JP2639883B2 - 非接触形軸封装置 - Google Patents

非接触形軸封装置

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JP2639883B2
JP2639883B2 JP5181059A JP18105993A JP2639883B2 JP 2639883 B2 JP2639883 B2 JP 2639883B2 JP 5181059 A JP5181059 A JP 5181059A JP 18105993 A JP18105993 A JP 18105993A JP 2639883 B2 JP2639883 B2 JP 2639883B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンプレッサ,タービ
ン,ブロワ等の回転機器において使用される非接触形軸
封装置に関するものであり、具体的には、シールケース
側の密封端面と回転軸側の密封端面とが高圧側密封流体
による流体膜を介在させた非接触状態で相対回転するよ
うに構成された非接触形軸封装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の非接触形軸封装置として
は、図11に示す如く、回転軸側の密封端面aにその周
方向にヘリカル状に並列する動圧発生溝b…を形成して
おくことによって、両密封端面間にその相対回転に伴っ
て動圧(正圧)を発生させ、これとシールケース側の密
封端面に作用する密封流体による背圧及びこれを回転軸
側の密封端面aに押圧するスプリング力とをバランスさ
せて、両密封端面を流体膜を介して非接触状態に保持さ
せるように構成したものがよく知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかるヘリカ
ル状の動圧発生溝b…によっては、回転軸つまり密封端
面aを正転方向(A方向)に回転させた場合にのみ動圧
を発生させ得るのであり、逆転方向(反A方向)に回転
させた場合には、両密封端面間に動圧を発生させ得な
い。したがって、回転軸を正逆転させる必要のある回転
機器には適用できないといった不便があった。
【0004】また、複数の動圧発生領域が周方向に並列
しているものの、各動圧発生領域においては一の動圧発
生溝bが存在するのみであるから、つまり各動圧発生領
域には一の動圧発生箇所が存在するのみであるから、一
部の動圧発生溝b…に密封流体中のゴミやチリが侵入,
堆積して発生動圧が減少した場合、その動圧発生溝bの
存在する動圧発生領域全体における発生動圧が減少する
ことになる。したがって、このような場合、周方向にお
ける発生動圧の圧力分布が著しく不均一となり、軸封機
能の低下,異常が生じる虞れがある。
【0005】本発明は、このような点に鑑み、回転軸が
正逆何れの方向に回転される場合においても、両密封端
面間に適正な動圧を発生させ得て、常に良好な軸封機能
を発揮することができる非接触形軸封装置を提供するこ
とを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の非接触形軸封装
置にあっては、上記の目的を達成すべく、シールケース
側の密封端面又は回転軸側の密封端面に、複数組の動圧
発生溝ユニットを当該密封端面の周方向に等間隔を隔て
て形成しておくことを提案する。而して、各動圧発生溝
ユニットは、前記周方向に並列された2つの動圧発生溝
群であって、両動圧発生溝群間を通過する当該密封端面
の直径線に対して対称形状をなす第1動圧発生溝群と第
2動圧発生溝群とからなるものであり、各動圧発生溝群
は、当該密封端面の高圧側周端縁からその径方向に延び
る導入部と導入部の端部から前記周方向に延びる動圧発
生部とからなる複数の略L字状の線状の動圧発生溝を、
互いに交差することなく近接させて、前記径方向に並列
させてなるものであり、動圧発生部が導入部から同一方
向に延びている複数の動圧発生溝を含むものである。
なわち、各動圧発生溝ユニットを構成する第1及び第2
動圧発生溝群の構成形態としては、一方の動圧発生溝群
が、すべての動圧発生部が同一方向に延びる複数の第1
動圧発生溝のみからなると共に、他方の動圧発生溝群
が、すべての動圧発生部が第1動圧発生溝とは逆方向に
