JP2642354B2 - 徐放性バッカル剤の製法 - Google Patents

徐放性バッカル剤の製法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はバッカル剤、即ち口腔粘膜に接着投与され、
主剤である薬物が粘膜を経て吸収される形式の固形製剤
の製法に係り、殊に本来単独では爆発性を有する全身作
用性薬物の薬効が長時間に亘り持続する、徐放性バッカ
ル剤の製法に係る。
(従来の技術) 薬物の放出を制御して薬効を持続させる、所謂「持続
性製剤」は既に知られており、その投与/吸収ルートと
しては内服/消化管ルート、貼付/経皮ルート及び口腔
粘膜経由ルートがある。
これらのルートの内で内服投与剤の徐放化については
各種の提案がなされてきており、その技術も既にほぼ確
立されるに至っている。貼付投与剤については、初回肝
通過効果の大きい薬物に関して近年薬物の徐放化のみな
らず、経皮適用によるバイオアベイラビリティー(生体
による利用率)の向上が唱えられて硬膏剤及び軟膏剤が
提案され、現在では合目的な製剤も開発されるに至って
いる。一方、口腔内投与製剤としては、本発明が関与す
るバッカル剤、トローチ剤、舌下錠及び口腔内軟膏剤が
実用化されており、口腔内粘膜に接着させて用いる徐放
性製剤も既に提案されていて、例えば特公昭59−24964
公報には薬物とヒドロキシプロピルセルロースとからな
る散剤、細粒剤及び顆粒剤が開示されている。
(発明が解決しようとする課題及び発明の目的) 上記の特公昭59−24964公報の第4欄末行−第5欄第
1行には薬物としてニトログリセリンが例示されている
が、ジニトログリセリン、トリニトログリセリン及びジ
ニトロイソソルバイドのように爆発性を有する薬物を主
剤とする製剤の場合には当該公報の実施例に記載されて
いるような方法で徐放性製剤化することができないため
に、先ず薬物を乳糖又はエタノールに倍散させ、この倍
散体から出発して製剤化されているのが実状である。
しかしながら、例えば乳糖倍散体から出発して徐放化
のために水溶性高分子物質を用いるとしてもバッカル剤
においては製剤の最終寸法が限定されるために高分子物
質の使用量が制限を受け、その結果徐放化効果を充分に
発揮させることが不可能であった。
尚、上記の特公昭59−24964公報の実施例において具
体的に開示されている製剤における薬物の有効放出時間
は1−2時間であり、比較的短時間に過ぎない。
従って、本発明の目的は内服の場合に肝初回通過効果
が高く、そのバイオアベイラビリティーに問題の生じる
薬物であって、単独では爆発性を有する全身作用性薬物
であるジニトログリセリン、トリニトログリセリン及び
ジニトロイソソルバイドを対象とし、これらの薬物を口
腔内で徐々に放出させることにより肝初回通過量が高く
ならないようになし且つ薬物の薬効が長時間、例えば少
なくとも2時間以上であり、24時間程度まで持続するよ
うになされた、口腔粘膜に接着させて用いる徐放性バッ
カル剤の製法を提供することにある。
(課題を解決し、目的を達成する手段及び作用) 本発明によれば、上記の課題は、ジニトログリセリ
ン、トリニトログリセリン及びジニトロイソソルバイド
から選択された全身作用性薬物をヒドロキシプロピルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ
ビニルアルコール及びポリビニルピロリドンから選択さ
れた水溶性高分子物質に倍散させ、これに更に上記の水
溶性高分子物質を添加して混合し、必要に応じて添加物
を配合して混合し、次いで常法により成形して製剤化す
ることを特徴とする、口腔粘膜に接着させて用いられる
徐放性バッカル剤の製法により解決されると共に、上記
の目的が達成される。
上記の全身作用性薬物の配合量は製剤全体の0.1−50
重量%、殊に0.5−30重量%であるのが好ましい。一
方、製剤中における上記の水溶性高分子物質の含有量は
製剤重量に対して3−99%、殊に30−90%であるのが好
ましい。
本発明方法において、先ず、薬物が上記のような水溶
性高分子物質を用いて倍散体となされ、次いで、これに
更に水溶性混合物が添加されて混合されるのは製剤化さ
