JP2639154B2 - 微小可動機械 - Google Patents

微小可動機械

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JP2639154B2 JP2023685A JP2368590A JP2639154B2 JP 2639154 B2 JP2639154 B2 JP 2639154B2 JP 2023685 A JP2023685 A JP 2023685A JP 2368590 A JP2368590 A JP 2368590A JP 2639154 B2 JP2639154 B2 JP 2639154B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は微小可動機械に関し、特に光走査、変調等を
行う微小光学系や半導体や医療の分野等で用いられる微
小マニピュレータ、ガス精密制御系等の微小機械要素と
して用いられる微小可動機械に関する。
(従来の技術) 従来、上記分野で使用されている微小可動機械は、主
に旋盤加工等の機械加工技術によって作製されており、
機械加工技術の進歩により比較的低価格で精度の良いも
のを作ることが可能である。しかし、昨今のマイクロエ
レクトロニクスの飛躍的な発展によって電子部品が急激
に小型化されたため、これに伴ってシステムの小型化が
さらに要求されるようになった。しかし、従来の機械加
工の延長上の技術では機械要素を電子部品の進歩程度に
急激に小型化することが不可能であるため、最近、革新
的な加工技術の出現が強く期待されている。例えば、光
変調で用いられている光チョッパーは従来メタルを加工
して作製した歯車とこれを駆動する電磁モータとからな
っている。精密に加工するために歯車の直径を数mm以下
にすることが困難であるのに加えて、この歯車を駆動す
るモータにコイルを使用するためこれも微細化すること
が不可能である。その結果、光チョッパーの寸法の数cm
3以下にすることがでなかった。一方、良く知られてい
るように光ICや電子ICは数mm角のチップ上にほぼ必要な
機能を全て集積化することが可能である。従って、上記
分野において、システムの小型化を実現するために機械
要素およびその駆動系の大きさが最大の障害となってい
ることがわかる。
二年ほど前にポリシリコンの表面マイクロマシーニン
グ技術を利用してシリコン基板表面上に可動機械部品を
互いに結合するジョイントが作れることが発表され、歯
車、バネ、スライダー、およびマイクロ鋏がポリシリコ
ンから試作された。特に、1988年のエレクトロデバイス
国際会議予稿集(Technical Digest of International
Electron Devices Meeting'88(IEDM'88))の666ペー
ジから669ページに記載されたエル.エス.ファン(L.
S.Fan)等による「IC−Processed Electrostatic Micro
−motors」において、100μm程度の直径と1μm程度
の厚さを持つ微小なポリシリコンマイクロモータの試作
が記述され、現実に静電力により500rpm程度の速さで回
転することが確かめられたことは注目に値する。この結
果、機械要素とその駆動系を小型化したシステムを現実
に作製できるのではないかと期待されるようになった。
以下、この技術を紹介し、その問題点と解決方法、およ
び試作したデバイスの本発明による効果を示す。
第15図(a)および(b)に先に引用したL.S.Fan等
が試作したポリシリコンステップモータの上面図と断面
図を示す。このマイクロモータは回転するロータ1と、
ロータ1が外れることを防ぐためにロータ1の中心側を
上面から覆うキャップ4をもつシャフト2、およびロー
タ1の外部に位置してロータ1の静電力を印加するステ
ータ3の3つの要素から構成されている。同図に明らか
なように、シャフト2と固定台7に固定されたステータ
3が絶縁膜5を介してシリコン基板6に固定されている
のに対して、ロータ1はシリコン基板6から自由であ
り、シャフト2のまわりに回転することができる。ロー
タ1とステータ3の間にお互いに反対符号の電圧を加え
るとき、静電力によりロータ1がステータ3に引き付け
られる。互いに180度反対側に位置する二つのステータ
に同位相の電圧を印加し、同図に示すようにΦ1、Φ
2、Φ3と順次位相を回転させるとき、ロータ1もそれ
に従って回転する。なお、ステータに印加する位相の回
転の向きを反対にすることによりロータ1の回転方向を
反対にすることができる。
このポリシリコンからなるステップモータは非常に微
小に作製することが可能である。第16図(a)〜(d)
は、ポリシリコンステップモータの作製方法である。シ
リコン基板6の一方の主面に酸化膜、窒化膜等の絶縁膜
5に堆積した後、絶縁膜5の上に第1PSG膜11および第1
ポリシリコン膜10を堆積し、10と11の膜中にステータと
ロータとの分離窓8をパターニングする(同図
(a))。第2PSG膜12を堆積した後、パターニングして
中央部にシャフトのための窓を開ける(同図(b))。
第2ポリシリコン膜13を堆積しパターニングしてシャフ
ト2とキャップ4を形成する(同図(c))。この試料
を弗酸液の中に長時間浸すことによりPSG膜11,12を除去
する(同図(d))。このとき、第1PSG膜11の一部を残
して固定台7となるようにエッチング時間を調製する。
同図(d)に示すように第1ポリシリコン膜10から先の
図のステータ3のロータ1が作製され、ロータ1をシリ
