JP2642948B2 - アンチロック制御装置 - Google Patents

アンチロック制御装置

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JP2642948B2
JP2642948B2 JP13072888A JP13072888A JP2642948B2 JP 2642948 B2 JP2642948 B2 JP 2642948B2 JP 13072888 A JP13072888 A JP 13072888A JP 13072888 A JP13072888 A JP 13072888A JP 2642948 B2 JP2642948 B2 JP 2642948B2
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義昭 広部
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アンチロック制御装置に係り、特に、四輪
車において、前後左右の車輪用ブレーキを対角的に結ぶ
いわゆる2チャンネル・アンチロック制御装置に関す
る。
〔従来の技術〕
従来、左前輪と右後輪を制動するブレーキ系と右前輪
と左後輪を制動するブレーキ系とが独立したブレーキに
おけるアンチロック制御装置として、一方のブレーキ系
において前後輪のいずれかに車輪ロックのおそれが生じ
た時、前輪ブレーキ液圧と後輪ブレーキ液圧の減圧制御
を同時に行うものが知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、このような装置では、車両が運行している路
面の左右で摩擦係数μが異なるいわゆるスプリットμ路
でのブレーキ制動時や前後輪での制動力の配分異常が生
じた時などに、低μ側にある後輪が前輪に先行して車輪
ロックに向かった場合、前輪ブレーキ液圧と後輪ブレー
キ液圧を同時に減圧制御するため、高μ側にある前輪ブ
レーキ液圧を不必要に下げ、車両としての全体の制動力
が不足するという問題があった。
本発明は、このような従来の問題点を解決するためな
されたもので、前輪ブレーキ液圧の不必要な減圧を防止
して車両全体としての制動力を確保することを技術的課
題とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は前記技術的課題を解決するため、次のような
技術的手段をとった。
本発明の装置は、マスタシリンダ(M/C)で発生した
液圧を左前輪ブレーキ(FB・L)と右後輪ブレーキ(RB
・R)とにそれぞれ伝達する第1ブレーキ系と、マスタ
シリンダ(M/C)で発生した液圧を右前輪ブレーキ(FB
・R)と左後輪ブレーキ(RB・L)とにそれぞれ伝達す
る第2ブレーキ系とを独立して備え、各ブレーキ系はそ
れぞれ液圧制御装置1を有している。
各液圧制御装置1は、ピストン4をシリンダ3内に有
し、シリンダ3内にはマスタシリンダ(M/C)からの液
圧を受け入れる入力液室5が形成されているとともに、
前記ピストン4の一端に背圧液室6が形成され、また、
前記ピストン4の他端に前輪ブレーキ(FB・L,FB・R)
に接続される前輪側出力液室7と後輪ブレーキ(RB・L,
RB・R)に接続される後輪側出力液室8とが形成されて
いる。
この前輪側出力液室7と後輪側出力液室8とは、前記
ピストン4が背圧液室6側に位置しているとき相互に連
通し、また、前記ピストン4が後輪側出力室8の方へ移
動したとき、前輪側出力液室7と後輪側出力液室8とを
相互に遮断するカットバルブ部13が形成されている。
また、背圧液室6と入力液室5とを結ぶ第1連通路14
が前記ピストン4に設けられ、この第1連通路14の途中
に背圧液室6側から入力液室5側に向かう方向を順方向
