JP2641149B2 - 耐熱衝撃性セラミックスの製造方法 - Google Patents

耐熱衝撃性セラミックスの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は耐熱衝撃性のアルミ
ナ,ジルコニア等セラミックスの製造方法に関する。
【0002】
【発明の背景】アルミナ,ジルコニアは化学的に安定な
セラミックスであるが、耐熱衝撃性等に問題があり、こ
のため一般的な耐火材料としては今まで使用されていな
いのが実情である。
【0003】尤も原料として粗粒のものを用いて多孔体
とし、見かけの熱膨張を小さくしたものが耐火レンガ等
として使用されてはいるが、このものは機械的強度が著
しく低く、従ってその使用用途は上記耐火レンガのよう
な断熱材としての用途に限定されてしまい、強度も必要
とされる他の一般的な耐火材料としては使用し得ないも
のである。またこのものは耐久寿命も短い問題がある。
【0004】耐熱衝撃性に優れたセラミックスとして窒
化珪素セラミックスがあるが、このものは酸化の問題が
あり、一般の耐火材料としては現実には使用できないも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
を解決するためになされたものである。
【0006】而して本願の発明は、アルミナ,ジルコニ
ア等セラミックス原料粉末に100μm以上の該原料粉
末と同材質の長繊維を水と共に3〜20重量%の量範囲
で加えたものを混合して乾燥し、しかる後これを解砕し
た上で圧縮処理し、再び解砕処理して粉末化することに
より該長繊維をセラミックス原料粉末中に均一に分散・
含有せしめ、その後これらを成形し、焼結することを特
徴とする。
【0007】
【作用及び発明の効果】以上のように本願の発明は、セ
ラミックス原料粉末中に100μm以上の同材質の長繊
維を均一に分散・含有させて成形,焼結処理するもので
あって、これによりセラミックスの閉気孔を少なくし、
耐熱衝撃性を高めるとともに、機械的強度を向上させる
ものである。
【0008】この発明は、セラミックス焼結体における
閉気孔と耐熱衝撃性との間に密接な関係があること、及
びかかる閉気孔の生成と含有される繊維の大きさ,量等
との間に密接な関係があるとの知見に基づいてなされた
ものである。
【0009】図4は本発明者の研究により求められた閉
気孔と耐熱衝撃性との関係を表すもので、横軸に閉気孔
の量を、縦軸に耐熱衝撃性を示している。
【0010】但し縦軸は、625℃から25℃の水中へ
の投入による急冷後の曲げ強度を、水中投入による急冷
前の曲げ強度で割った値で、この値が大きいほど熱衝撃
に強いことを意味する。
【0011】この図から認められるようにセラミックス
の耐熱衝撃性は、セラミックス焼結体の閉気孔の量が多
くなるほど低下し、従ってかかる閉気孔を少なくするこ
とによって、耐熱衝撃性を高め得ることをが分る。
【0012】次に、図1はアルミナセラミックスにおけ
る繊維含有量と閉気孔との関係を示したもので、横軸に
繊維含有量を、縦軸に閉気孔の量を示している。尚図の
3つの曲線は、それぞれ焼結温度1400℃,1500
℃,1600℃におけるそれらの関係を示したものであ
る。
【0013】この図から、繊維を含有させることによっ
て閉気孔が減少すること、繊維の含有量が20重量%以
下の範囲において閉気孔が少なくなること等の事実が分
る。
【0014】即ち本発明に従ってセラミックス原料粉末
と同材質の且つ100μm以上の長繊維を3〜20重量
%の範囲で含有させることによって、セラミックス焼結
体における閉気孔の生成を効果的に抑え、これによって
セラミックス焼結体の耐熱衝撃性を高め得るとともに、
長繊維の持つ補強作用,高靱化作用により、セラミック
ス焼結体の機械的強度を著しく高めることができる。
【0015】因みに本発明により、50MPa以上の曲
げ強度を有し、また温度落差600°Kの水中急冷によ
