JP2642891B2 - 非耐力壁構築用台座及び、該台座を用いた非耐力壁の構築方法 - Google Patents

非耐力壁構築用台座及び、該台座を用いた非耐力壁の構築方法

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JP2642891B2
JP2642891B2 JP2114095A JP2114095A JP2642891B2 JP 2642891 B2 JP2642891 B2 JP 2642891B2 JP 2114095 A JP2114095 A JP 2114095A JP 2114095 A JP2114095 A JP 2114095A JP 2642891 B2 JP2642891 B2 JP 2642891B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構造物において非耐力
壁を構築する際に適用する非耐力壁構築用台座及び、該
台座を用いた非耐力壁の構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄骨造等の構造物において非耐力
壁を設置するには、該非耐力壁が外壁等である場合に
は、予め工場等で製造されたPC壁部材を、該構造物に
おける所定の壁設置場所にクレーン等で揚重運搬し、運
搬された前記PC壁部材を該壁設置場所にファスナ等を
介して接合取付けする形で設置していた。ところが、設
置すべき非耐力壁が前記構造物内の仕切壁等である場合
には、該仕切壁等を設置すべき壁設置場所の上方にスラ
ブ等を構築してしまった後には、PC壁部材を前記スラ
ブ等の下にある壁設置場所にクレーン等で揚重運搬する
ことが上方のスラブが障害となって困難であった。また
PC壁部材は大型で大重量のものが多くクレーン等を使
用せずに運搬することが困難であった。このためPC壁
部材の揚重運搬を壁設置場所の上方のスラブ等を構築す
る前に行わなければならないという形で作業工程が制約
され、臨機応変な作業の進行が困難となり不都合であっ
た。そこで設置すべき非耐力壁が前記構造物内の仕切壁
等である場合には、従来は、クレーン等を使用せずに資
材を運搬できることから、該仕切壁を乾式工法・ブロッ
ク積みなどによって構築設置していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、PC壁部材等
のコンクリートでできた外壁等と、ブロックでできた仕
切壁等とでは壁面の質感が異なっているため、特に内装
材を使用しない場合には、室内の壁面の質感が不均一と
なり美観を損ねていた。また、コンクリートでできた外
壁等と、ブロックでできた仕切壁等とでは壁面の凹凸状
態が異なっているため、これら壁面にモルタルを介して
タイル等を敷設した場合にも、これら壁面では、敷設さ
れたタイルに凹凸状態の差異が生じる。つまり、室内の
タイルの敷設状態が不均一となり美観を損ねていた。こ
のように、構造物内の仕切壁等を非耐力壁として構築す
る際に、クレーン等を使用せずに資材を運搬し、しかも
室内の壁面の質感を均一にし、或いは室内のタイルの敷
設状態を均一にして室内の美観を損なわないことが望ま
れていた。なお、クレーン等を使用せずに資材を運搬
し、しかも室内の壁面の質感を均一にし、或いは、室内
のタイルの敷設状態を均一にすることができる非耐力壁
の構築方法として、この非耐力壁を現場打ちコンクリー
トによって構築する方法が提案されているが、構造物の
梁や柱或いはスラブに対して、構築される非耐力壁の躯
体を柔接合にするため、特に該非耐力壁の躯体の下端側
と構造物の梁或いはスラブとの間の接合方法に工夫が必
要であった。そこで本発明は上記事情に鑑み、構造物に
おいて非耐力壁を構築する際に、クレーン等を使用せず
に資材を運搬できることにより臨機応変な作業の進行を
容易にし、しかも室内の壁面の質感を均一にし、或いは
室内のタイルの敷設状態を均一にして室内の美観を損な
わず、しかも構造物の梁や柱或いはスラブに対する該非
耐力壁の柔接合を容易に実現することができる非耐力壁