コン基板6から浮き上がった構造に作製できる。
以上示したように、ポリシリコンからなる可動機械は
シリコンICプロセスで作製することが可能であるため、
微小なものを作製することが出来る。さらに、シリコン
ICプロセスによるパターニングにより形の異なる機械要
素を同一シリコン基板上に一度に作製することができ、
個々の部品を従来の機械加工のように組み立てる必要が
ないという長所が付加されるため、今後の発展が大いに
期待される。
(発明が解決しようとする課題) しかし、上記従来技術は、堆積したポリシリコン薄膜
を機械要素として使用しているため、以下の問題点が生
じる。
(1)ポリシリコン薄膜をスパッタ装置で堆積するとき
堆積速度が小さいために厚い膜を作製するのに長い時間
を必要とする。通常のICプロセスに於てポリシリコン膜
の厚さは1μm程度までである。もちろん長時間の成長
を厭わないならばこれよりも厚い膜を形成することが可
能である。しかし、そのとき高価な装置を長時間占有す
ることからデバイスのコストが高くなる。さらに悪いこ
とに、厚いポリシリコン薄膜の内部には大きな内部応力
が生じており、基板の反りやクラックの原因となる。ま
してこの例のようにポリシリコン薄膜が最終的にシリコ
ン基板から分離されるときには内部応力によりポリシリ
コン構造が変形し、上に反ったり、下に反ってシリコン
基板に接触したり固着してしまったり等の問題が多数生
ずる。これらトラブルは1μm程度の厚さで既に数多く
報告されている。例えば、第四回固定センサとアクチュ
エータ国際会議予稿集(Digest of The 4th Internatin
oal Conference on Solid−state Sensors and Actuato
rs)(1987年6月)に記載のエス.ディ.センチュリア
(S.D.Senturia)による「Microfabricated Structures
for the Measurement of Mechanical Properties and
Adhesion of Thin Films」(11頁−16頁)に詳しく記述
されている。これらの経験から均一な内部応力をもつポ
リシリコン薄膜を作製することが容易でないことがわか
る。
(2)上記(1)に記したように厚いポリシリコン薄膜
を作製することが現実的に容易でない。しかし、ポリシ
リコンの厚さを厚くしたほうが以下に述べるように得策
である。
従来例のステップモータのロータはステータとの間の
電位差起因する静電力によって回転する。この静電力は
互いに対抗する電極面の断面積に比例する。従って、断
面積が小さい場合(1μm程度の厚さ)十分な静電力を
得るためには大きな電圧を印加する必要があった。先の
従来例では200Vから350Vもの電圧が必要であった。この
電圧は、通常のICで用いられている10V程度の電圧に比
べて非常に大きく、もしこの機械を駆動しようとすると
き、通常の電圧の他に昇電用のコイルを必要とするため
全体の装置が大きくなるという欠点があった。従って、
ロータとステータとを厚くすることが出来るならば、例
えば、10μm程度の薄膜を作ることができたならば印加
電圧を1/10にすることができ、たいへん望ましいことが
わかる。
(3)ポリシリコンの内部応力や機械定数の機械的性質
が現在精力的に研究されているが、形成する際のプロセ
スに強く依存しており、微小機械の構造を設計するのに
まだ充分のデータの蓄積がない。このため、作製前に機
械を精密に最適設計することができなかった。
以上の困難は従来のポリシリコンからなる微小可動機
械に固有の問題であり、これを解決する新しい機械の構
造及びこれを実現する製作方法が切に望まれていた。
本発明の目的は、上記従来技術の欠点を除去し、ポリ
シリコンにかわる物質を用いた微小可動機械とその作製
方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の微小可動機械は、固定電極に印加された静電
力により可動電極が移動する微小可動機械において、電
極のうち少なくとも一つが単結晶半導体からなり、しか
もストッパーを有することを特徴としている。ストッパ
ーは可動電極あるいは固定電極に固定するとよい。
本願発明の微小可動機械の機械方法は、固定電極に印
加された静電力により可動電極が移動する微小可動機械
の製造方法において、少なくとも一つの固定電極あるい
は可動電極パターンとストッパーとを半導体基板の一方
の主面に形成した後、半導体基板のパターンを形成した
側を他の基板に張り付け、前記電極パターンおよびスト
ッパーを前記半導体基板から分離することを特徴として
いる。
電極パターンの形成方法としては、ボロンを高濃度に
拡散したシリコン基板内に形成する方法や、半導体基板
と異なるタイプの不純物を拡散してそこに形成する方法
などがある。また可動電極を基板から分離する方法とし
ては、半導体基板にトレンチを形成し、半導体材料で埋
め、この半導体材料の上にストッパーを作製した後、こ
の半導体材料を除去する方法などがある。
本発明の微小可動機械として該電極に接する当該スト
ッパーの少なくとも一部に半球状の突起を設けた構造
や、外部の流体に接する少なくとも一つの可動電極ある
いはストッパーに少なくとも一方に少なくとも一つの凹
または凸を設けた構造もある。また可動電極の周囲にの
み当該固定電極を設けた構造もある。また可動電極の中
央に突起を設けてもよい。あるいは可動電極の上に固定
電極に吊るしてもよい。また固定電極あるいは可動電極