とする第1逆止弁15が介挿されており、一方、前輪側出
力液室7と後輪側出力液室8とを結ぶ第2連通路16が設
けられ、この第2連通路16の途中に後輪側出力液室8側
から前輪側出力液室7側に向かう方向を順方向とする第
2逆止弁17が介挿されている。
そして、入力液室5と前輪側出力液室7とが常開のホ
ールドバルブ18を介して第1液路19で接続されるととも
に、前輪側出力液室7は常閉のディケイバルブ20を介し
て第2液路21でリザーバ22に接続され、さらに、このリ
ザーバ22は前記背圧液室6に第3液路23で接続され、こ
の第3液路23にはリザーバ22内のブレーキ液を汲み上げ
て背圧液室6へと送るポンプ24が介挿され、車輪ロック
のおそれが生じたときホールドバルブ18を閉じ、ディケ
イバルブ20を開くよう形成してある。
さらに、各ブレーキ系において、他系統のフロント・
ブレーキ液圧と自己系統のリヤ・ブレーキ液圧の差圧力
に応答して作動し、自己系統の液圧制御装置1に備えた
前記第2逆止弁17を開く補助ピストン装置31をそれぞれ
備えてアンチロック制御装置とした。
〔作用〕
非ブレーキ時、各ブレーキ系の液圧制御装置1におい
て、ピストン4は背圧液室6側に位置し、カットバルブ
部13がシリンダ3のカットバルブシート12から離れて、
前輪側出力液室7と後輪側出力液室8とが連通状態にあ
る。
ブレーキペダルが踏まれると、マスタシリンダ(M/
C)で生じた液圧が入力液室5、ホールドバルブ18、第
1液路19、前輪側出力液室7、後輪側出力液室8へと伝
わり、そこからそれぞれ前輪ブレーキ(FB・L,FB・
R)、後輪ブレーキ(RB・R,RB・L)へと伝達される。
なお、通常後輪ブレーキ(RB・R,RB・L)への液路途
中に前輪ブレーキ液圧の上昇率より後輪ブレーキ液圧の
上昇率を小さく押さえるプロホーショニング(PCV)を
介挿することが好適に行われ、前後輪のブレーキ力の配
分を適正なものにしている。
ここで、左車輪が通過すべき左側の路面の摩擦係数よ
り右車輪が通過すべき右側の路面の摩擦係数の方が高
い、いわゆるスプリットμ路を車両が走行しているもの
とし、第2ブレーキ系において、左後輪が右前輪より先
行してロックに向かったものとする。
以下、便宜上第2ブレーキ系を中心に説明すると、第
1制御サイクルにおいて、左後輪ロックのおそれを検知
したことを条件に、ホールドバルブ18が閉じ、ディケイ
バルブ20が開き、右前輪ブレーキ液、左後輪ブレーキ液
がそれぞれ前輪側出力液室7、後輪側出力液室8、ディ
ケイバルブ20、第2液路21を通ってリザーバ22に吸引さ
れ、右前輪ブレーキ液圧と左後輪ブレーキ液圧が同時に
減圧され、左後輪のロックが回避される。
リザーバ22内のブレーキ液は、ポンプ24で汲み上げら
れて第3液路23から背圧液室6に戻され、その液圧がマ
スタシリンダ液圧Pmより大きくなると第1逆止弁15が開
いてブレーキ液が入力液室5側に流入しマスタシリンダ
(M/C)に戻る。
このとき、ポンプ24による背圧液室6内の液圧を受け
てピストン4に加わる力と、ブレーキ液圧を受けてピス
トン4に加わる力との関係でピストン4が後輪側出力液
室8側に移動し、カットバルブ部13が閉じ、前輪側出力
液室7と後輪側出力液室8とを相互に遮断する。このた
め、左後輪ブレーキ液圧は遮断時の液圧に保持される。
車輪ロックが回避された後には、再度ブレーキ液を加
圧する必要があり、ディケイバルブ20が閉じ、ホールド
バルブ18が開くが、この場合は、ピストン4が第1図の
左側に移動し、カットバルブ部13が閉じているため、左
後輪ブレーキ液圧は保持されたままで上昇せず、右前輪
ブレーキ液圧のみが上昇する。
従って、第2制御サイクル以後、車輪ロックのおそれ
