCN粉末、WC粉末、Co粉末、およびNi粉末を用意
し、これら原料粉末をそれぞれ第１表に示される配合組
成に配合し、ボールミルで96時間湿式粉砕混合した後、
乾燥し、この混合粉末を所定寸法の丸棒にプレス成形
し、これを窒素雰囲気中、1400〜1500℃の範囲内の所定
温度で焼結して、実質的に配合組成と同一の成分組成を
有し、かつ寸法が直径:6.5mm×長さ:50.5mmの焼結体と
し、ついで研磨により直径:6mm×長さ:50mmの寸法を有
し、ねじれ角が45゜の切刃をもつ４枚刃エンドミル基体
を成形し、この基体の表面に、物理蒸着法の１つである
イオンプレーティング法を用い、通常の条件でそれぞれ
第１表に示される組成および平均層厚のイオンプレーテ
ィング蒸着硬質層を被覆することによって本発明エンド
ミル１〜３および比較エンドミル1,2をそれぞれ製造し
た。
なお、比較エンドミル1,2は、従来エンドミル1,2の表
面に、それぞれイオンプレーティング蒸着硬質層を形成
したものである。
面に、それぞれイオンプレーティング蒸着硬質層を形成
したものである。
ついで、これらの各種のエンドミルについて、 被削材：高速度鋼（SKD11）、 切削速度:60m/min、 送り:0.02mm/刃、 切込み:1mm、 の条件で湿式切削試験を行ない、切刃に折損が発生する
までの切削長、あるいは摩耗により使用寿命に至るまで
の切削長を測定した。これらの測定結果を第１表に示し
た。
までの切削長、あるいは摩耗により使用寿命に至るまで
の切削長を測定した。これらの測定結果を第１表に示し
た。
第１表に示される結果から、本発明エンドミル１〜３
はいずれもすぐれた耐摩耗性と耐折損性を有するので、
きわめて長い使用寿命を示すのに対して、従来エンドミ
ル1,2は硬質層の形成がないにもかかわらず、折損が原
因で比較的短時間で使用寿命に至るものであり、また従
来エンドミル1,2に硬質層を被覆した比較エンドミル1,2
も耐折損性が十分でなく、使用寿命のみじかいものであ
ることが明らかである。
はいずれもすぐれた耐摩耗性と耐折損性を有するので、
きわめて長い使用寿命を示すのに対して、従来エンドミ
ル1,2は硬質層の形成がないにもかかわらず、折損が原
因で比較的短時間で使用寿命に至るものであり、また従
来エンドミル1,2に硬質層を被覆した比較エンドミル1,2
も耐折損性が十分でなく、使用寿命のみじかいものであ
ることが明らかである。
なお、表面被覆サーメット製エンドミルの製造に際し
て、硬質層の形成をイオンプレーティング法の代りに通
常の化学蒸着法にて行なった場合には、切削開始後直ち
に折損を起し、エンドミルとして実用に供することがで
きないものである。
て、硬質層の形成をイオンプレーティング法の代りに通
常の化学蒸着法にて行なった場合には、切削開始後直ち
に折損を起し、エンドミルとして実用に供することがで
きないものである。
上述のように、この発明の表面被覆サーメット製エン
ドミルは、すぐれた耐摩耗性と耐折損性を有するので、
実用に際してすぐれた切削性能を著しく長期に亘って発
揮するのである。
ドミルは、すぐれた耐摩耗性と耐折損性を有するので、
実用に際してすぐれた切削性能を著しく長期に亘って発
揮するのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−133025（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−106941（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−170559（ＪＰ，Ａ)
Claims (1)
- 【請求項１】結合相形成成分としてCoおよびNi:10〜35
重量％を含有し、 残りが実質的に硬質分散相形成成分としての、Tiと、Z
r,Nb,Ta,Mo,およびＷとの複合金属炭窒化物からなり、 上記複合金属炭窒化物は、原子比で、 （Zr＋Nb＋Ta＋Mo＋Ｗ）/Ti＝1/99〜40/60、を満足する
組成を有するサーメット製基体の表面に、 炭化チタン層、窒化チタン層、および炭窒化チタン層の
うちの１種の単層または２種以上の複層からなるイオン
プレーティング蒸着硬質層を形成してなる耐摩耗性およ
び耐折損性のすぐれた表面被覆サーメット製エンドミ
ル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63041590A JP2643230B2 (ja) | 1988-02-24 | 1988-02-24 | 表面被覆サーメット製エンドミル |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63041590A JP2643230B2 (ja) | 1988-02-24 | 1988-02-24 | 表面被覆サーメット製エンドミル |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01216711A JPH01216711A (ja) | 1989-08-30 |
| JP2643230B2 true JP2643230B2 (ja) | 1997-08-20 |
Family
ID=12612637
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63041590A Expired - Lifetime JP2643230B2 (ja) | 1988-02-24 | 1988-02-24 | 表面被覆サーメット製エンドミル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2643230B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4997561B2 (ja) * | 2005-08-04 | 2012-08-08 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 高硬度皮膜形成用硬質合金上に硬質皮膜を形成した工具あるいは金型材料及びその製造方法 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS61170559A (ja) * | 1985-01-21 | 1986-08-01 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 被覆超硬合金 |
| JPH0643622B2 (ja) * | 1985-12-04 | 1994-06-08 | 住友電気工業株式会社 | 窒素含有サ−メツトの製造法 |
-
1988
- 1988-02-24 JP JP63041590A patent/JP2643230B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01216711A (ja) | 1989-08-30 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080502 Year of fee payment: 11 |
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| EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080502 Year of fee payment: 11 |