の一方の電極を他方の電極の上下に設けてもよい。
(作用) 本発明の微小可動機械機構では、可動電極あるいは固
定電極を単結晶半導体から構成する。単結晶は堆積した
ポリシリコン薄膜と異なり、その機械的性質が均一であ
り内部応力も小さく、さらに、良く知られた豊富なデー
タを使用することができるという長所をもっている。一
方、単結晶基板は通常微小な可動機械を作るには厚すぎ
るという困難があったが、本発明の作製方法に述べたよ
うに可動電極をパターニングした単結晶基板を薄くする
ことにより、微小な機械を作製することが可能となっ
た。このさい、単結晶基板を薄くする前に他の基板に張
り付けるので、エッチング後も個々の部品に分離してし
まうことがなく、微小機械の組み立ての手間を必要とし
ない。さらに、本発明により容易に作製することができ
るようになった微小機械の固定電極と可動電極の構造を
工夫することにより、、微小機械の種々の運動が可能と
なる。
(実施例) 本発明を用いて従来例と同様のステップモータを作製
したときの構造を第1図に示す断面図を用いて説明す
る。第1図で、周辺の固定電極31、中央の固定電極39、
可動電極32はシリコンの単結晶からなっており厚さは10
μmである。回転時には可動電極32はガラス基板34から
浮き上がっている。一方、固定電極31および39は、シリ
コンからなる固定台36によりガラス基板34上に固定され
ている。この可動電極32の下面にはストッパー33が可動
電極32に固定して設けられており、ストッパー33の先端
が中央の固定電極39の下面の一部を覆っている。このた
め、可動電極32が固定電極39から上にはずれてしまうこ
とを防げる。さらにストッパー33がガラス基板34の上面
に接触することにより可動電極32の下側への移動が制止
される。従って、可動電極32は常にガラス基板34の上の
狭い範囲の間に存在することになる。可動電極32がガラ
ス基板34の上を回転するときストッパー33とガラス基板
34との間に生じる摩擦を小さくする目的で接触面積を小
さくするための接触柱38がストッパー33に設けられてい
る。また、固定電極31と可動電極32との間の電気的短絡
を防ぐために絶縁壁37が固定電極31と可動電極32の側壁
に設けられている。また中央の固定電極39の側壁にも絶
縁壁37がある。絶縁壁37は可動電極32と中央の固定電極
39とが接触するときに潤滑膜としての機能も有してい
る。これら固定電極31,39,可動電極32,固定台36は全て
同一のシリコン基板から作製する。そのため、きわめて
近い機械的性質をもっていることが本構造の主な特徴で
ある。さらに、単結晶から作製されたため個々の内部構
造の機械的性質も非常に均一で、しかも内部応力が小さ
くなっている。固定電極31に駆動のための電位を供給す
るために、リード線35がガラス基板34上にメタルの選択
的形成により作製される。リード線35は固定台36の一部
と接しており電気的に導通している。同様にして、中央
の固定電極39もリード線35と導通しており(図示せ
ず)、可動電極32に固定電極39を通してアース電位を供
給している。可動電極32は側壁の絶縁壁37を介して固定
電極39と接触するが、可動電極32は電気的には浮いてい
るので固定電極39の電位つまりアース電位となる。通
常、メタル電極はクロム−金、チタン−白金、金等の複
数の金属膜から構成される。一方、周辺の固定電極31に
はアース電位に等しい電位と、異なる電位(10V程度)
との二相の交流電位が印加され、可動電極32の回りを順
次回転するように走査される。固定、可動の電極の厚さ
が10μmと従来より厚いため交流電位も10V程度と低く
ても充分回転する。可動電極32はアース電位である側の
固定電極31との間に力を生じないが、他方の固定電極と
の間に電位の差に比例した静電力を生ずる。このため可
動電極はアース電位と異なる固定電極の側に移動し、こ
の状態が円周上で順次回転するように切り替わるために
この切り替え速度に比例して回転する。なお、第1図の
実施例では、すべての電極を単結晶Siで作った。しか
し、例えば固定電極31と可動電極32のいずれかがポリシ
リコンであってもよい。固定電極31を厚さ10μmの単結
晶Si、可動電極32を厚さ1μmのポリシリコンとしたと
きは、両者とも厚さ1μmのポリシリコンである場合に
比べ両者の間に生じる電気力線が平行になるので設計等
がしやすい。
本発明の実施例の構造は静電力で駆動されるため小さ
な領域に大きな電界が生ずる。従って、もしデバイスが
高い湿度等の劣悪な環境にさらされるならば異なるメタ
ル配線間にガラス表面を通して電流リークが生じるため
問題となる。そのため、上記メタル配線をパターニング
した後、メタル配線の上に酸化膜、窒化膜等の絶縁膜を
スパッタ等により堆積することによりガラス基板を通し
たリーク電流を低く抑えることが出来る。さらに、第1
図の実施例の構造がガラス基板上に設けられていること
は注目に値する。ガラス基板はシリコン基板と異なり完
全な絶縁体であるため、可動電極32と固定電極31との間
に基板を介して寄生容量が生じない。そのため、可動電
極32と固定電極31との間に固定電極に供給した電位差に
等しい静電力が働く。これは従来例に比べてデバイスの
効率を著しく高めるのに役立つ。さらに、駆動の際に基
板を介した電気力線の影響を全く無視することが可能で
あるため、固定電極と可動電極との間の電気力線のみを
考慮するだけでデバイスを設計できる。そのため、デバ
イスの解析並びにスケーリングが著しく簡素化される。