れた場合に薬物の放出が充分に緩徐となり薬効が2−24
時間に亘って持続するようになすためであり、又先ず倍
散体化しておかないと爆発の危険性が薬物に存在するか
らである。
本発明方法により、徐放性バッカル剤を製造するため
には、当然のことながら、種々の添加物を配合すること
ができる。この添加物としては賦形剤、滑沢剤、矯味・
矯臭剤等があり、賦形剤としては具体的には澱粉、デキ
ストリン、乳糖、マンニトール、プロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、油類等を挙げることがで
き、滑沢剤としてはタルク、ステアリン酸、ステアリン
酸マグネシウム、ワックス類等を挙げることができ、又
矯味・矯臭剤としてはクエン酸、フマール酸、酒石酸、
メントール、ハッカ、カンキツ香料等を挙げることがで
きる。
本発明方法により製造される徐放性バッカル剤の形状
は口腔内に長時間保持させ、その際に違和感が少ないよ
うになすために、錠剤状又はこれに類する外観を有し、
その寸法としては直径が12mm以下、殊に、10mm以下であ
り、厚みは2.5mm以下、殊に2.0mm以下であるのが好まし
い。又、口腔粘膜に接着固定して用い且つ必要に応じて
口腔粘膜から剥離除去し得るようになすために、接着強
さとして0.1−100g/mm2、殊に0.5−20g/mm2程度(応力
速度20mm/minにて測定)、保持力として0.01−1.0sec/
g、殊に0.02−0.2sec/g程度(圧着重量400gの場合)の
接着性を有しているのが好ましい。尚、本発明方法にお
いて用いられる既述の水溶性高分子物質を主体とする徐
放性担体は口腔粘膜に接着させる場合に唾液や分泌液を
吸収しながら膨潤して口腔粘膜に対する接着性を示す
が、用いられる水溶性高分子物質の種類によっては上記
の所望範囲の接着強さや保持力を示すに至らない場合が
ある。この場合には接着層が常法により施される。この
接着層を形成する物質としてはヒドロキシプロピルセル
ロース、ポリビニルピロリドン、プルラン等のように接
着性の比較的高い物質やその混合物が採択される。
(実施例等) 次に製造例、比較製造例及び試験例に関連して本発明
を更に詳細に且つ具体的に説明する。
尚、下記において記載の略号と、その意味との対応は
下記の通りである。
GTN:トリニトログリセリン GDN:ジニトログリセリン HPC:ヒドロキシプロピルセルロース HPMC:ヒドロキシプロピルメチルセルロース 製造例1 10%GTN・HPC−M倍散体を先ず調製し、この倍散体1
0.0gに対してHPC−Mを4.0g添加して混合し、次いで軽
質無水硅酸0.3g及びステアリン酸マグネシウム0.7gを添
加して混合し、回転プレス機により圧縮成型することに
より各々直径10mm、重量150mgを有する錠剤状のバッカ
ル剤を製造した。
比較製造例1 10%GTN・HPC−M倍散体で調製する代わりに、10%GT
N・乳糖倍散体を調製した以外は、製造例1と全く同様
に処理して各々直径10mm、重量150mgを有する錠剤状の
バッカル剤を製造した。
製造例2 10%GTN・HPMC(60SH−4000)倍散体を先ず調製し、
この倍散体10.0gに対してHPMC(60SH−4000)を2.7gに
添加して混合し、次いでステアリン酸マグネシウム0.7g
を添加して更に混合することにより薬物保持用粉末を得
た。一方、プルラン1.3gと軽質無水硅酸0.3gとを混合し
て接着層用粉末を得た。この接着層用粉末を上層原料と
し且つ上記の薬物保持用粉末を下層原料とし、慣用の多
層錠用回転プレス機により圧縮成型することにより各々
直径10mm、下層重量約135mg、上層重量約15mgを有する
2層錠剤状のバッカル剤を製造した。
比較製造例2 10%GTN・乳糖倍散体を調製し、この倍散体10.0gに対
してHPMC(60SH−4000)2.7gを添加して混合し、次いで
ステアリン酸マグネシウム0.7gを添加して更に混合する
ことにより薬物保持用粉末を得た以外は、製造例2と全
く同様に処理して各々直径10mm、下層重量約135mg、上
層重量約15mgを有する2層錠剤状のバッカル剤を製造し
た。