構築用台座及び、該台座を用いた非耐力壁の構築方法を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明のうち第一の
発明は、PC部材による壁状本体(110)を有し、前
記壁状本体(110)の下端側にレベル調整手段(1
5)を設け、前記壁状本体(110)にファスナ接続手
段(17)を設け、前記壁状本体(110)の上端側に
打設コンクリート当接部(11a)を形成し、前記壁状
本体(110)に、接続鉄筋(13)を、該接続鉄筋
(13)の先端部が前記打設コンクリート当接部(11
a)から上方に突出する形で埋設して構成される。また
本発明のうち第二の発明は、上下に隣接する水平部材間
(3、5)に鉛直な非耐力壁(7)を構築する際、第一
の発明の非耐力壁構築用台座(11)を前記下側の水平
部材(5)上に、所定の構築位置(KT)に沿って、前
記打設コンクリート当接部(11a)の高さレベル(H
1)を前記レベル調整手段(15)を介して調整する形
で、1個以上立設配置させると共に、該非耐力壁構築用
台座(11)のファスナ接続手段(17)を所定のファ
スナ(16)を介して前記下側の水平部材(5)に対し
て接続し、立設配置された非耐力壁構築用台座(11)
に型枠(26)を設置して、前記打設コンクリート当接
部(11a)の上側に、前記型枠(26)により囲まれ
た壁上部形成空間(27)を形成し、前記型枠(26)
内の壁上部形成空間(27)にコンクリート(KR)を
打設して、前記打設コンクリート当接部(11a)から
上方に突出した接続鉄筋(13)の先端部を埋設する形
で、前記非耐力壁構築用台座(11)の打設コンクリー
ト当接部(11a)の上側に壁上部(12)を形成する
ようにして構成される。なお、( )内の番号等は、図
面における対応する要素を示す、便宜的なものであり、
従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるもので
はない。以下の作用の欄についても同様である。
【0005】
【作用】上記した構成により本発明の第一及び第二の発
明では、非耐力壁構築用台座(11)を下側の水平部材
(5)上の所定の構築位置(KT)に運搬して立設配置
させると共に、該非耐力壁構築用台座(11)のファス
ナ接続手段(17)を所定のファスナ(16)を介して
前記下側の水平部材(5)に対して接続し、立設配置さ
れた非耐力壁構築用台座(1)の打設コンクリート当接
部(11a)の上側にコンクリート(KR)の現場打設
により壁上部(12)を形成する。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1は、本発明による非耐力壁構築用台座を適用し
て構築された非耐力壁である仕切壁の一例を示した側断
面図、図2は、図1のI矢視図、図3は、図1に示す仕
切壁のうち非耐力壁構築用台座付近を拡大した図であ
る。
【0007】構築途中の構造物1は、図1及び図2に示
すように、地盤(図示せず)に立設された複数の鉛直な
鉄骨柱2及び、これら鉄骨柱2によって水平に支持され
た複数の鉄骨梁3からなる所定のラーメン構造体30を
有しており、該ラーメン構造体30には、複数の鉄骨柱
2或いは複数の鉄骨梁3によって支持された形で複数の
コンクリート製のスラブ5が層状に設けられている。な
おラーメン構造体30には、該ラーメン構造体30の図
示しない周囲側部を形成する形で図示しない外壁が設け
られている。またラーメン構造体30内には、図1及び
図2に示すように、隣接したスラブ5、5間の空間であ
るフロア空間6が層状に複数設けられており、各フロア
空間6には、該フロア空間6内部を仕切る形の鉛直な仕
切壁7が設けられている。例えば仕切壁7は図2に示す
ように、隣接する鉄骨柱2、2の間に、2枚の仕切壁
7、7が隣接して配置された形で設けられている。な
お、前記仕切壁7の設けられるフロア空間6の構造上の
床を構成するスラブ5の上面5a側のうち、該仕切壁7
が設けられている位置は所定の構築位置KTとなってい
る。
【0008】仕切壁7は、図1乃至図3に示すように、
表裏面が長方形状の鉄筋コンクリート製の壁部材10を