本実施例ではシリコン基板をガラス基板に張り付けた
構造を述べたが、これをシリコン基板に張り付けた構造
も本発明に含まれる。このとき、シリコン基板がガラス
に比べて不完全な絶縁体であることから、デバイス内の
電気力線が複雑になるという欠点が生じるが、一方、容
易にシリコン基板内に凹凸の形状を作製することが可能
なことから、本実施例と異なる複雑な構造を作ることも
できる。例えば、一方のシリコン基板に可動電極を他方
のシリコン基板に固定電極を本発明の作製方法に従って
作製し、これらの基板をシリコン−シリコン直接接合法
によって接着することによってデバイスを構成すること
も可能となる。
第2図に第1図のモータを作製する方法の一実施例を
述べる。シリコン単結晶基板20の上に酸化膜21を形成
し、部分的に酸化膜2を除去した領域から高濃度のボロ
ンを拡散してボロン拡散層22を形成する(同図
(a))。酸化膜21を全面から除去し再び酸化膜23を設
け、部分的に除去した後、酸化膜23をマスクにしてボロ
ン拡散層22をシリコン基板20に到達するまでエッチング
してトレンチ溝24を形成する(同図(b))。このトレ
ンチ溝24は、ドライエッチングRIE(Reactive Ion Echi
ng)を用いると例えば円等の任意の断面形状を作製する
ことが可能である。簡単な多角形の形状のみから電極を
構成する場合にはシリコン基板20の面方位を(110)に
選び、EDP(エチレンジアミンピロカテコール)等の異
方性エッチング液を用いるウェットエッチングの技術に
よっても同図(b)に示すように垂直の壁に囲まれたト
レンチ溝24を作製することが可能である。酸化膜23をパ
ターニングして酸化膜25とし、これをマスクとしてボロ
ン拡散層22およびシリコン基板20のエッチングを同図
(c)に示すように行う。続いて、酸化膜25を除去し、
全面に酸化膜26を形成した後、ポリシリコン膜27により
トレンチ溝24を埋める(同図(d))。酸化膜26はボロ
ン拡散層22から外部へのボロンの拡散を防ぐ役目をす
る。このポリシリコン膜27にストッパーのための窓を開
ける。酸化膜、および窒化膜を堆積してストッパー28を
パターニングする(同図(e))。このときに接触柱38
も形成される。この酸化膜と窒化膜の複合膜では内部に
大きな応力が生じてストッパーが変形する原因となる。
この変形を小さくするために酸化膜と窒化膜の厚さの比
を4:1から2:1程度の間にすることが望ましい。また900
℃から1100℃程度で複合膜をアニールすることも内部応
力を減少させるのに役立つ。この後、固定電極31、39の
下面のポリシリコン膜27および酸化膜26を除去して固定
電極31,39を静電接着法によりガラス基板に接着する
(図示せず)。このガラス基板には予め第1図のリード
線35となるクロム−金、あるいはチタン−白金−金等の
複合メタル層が選択的にパターニングされている。これ
ら金属層とボロン拡散層からなる固定電極との導通をシ
リコンとガラスとの接合の力を利用して行う。ボロン拡
散層がメタル層に物理的に直接押し付けられることによ
り導通がとられるため、接着剤を必要としない。最後
に、シリコンとガラスとが接着した試料をEDP等のエッ
チング液に浸し、シリコン基板20とポリシリコ27を除去
し、試料を弗酸に軽く浸すことにより酸化膜26を除去し
て可動電極32を基板から自由にする。EDP等のエッチン
グ液は高濃度にボロンが拡散された層のみを残してシリ
コン基板を溶かす性質があり、さらに、ガラス基板や金
等のメタルもエッチング液に溶けないで残る。以上述べ
た作製方法でボロン拡散温度と時間を変化させることに
より固定電極と可動電極との厚さを1μm程度から数十
μm程度に容易に変化させることが出来る。この際、ボ
ロン拡散層が単結晶がシリコンからなるため、その機械
的性質が均一であることがこの構造の大きな特徴であ
る。従って、厚い固定電極あるいは可動電極を作製して
も従来のポリシリコン薄膜と異なりその形状が反ったり
することがない。さらに、従来例の作製方法では先に図
示した以外にリード線と二回のコンタクトのために最低
さらに三枚のマスク工程が必要であるため、合計で6回
のマスク工程を必要とするのに対し、本発明の製作方法
ではシリコンに5回のマスク工程を必要とするだけであ
る。このため、製作が容易となった。
第3図に本発明の構造を作製するための他の方法の一
例を述べる。同図の構成要素で第2図の要素と同じ番号
を持つ要素は同じ構成要素を示している。同図の(a)
から(c)までの作製方法は第2図(a)から(c)ま
での作製方法と同じであるので説明を省略する。本発明
では第2図の酸化膜26をパターニングしてトレンチ溝24
のみを覆う酸化膜45を形成する。ポリシリコンを用いて
トレンチ溝24を生めた後、このポリシリコンをエッチバ
ックによりトレンチ溝24のみにポリシリコン膜47を残す
ようにする。続いて、全面をCVD酸化膜46で覆う(同図
(d))。この酸化膜46にストッパーのための窓を設
け、ポリシリコンの堆積、パターニングにより、ポリシ
リコン膜からなるストッパー48を作製する。この試料の
全面にボロンを拡散してストッパーのポリシリコン膜48
にボロンを高濃度に拡散する(同図(e))。試料を弗
酸の中に浸すことによって酸化膜46を全面から除去した
後、この試料をガラス基板に接着する。この試料のEDP
等のシリコンエッチング液に浸して、シリコン基板20お
よびポリシリコン47を除去する。一方、ポリシリコン膜
48はボロンが高濃度に拡散されているためにエッチング
