JP2641143B2 - リードテープ，エンドテープ貼込装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は，広い幅の転写フイルムを所定の幅にスリッ
トして巻取るスリッタにおいて，その転写フイルムにリ
ードテープ，エンドテープ等を貼り込むために使用する
リードテープ，エンドテープ貼込装置に関する。

〔従来の技術〕

転写記録式のシリアルプリンタに使用する転写フイル
ムは，第７図に示すように，芯管１に細い幅の転写フイ
ルムを２を巻付けたものであり，その先端にリードテー
プ３と粘着テープ４を貼付けており，また，転写フィル
ム２の後端（芯管１への巻き初め部分）にも，芯管への
固定のための粘着テープとエンドテープとを接続してい
る。このようなシリアルプリンタ用転写フイルムは，通
常，広い幅の長尺の転写フイルムをスリッタによって狭
い幅にスリットし，芯管に巻取ることにより製造してい
る。

前記したリードテープ，エンドテープ，粘着テープ等
の貼り込みは，スリッタにおいて，転写フイルムの供給
部とスリット部との間で転写フイルムを切断し，この間
にリードテープ，エンドテープ，粘着テープを手作業に
よって接続することにより，行っていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら，薄い転写フイルムを切断し，その間に
リードテープ，エンドテープ，粘着テープ等を接続する
作業はきわめて面倒であり，時間がかかるという問題を
有していた。

本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので，リー
ドテープ，エンドテープの転写フイルムへの貼込作業を
極めて容易にする装置を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成すべくなされた本発明は，転写フイル
ムを所定の幅にスリットして巻取るスリッタにおいて，
転写フイルムの供給部とスリット部との間に配置され，
上面を転写フイルムが走行する作業台と，この作業台上
の転写フイルムを長手方向に離れた位置で作業台に押付
け固定する押えパッドと，この作業台の側方に配置さ
れ，リードテープ，ターレット用テープ，エンドテープ
を互いに間隔をあけて平行に，且つ各テープの間を粘着
テープで接続して供給するテープ供給部とを有し，前記
作業台がその上面に転写フイルムを所定の位置で切断す
るためのカッタ案内溝と，転写フイルムを吸着保持する
吸引孔と，前記テープ供給部から引き出される各テープ
の内，少なくとも粘着テープに面する位置に設けられた
離型性表面とを有することを特徴とするリードテープ，
エンドテープ貼込装置を要旨とする。

〔実施例〕

以下，図面を参照して本発明の実施例を説明する。

第１図は本発明の実施例になるリードテープ，エンド
テープ貼込装置を備えたシリアルプリンタ用転写フイル
ムのスリッタを示す概略側面図であり,6は広い幅の転写
フイルム７を繰り出す転写フイルムロール,8は転写フイ
ルム７を所定幅にスリットするカッター,9はスリットし
た転写フイルムを巻取る巻取部であり,2本の巻取軸10を
保持したターレット11を有している。この構成のスリッ
タにおいて，転写フイルムロール６から広い幅の転写フ
イルム７が繰り出され，カッター８で所定幅の複数本の
細い転写フイルム２にスリットされ，巻取軸10上に保持
した芯管１上に巻取られ，第７図に示すようなシリアル
プリンタ用転写フイルムが製造される。

このスリッタにおいて，広い幅の転写フイルムの供給
部と，カッター８によるスリット部との間にリードテー
プ，エンドテープ貼込装置15が配置されている。このリ
ードテープ，エンドテープ貼込装置15は，第２図〜第４
図に示すように，上面を転写フイルム７が走行する作業
台16と，この作業台16上の転写フイルム７を，長手方向
に離れた位置で作業台16に押付け，固定するように設け
られた２個の押えパッド17と，この作業台16の側方に配
置され，リードテープ，ターレット用テープ，エンドテ
ープを互いに間隔をあけて平行に，且つ各テープの間を
粘着テープで接続して供給するテープ供給部18を有して
いる。このテープ供給部18は，リードテープ19を繰り出
すリードテープロール20と，ターレット用テープ21を繰
り出すターレット用テープロール22と，エンドテープ23
を繰り出すエンドテープロール24と，テープガイドロー
ラ25等を有し，これらの各ロール20,22,24は各テープが
適当な間隔をあけて引き出されるように支持軸（図示せ
ず）に保持されている。更に，リードテープ19とターレ
ット用テープ21の間及びターレット用テープ21とエンド
テープ23の間に，粘着テープ26,27を供給する粘着テー
プロール28,29も支持軸（図示せず）によって保持され
ている。この粘着テープ26,27は，それぞれ各テープ間
隔よりも大きい幅を有しており，且つ下面が粘着層とな
るように引き出されており，従って，テープガイドロー
ラ25を通過する際に，各テープ上面に接着される。ま
た，リードテープ19の端部位置には，粘着テープ30を繰
り出す粘着テープロール31が支持軸（図示せず）によっ
て保持されており，粘着テープ30がリードテープ19の下
側で且つ粘着面が上面となるように引き出され，テープ
ガイドローラ25を通過する際にリードテープ19の端部に
接着される。