は、左後輪に先行して右前輪に生じることとなる。そし
て、右前輪ロックのおそれを検知して行うアンチロック
制御では、左後輪先行ロックを回避するための減圧に同
期して右前輪ブレーキ液圧を減圧する制御に比べて、必
要以上に減圧するというおそれがない。
ところで、このような制御過程において、左側の路面
の摩擦係数が、右側の路面摩擦係数と同じになったとす
る。
この場合、第2ブレーキ系では、左後輪ブレーキ液圧
を先の状態に保持する必要はなく、むしろ上昇させブレ
ーキ力を確保する必要がある。この要求に応えて第2ブ
レーキ系の補助ピストン装置31は、第1ブレーキ系の左
前輪ブレーキ液圧を受けているため、左前輪ブレーキ液
圧の増加に伴い、第2ブレーキ系の第2逆止弁17を開
き、左後輪ブレーキ液圧の増加を可能にする。
なお、補助ピストン装置31につき、自己系統の前輪ブ
レーキ液圧ではなく、他系統の前輪ブレーキ液圧と自己
系統の後輪ブレーキ液圧との差圧で作動するようにした
理由は、自己系統の前輪ブレーキ液圧で作動するように
すると、左側低μ路であるスプリットμ路で、前記のよ
うに第2ブレーキ系でカットバルブ部13が閉じた後、左
後輪ブレーキ液圧は保持されたままとし、右前輪ブレー
キ液圧のみが上昇するようにしたいにもかかわらず、こ
の右前輪ブレーキ液圧の上昇に伴い、補助ピストン装置
31が作動し、自己系統の第2逆止弁17が開いて、左後輪
ブレーキ液圧も上昇してしまうからである。
なお、本発明で、ホールドバルブ18とディケイバルブ
20を一体型に形成してもよいことはもちろんである。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
<実施例1> まず、第1の実施例を第1図に基づいて説明する。
左前輪と右後輪を制動する第1ブレーキ系と右前輪と
左後輪を制動する第2ブレーキ系とが独立している2チ
ャンネル方式において、両ブレーキ系にそれぞれブレー
キ液圧を供給するタンデム型マスタシリンダ(M/C)が
設けられている。
そして、このマスタシリンダ(M/C)と左前輪ブレー
キ(FB・L)及び右後輪ブレーキ(RB・R)との間、ま
た、マスタシリンダ(M/C)と右前輪ブレーキ(FB・
R)及び左後輪ブレーキ(RB・L)との間に液圧制御装
置1,1がそれぞれ介挿されている。そして、各液圧制御
装置1,1は一体に形成されている。
ここで、両ブレーキ系に設けられる各液圧制御装置は
同一であるため、以下、右前輪と左後輪を制動する第2
ブレーキ系の液圧制御装置1を中心に説明する。
この液圧制御装置1は、装置本体2内にシリンダ3を
有し、このシリンダ3内に、径大部4aとこの径大部4aの
前方に突き出た径小部4bとでなる段付ピストン4を有し
ている。以下、段付ピストン4の径小部4b側を前、径大
部4a側を後として説明する。
そして、シリンダ3内には前記段付ピストン4の径大
部4aと径小部4bとの間にマスタシリンダ(M/C)からの
液圧を受け入れる入力液室5が形成されているととも
に、径大部4aの背後には背圧液室6が形成され、また、
径小部4bの前方には右前輪ブレーキ(FB・R)に接続さ
れる前輪側出力液室7と左後輪ブレーキ(RB・L)に接
続される後輪側出力液室8とが形成されている。
また、入力液室5内にスプリング11が設けられ、段付
ピストン4がこのスプリング11で背圧液室6側に付勢さ
れている。
さらに、前輪側出力液室7と後輪側出力液室8とは、
段付ピストン4が背圧液室6側に位置しているとき相互
に連通している。また、段付ピストン4の径小部4bの前
部には、段付ピストン4が前方に移動したとき、シリン
ダ3に設けたカットバルブシート12に当接することによ
り前輪側出力液室7と後輪側出力液室8とを相互に遮断