されないで残る。最後に、試料を弗酸溶液に軽く浸して
酸化膜45を除去して可動電極32を自由にする。この方法
により、ポリシリコンからなるストッパー48を作製する
ことができる。この製造は単一の材料からなるため、第
2図の構造のときに問題となる恐れのあるストッパー内
部の歪みを小さくすることができる。なおストッパー48
はノンドープあるいはn型のポリシリコンでもかまわな
い。また本実施例では最初にボロンの拡散を行ったが、
この順番をかえて、図の(b)、(c)の後にボロンの
拡散(a)を行ってもよい。また図の(b)と(c)の
各工程の順序も逆にしてもよい。
本作製方法で用いた高濃度ボロン拡散によるシリコン
のエッチング停止の他に、シリコン基板と異なる不純物
を拡散した層に静電圧を印加してエッチングを停止させ
る電気化学的エッチストップ法も有効である。この方法
を行うには例えば第2図の22をn型拡散層とし基板をp
型とすればよい。エッチングが停止する不純物層全体が
等電位となるようにするため、例えば、ガラス基板のメ
タル配線をデバイスの外部でショートさせておき、シリ
コンのエッチングが終了した後、例えば、チップに切断
する際にこの外部のショート部を同時に切断する等の工
夫が必要である。さらに、本実施例で記述したボリシリ
コンでトレンチ溝を埋める方法の他にPSG、BPSG等の材
料をHTO(igh emperature xidation)CVD、TEOS
etra thyl rtho−ilicate)等の方法を用い
て埋めることも本発明に含まれる。
第4図に本発明の他の実施例の構造を示す。同図で第
1図の構成要素と同一の番号をつ構成要素は同一の要素
を示している。第4図の構成は、ストッパー49を除いて
第1図の実施例と同じである。この実施例ではストッパ
ー49が可動電極32の周囲に設けられており、ストッパー
49の先端が固定電極31の一部を覆うように作製されてい
る。可動電極32が回転するとき可動電極32が頻繁に中央
の固定電極39と接触するため、この可動電極32の内側で
材料的な摩耗が生じ易い。従って、本発明の構成のほう
が可動電極の内側にストッパーを設けた第1図の構成よ
りもデバイスが壊れにくいという利点がある。
第5図に本発明の他の実施例を示す。同図の構成要素
で第1図の構成要素と同じ番号を持つものは同じ要素を
示している。第5図の構成は、ストッパー50の構造を除
いて第1図の実施例と同じである。本実施例ではストッ
パー33に加えてストッパー50が固定電極31に接して設け
られている。このストッパー50により可動電極32のガラ
ス基板34に接触するのを防止できることに加えて、可動
電極32の上下方向の移動範囲を小さく制限できるため、
常に可動電極32と固定電極31との相対的位置を一定に設
定することが可能となる。従って、可動電極32に働く静
電力の大きさを可動電極の運動に拘わらずに一定に保つ
ことが可能となった。
第6図に本発明の他の実施例を示す。同図の構成要素
で第1図の構成要素と同じ番号を持つものは同じ要素を
示している。第6図の構成は、ストッパー62が中央の固
定電極61および可動電極60と接触する部分の構造を除い
て第1図の実施例と同じである。本実施例ではストッパ
ー62の可動電極60側に半球面状の突起64が設けられてお
り、この突起64を介してストッパー62が半球状のくぼみ
が設けられた中央の固定電極61と接触している。このよ
うに球面で接触する構造は第1図の構造のような平面で
接触する構造に比べてストッパーと固定電極との接触面
積を小さくできる。従って、ストッパー62と固定電極61
との摩擦を小さくすることが出来る。これはデバイスの
摩耗を小さくし、可動電極60がよく運動することに役立
つ。突起64やくぼみの形状は半球状に限らず、接触面積
を小さくできる滑らかな形状であれば何でもよく、例え
ば回転楕円体を半分に割ったような形状でもよい。
第7図(a)〜(e)に第6図の構造を作製する方法
の一実施例を示す。同図の構成要素で第2図の構成要素
と同じ番号を持つものは同じ要素を示している。シリコ
ン単結晶基板20の上に酸化膜21を形成し、部分的に酸化
膜21を除去した領域からシリコンを除去してトレンチ溝
24を形成する(同図(a))。酸化膜21を部分的に除去
して酸化膜23を形成し、これをマスクにしてシリコン基
板20を浅くエッチングする(同図(b))。酸化膜23を
除去し酸化膜70を設ける。この酸化膜70の一部を窓を開
け、硝酸弗酸の混合液等の等法性のエッチング液を用い
てシリコン基板に半球面状の穴71を形成する(同図
(c))。再びシリコン基板を酸化した後、トレンチ溝
24及び半球面穴73の内部に酸化膜を残してボロンを拡散
する(同図(d))。続いて、第2図あるいは第3図に
示した方法によりストッパー62を作製する(同図
(e))。その後の作製方法は第2、あるいは3図の方
法で記述したと同様であるため省略する。
第8図に本発明の他の実施例を示す。同図の構成要素
で第1図の構成要素と同じ番号を持つものは同じ要素を
示している。第8図の構成では、可動電極82の一部に半
球状の凹凸突起80および81とが設けられている。流体力
学で良く知られているように流体に接する部分に突起が
あるときその部分に働く流体の圧力が変化する。第8図
の構造の場合には可動電極82が回転するに従って、可動
電極82に上向きの揚力が働く。この結果、ストッパー33
と基板34との摩耗が減少して可動電極の運動を効率良く
行うことが可能となる。なお、第8図では凹と凸をとも