製造例3 ジニトロイソソルバイド2.0gにポリビニルアルコール
12.0gを徐々に添加しながら混合して薬物を充分に分散
させた後に、軽質無水硅酸0.3g及びステアリン酸マグネ
シウム0.7gを添加して更に混合し、次いで回転プレス機
により圧縮成型することにより各々直径10mm、重量150m
gを有する錠剤状のバッカル剤を製造した。
製造例4 10%GTN・HPC−L倍散体を先ず調製し、この倍散体1
0.0gに対してHPC−Lを4.0g添加して混合し、次いで軽
散無水硅散0.3g及びステアリン散マグネシウム0.7gを添
加して混合した後に回転プレス機により圧縮成型するこ
とにより各々直径10mm、重量150mgを有する錠剤状のバ
ッカル剤を製造した。
製造例5 10%GTN・HPC−H倍散体を先ず調製し、この倍散体1
0.0gに対してHPC−Hを4.0g添加して混合し、次いで軽
質無水硅酸0.3g及びステアリン酸マグネシウム0.7gを添
加して混合した後に回転プレス機により圧縮成型するこ
とにより各々直径10mm、重量150mgを有する錠剤状のバ
ッカル剤を製造した。
試験例1(主役の放出試験) (a)供試試料 製造例1、2、4及び5並びに比較例1及び2により
得られたトリニトログリセリン製剤が用いられた。
(b)試験方法 「日局」11改正一般試験法の内の「溶出試験法」に準
ずる。
溶出試験の種類:パドル法、200rpm 試料の固定:容器の上端から11cmの容器壁に両面テープ
により固定 溶出液:水、500ml (c)定量法 溶出液を経時的に4ml宛採取し、0.4%水酸化ストロン
チューム溶液10mlを添加し、50℃の温水中で15分間加温
し、次いで氷水中で冷却して室温状態になす。この溶液
に0.3%塩酸プロカイン溶液2mlと、35%塩酸溶液2ml
と、0.1%塩酸−N−1−ナフチルエチレンジアミン溶
液0.5mlとを添加して振盪し、次いで水を添加して全量
を25mlになし、その20分間後に分光光度計を用い波長54
6nmで吸光度を測定し、この測定値を別途に作成した標
準検量線(吸光度−溶出率表)と照合することにより溶
出率を調べる。
(d)結果及び考察 結果は第1及び2図のグラフに示されている通りであ
った。
これらのグラフから、本発明方法により得られる製剤
は比較製造例による製剤と比較する場合に徐放効果にお
いて著しく優れていることが判明した。
尚、グラフには試験時間(第1回目の溶出液採取から
最終回の溶出液採取までの時間)として14時間までしか
示されていないが、製造例5による製剤試料は極限値に
達するまでに24時間近く要し、従って薬物の倍散に用い
られる水溶性高分子物質と、更にその担体となるべき水
溶性高分子物質とを適宜に組み合わせることにより、2
−24時間程度の範囲内で放出時間の任意に設定された製
剤を調製し得ることが判明した。
試験例2(口腔粘膜からの主薬の吸収試験) (a)供試試料 製造例1、4及び5により得られたトリニトログリセ
リン製剤 (b)試験方法 ラットの口腔粘膜に製剤試料1錠を接着固定し、トリ
ニトログリセリンの血中濃度変化を、Peter S.K.Yap等
“J.Pharm.Sci."第67巻第582頁(1978年)に記載されて
いる方法に従って且つガスクロマトグラフィー(株式会
社島津製作所製のタイプ「ECG」)を用いて16時間に亘
り測定する。
(c)結果及び考察 結果は第3図に示される通りであった。
このグラフから、何れの製剤試料の場合にも投与後1
−2時間程度で薬物の血中濃度が最高レベルに達するこ
と、その後の血中濃度の推移は製剤化に用いられた水溶
性高分子物質の種類に依存すること及び水溶性高分子物
質を適宜に組合わせれば薬効の持続時間を2−24時間の
範囲内で適宜に設定し得ることが判明した。
試験例3(接着性試験) (a)供試試料 製造例1、2、4及び5並びに比較製造例1及び2に
より得られたトリニトログリセリン製剤。
(b)試験方法 ベークライト平板上に10μlの水を滴下し、20mm/min
の応力速度で試料を上記のベークライト板に固定し、次
いで400gの荷重を2分間かけて試料をベークライト板上
に圧着した。この圧着試料について剪断方向(応力速
度:20mm/min))での保持力及び引張り方向での接着強