延びる複数の第2動圧発生溝のみからなる場合(図2〜
図5及び図10参照)と、一方の動圧発生溝群が、複数
の第1動圧発生溝と少なくとも一の第2動圧発生溝とか
らなると共に、他方の動圧発生溝群が、複数の第2動圧
発生溝と少なくとも一の第1動圧発生溝とからなる場合
(図6〜図9参照)とがある。勿論、何れの場合におい
ても、一方の動圧発生溝群における第1動圧発生溝と他
方の動圧発生溝群における第2動圧発生溝とは、同数で
あり且つ上記直径線に対して対称形状をなし、一方の動
圧発生溝群における第2動圧発生溝と他方の動圧発生溝
群における第1動圧発生溝とは、同数であり且つ上記直
径線に対して対称形状をなす。
【0007】
【作用】動圧発生溝が形成された密封端面(以下「溝付
密封端面」という)が相手密封端面に対して相対回転せ
しめられると、高圧側密封流体が各動圧発生溝にその導
入部から導入される。そして、溝付密封端面に形成され
た多数の動圧発生溝のうち、動圧発生部が導入部の終端
部から溝付密封端面の相対回転方向と逆方向に延びる動
圧発生溝(以下「被動圧発生溝」という)においては、
動圧発生部に流入した流体により該動圧発生部の終端箇
所において動圧(正圧)が発生することになり(以下、
被動圧発生溝における動圧発生箇所である動圧発生部の
終端箇所を「主動圧発生箇所」という)、かかる動圧の
発生により、密封端面間が高圧側密封流体による流体膜
を介在させた非接触状態に保持されることになる。
お、被動圧発生溝以外の動圧発生溝つまり動圧発生部が
導入部の終端部から溝付密封端面の相対回転方向に延び
る動圧発生溝(以下「非動圧発生溝」という)において
は、被動圧発生溝における如き動圧発生部での動圧発生
はないが、非動圧発生溝が略L字形をなす線状溝であり
且つその導入部が径方向に延びるものであることから、
導入部に流入した流体がその行き止まり箇所である非動
圧発生溝の屈曲箇所(導入部の終端箇所)において滞留
して、該屈曲箇所において動圧を発生させることにな
る。すなわち、非動圧発生溝においては、被動圧発生溝
による如き密封端面間を非接触状態に保持しうるに足る
動圧は発生しないが、動圧が全く発生しない訳ではな
く、主動圧発生箇所での発生動圧による密封端面の非接
触保持機能を補助しうる程度の動圧が発生することにな
る(以下、非動圧発生溝における動圧発生箇所である屈
曲箇所を「補助動圧発生箇所」という)。
【0008】ところで、各動圧発生溝ユニットを構成す
る第1動圧発生溝群と第2動圧発生溝群とが両動圧発生
溝群間を通過する直径線に対して対称形状をなしている
ことから、溝付密封端面が正逆何れの方向に相対回転す
るときにも、各動圧発生溝ユニットを構成するすべての
動圧発生溝は、動圧発生部(主動圧発生箇所)において
動圧を発生させる被動圧発生溝のグループと、動圧発生
部での動圧発生はないが動圧発生溝の屈曲箇所(補助動
圧発生箇所)において補助的な動圧を発生させる非動圧
発生溝のグループとに区別される。そして、両グループ
における動圧発生溝の形態(導入部及び動圧発生部の
数,形状,長さ,位置関係)及び動圧発生形態(主動圧
発生箇所及び補助動圧発生箇所の数,位置関係)は全く
同一である。
【0009】したがって、両密封端面の相対回転が正逆
何れの方向に行われた場合にも、全く同一の条件で動圧
が発生されることになる。すなわち、回転軸が正逆何れ
の方向に回転される場合においても、常に、同一条件で
両密封端面間に適正な動圧を発生させ得て、良好な軸封
機能が発揮されることになる。
【0010】また、動圧発生溝が占有面積の極く小さな
線状溝であるから、周方向に並列する動圧発生溝ユニッ
トの各々における被動圧発生溝数(特に、径方向におけ
る動圧発生部の並列数)を極めて多くすることができ
る。すなわち、正逆何れの方向に回転する場合にも、各
動圧発生溝ユニットを構成する2つの動圧発生溝群のう
ちの少なくとも一方は複数の被動圧発生溝を含んでお
り、各動圧発生溝ユニットには、必ず、動圧を発生すべ
く機能する動圧発生部が径方向に複数並列して存在する
ことになる。したがって、密封流体中のゴミやチリが一
部の被動圧発生溝に侵入,堆積して、その被動圧発生溝
における発生動圧が減少,消失した場合にも、各被動圧
発生溝が他の被動圧発生溝と流体導入経路(導入部)を
共用しない独立したものであることとも相俟って、周方