に形成したが、凹のみや凸のみでもよい。また第8図で
は凹凸を可動電極82に設けたがストッパー33にこれを設
けてもよいし、両方に設けてもよい。突起の形状は半球
状に限らず、揚力が働くような形状であれば何でもよ
い。また本実施例のモータに第6図に示したような突起
とくぼみを設けてもよい。
第9図に本発明の他の実施例を示す。同図の構成要素
で第4図の構成要素と同じ番号を持つものは同じ要素を
示している。第9図の構成は、第4図の中央の固定電極
39が除去されたことと可動電極92の構造が歯のない円形
となったことを除いて第4図の実施例と同じである。し
かし、本発明の構造は第4図の構造と運動状態および性
能の点で著しく異なる。第4図の構造では従来例の第15
図(a)に示した歯車の形状をもつ可動電極32が中央の
固定電極39に接触して回転する。駆動のための静電力が
可動電極の外周に設けられた固定電極により供給される
ため、可動電極が中央の固定電極に接触する部分には常
に大きな摩擦力が発生した。この摩擦力のために可動電
極の内周部がすり減りデバイスの寿命が短縮化されると
いう問題があった。一方、本実施例では可動電極92が周
囲の固定電極31に接しながら転がるような状態で回転す
る。通常の摩擦に比べて転がり摩擦のほうが非常に小さ
いことから、可動電極は滑らかに運動を行い、その結
果、可動電極の摩耗による損傷を著しく減少させること
が可能となる。なお、同図の絶縁壁37の材質として酸化
膜あるいは窒化膜、もしくはこの複合膜等を用いること
ができる。また本実施例のモータに第6図に示したよう
な突起とくぼみを設けてもよいし、第8図に示したよう
な凹や凸を設けることも可能である。
第10図に本発明の他の実施例を示す。同図の構成要素
で第4図の構成要素と同じ番号を持つものは同じ要素を
示している。第10図の構成は、第4図の実施例に比べ
て、第4図の中央の固定電極39が除去されたこと、可動
電極102の構造に中央突起部100を設けたことが主な特徴
である。可動電極102が中央の突起部100をガラス基板34
に接触させて、独楽の回転と同様の原理で回転運動を行
う。可動電極102が回転しているとき、可動電極は中央
突起100のみで他の材質と接触する。従って、接触面積
が小さいことから、可動電極に働く摩擦を小さく抑える
ことが可能となる。なお、同図にはガラス基板34の上に
可動電極の突起部100が動けるためのすき間となる穴101
が開口されている。この実施例のほかに、突起部100の
長さを短くして可動電極102の運動の隙間を作った構成
も本発明に含まれる。このときガラス基板34に穴101を
設ける必要がないという利点がある。また本実施例に第
6図で示したような突起とくぼみを設けてもよいし、第
8図で示したような凹や凸を設けてもよい。また突起部
は半球状のものでもよい。
第11図に本発明の他の実施例を示す。同図の構成要素
で第1図の構成要素と同じ番号を持つものは同じ要素を
示している。第11図の構成は、第1図の中央の固定電極
の構造と、ストッパーの構造が第1図の実施例と大きく
異なる。この実施例では、中央の固定電極110がアーム1
13により可動電極112の上につり上げられている。スト
ッパー111は可動電極112を連結するとともに固定電極11
0の中央部に設けられた半球状の穴114で固定電極110と
接している。第6図の例と同様に本発明の構成も可動電
極と固定電極との摩擦を減少させるのに効果的である。
また第11図の実施例に第8図に示したような凹や凸を設
けてもよい。さらに、第11図に示すように可動電極112
の下側のガラス基板34表面に空間ができるため、ここに
新たな機械をもつ要素を以下の実施例に述べるように設
けることも可能である。
第12図に本発明の他の実施例を示す。同図の構成要素
で第1図の構成要素と同じ番号を持つものは同じ要素を
示している。第12図の構成は、周囲の固定電極121の構
造と、ガラス基板34の上に新たに設けられた固定電極12
2の構造が第1図の実施例と異なる。本発明では、可動
電極32がその上下に設けられた固定電極121および122と
により駆動される。121と122の平面状の位置が異なるよ
うに配置したとき、121と122に加える電圧を制御するこ
とにより可動電極32が中央の固定電極39およびガラス基
板34の表面に接触することなく回転させることが可能と
なる。これにより、デバイスの摩擦の問題が著しく軽減
される。また、固定電極121と122の平面上の相対位置を
ずらせて配置し、駆動電圧を121−122−121と順次供給
するとき、可動電極32を第1図の構成に比べて固定電極
配置の半分のピッチで微細に回転させることができる。
さらに、第11図の構成により中央の固定電極をガラス基
板の上に吊るすことにより拡大された可動電極の下の領
域に第12図のような固定電極を設けることにより可動電
極の上下方向の位置を抑制することも可能である。ま
た、ガラス基板にかえてシリコン基板を用いるならば、
この領域に設けることも可能である。なお、ガラス基板
上の固定電極122はメタルの選択エッチング、あるいは
高濃度ボロンが拡散されたシリコン等から形成すること
ができる。また本実施例に第6図に示したような突起と
くぼみを設けてもよいし、第8図に示したような凹や凸
を設けてもよい。また第9図のように中央の固定電極を
除去してもよいし、第10図のように中央突起部を設けて
もよい。
第13図に本発明のほかの実施例を示す。同図の構成要
素で第1図の構成要素と同じ番号を持つものは同じ要素