有しており、壁部材10は所定の高さレベルH1から下
側の部位である台座部11と、前記高さレベルH1から
上側の部位、即ち台座部11の上側の部位である壁上部
12とから構成されている。台座部11はPC部材によ
って構成された鉛直な壁状本体110を有しており、壁
状本体110内には上下方向に伸延した複数の鉄筋13
が埋設されている。なお、これら鉄筋13の上側の先端
側は、壁状本体110の上端部11aから上方に突出し
ている。一方、壁上部12は壁状本体110の上端部1
1aに続いて該壁状本体110の上方に打設構築された
鉄筋コンクリートによって構成されており、従って前記
壁状本体110の複数の鉄筋13のうち上端部11aか
ら上方に突出した部位は壁上部12内に埋設されてい
る。つまり台座部11と壁上部12は、コンクリートの
接触及び、複数の鉄筋13を介して一体的に接合されて
いる。また、壁状本体110の下端部11b側にはレベ
ル調整手段である複数(図2では各壁状本体110につ
き2つづつ)の調整手段15が設けられており、各調整
手段15は壁状本体110の下端部11b側に埋設され
た形のナット部材15aと、該ナット部材15aに螺嵌
されたボルト部材15bから構成されている。ボルト部
材15bは略鉛直な状態でナット部材15aに螺嵌され
ており、ボルト部材15bの下端側は前記床側のスラブ
5の上面5aに当接している。即ち、仕切壁7は複数の
調整手段15のボルト部材15bを介してスラブ5の上
面5aに支持された形で、該スラブ5上に立設され設け
られている。なお、各調整手段15において、ボルト部
材15bのナット部材15aに対する螺嵌の深さを調節
することにより、仕切壁7の設置レベルや傾き等、即ち
壁状本体110の上端部11aの高さレベルH1を適宜
調整することができる。また、仕切壁7はボルト部材1
5bを介してスラブ5の上面5aに支持されているの
で、仕切壁7の下端部11bとスラブ5との間には所定
の縁切り隙間9が形成されている。
【0009】また、台座部11の壁状本体110には支
持金具17が設けられており、支持金具17は、該壁状
本体110の側面(即ち図1及び図3の紙面右側の側
面)から一部を突出させる形で該壁状本体110に埋設
された埋込金具17aを有している。また、支持金具1
7はアングル接続部材17bを有しており、アングル接
続部材17bの一端側は、前記埋込金具17aの突出部
位と溶接接合されている。一方、前記床側のスラブ5に
は、図1及び図3に示すように支持台座16a、台座ピ
ン16b、スペーサ16d等からなる所定のファスナ1
6(即ち公知のカーテンウォール取付用のファスナと同
様のもの)が設けられており、ファスナ16の支持台座
16aはスラブ5の上面5aのうち仕切壁7よりも図1
及び図3の紙面右側の位置に、スラブ5と固定接合した
形で設置されている。ところで、前記アングル接続部材
17bのうち埋込金具17aとは反対側である他端側
は、支持台座16a上にスペーサ16dを介して載置さ
れており、更にアングル接続部材17bと支持台座16
a等との間は、台座ピン16b或いは溶接を介して接合
されている。また、ファスナ16は、図2に示すように
各台座部11に対して2つづつ設けられており、従って
支持金具17は各台座部11に対して2つづつ設けられ
ている。なお、仕切壁7の床側のスラブ5に対する荷重
は全て調整手段15を介して作用していてもよいし、該
荷重の一部或いは全部がファスナ16を介して作用して
いてもよい。
【0010】また、壁上部12には支持金具20が設け
られており、支持金具20は、該壁上部12の側面(即
ち図1及び図3の紙面右側の側面)から一部を突出させ
る形で該壁上部12に埋設された埋込金具20aを有し
ている。また、支持金具20はアングル接続部材20b
を有しており、アングル接続部材20bの一端側は、前
記埋込金具20aの突出部位と溶接接合されている。と
ころで、前記仕切壁7の設けられるフロア空間6の構造
上の天井を構成するスラブ5側の鉄骨梁3が、図1及び
図2に示すように、該仕切壁7が設けられている構築位
置KTに対応した形で、しかも前記仕切壁7、7が隣接