するカットバルブ部13が形成されている。
また、径大部4aを貫通して背圧液室6と入力液室5と
を結ぶ第1連通路14が設けられ、この第1連通路14の途
中に背圧液室6側から入力液室5側に向かう方向を順方
向とする第1逆止弁15が介挿されている。この第1逆止
弁15は、セットスプリング15aでボール15bを弁座に着座
させて第1連通路14を閉じたものである。
一方、前記径小部4bの前部を貫通して、前輪側出力液
室7と後輪側出力液室8とを結ぶ第2連通路16が設けら
れ、この第2連通路16の途中に後輪側出力液室8側から
前輪側出力液室7側に向かう方向を順方向とする第2逆
止弁17が介挿されている。この第2逆止弁17も、第1逆
止弁15と同様に、セットスプリング17aでボール17bを弁
座に着座させて第2連通路16を閉じたものである。
そして、入力液室5と前輪側出力液室7とが、常開の
ホールドバルブ18を介して第1液路19で接続されてい
る。このホールドバルブ18は、連通部18aと遮断部18bと
を有していてこれらを切り換えて開閉するもので、遮断
部18bは前輪側出力液室7側から入力液室5側に向かう
方向を順方向とする逆止弁となっている。
さらに、前輪側出力液室7は常閉のディケイバルブ20
を介して第2液路21でリザーバ22に接続されている。そ
して、このリザーバ22は前記背圧液室6に第3液路23で
接続され、この第3液路23にはリザーバ22内のブレーキ
液を汲み上げて背圧液室6へと送るポンプ24が介挿され
ている。
これらホールドバルブ18、ディケイバルブ20は電磁バ
ルブであり、マイクロコンピュータによる制御装置(EC
U)に電気的に接続されている。この制御装置(ECU)に
は前記ポンプ24の他、前後各車輪毎に設けた車輪速度セ
ンサ(S)も接続され、各車輪速度センサ(S)からの
信号をもとに車輪ロックのおそれがあるか否かを制御装
置(ECU)が判断するようになっている。
さらに、各ブレーキ系において、他系統の前輪ブレー
キ液圧と自己系統の後輪ブレーキ液圧との差圧で作動し
て自己系統の液圧制御装置に備えた前記第2逆止弁17を
開く補助ピストン装置31がそれぞれ設けられている。す
なわち、各、第2逆止弁17の前方の液圧制御装置本体2
内にそれぞれ補助室32が設けられ、各補助室32内に補助
ピストン33が備えられ、その軸部33aがシリンダ40に嵌
合している。そして、各補助ピストン33から、第2逆止
弁17のボール17bに向かってプッシュロッド34が突出し
て設けられている。また、各補助ピストン33は、スプリ
ング35でボール17bから退行する方向に向かって付勢さ
れている。そして、補助室32は、自己の属さない他系統
の第1液路19に第4液路36で接続され、他系統の前輪ブ
レーキ液圧が後輪側出力液室8内の後輪ブレーキ液圧と
スプリング35との和を上回ったときに、補助ピストン33
が移動し、プッシュロッド34をボール17bに向かって進
出させるようになっている。そして、カットバルブ部13
が閉じた状態で、プッシュロッド34が進出した時にプッ
シュロッド34の先端がボール17bに当接してこれを押し
て第2連通路16を開くようになっている。
なお、後輪側出力液室8と後輪ブレーキ(RB・L,RB・
R)との間には、前輪のブレーキ液圧の上昇率よりも後
輪のブレーキ液圧の上昇率を小さく押さえるプロポーシ
ョニングバルブ(PCV)が介挿してある。
次に、この実施例のアンチロック制御装置の動作例を
説明する。
非ブレーキ時、段付ピストン4は背圧液室6側に位置
し、シリンダ3のカットバルブシート12からカットバル
ブ部13が離れて開き、前輪側出力液室7と後輪側出力液
室8とが連通状態となっている。
そして、左側車輪の通過する左側路面の摩擦係数μが