っても曲げ強度の低下しない耐熱衝撃性且つ高強度のア
ルミナ,ジルコニア等セラミックスを得ることができ
る。
【0016】本発明は、長さ100μm以上の長繊維を
セラミックス中に分散・含有させるものであるが、この
ような長繊維の場合、これを原料粉末中に均一に分散さ
せることは一般的な混合手段を用いる限り難しい。
【0017】そこでかかる長繊維を原料粉末中に分散さ
せる方法として、次の方法を用いる。
【0018】即ちセラミックス原料粉末中にかかる長繊
維を水と共に加えて混合し、この混合物を乾燥した後、
解砕して圧縮し、その圧縮体を再び解砕して粉末化す
る。
【0019】原料粉末中に繊維を含有させる場合の一般
的な処理方法は、原料粉末と繊維とを水と共に混合して
乾燥後に解砕し、粉末化するといったものであるが、繊
維として100μm以上の長繊維を用いた場合、このよ
うな方法では繊維を粉末中に均一に分散させることは困
難である。
【0020】しかるに本発明の方法に従って処理した場
合、かかる長繊維であっても均一に原料粉末中に分散さ
せることが可能である。
【0021】本発明方法と上記した従来の一般的な方法
との比較から明らかなように、本発明の方法は、原料粉
末と長繊維とを一旦混合した上でその解砕物を圧縮体と
し、再びこれを解砕することを特徴としている。
【0022】そしてこのような圧縮工程を経ることによ
って、初めて長繊維を均一に分散させることができる。
【0023】因みに図3(A)は本発明方法に従って長
繊維を分散させた場合のセラミックス焼結体の要部を、
また図3(B)は圧縮工程を経ない従来の方法で長繊維
を分散させた場合のセラミックス焼結体の要部をそれぞ
れ模式的に示したものである。
【0024】図3(A)の場合、繊維10が均一に分散
しているのが分る。尚図中12は繊維がある程度の毛玉
となって残った部分であって、この毛玉状の繊維12
は、セラミックス焼結体における骨材としての役目を果
たす。また毛玉とならず分散した繊維10は、セラミッ
クス焼結体の耐熱衝撃性を高める上で大きく寄与する。
尚図中点で表されている部分14は気孔を示している。
【0025】一方図3(B)の場合、緻密な部分16と
疎の部分18とに明らかに分かれた状態であり、相対密
度,気孔率は(A)の場合と同等であったが、曲げ強度
はわずか10MPa程度であった。
【0026】上述のように本発明の方法では先ず原料粉
末に長繊維を水とともに加えて混合するが、この混合方
法として具体的には次の方法を例示することができる。
【0027】即ち、例えばプロペラの付いた容器にセラ
ミックス原料粉末と水と繊維とを入れて繊維を解きほぐ
すように撹拌し、また毛玉をできるだけ小さくする。但
し1cm以下であれば問題はない。
【0028】この際分散剤,バインダー等は特に必要と
しない。ここでミル混合は行わないようにする。
【0029】続く工程では、例えばフィルタープレスに
て水分を絞り出して乾燥機で乾燥し、その後に乾式解砕
機で1cm以下の塊に解砕する。
【0030】引き続いて例えば10MPa程度の圧力で
単軸プレスを行って圧縮を行い、その後圧縮体を乾式解
砕機で再び解砕して粉末化する。
【0031】粉末の大きさは繊維の長さにより異なる
が、一般的には繊維の平均長さ以下の大きさとするのが
良い。
【0032】上記の圧縮工程を経たものを解砕すること
によって、嵩の小さい粉末を容易に得ることができる。
この圧縮工程の際にある程度以上の長さの繊維は容易に
切れるか又は曲がった形状で分散し、場合によって小さ
な毛玉を形成することもある。この毛玉は上述したよう
にセラミックス焼結体における骨材としての役目を果た
す。以上長繊維の分散方法を説明したが、これはあくま
で一例示である。
【0033】以上のようにして原料粉末中に繊維を分散
させたものを得たら、次にこれを成形して焼結する。
【0034】尚この際、MgO等の焼結助剤は無添加と
するか、添加するとしてもできるだけ少なくするのが望