する2つの鉄骨柱2、2の間に亙って、従ってこれら仕
切壁7、7の壁面に沿った形で直線状に伸延配置されて
いる。また、この鉄骨梁3は、前記ファスナ16の略真
上の位置に配置されており、従って該鉄骨梁3は仕切壁
7に対し図1の紙面右側に隣接した形で位置している。
そして、この鉄骨梁3には、図1及び図2に示すように
支持台座19a、台座ピン19b、スペーサ19d等か
らなる所定のファスナ19(上述したファスナ16と同
様のもの)が設けられており、ファスナ19の支持台座
19aは鉄骨梁3の下端側に固定接合した形で垂設され
ている。前記アングル接続部材20bのうち埋込金具2
0aとは反対側である他端側は、支持台座19aも下端
側にスペーサ19dを介して配置されており、更にアン
グル接続部材20bと支持台座19a等との間は、台座
ピン19b或いは溶接を介して接合されている。なお、
ファスナ19は、図2に示すように各壁上部12に対し
て2つづつ設けられており、従って支持金具20は各壁
上部12に対して2つづつ設けられている。
【0011】なお、仕切壁7、7とこれら仕切壁7、7
にそれぞれ隣接する鉄骨柱2、2との間には所定の縁切
り隙間21、21が設けられており、各仕切壁7と該仕
切壁7の上側に隣接するスラブ5との間には所定の縁切
り隙間22が設けられている。但し、壁上部12と鉄骨
梁3との間は直接接触していない。更に仕切壁7、7間
にも所定の隙間29が設けられている。仕切壁7の躯体
である壁部材10は以上のように、該仕切壁7の周囲の
スラブ5、鉄骨柱2、鉄骨梁3等とは直接には接合され
ておらず、床側のスラブ5及び天井側の鉄骨梁3にファ
スナ16、19等を介して柔接合されている。即ち仕切
壁7は非耐力壁となっている。
【0012】構造物1及び、仕切壁7等は以上のように
構成されているので、本発明を適用して非耐力壁である
仕切壁7を構築すると以下のようになる。即ち、構造物
1の構築において、鉄骨柱2及び鉄骨梁3からなるラー
メン構造体30を構築し、該ラーメン構造体30に複数
層のスラブ5を構築した後、各フロア空間6において仕
切壁7を構築する。なお、スラブ5を構築する際に、各
スラブ5の上面5a側に、仕切壁7を構築すべき所定の
構築位置KTに対応する形でファスナ16の支持台座1
6aを該スラブ5のコンクリートに埋込固定させる形で
予め設置しておく。また、前記所定の構築位置KTに対
応した位置の鉄骨梁3には、ファスナ19の支持台座1
9aを予め垂設設置しておく。仕切壁7の構築では、ま
ず仕切壁7を構築すべきフロア空間6の所定の構築位置
KTに、工場等において製造されたPC部材からなる台
座部11を運搬する。台座部11の大きさ及び重量は構
築される仕切壁7に比べて極力小さくなっているため、
台座部11の運搬は、構造物1に仮設されている図示し
ない仮設リフト等を介して容易に行われる。
【0013】次いで、運搬された台座部11を床側のス
ラブ5の上面5aに、前記所定の構築位置KTに沿っ
て、複数の調節手段15を介して立設配置させる。ま
た、各調節手段15のボルト部材15bのナット部材1
5aに対する螺嵌の深さを適宜調節することによって、
台座部11の上端部11aの高さレベルH1を調節す
る。例えば、図2に示すように、2つの台座部11、1
1を隣接して配置する場合には、隣接した両台座部1
1、11の上端部11a、11a間で高さレベルH1、
H1が等しくなるように調整する。調整と共に、支持金
具17のアングル接続部材17bのうち、埋込金具17
aとは反対側を支持台座16a上に、該アングル接続部
材17bと該支持台座16aとの間にあいている隙間を
スペーサ16dによって詰める形で載置し、これらアン
グル接続部材17bと支持台座16aとの間を溶接或い
は台座ピン16bを介して接合する。接合により台座部
11が構築位置KTに設置された。なお、台座部11に
は、該台座部11の側面(図1及び図3の紙面右側の側
面)に接続部23aを突出させた所定の固定金具23が
埋設されており、該固定金具23の接続部23aにはワ
イヤ25の一端が接続されている。即ち、台座部11が