右側車輪の通過する右側路面の摩擦係数μよりも低いス
プリット路面に車両が差し掛かったものとする。走行中
にブレーキペダルが踏まれると、マスタシリンダ(M/
C)で生じた液圧が入力液室5、ホールドバルブ18、第
1液路19、前輪側出力液室7、後輪側出力液室8へと伝
わり、そこからそれぞれ前輪ブレーキ(FB・L,FB・
R)、後輪ブレーキ(RB・L,RB・R)へと伝達され制動
が行われる。
ここで、プロポーショニングバルブ(PCV)の存在に
より、後輪ブレーキ力が前輪ブレーキ力より小さい値に
制御されているため、通常の路面ならば、後輪が前輪に
先行してロックするおそれはないが、前記したような路
面では第2ブレーキ系では左後輪が右前輪より先行して
ロックに向かう場合があり、第1ブレーキ系では左前輪
が右後輪に先行してロックに向かう。
まず、第2ブレーキ系では、左後輪に車輪ロックおそ
れが生じた場合、それを検知したことを条件に、制御装
置(ECU)からの指令でホールドバルブ18が閉じ、ディ
ケイバルブ20が開く。すると、右前輪ブレーキ液、左後
輪ブレーキ液がそれぞれ前輪側出力液室7、後輪側出力
液室8、ディケイバルブ20、第2液路21を通ってリザー
バ22に吸引され、右前輪ブレーキ液圧と左後輪ブレーキ
液圧が同時に減圧され、左後輪のロックが回避される。
リザーバ22内のブレーキ液は、ポンプ24で汲み上げら
れて第3液路23から背圧液室6に戻され、その液圧Paが
マスタシリンダ液圧Pmより大きくなると(正確にはPa・
C>Pm・C+F2となった場合:C=第1逆止弁15のシート
部面積、F2=セットスプリング15aの力)第1逆止弁15
が開いてブレーキ液が入力室側に流入しマスタシリンダ
(M/C)に戻る。
このとき、段付ピストン4の径大部4aの断面積Aに加
わる、ポンプ24による背圧液室6内の液圧Paと、段付ピ
ストン4の径小部4bの断面積Bに加わるブレーキ液圧Pb
1と、スプリング11の力F1との関係が、 Pa・A>Pb1・B+F1+Pm(A−B) となったことを条件に、段付ピストン4が後輪側出力液
室8側(第1図の左側)に移動し、カットバルブ部13が
シリンダ3のカットバルブシート12に当接し、前輪側出
力液室7と後輪側出力液室8とを相互に遮断する。この
ため、左後輪ブレーキ液圧の減圧は第2逆止弁17より可
能だが、増圧は不能となる。
左後輪、右前輪のロックが回避された後には、再度ブ
レーキ液圧を加圧する必要があり、制御装置(ECU)か
らの指令でディケイバルブ20が閉じホールドバルブ18が
開くが、この場合は、段付ピストン4が第1図の左側に
移動し、カットバルブ部13が閉じているため、左後輪ブ
レーキ液圧は保持されたままで上昇せず、右前輪ブレー
キ液圧のみが上昇する。
従って、第2制御サイクル以後、車輪ロックのおそれ
は、右前輪に生じることとなる。そして、右前輪ロック
のおそれを検知して行うブレーキ液圧の減圧は、もとも
と右前輪ロックを回避するためのものであるから、左後
輪の先行ロックを回避するための減圧に同期して右前輪
ブレーキ液圧を減圧する場合に比べて、当然のことなが
ら必要以上に右前輪ブレーキ液圧を減圧するというおそ
れがない。
ここで、第2制御サイクル以後のアンチロック制御は
カットバルブ部13が閉じたままで行われるが、前輪側出
力液室7内のブレーキ液圧Pbfが減圧されて、後輪側出
力液室8内のブレーキ液圧Pbrより小さくなった場合
(正確にはPbf・D+F3<Pbr・Dとなった場合:D=第2
逆止弁17のシート部面積、F3=セットスプリング17aの
力)は、第2逆止弁17が開いてブレーキ液圧Pbrも減圧
される。
次に、第1ブレーキ系では摩擦係数μの小さい左路面
上の左前輪が当然のことながら右後輪に先行してロック