向における発生動圧の圧力分布が著しく不均一となるよ
うなことがなく、圧力分布不良による軸封機能の低下,
異常はこれが生じることがない。すなわち、周方向に並
列する動圧発生溝ユニットの各々に多くの独立した主動
圧発生箇所が存在することから、一の動圧発生溝ユニッ
トにおいては、一部の被動圧発生溝における発生動圧が
ゴミ等の侵入,堆積により減少したときにも、この動圧
発生溝ユニット全体としては発生動圧が殆ど減少,変動
せず、周方向の圧力分布が著しく不均一となるようなこ
とがなく、一の動圧発生溝ユニットにおける動圧が激減
して密封端面が局部的に接触するような虞れもない。か
かる作用効果は、各動圧発生溝ユニットには主動圧発生
箇所と同数の補助動圧発生箇所が存在することによっ
て、より確実に発揮されることになる。すなわち、補助
動圧発生箇所で発生する動圧は、密封端面間を積極的に
非接触に保持させるには不充分なものではあるが、仮
に、一部の主動圧発生箇所で発生する動圧が減少,消失
した場合にも、これを補って動圧発生溝ユニット全体と
しての動圧低下を可及的に防止すべく機能し、密封端面
の局部的接触を確実に回避する。このように、非動圧発
生溝は、密封端面の非接触保持機能に全く寄与しないも
のではなく、被動圧発生溝による密封端面の非接触保持
機能が著しく低下したときにおいて、これを填補する機
能を有するものであり、非動圧発生溝を含む全動圧発生
溝が密封端面を非接触状態に保持すべく機能することに
なるから、動圧発生溝による密封端面の非接触保持機能
が極めて良好に発揮されることになる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の構成を図1〜図3に示す実施
例に基づいて具体的に説明する。
【0012】図1に示す非接触形軸封装置おいて、1
は高圧側密封流体領域(例えば、タービン等の機内であ
る高圧ガス領域)Hと低圧側密封流体領域(例えば、タ
ービン等の機外である大気領域)Lとを区画するシール
ケース、2はシールケース1を洞貫する回転軸、3はシ
ールケース1に保持環4を介して軸線方向摺動可能に保
持された静止密封環、5は静止密封環3に対向して回転
軸2に固定された回転密封環、6はシールケース1と保
持環4との間に介挿されて、静止密封環3を回転密封環
5へと押圧附勢するスプリングである。なお、この実施
例では、静止密封環3がカーボン等の軟質材で、また回
転密封環5がWC,SiC等のセラミックス,超硬合金
等の硬質材で夫々成形されている。
【0013】而して、回転密封環5の端面である回転側
密封端面5aには、図1及び図2に示す如く、その周方
向に等間隔を隔てて近接状に並列する複数組の動圧発生
溝群ユニット10…が形成されていて、回転軸2により
回転側密封端面5aが正転方向(A方向)又は逆転方向
(反A方向)の何れに回転せしめられたときにも、回転
側密封端面5aとこれに対向する静止密封環3の端面で
ある静止側密封端面3aとの間に動圧を発生させうるよ
うになっている。
【0014】各動圧発生溝ユニット10は、図2及び図
3に示す如く、周方向に並列する第1動圧発生溝群10
1 とこれに近接して正転方向側に位置する第2動圧発生
溝群10 2 とからなる。各動圧発生溝群10 1 ,10 2
は、図2及び図3に示す如く、密封端面5aの高圧側周
端縁たる外周縁から径方向に延びる導入部12と導入部
12の端部から周方向に延びる動圧発生部13とからな
る複数の略L字状の動圧発生溝11 1 …,11 2 …を、
互いに交差することなく近接させて、径方向に並列させ
てなる。各導入部12は直線形状をなし、各動圧発生部
13は密封端面5aの中心Oを中心とする円弧形状をな
している。各動圧発生溝11 1 ,11 2 は、レーザ加工
法,エッチング加工法,ショットブラスト加工法等によ
って形成された浅い線状溝である。この線状溝の溝深さ
D,溝幅Wは、一般に、D=0.1〜20μm,W=
0.001〜2mmとしておくことが好ましく、特に、
動圧発生部13の溝深さは0.1〜10μmとしておく
ことが好ましい。また、各動圧発生群10における線状
溝11の本数及び溝幅、特に、動圧発生部13の本数及
び溝幅は、シール条件等に応じて設定されるが、一般に
は、グルーブ比が0.1〜0.9(より好ましくは0.