さを測定する。
結果は下記の表に示されるとおりであり、これから本
発明方法により得られた製剤は比較例1及び2による製
剤よりも高い接着性を有しており、接着力は製剤化に用
いられる水溶性高分子物質の組合わせにより適宜変更し
得ることが判明した。
製造例6 30%ジニトロイソソルバイド・ポリビニルアルコール
(部分鹸化物)倍散体を先ず調製し、この倍散体1.7gに
対してポリビニルアルコール(部分鹸化物)12.3gを添
加し、次いで軽質無水硅酸0.3g及びステアリン酸マグネ
シウム0.7gを添加して更に混合した後に回転プレス機に
て圧縮成型することにより各々直径10mm、重量150mgを
有する錠剤状のバッカル剤を製造した。
比較製造例3 30%ジニトロイソソルバイド・ポリビニルアルコール
(部分鹸化物)倍散体の代わりに30%ジニトロイソソル
バイド・乳糖倍散体を調製した以外は製造例6と全く同
様に処理して各々直径10mm、重量150mgを有する錠剤状
のバッカル剤を製造した。
製造例7 10%ジニトログリセリン・ポリビニルピロリドンK−
90倍散体を先ず調製し、この倍散体10gに対してポリビ
ニルピロリドンK−90を4g添加し、次いで軽質無水硅酸
0.3g及びステアリン酸マグネシウム0.7gを添加して更に
混合した後に回転プレス機にて圧縮成型することにより
各々直径10mm、重量150mgを有する錠剤状のバッカル剤
を製造した。
比較製造例4 30%ジニトログリセリン・ポリビニルピロリドンK−
90倍散体の代わりに30%ジニトログリセリン・乳糖倍散
体を調製した以外は製造例6と全く同様に処理して各々
直径10mm、重量150mgを有する錠剤状のバッカル剤を製
造した。
試験例4(主薬の溶出試験) 製造例6と比較製造例3により得られたジニトロイソ
ソルバイド製剤に関して試験例1に準じて主薬の溶出試
験を実施した。
即ち、溶出液を経時的に4ml宛採取し、採取した溶液
及び標準ジニトロイソソルバイド溶液についてHPLC法に
て操作を実施し、得られたピーク面積の比から薬物の溶
出率を測定した。
結果は第4図のグラフに示されているとおりであり、
乳糖倍散体を用いた比較製造例3による製剤は約1時間
でほぼ全量が溶出してしまうが、製造例6による製剤の
場合には約14時間程度まで徐放化できることが判明し
た。
試験例5(主薬の溶出試験) 製造例7と比較製造例4により得られたジニトログリ
セリン製剤に関して試験例1に準じで主薬の溶出試験を
実施した。
結果は第5図のグラフに示されているとおりであり、
乳糖倍散体を用いた比較製造例4による製剤は約1時間
でほぼ全量が溶出してしまうが、製造例7による製剤の
場合には8時間程度まで徐放化できることが判明した。
比較製造例5 10%トリニトログリセリン・乳糖倍散体を先ず調製
し、この倍散体10gに対してHPC−Lを4g添加し、次いで
軽質無水硅酸0.3g及びステアリン酸マグネシウム0.7gを
添加して更に混合した後に回転プレス機にて圧縮成型す
ることにより各々直径10mm、重量150mgを有する錠剤状
のバッカル剤を製造した。
比較製造例6 比較製造例5において調製した10%トリニトログリセ
リン・乳糖倍散体6.0g、製造例4において調製した10%
トリニトログリセリン・HPC−L倍散体4.0g及びHPC−L
を4g添加し、次いで軽質無水硅酸0.3g及びステアリン酸
マグネシウム0.7gを添加して更に混合した後に回転プレ
ス機にて圧縮成型することにより各々直径10mm、重量15
0mgを有する錠剤状のバッカル剤を製造した。
比較製造例7 比較製造例5において調製した10%トリニトログリセ
リン・乳糖倍散体3.0g、製造例4において調製した10%
トリニトログリセリン・HPC−L倍散体7.0g及びHPC−L
を4g添加し、次いで軽質無水硅酸0.3g及びステアリン酸
マグネシウム0.7gを添加して更に混合した後に回転プレ
ス機にて圧縮成型することにより各々直径10mm、重量15
0mgを有する錠剤状のバッカル剤を製造した。
試験例6(主薬の溶出試験) 比較製造例5−7により得られたトリニトログリセリ
ン製剤に関して試験例1に準じて主薬の溶出試験を実施
し、製造例4により得られたトリニトログリセリン製剤