傾向となる。左前輪ロックのおそれを検知したことで、
先と同様にホールドバルブ18が閉じ、ディケイバルブ20
が開き、左前輪ブレーキ液、右後輪ブレーキ液がそれぞ
れリザーバ22に吸引されて液圧が減圧され、左前輪のロ
ックが回避される。
リザーバ22内のブレーキ液は、ポンプ24で背圧液室6
に戻され、その液圧がマスタシリンダ液圧Pm(正確には
マスタシリンダ液圧Pm+第1逆止弁15のセットスプリン
グ15aの力)より大きくなると第1逆止弁15が開いてブ
レーキ液が入力室側に流入しマスタシリンダ(M/C)に
戻るとともに、このとき、段付ピストン4が先と同様に
第1図の右側に移動しカットバルブ部13が閉じて、右後
輪ブレーキ液圧を保持する。
なお、この場合も左前輪のロックが回避された後に
は、再度ディケイバルブ20が閉じホールドバルブ18が開
き、ブレーキ液圧が加圧上昇される。
以上説明したように、本装置では、一度減圧動作した
のちの再加圧時には、カットバルブ部13が閉じているた
め、後輪ブレーキ液圧は再度上昇しないのが原則であ
る。しかし、このような状態において、車両の走行路の
路面摩擦係数が、前記の状態から左側の路面の摩擦係数
が、右側の路面摩擦係数と同じになった場合、第2ブレ
ーキ系では、左後輪ブレーキ液圧を先の状態に保持する
必要はなく、むしろ上昇させる必要がある。
この場合、第2ブレーキ系の補助室32に第1ブレーキ
系の左前輪ブレーキ液圧が入力され、左前輪ブレーキ液
圧の増加に伴い、第2ブレーキ系補助ピストン33を図の
右側に移動させるため、プッシュロッド34が第2逆止弁
17を開き、第2連通路16を介して左後輪ブレーキ液圧を
増加させる。よって、車両全体としての制動力を最大限
確保できる。
<実施例2> 第2図は本発明の第2実施例であり、左前輪ブレーキ
(FB・L)と右後輪ブレーキ(RB・R)とを制御する第
1ブレーキ系の液圧制御装置1を示し、他系統について
は対象的な構造のため図示を省略している。
この実施例において、シリンダ3′内で摺動するピス
トン4′は段付となっておらず、また、ピストン4′の
右端と壁部3″との間にスプリング11′が設けられてい
る点で先の実施例と異なる。従って、ピストン4′が段
付形状となっていないため、先の実施例よりアンチロッ
ク制御中におけるマスタシリンダへの液戻し量は少なく
なる。なお、その他の作用効果については先の実施例と
同一である。
<実施例3> また、実施例1では、第2連通路16を、径小部4bの前
部を貫通して設け、この第2連通路16の途中に第2逆止
弁17を設け、これに対向して、補助ピストン装置31を液
圧制御装置1に組み込んでいるが、前輪側出力液室7と
後輪側出力液室8とを結ぶ液路を液圧装置1の外部に設
けて、この液路の途中に第2逆止弁17を設け、これに対
向して、補助ピストン装置31を液圧制御装置1と別体に
設けてもよい。
〔発明の効果〕
以上、本発明によれば、一度目の車輪ロック信号によ
りアンチロック制御に入って、ブレーキ液圧が減圧され
た後は、カットバルブ部が閉じて、後輪ブレーキ液圧を
保持することにより、前輪が後輪に先行してロック傾向
となるように前後のブレーキ力が配分されるので、その
後のアンチロック制御により前輪ブレーキ液圧が必要以
上に下げられることはなく、車両全体としての制動力を
十分確保でき、制動距離を短くできる。
しかも、他系統の前輪ブレーキ液圧と自己系統のブレ
ーキ液圧との差圧で動作する補助ピストン装置で第2逆
止弁を開くことができるようにしたため、必要に応じて
保持されていた後輪ブレーキ液圧の増圧も可能になり、
路面状況に応じた適切な制動力の確保が可能になった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例を示した液圧系統図、第2