構築位置KTに設置された後、前記固定金具23のワイ
ヤ25の他端(図示せず)を床側のスラブ5等に接続固
定する。なお、構築位置KTに設置された直後の台座部
11は、その重心がやや図3の紙面左側寄りになるよう
に設置されており、前記ワイヤ25には台座部11の図
3の紙面左側への傾きを支えようとする形で張力が作用
している。
【0014】台座部11を構築位置KTに設置した後、
該台座部11の上方に打設構築されるべき壁上部12に
対する型枠26を図1及び図2(図2においては紙面正
面側に配置されている型枠26を省略して示している)
の二点鎖線に示すように該台座部11に設置すると共
に、打設構築されるべき壁上部12に対する配筋(図示
せず)を行う。台座部11の上端部11aの上方には型
枠26によって囲まれた壁上部形成空間27が形成され
た。また、型枠26の設置と配筋を行うと共に、型枠2
6により囲まれた壁上部形成空間27内の所定の位置に
支持金具20の埋込金具20aを配置する。前記所定の
位置に埋込金具20aを配置することにより、支持金具
20のアングル接続部材20bのうち、埋込金具20a
とは反対側が、天井側の前記鉄骨梁3に予め設置されて
いるファスナ19の支持台座19aに対応して配置され
る。次いで、支持台座19aに対応して配置されたアン
グル接続部材20bと前記支持台座19aとの間にあい
ている隙間をスペーサ19dによって詰める形で、これ
らアングル接続部材20bと支持台座19aとの間を溶
接或いは台座ピン19bを介して接合する。
【0015】次いで、型枠26内にコンクリートKRを
打設して壁上部形成空間27を充填し、従ってコンクリ
ートKRにより台座部11の上端部11a上方に突出し
た鉄筋13を埋設し、壁上部形成空間27内に配置され
た支持金具20の埋込金具20a等を埋設する。なお、
構築位置KTに設置されている台座部11は、上述した
ようにその重心がやや図3の紙面左側寄りになるように
設置されており、従って台座部11に型枠26を設置し
たり、型枠26内の壁上部形成空間27にコンクリート
KRを打設することにより、台座部11及び型枠26等
はより一層大きな力で図3の紙面左側へ傾こうとする。
しかし、台座部11は前記ワイヤ25を介して床側のス
ラブ5等に接続され支持されているので、台座部11及
び型枠26等が図3の紙面左側へ転倒することは防止さ
れている。その後打設したコンクリートKRが固結して
壁上部12となった後、前記型枠26を取外し、前記固
定金具23と床側のスラブ5等を接続していたワイヤ2
5を取外す(台座部11はファスナ16を介してスラブ
5に接合されており、壁上部12はファスナ19を介し
て鉄骨梁3に接合されているので、ワイヤ25を取外し
ても仕切壁7が転倒することはない。)。以上で仕切壁
7の構築が完了した。
【0016】なお、上述した実施例では、仕切壁7の構
築前にファスナ19の支持台座19aを予め鉄骨梁3に
設置したが、ファスナ19の支持台座19aを設置する
作業は、台座部11に型枠26を設置する際などに行っ
てもよいし、仕切壁7の構築完了後に行ってもよい。ま
た、支持金具20のアングル接続部材20bと支持台座
19aとの間の接続も、上述した実施例のように台座部
11に型枠26を設置する際などに行ってもよいし、仕
切壁7の構築完了後に行ってもよい。
【0017】また、上述した型枠26等の型枠は押出し
発泡ポリスチレンによる成形材からなるものを使用して
もよい。この場合型枠の取外しは、該押出し発泡ポリス
チレンを適宜な薬品で溶融除去し、或いは焼却除去する
形で容易に行える。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように本発明のうち第一の
発明は、PC部材による壁状本体110等の壁状本体を
有し、前記壁状本体の下端側に調整手段15等のレベル
調整手段を設け、前記壁状本体に支持金具17等のファ
スナ接続手段を設け、前記壁状本体の上端側に上端部1
1a等の打設コンクリート当接部を形成し、前記壁状本
体に、鉄筋13等の接続鉄筋を、該接続鉄筋の先端部が
前記打設コンクリート当接部から上方に突出する形で埋