を示している。第13図の構成は、可動電極132と周囲の
固定電極31の相対位置と、ストッパー130の構造が第1
図の実施例と異なる。本発明では、ストッパー130のノ
ブ131が可動電極132の上表面と同じ高さに設けられてい
る。このため、可動電極132が固定電極31、39の上表面
よりも低く位置するようになるので、周囲の固定電極31
と中央の固定電極39との間の電気力線の分布が同図の可
動電極の全体でガラス基板34の表面に平行となる。これ
により、固定電極31および39の上表面付近で電気力線で
分布がガラス基板34と平行でない影響を除去できる。従
って、本発明の構造により可動電極132に均一な力が働
くため、可動電極の回転が滑らかとなる利点が生まれ
る。
第14図に本発明の他の実施例を示す。同図の構成要素
で第1図の構成要素と同じ番号を持つものは同じ要素を
示している。ここではストッパーを省略して描いてい
る。第14図の構成では、可動電極142が従来例と同様の
ポリシリコンから作製されるのに対して、固定電極31と
39が高濃度ボロンが拡散された単結晶シリコンからなっ
ている。このような構造を取ることによりデバイスの設
計の自由度が大きくなり、用途に応じて種々に構造と材
料とを選ぶことが可能となる。
なお、以上説明した例では電極を構成する単結晶Siは
すべてSi基板から形成したが、これに限らずガラス基
板、サファイア基板、表面に絶縁膜を形成した半導体基
板等の上に気相エピ(選択エピも含む)、レーザアニー
ル等で形成した単結晶Siを用いてもよいことは明らかで
ある。
また第5〜第14図に示した例およびその変形例は電極
の少なくとも1つが単結晶半導体である。他の一方の電
極はポリシリコンであってもよい。
以上述べたデバイスでは、異なる電位が印加された固
定電極と可動電極との歯の間にのみ静電力が働くので、
力の釣り合いの条件から電圧が供給された固定電極の歯
の位置に可動電極の歯が合致するように可動電極を移動
できる。印加電圧を隣り合う固定電極の歯に順次に操作
することによりこの操作方向に可動電極をうごかすこと
が可能となる。また、可動電極の一部の位置を固定電極
側の一部で検出することにより可動電極の変位を検出す
ることも可能である。例えば、駆動電圧が印加されない
固定電極側の歯と可動電極の歯との電気容量を検出する
回路を設けるとか、固定電極側に可動電極に向かってレ
ーザを放出しその反射光を検出する手段を設ける等の方
法がある。この可動電極の位置を示す信号を固定電極側
の駆動回路にフィードバックされることにより可動電極
の移動制御をさらに精密にすることが可能である。
以上、平面上を回転可能なステップモータの構造、作
製方法、および駆動方法を述べた。このアクチュエータ
はこのままで従来例で述べたステップ回転モータとして
利用することが出来る。さらに、可動電極の歯の位置の
平坦面の上にメタル等を既知の方法で堆積、パターニン
グすることにより微小な光反射シャッターを作製するこ
とが可能である。つまり可動電極をシャッターとして使
うわけである。この光シャッターの作製方法としてさら
に光CVD等の技術を用いて直接描画する手法も本発明に
含まれる。また、ガラス基板34を通して裏面から進入し
た光を歯車(可動電極)の歯によりチョッピングする光
チョッパーにも容易に応用できる。さらに、光ファイバ
ーあるいは発光素子と受光素子とをのせることにより光
ディスクを読み書きする微少な光回転ヘッドを構成する
ことも可能である。本発明の実施例では静電力で駆動す
る方法を述べたが固定電極をコイル等で構成し可動電極
を電磁力で駆動する方法も本発明に含まれる。さらに、
本発明のアクチュエータは回転運動をするものに限られ
ることなく、直線上に動くアクチュエータにも容易に適
用することが出来る。このとき、固定電極が可動電極の
周囲に直線的に配列される。
(発明の効果) 本発明の微少可動機械は単結晶半導体から構成要素が
構成されるため、従来例のポリシリコン薄膜からなる構
造の欠点が著しく改善された。構成要素の厚さを大きく
変化させることが可能であるため製作および駆動が容易
になった。さらに、厚くしても内部に応力が生じないの
で反り等の形状変化を小さくすることができる。本発明
の製造方法を用いると従来例よりも少ないマスク工程で
製作することができ、デバイスの歩留りを飛躍的に改善
できた。本発明の構造では単結晶半導体基板をもう一つ
他の基板の張り合わせて製作されているので、この他の
基板にガラス基板を選ぶならば、デバイス内部の電気力
線の解析が容易になり、デバイス設計を著しく簡素化す
ることができる。特に、基板の寄生容量が非常に小さく
することができることから、外部の印加電圧を効果的に
利用できることの利点は著しいものである。本文で述べ
た利用方法の他に、この単結晶半導体からなるアクチュ
エータの上に種々のセンサを形成するとき非常に微小で
高速に動作する可動センサ機械も実現することが可動で
ある。これらの効果は著しいものであり、本発明は有効
なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本願第一の発明の一実施例の断面図、第2、3
図は本願発明の作製方法の一実施例の断面図、第4図か
ら第6図は本願発明の他の実施例の断面図、第7図は第
6図に示した本願発明の実施例の作製方法の断面図、第
8図から第14図は他の実施例の断面図を示している。さ
らに、第15図(a)および(b)は従来の構造の上面図
および断面図、第16図はその作製方法の断面図を示す。 1……ロータ、2……シャフト、3……ステータ、4…