ましい。多くても5重量%以下である。かかる焼結助剤
はセラミックス焼結体における耐熱衝撃性を低下させ
る。
【0035】このようにして得られた焼結体は、一旦水
中急冷,気中放冷等の熱処理を施すのが望ましい。この
熱処理によって曲げ強度は熱処理前に比べて低下する
が、その後の耐熱衝撃性は安定化する。
【0036】上述のように本発明によれば曲げ強度50
MPa以上の、また耐熱衝撃性の優れたセラミックスが
得られる。
【0037】かかる耐熱衝撃性且つ高強度のセラミック
ス焼結体は、耐熱衝撃性,機械的強度の要求される耐火
材料,耐熱衝撃材料として以下の各種用途、例えば鋳造
型,炉壁,熱電対保護管,ヒ−タ−保護管,るつぼ,ラ
ドル,スリ−ブ,ノズル,パイプ等鋳造用材料として、
又は炉壁,棚板,鞘鉢,ロ−ラ−,バ−ナ−ヘッド,熱
電対保護管,るつぼ等の窯業用材料として、その他高温
燃焼機器用材料,金属の押出成形用型材料,高強度断熱
材料等の用途に使用可能である。
【0038】
【実施例】次に本発明の特徴を更に明確にすべく、以下
にその実施例を詳述する。 [実施例1]アルミナ粉末(平均粒径0.5μm,純度
99.9%)83.3重量%にアルミナ繊維(平均径5
μm,平均長さ1mm,純度95%)16.7重量%を
加えて、これを前記具体的に例示した方法で分散させる
とともに粉末化した。
【0039】この粉末を100MPaで40×15×6
mmの試験片にCIP成形し、その成形体を大気中15
00℃で2時間焼成した。
【0040】得られた焼結体を625℃で1時間加熱し
た後、25℃の水中に入れて熱処理を行った。
【0041】熱処理後の焼結体の相対密度は80%で、
閉気孔率は2%であった。また曲げ強度は90MPa
で、その後9回同様の熱処理を行ったが低下は認められ
なかった。
【0042】[実施例2]ジルコニア粉末(3mol%
−Y23安定化,平均粒径0.5μm)88重量%にジ
ルコニア繊維(8重量%−Y23安定化,平均径10μ
m,平均長さ2.5mm)12重量%を加えて先の方法
で分散して粉末化し、これを100MPaで40×15
×6mmの試験片にCIP成形した。
【0043】この成形体を大気中1425℃で2時間保
持焼成し、焼結体に対して実施例1と同じ熱処理を行っ
た。
【0044】この焼結体の相対密度は86%で、閉気孔
率は1%であった。また曲げ強度は80MPaで、その
後9回同様の熱処理を行ったところ、図2に示している
ように曲げ強度の低下は殆ど認められなかった。
【0045】以上本発明の実施例を詳述したが、本発明
はその主旨を逸脱しない範囲において、当業者の知識に
基づき様々な変更を加えた態様で実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】繊維含有量と閉気孔率との関係を示す図であ
る。
【図2】熱処理回数と曲げ強度の変化との関係を示す図
である。
【図3】本発明の一実施例方法によって繊維を分散させ
た場合の焼結体の要部構造を、従来の方法にて分散させ
た場合のそれとの比較において示す図である。
【図4】閉気孔率と耐熱衝撃性との関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 繊維 12 毛玉状繊維 14 気孔

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナ,ジルコニア等セラミックス原
    料粉末に100μm以上の該原料粉末と同材質の長繊維
    を水と共に3〜20重量%の量範囲で加えたものを混合
    して乾燥し、しかる後これを解砕した上で圧縮処理し、
    再び解砕処理して粉末化することにより該長繊維をセラ
    ミックス原料粉末中に均一に分散・含有せしめ、その後
    これらを成形し、焼結することを特徴とする耐熱衝撃性
    セラミックスの製造方法
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