作業台16は，その上面に転写フイルム７の走行方向に
所定の間隔をあけて，即ちテープ供給部18から引き出さ
れるリードテープ19の右側側縁19a及びエンドテープ23
の左側側縁23aにほぼ一致する位置にカッタ案内溝33が
形成され，また，転写フイルム７の側縁に沿って案内溝
34が形成されている。更に，カッタ案内溝33の外側に
は，転写フイルム７を吸着保持するための多数の吸引孔
35が形成されている。更にテープ供給部18から引き出さ
れた粘着テープに面する位置には，離型性表面36aを備
えた離型マット36が配置されている。作業台16上に設け
られた押えパッド17は，エアシリンダ等の駆動装置（図
示せず）によって上下動可能に設けられており，押しボ
タン又はペダル（図示せず）によって操作可能としてい
る。

次に，上記構成のリードテープ，エンドテープ貼込装
置による動作を説明する。

第１図において，転写フイルムロール６から引き出さ
れた転写フイルム７がカッター８で複数本の狭い幅の転
写フイルム２にスリットされ，上下の巻取軸10上の芯管
１に巻き取られる。この転写フイルムが満巻となると，
スリッタが停止し，転写フイルム７が停止する。この
時，第５図（ａ）に示すように，転写フイルム７はベー
スフイルム7bに塗布したワックス層7aを上にした状態で
作業台16上に乗っている。

転写フイルム７が停止すると，第５図（ａ）に示すよ
うに，作業台16の吸引孔35に真空を作用させて転写フイ
ルム７を吸着し，且つ押えパッド17を降下させることに
より，転写フイルム７を作業台16上に固定する。この状
態で，カッタ案内溝33を利用し，カッタ37を手動操作し
て転写フイルム７をA,B位置で切断し，その間の転写フ
イルムを除去する（第５図（ｂ）参照）。

次に，第５図（ｃ）に示すように，転写フイルム供給
側の転写フイルム７の切断位置近傍の上面のワックス層
7aに粘着テープ38を手で貼り付け，剥がすことにより，
ワックス層7aを除去し，第５図（ｄ）に示すようにベー
スフイルム7bを露出する。また，右側の転写フイルム７
の切断位置近傍を図のように移動させておく。

この状態で，テープ供給部18より，粘着テープ30,リ
ードテープ19,粘着テープ26,ターレット用テープ21,粘
着テープ27,エンドテープ23を，転写フイルム７を切断
して除去した位置に引き出す。この時，各テープがテー
プガイドローラ25（第２図参照）を通過する際に，各粘
着テープがそれぞれ接触するテープに接着するので，全
体が一緒に引き出される（第５図（ｅ）参照）。この
時，中央に位置する粘着テープ26,27は下面が粘着層が
あるが，その位置には離型マット36が位置しているの
で，支障はない。

次に，引き出した各テープを，転写フイルム７の幅に
合わせて，カッタ案内溝34（第４図参照）を利用し手作
業によってカットする。次いで，第５図（ｆ）に示すよ
うに，転写フイルム供給側の露出したベースフイルム7b
とエンドテープ23を粘着テープ39により接続し，また，
スリット側の転写フイルム７を，粘着テープ30の上面
（粘着層側）に押付けることにより，リードテープ10と
転写フイルム７を接続する。これにより，切り離された
転写フイルム7,7が，粘着テープ30,リードテープ19,粘
着テープ26,ターレット用テープ21,粘着テープ27,エン
ドテープ23,粘着テープ39によって接続される。