設して構成されるので、本発明による非耐力壁構築用台
座を用いて、構造物1等における上下に隣接する鉄骨梁
3、スラブ5等の水平部材間に鉛直な仕切壁7等の非耐
力壁を構築する際には、該非耐力壁構築用台座を前記下
側の水平部材上の所定の構築位置KTに運搬し、運搬し
た非耐力壁構築用台座を該構築位置KTに沿って、前記
打設コンクリート当接部の高さレベルH1を前記レベル
調整手段を介して調整する形で立設配置させると共に、
該非耐力壁構築用台座のファスナ接続手段を所定のファ
スナ16等を介して前記下側の水平部材に対して接続
し、立設配置された非耐力壁構築用台座に型枠26を設
置して、前記打設コンクリート当接部の上側に、前記型
枠により囲まれた壁上部形成空間27を形成し、前記型
枠内の壁上部形成空間にコンクリートを打設して、前記
打設コンクリート当接部から上方に突出した接続鉄筋の
先端部を埋設する形で、前記非耐力壁構築用台座の打設
コンクリート当接部の上側に壁上部12を形成するよう
にする。即ち、構築される非耐力壁は本発明による非耐
力壁構築用台座と現場打設されるコンクリートからなる
ので、非耐力壁構築用台座は構築される非耐力壁よりも
小型でかつ軽量となる。つまり、本発明による非耐力壁
構築用台座は従来の非耐力壁用のPC壁部材に比べて小
型でかつ軽量となるため、クレーン等を使用せずに(例
えば仮設のリフト等を介して)構造物1等の所定の構築
位置KTに運搬することが容易になる。また、非耐力壁
を構築する際に用いる資材は、本発明による非耐力壁構
築用台座のほかに、型枠26や打設用のコンクリート等
であり、これら型枠26や打設用のコンクリートもクレ
ーン等を使用せずに運搬することができる。従って、仕
切壁7等の非耐力壁を構築するための資材の運搬は、該
非耐力壁の構築位置KTの上方のスラブ等を構築する前
でも構築した後でも同様に容易に行われ、よって作業工
程上の制約がなくなり、臨機応変な作業の進行が容易に
なる。また、本発明による非耐力壁構築用台座を用いて
構築された仕切壁7等の非耐力壁は、PC部材と現場打
設されるコンクリートからなるので、該構築された非耐
力壁の壁面は全面がコンクリート壁面となる。即ち、仕
切壁7等の非耐力壁の壁面と、PC壁部材等のコンクリ
ートでできた外壁等とでは壁面の質感が同じであるた
め、内装材を使用しない場合には、室内の壁面の質感が
均一となり美観が損なわれない。また、仕切壁7等の非
耐力壁の壁面と、PC壁部材等のコンクリートでできた
外壁等とでは壁面の凹凸状態も同じであるため、これら
壁面にモルタルを介してタイル等を敷設した場合にも、
これら壁面では、敷設されたタイルに凹凸状態の差異が
生じない。つまり、室内のタイルの敷設状態が均一とな
り美観を損ねない。更に、本発明による非耐力壁構築用
台座の壁状本体はPC部材からなるため、該壁状本体
と、構造物1のスラブ5等である前記下側の水平部材と
の間は、ファスナ接続手段及び、所定のファスナ16に
よって容易に柔接合できる。つまり、構築される非耐力
壁の躯体と、前記下側の水平部材との間の柔接合は容易
に実現される。
【0019】また本発明のうち第二の発明は、上下に隣
接する鉄骨梁3、スラブ5等の水平部材間に鉛直な仕切
壁7等の非耐力壁を構築する際、第一の発明の非耐力壁
構築用台座を前記下側の水平部材上に、構築位置KT等
の所定の構築位置に沿って、前記打設コンクリート当接
部の高さレベルH1等の高さレベルを前記レベル調整手
段を介して調整する形で、1個以上立設配置させると共
に、該非耐力壁構築用台座のファスナ接続手段をファス
ナ16等の所定のファスナを介して前記下側の水平部材
に対して接続し、立設配置された非耐力壁構築用台座に
型枠26等の型枠を設置して、前記打設コンクリート当
接部の上側に、前記型枠により囲まれた壁上部形成空間
27等の壁上部形成空間を形成し、前記型枠内の壁上部
形成空間にコンクリートKR等のコンクリートを打設し
て、前記打設コンクリート当接部から上方に突出した接
続鉄筋の先端部を埋設する形で、前記非耐力壁構築用台
座の打設コンクリート当接部の上側に壁上部12等の壁