11〜0.6)となるように設定しておくことが好まし
い。なお、グルーブ比=(径方向に並列する動圧発生部
13…の溝幅の合計)/(シール面幅つまり両密封端面
3a,5aが重合する環状面の径方向幅)である。
【0015】而して、各動圧発生溝ユニット10におけ
る第1動圧発生溝群10 1 と第2動圧発生溝群10 2
は、図3に示す如く、両動圧発生溝群10 1 ,10 2
を通過する直径線14に対して対称形状をなしている。
すなわち、各動圧発生溝群10 1 ,10 2 における動圧
発生溝11 1 …,11 2 …の形成範囲α(密封端面5a
の中心Oを基準とする)並びに導入部12…の周方向間
隔及び動圧発生部13…の径方向間隔は夫々同一とされ
ている。第1動圧発生溝群10 1 は、動圧発生部13…
が各導入部12から正転方向(A方向)に延びており、
密封端面5aが逆転方向(反A方向)に回転したときに
おいて前記被動圧発生溝として機能する動圧発生溝(以
下「逆転用動圧発生溝」という)11 1 …のみで構成さ
れており、第2動圧発生溝群10 2 は、動圧発生部13
…が各導入部12から逆転方向(反A方向)に延びてお
り、密封端面5aが正転方向に回転したときにおいて前
記被動圧発生溝として機能する動圧発生溝(以下「正転
用動圧発生溝」という)11 2 …のみで構成されてい
る。各逆転用動圧発生溝111 における導入部12は直
径線に対して正転方向に一定角β傾斜しており、各正転
動圧発生溝112 における導入部12は直径線に対し
て逆転方向に同一角β傾斜している。なお、各動圧発生
溝群ユニット10における第2動圧発生溝群10 1 は、
正転方向において隣接する動圧発生溝群ユニット10に
おける第1動圧発生溝群10 2 とも、両動圧発生溝群1
1 ,10 2 間を通過する直径線14´に対して対称形
状をなしており、各動圧発生溝群ユニット10における
第1動圧発生溝群10 1 は、逆転方向において隣接する
動圧発生溝群ユニット10における第2動圧発生溝群1
2 とも、両動圧発生溝群10 1 ,10 2 間を通過する
直径線に対して対称形状をなしていることは勿論である
(図3参照)。
【0016】ところで、動圧発生機能を充分に発揮させ
るためには、少なくとも、動圧発生溝の数を可及的に
多く設けておくこと、動圧発生部13を動圧発生に必
要な助走距離を確保できるに充分な長さを有するものと
しておくことが必要である。したがって、動圧発生溝
ニット10…の形成形態は、かかる点及び前記グル
ーブ比を考慮した上で、密封端面5aの径やシール条件
等に応じて適宜に設定しておくことが必要である。例え
ば、導入部12…の周方向間隔及び動圧発生部13…の
径方向間隔は、を考慮して、可及的に小さく設定して
おくことが好ましく、この実施例では溝幅W程度に設定
してある。また、各導入部12の傾斜角度βは、一般に
0〜45°としておくことが好ましい。何故なら、β>
45°とすると、導入部12が必然的に長くなって、
の何れかを犠牲にせざるを得ず、発生動圧の減少に繋
がることになるからである。この実施例ではβ=15°
に設定してある。また、動圧発生溝の形成範囲αも
を考慮して適宜に設定されるが、一般には、α=5〜3
0°としておくことが好ましく、この実施例ではα=1
3°に設定してある。
【0017】以上のように構成された軸封装置によれ
ば、回転軸2が正転駆動して回転側密封端面5aが正転
方向(A方向)に回転されたときには、第2動圧発生溝
群10 2 を構成する正転用動圧発生溝11 2 …が被動圧
発生溝となって、その動圧発生部13の終端箇所たる主
動圧発生箇所において動圧が発生し、両密封端面3a,
5a間を非接触状態に保持する。一方、第1動圧発生溝
群10 1 を構成する逆転用動圧発生溝11 1 …は非動圧
発生溝となって、その導入部12の終端箇所たる補助動