その後，吸引孔35の真空を切り，押えパッド17を上昇
させてスリッタを起動し，転写フイルム７の接続部分を
巻取部９（第１図参照）に移動させ，且つターレット11
を半回転させて停止させる。この時のターレット11の状
態は第６図に示すようになっており，ターレット用テー
プ21が両側の巻取軸10間に延びている。この状態でその
ターレット用テープ21を適当な粘着テープ（図示せず）
によってターレット軸11aに貼り付け，且つターレット
用テープ21の一端に接着した粘着テープ26をその下のリ
ードテープ面に接着してリードテープ19の端部を固定す
る。また，ターレット用テープ21の反対端に接着した粘
着テープ27を巻取軸10上に保持された芯管１上に接着
し，これによりエンドテープ23の端部を芯管１に固定す
る。その後，ターレット用テープ21の両端をハサミ等で
切断し，その後，スリッタを起動する。これにより，ス
リットされた転写フイルムは新たな芯管１を保持した巻
取軸10上に巻取られ，その間に，巻き上げた転写フイル
ムを取り外し，また，ターレット用テープ21を除去して
次の切替に備える。以上により,1回のリードテープ，エ
ンドテープ貼込作業が終了する。

なお，上記の動作において，第５図（ｃ），（ｄ）に
示すように，転写フイルム７のワックス層7aを除去した
後，粘着テープ39によりベースフイルム7bをエンドテー
プ23に接続しているが，これは，転写フイルム７と粘着
テープ39との接着強度を大きくするためである。また，
粘着テープ39をワックス層側に配置しているが，これは
粘着テープ39の貼付部分の全体の厚みを小さくするため
である。この部分は，巻取る際の最内側になる部分であ
るので，極力厚みの変化が少ないことが望ましい。

〔発明の効果〕

以上に説明したように，本発明のリードテープ，エン
ドテープ貼込装置では，その上を転写フイルム７が走行
するようになった作業台に転写フイルムを吸着保持する
ための吸引孔と押えパッドとを設けたので，転写フイル
ムを安定して固定することができ，しかもカッタ案内溝
を設けたので，この溝を利用してカッタを走らせること
により，手作業で簡単に且つ正確に転写フイルムを切断
することができる。更に，この作業台の側方にテープ供
給部18を設けたので，リードテープ，ターレット用テー
プ，エンドテープを互いに間隔をあけて平行に，且つ各
テープの間を粘着テープで接続した状態で引き出すこと
ができ，簡単な操作により，転写フイルムの切断縁に，
リードテープ，ターレット用テープ，エンドテープをそ
れぞれ粘着テープを介して接続することができる。ま
た，その際，粘着テープの粘着面の一部を露出させ且つ
下向きとしていても，その粘着テープに面する位置には
離型性表面を設けているので，粘着テープが接着してト
ラブルを起こすということが防止される。かくして，本
発明は，転写フイルムに対するリードテープ，エンドテ
ープの貼込作業を極めて容易とするという効果が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例によるリードテープ，エンドテ
ープ貼込装置を備えたスリッタの概略側面図，第２図は
上記リードテープ，エンドテープ貼込装置の概略斜視
図，第３図はその断面図，第４図はその平面図，第５図
は上記実施例の動作を説明する断面図，第６図は上記ス
リッタのターレット切替時におけるターレット部分の要
部を示す斜視図，第７図はシリアルプリンタ用転写フイ
ルムの概略斜視図である。 １……芯管,2……転写フイルム,3……リードテープ,4…
…粘着テープ,6……転写フイルムロール,7……転写フイ
ルム,8……カッター,9……巻取部,10……巻取軸,11……
ターレット,11a……ターレット軸,15……リードテー
プ，エンドテープ貼込装置,16……作業台,17……押えパ
ッド,18……テープ供給部,19……リードテープ,20……
リードテープロール,21……ターレット用テープ,22……
ターレット用テープロール,23……エンドテープ,24……
エンドテープロール,25……テープガイドローラ,26,27
……粘着テープ,28,29……粘着テープロール,30……粘
着テープ,31……粘着テープロール,33,34……カッタ案
内溝,35……吸引孔,36……離型マット,36a……離型性表
面,38,39……粘着テープ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】転写フイルムを所定の幅にスリットして巻
   取るスリッタにおいて，転写フイルムの供給部とスリッ
   ト部との間に配置され，上面を転写フイルムが走行する
   作業台と，この作業台上の転写フイルムを長手方向に離
   れた位置で作業台に押付け固定する押えパッドと，この
   作業台の側方に配置され，リードテープ，ターレット用
   テープ，エンドテープを互いに間隔をあけて平行に，且
   つ各テープの間を粘着テープで接続して供給するテープ
   供給部とを有し，前記作業台がその上面に転写フイルム
   を所定の位置で切断するためのカッタ案内溝と，転写フ
   イルムを吸着保持する吸引孔と，前記テープ供給部から
   引き出される各テープの内，少なくとも粘着テープに面
   する位置に設けられた離型性表面とを有することを特徴
   とするリードテープ，エンドテープ貼込装置。