…キャプ、5……絶縁膜、6……シリコン基板、7……
固定台、8……分離窓、10……第1ポリシリコン、11…
…第1PSG、12……第2PSG、13……第2ポリシリコン、20
……シリコン基板、21,23,25,26,45……酸化膜、22……
ボロン拡散層、24……トレンチ溝、27……ポリシリコン
膜、28……ストッパー、31……固定電極、32……可動電
極、33……ストッパー、34……ガラス基板、35……リー
ド線、36……固定台、37……絶縁壁、38……接触柱、39
……固定台、46……CVD酸化膜、47……ポリシリコン、4
8,49……ストッパー、50,62,111,130……ストッパー、6
0,82,92,102,112,132,142……可動電極、70,72,73……
酸化膜、71……半球状穴、80……半球状突起、81,114…
…半球状穴、100……突起、101……穴、110,121,122…
…固定電極、113……アーム、131……ノブ。

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定電極に印加された静電力により可動電
    極が移動する微小可動機械機構において、電極のうち少
    なくとも1つの電極が単結晶半導体からなり、かつ少な
    くとも可動電極にストッパーが設けられていることを特
    徴とする微小可動機械。
  2. 【請求項2】固定電極に印加された静電力により可動電
    極が移動する微小可動機械機構の製造方法において、少
    なくとも1つの固定電極あるいは可動電極パターンとス
    トッパーとを半導体基板の一方の主面に形成した後、前
    記半導体基板のパターンを形成した側を他の基板に張り
    付け、前記電極パターンおよびストッパーを前記半導体
    基板から分離することを特徴とする微小可動機械の製造
    方法。
  3. 【請求項3】電極パターンをボロンが高濃度に拡散され
    たシリコン基板内に形成したことを特徴とする請求項2
    に記載の微小可動機械の製造方法。
  4. 【請求項4】電極パターンを半導体基板の不純物のタイ
    プと異なる不純物タイプを拡散した半導体基板内に形成
    したことを特徴する請求項2に記載の微小可動機械の製
    造方法。
  5. 【請求項5】半導体基板上に形成したトレンチを半導体
    材料で埋め、ストッパーを作製した後、当該半導体材料
    を除去したことを特徴とする請求項2または3または4
    に記載の微小可動機械の製造方法。
  6. 【請求項6】ストッパーの電極と接する部分に滑らかな
    形状の突起を設けたことを特徴とする請求項1に記載の
    微小可動機械。
  7. 【請求項7】外部の流体に接する少なくとも1つの可動
    電極あるいはストッパーの少なくとも一方に少なくとも
    1つの凹あるいは凸を設けたことを特徴とする請求項1
    または6に記載の微小可動機械。
  8. 【請求項8】可動電極の周囲にのみ当該固定電極を設け
    たことを特徴とする請求項1または6または7に記載の
    微小可動機械。
  9. 【請求項9】可動電極の中央に突起を設けたことを特徴
    とする請求項1または6または7または8に記載の微小
    可動機械。
  10. 【請求項10】可動電極の上に該固定電極を吊したこと
    を特徴とする請求項1または6または7に記載の微小可
    動機械。
  11. 【請求項11】固定電極を可動電極の上下に設けたこと
    を特徴とする請求項1または6から10のいずれかに記載
    の微小可動機械。
  12. 【請求項12】固定電極に印加された静電力により可動
    電極が移動する微小可動機械において、固定電極が単結
    晶半導体からなり、可動電極がポリシリコンからなり、
    当該可動電極を固定電極に設けられたストッパーによっ
    て可動電極の基板に垂直な動きを制限したことを特徴と
    する微小可動機械。
  13. 【請求項13】請求項1または請求項6から12のいずれ
    かに記載の微小可動機械であって、当該固定電極と可動
    電極が半導体基板上に設けられたことを特徴とする微小
    可動機械。
  14. 【請求項14】請求項1または請求項6から12のいずれ
    かに記載の微小可動機械であって、当該固定電極と可動
    電極が絶縁基板上に設けられたことを特徴とする微小可
    動機械。
  15. 【請求項15】絶縁基板上に設けられた金属配線を絶縁
    膜により被覆したことを特徴とする請求項14に記載の微
    小可動機械機構。
  16. 【請求項16】請求項1または請求項6から15のいずれ
    かに記載の微小可動機械の可動電極の上面に金属パター
    ンを設けたことを特徴とする光反射シャッター。
  17. 【請求項17】請求項1または請求項6から15のいずれ
    かに記載の微小可動機械の基板の裏面から照射した光を
    当該可動電極によってチョッピングすることを特徴とす
    る光チョッパー。
  18. 【請求項18】請求項1または請求項6から15のいずれ
    かに記載の微小可動機械の可動電極の上面に光学素子を
    設けて光ディスクを読み書きをすることを特徴とする光
    ヘッド。
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