圧発生箇所において、前記した如く、正転用動圧発生溝
11 2 …による密封端面の非接触保持機能を補助すべき
補助的な動圧を発生する。また、回転軸2が逆転駆動し
て回転側密封端面5aが逆転方向(反A方向)に回転さ
れたときには、上記とは逆に、第1動圧発生溝群10 1
を構成する正転用動圧発生溝11 1 …が被動圧発生溝と
なり、第2動圧発生溝群10 2 を構成する逆転用動圧発
生溝11 2 …が非動圧発生溝となって、上記した正転時
におけると全く同一の条件で、主動圧発生箇所及び補助
動圧発生箇所において動圧が発生する。したがって、回
転軸2が正逆何れの方向に回転されたときにも、同一条
件で密封端面3a,5a間に動圧が発生せしめられるこ
とになり、この発生動圧と静止密封環3に作用する背圧
つまり保持環4の背面に作用する高圧側密封流体による
圧力及びスプリング6による附勢力とがバランスされ
て、両密封端面3a,5aが高圧側密封流体による流体
膜を介在した非接触状態に保持され、この流体膜の形成
部分において高圧側密封流体領域Hと低圧側密封流体領
域Lとが良好に遮蔽シールされることになる。しかも、
各動圧発生溝ユニット10が独立した多くの被動圧発生
溝及びこれと同数の非動圧発生溝で構成されていること
から、一部の被動圧発生溝に密封流体中のゴミやチリが
侵入,堆積して、その被動圧発生溝において発生動圧が
減少,消失した場合にも、各動圧発生溝ユニット全体と
しては、非動圧発生溝の補助動圧発生箇所における動圧
発生と相俟って、密封端面の非接触保持機能が極端に低
下することがない。したがって、どのような状況下にあ
っても、密封端面が局部的に接触するような事態が発生
せず、密封端面が傾いた場合における復元力も大きく、
非接触形軸封装置の機能を良好に発揮,維持することが
できる。
【0018】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲におい
て、適宜に変更,改良することができ、特に、動圧発生
ユニット10の数,形態は任意であり、例えば、図4
〜図10に示す如き形態としておくことができる。
【0019】すなわち、図4に示すものでは、各導入部
12の直径線に対する傾斜方向を上記実施例におけると
逆にしてある。この場合における傾斜角度β(45°以
下)も任意に設定できる。また、図5に示すものでは、
この傾斜角度βを0°としてある。また、図6〜図9に
夫々示すものでは、各動圧発生溝群10 1 ,10 2 にお
いて、正転方向に延びる動圧発生部13を有する逆転用
動圧発生溝111 …と逆転方向に延びる動圧発生部13
を有する正転用動圧発生溝112 …とを混在させてあ
る。また、図10に示すものでは、各動圧発生溝1
1 ,112 における導入部12と動圧発生部13との
接合部分を円弧形状としてある。何れの場合にも、前記
及びグルーブ比を考慮すべきことは勿論である。
【0020】また、動圧発生溝ユニット10…は静止側
密封端面3aに形成することも可能である。但し、密封
環3,5がカーボン等の軟質材からなるものとWC,S
iC等のセラミックス,超硬合金等の硬質材からなるも
のとの組み合わせである場合、硬質材製のものに形成し
ておくことが好ましい。
【0021】
【発明の効果】以上の説明から容易に理解されるよう
に、本発明の非接触形軸封装置にあっては、各動圧発生
溝ユニットが周方向に対称形状をなす2つの動圧発生溝
群で構成されているから、回転軸が正逆何れの方向に回
転されるときにも、密封端面間に適正な動圧を発生させ
ることができる。しかも、回転軸の回転方向に拘わら
ず、動圧発生条件が同一となり、正転時と逆転時とで軸
封機能が異なることがない。
【0022】また、各動圧発生溝が占有面積の極めて小
さな略L字状の線状溝であるから、密封端面上に極めて
多くの被動圧発生溝つまり主動圧発生箇所を確保するこ
とができ、しかも、被動圧発生溝として機能しない動圧