上部を形成するようにして構成される。即ち、本発明を
適用して非耐力壁を構築する際、構築用の資材として
は、従来の非耐力壁用のPC壁部材に比べて小型でかつ
軽量な非耐力壁構築用台座及び、型枠や打設用のコンク
リート等を使用し、これら資材はクレーン等を使用せず
に容易に運搬することができる。従って、本発明によれ
ば、仕切壁7等の非耐力壁を構築するための資材の運搬
は、構築位置の上方のスラブ等を構築する前でも構築し
た後でも同様に容易に行われ、よって作業工程上の制約
がなくなり、臨機応変な作業の進行が容易になる。ま
た、本発明を適用して構築された非耐力壁の壁面は全面
がコンクリート壁面となるので、本発明により構築され
た仕切壁7等の非耐力壁の壁面と、PC壁部材等のコン
クリートでできた外壁等とでは壁面の質感が同じである
ため、内装材を使用しない場合にも、これら壁面にモル
タルを介してタイル等を敷設する場合にも、室内の美観
を損ねない。更に、PC部材からなる壁状本体と、構造
物1のスラブ5等である前記下側の水平部材との間は、
ファスナ接続手段及び、所定のファスナによって容易に
柔接合できるので、構築される非耐力壁の躯体と、前記
下側の水平部材との間の柔接合は容易に実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による非耐力壁構築用台座を適
用して構築された非耐力壁である仕切壁の一例を示した
側断面図である。
【図2】図2は、図1のI矢視図である。
【図3】図3は、図1に示す仕切壁のうち非耐力壁構築
用台座付近を拡大した図である。
【符号の説明】
3……水平部材(鉄骨梁) 5……水平部材(スラブ) 7……非耐力壁(仕切壁) 11……非耐力壁構築用台座(台座部) 11a……打設コンクリート当接部(上端部) 12……壁上部 13……接続鉄筋(鉄筋) 15……レベル調整手段(調整手段) 16……ファスナ 17……ファスナ接続手段(支持金具) 26……型枠 27……壁上部形成空間 110……壁状本体 H1……高さレベル KR……コンクリート KT……構築位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 昭光 東京都千代田区岩本町3丁目10番1号 三井建設株式会社内 (72)発明者 高橋 利郎 東京都千代田区岩本町3丁目10番1号 三井建設株式会社内 (72)発明者 野口 善保 東京都千代田区岩本町3丁目10番1号 三井建設株式会社内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】PC部材による壁状本体を有し、 前記壁状本体の下端側にレベル調整手段を設け、 前記壁状本体にファスナ接続手段を設け、 前記壁状本体の上端側に打設コンクリート当接部を形成
    し、 前記壁状本体に、接続鉄筋を、該接続鉄筋の先端部が前
    記打設コンクリート当接部から上方に突出する形で埋設
    して構成した非耐力壁構築用台座。
  2. 【請求項2】上下に隣接する水平部材間に鉛直な非耐力
    壁を構築する際、 請求項1記載の非耐力壁構築用台座を前記下側の水平部
    材上に、所定の構築位置に沿って、前記打設コンクリー
    ト当接部の高さレベルを前記レベル調整手段を介して調
    整する形で、1個以上立設配置させると共に、該非耐力
    壁構築用台座のファスナ接続手段を所定のファスナを介
    して前記下側の水平部材に対して接続し、 立設配置された非耐力壁構築用台座に型枠を設置して、
    前記打設コンクリート当接部の上側に、前記型枠により
    囲まれた壁上部形成空間を形成し、 前記型枠内の壁上部形成空間にコンクリートを打設し
    て、前記打設コンクリート当接部から上方に突出した接
    続鉄筋の先端部を埋設する形で、前記非耐力壁構築用台
    座の打設コンクリート当接部の上側に壁上部を形成する
    ようにして構成した、非耐力壁施工用台座を用いた非耐
    力壁の構築方法。
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