の場合と比較した。
結果は第6図のグラフに示される通りであった。比較
製造例5−7は製剤中に占める乳糖倍散体の量割合を漸
次減じて製剤化したのであるが、該倍散体が製剤重量に
対して20%を占めると(比較製造例7による製剤)、ト
リニトログリセリンの徐放性バッカル剤として既に好ま
しくないものとなってしまうことが判る。
(発明の効果) 本発明方法によれば、ジニトログリセリン、トリニト
ログリセリン及びニトロイソソルバイドから選択された
全身作用性薬物がヒドロキシプロピルセルロース、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコー
ル及びポリビニルピロリドンから選択された水溶性高分
子物質に先ず倍散され、この倍散体が更に上記の水溶性
高分子物質と混合され、従って薬物は水溶性高分子物質
に極めて均斉に分散された状態となっており、得られた
バッカル剤を口腔粘膜に接着させると少なくとも2時間
以上に亘り薬物は持続して放出され、粘膜を通じて徐々
に吸収される。
尚、本発明方法により得られるバッカル剤は口腔粘膜
に接着投与されても違和感や刺激性が少なく、長時間に
亘り口腔粘膜に接着固定されていても会話や喫食の障害
にはならない。
【図面の簡単な説明】
第1及び2図は製造例1、4及び5並びに比較製造例1
において得られたバッカル剤に関する薬物(トリニトロ
グリセリン)の経時的な溶出挙動を示すグラフであり、
第3図は製造例2及び比較製造例2において得られたバ
ッカル剤をラットの口腔粘膜に接着投与した場合におけ
る薬物(トリニトログリセリン)の経時的血中濃度変化
を示すグラフであり、第4図は製造例6及び比較製造例
3において得られたバッカル剤に関する薬物(ニトロイ
ソソルバイド)の経時的な溶出挙動を示すグラフであ
り、第5図は製造例7及び比較製造例4において得られ
たバッカル剤に関する薬物(トリニトログリセリン)の
経時的な溶出挙動を湿すグラフであり、第6図は製造例
4並びに比較製造例4、5及び6において得られたバッ
カル剤に関する薬物(トリニトログリセリン)の経時的
な溶出挙動を示すグラフであり、薬物の乳糖倍散体が薬
物の溶出性に及ぼす影響を示すものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 学 名古屋市東区東外堀町35番地 株式会社 三和化学研究所内 (72)発明者 幸崎 敏之 名古屋市東区東外堀町35番地 株式会社 三和化学研究所内 (72)発明者 河村 政樹 名古屋市東区東外堀町35番地 株式会社 三和化学研究所内 (72)発明者 澤井 喜一 名古屋市東区東外堀町35番地 株式会社 三和化学研究所内 (56)参考文献 特開 昭54−41320(JP,A) 特開 昭51−38412(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジニトログリセリン、トリニトログリセリ
    ン及びジニトロイソソルバイドから選択された全身作用
    性薬物をヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプ
    ロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール及びポ
    リビニルピロリドンから選択された水溶性高分子物質に
    倍散させ、これに更に上記の水溶性高分子物質を添加し
    て混合し、必要に応じて添加物を配合して混合し、次い
    で常法により成形して製剤化することを特徴とする、口
    腔粘膜に接着させて用いられる徐放性バッカル剤の製
    法。
  2. 【請求項2】全身作用性薬物を製剤全体に対して0.1−5
    0重量%用いることを特徴とする、特許請求の範囲第1
    項に記載の徐放性バッカル剤の製法。
  3. 【請求項3】水溶性高分子物質を製剤全体に対して3−
    99重量%用いることを特徴とする、特許請求の範囲第1
    又は2項に記載の徐放性バッカル剤の製法。
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