図は第2実施例を示した図である。 (M/C)……マスタシリンダ、(FB・L)……左前輪ブ
レーキ、(FB・R)……右前輪ブレーキ、(RB・L)…
…左後輪ブレーキ、(RB・R)……右後輪ブレーキ、1
……液圧制御装置、3,3′……シリンダ、4,4′……ピス
トン、5……入力液室、6……背圧液室、7……前輪側
出力液室、8……後輪側出力液室、13……カットバルブ
部、14……第1連通路、15……第1逆止弁、16……第2
連通路、17……第2逆止弁、18……ホールドバルブ、19
……第1液路、20……ディケイバルブ、21……第2液
路、22……リザーバ、23……第3液路、24……ポンプ、
31……補助ピストン装置。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マスタシリンダ(M/C)で発生した液圧を
    左前輪ブレーキ(FB・L)と右後輪ブレーキ(RB・R)
    とにそれぞれ伝達する第1ブレーキ系と、マスタシリン
    ダ(M/C)で発生した液圧を右前輪ブレーキ(FB・R)
    と左後輪ブレーキ(RB・L)とにそれぞれ伝達する第2
    ブレーキ系とを独立して備え、各ブレーキ系はそれぞれ
    液圧制御装置1を有し、各液圧制御装置1は、ピストン
    4をシリンダ3内に有し、シリンダ3内にはマスタシリ
    ンダ(M/C)からの液圧を受け入れる入力液室5が形成
    されているとともに、前記ピストン4の一端に背圧液室
    6が形成され、また、前記ピストン4の他端に前輪ブレ
    ーキ(FB・L,FB・R)に接続される前輪側出力液室7と
    後輪ブレーキ(RB・L,RB・R)に接続される後輪側出力
    液室8とが形成され、この前輪側出力液室7と後輪側出
    力液室8とは、前記ピストン4が背圧液室6側に位置し
    ているとき相互に連通していて、また、前記ピストン4
    が後輪側出力室8の方へ移動したとき、前輪側出力液室
    7と後輪側出力液室8とを相互に遮断するカットバルブ
    部13が形成され、また、背圧液室6と入力液室5とを結
    ぶ第1連通路14が前記ピストン4に設けられ、この第1
    連通路14の途中に背圧液室6側から入力液室5側に向か
    う方向を順方向とする第1逆止弁15が介挿されており、
    一方、前輪側出力液室7と後輪側出力液室8とを結ぶ第
    2連通路16が設けられ、この第2連通路16の途中に後輪
    側出力液室8側から前輪側出力液室7側に向かう方向を
    順方向とする第2逆止弁17が介挿されており、そして、
    入力液室5と前輪側出力液室7とが常開のホールドバル
    ブ18を介して第1液路19で接続されるとともに、前輪側
    出力液室7は常閉のディケイバルブ20を介して第2液路
    21でリザーバ22に接続され、さらに、このリザーバ22は
    前記背圧液室6に第3液路23で接続され、この第3液路
    23にはリザーバ22内のブレーキ液を汲み上げて背圧液室
    6へと送るポンプ24が介挿され、車輪ロックのおそれが
    生じたときホールドバルブ18を閉じ、ディケイバルブ20
    を開くよう形成してあり、さらに、各ブレーキ系におい
    て、他系統のフロント・ブレーキ液圧と自己系統のリヤ
    ・ブレーキ液圧の差圧力に応答して作動し、自己系統の
    液圧制御装置1に備えた前記第2逆止弁17を開く補助ピ
    ストン装置31をそれぞれ備えたことを特徴とするアンチ
    ロック制御装置。
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