発生溝(非動圧発生溝)にも或る程度の動圧が発生し
て、主動圧発生箇所以外にもこれと同数の補助動圧発生
箇所が存在することになる。したがって、正逆何れに回
転したときにも、すべての動圧発生溝において動圧発生
箇所が生じて、動圧発生箇所数が著しく多くなり、両密
封端面を適正な非接触状態に保持するに充分な発生動圧
を容易且つ確実に得ることができる。しかも、動圧発生
溝が各々独立したものであることとも相俟って、両密封
端面の径方向位置関係が変化した場合にも、一の動圧発
生溝ユニットにおけるすべての動圧発生溝から圧力が抜
けるようなことがなく、密封端面の局部的接触を確実に
防止すると共に密封端面が傾いた場合における復元力も
大きい。
【0023】さらに、独立した動圧発生溝を周方向及び
径方向に多数並列形成させておくことができるから、一
部の動圧発生溝に密封流体中のゴミやチリが侵入,堆積
して、部分的に発生動圧が減少した場合にも、全体とし
て、周方向における発生動圧の圧力分布が著しく不均一
になることがなく、圧力分布不良による軸封機能の低
下,異常を生じることがない。
【0024】したがって、本発明の軸封装置を使用する
ことにより、回転軸を一定方向に回転させる機器におい
ては勿論、これを正逆転させる必要のある機器において
も極めて良好な軸封を行いうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非接触形軸封装置の一実施例を示
す半截断面図である。
【図2】動圧発生溝群を形成した密封端面を示す正面図
である。
【図3】図2の一部を拡大して示す詳細図である。
【図4】他の実施例を示す密封端面の一部切欠正面図で
ある。
【図5】更に他の実施例を示す密封端面の正面図であ
る。
【図6】更に他の実施例を示す密封端面の正面図であ
る。
【図7】更に他の実施例を示す密封端面の正面図であ
る。
【図8】更に他の実施例を示す密封端面の正面図であ
る。
【図9】更に他の実施例を示す密封端面の正面図であ
る。
【図10】更に他の実施例を示す密封端面の一部切欠正
面図である。
【図11】従来の非接触形軸封装置における密封端面を
示す一部切欠正面図である。
【符号の説明】
1…シールケース、2…回転軸、3…静止密封環、3a
…静止側密封端面(シールケース側の密封端面)、5…
回転密封環、5a…回転側密封端面(回転軸側の密封端
面)、10…動圧発生溝ユニット、10 1 …第1動圧発
生溝群、10 2 …第2動圧発生溝群、111 ,112
動圧発生溝、12…導入部、13…動圧発生部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールケース側の密封端面と回転軸側の
    密封端面とが高圧側密封流体による流体膜を介在させた
    非接触状態で相対回転するように構成された非接触形軸
    封装置において、 一方の密封端面に、複数組の動圧発生溝ユニットが当該
    密封端面の周方向に等間隔を隔てて形成されており、 各動圧発生溝ユニットは、前記周方向に並列された2つ
    の動圧発生溝群であって、両動圧発生溝群間を通過する
    当該密封端面の直径線に対して対称形状をなす第1動圧
    発生溝群と第2動圧発生溝群とからなるものであり、 各動圧発生溝群は、当該密封端面の高圧側周端縁からそ
    の径方向に延びる導入部と導入部の端部から前記周方向
    に延びる動圧発生部とからなる複数の略L字状の線状の
    動圧発生溝であって、動圧発生部が導入部から同一方向
    に延びている複数の動圧発生溝を含むものを、互いに交
    差することなく近接させて、前記径方向に並列させてな
    るものであることを特徴とする非接触形軸封装置。
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