JPH11356065A - マイクロアクチュエ―タ - Google Patents

マイクロアクチュエ―タ

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JPH11356065A
JPH11356065A JP11824599A JP11824599A JPH11356065A JP H11356065 A JPH11356065 A JP H11356065A JP 11824599 A JP11824599 A JP 11824599A JP 11824599 A JP11824599 A JP 11824599A JP H11356065 A JPH11356065 A JP H11356065A
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stator
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 情報の読書きの誤差が少なく信頼性を向上さ
せる。 【解決手段】 左側の固定子41を第1固定子41a
と、第2固定子41b,41cとで構成し、右側の固定
子42を第1固定子42aと第2固定子42b,42c
とで構成する。可動子3をばね4によって支持し、各固
定子41,42の電極を可動子3の電極と微小な間隔を
保って対向させる。各固定子41,42の第1、第2固
定子にそれぞれ異なった電圧を印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学部品、光磁気
・磁気ディスク等の小型部品の駆動に用いられるマイク
ロアクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】小型アクチュエータを磁気ヘッドのサス
ペンションの先端に搭載してスライダーを駆動するマイ
クロアクチュエータが、エル.エス.ファン(L.S.
Fan)等によって提案されている〔「Magnetic Recor
ding Head Positioning at Very High Track Densities
Using a Microactuator-Based,Two‐Stage Servo Syst
em」(IEEE Transactions on Industrial Electronics,
Vol.42,No.3,pp.222-233,June 1995)〕。このマイクロ
アクチュエータを図9〜図11に示す。図9はマイクロ
アクチュエータの平面図、図10は図9のA部の拡大
図、図11は図10のA−A’線断面図である。これら
の図において、マイクロアクチュエータはシリコン基板
100上に対向して設けられた2つの固定子93,94
と、これらの固定子93,94間に設けられた可動子9
2を備えている。可動子92は、ばね91によってシリ
コン基板100上の所望の位置に浮いた状態で支持され
ている。ばね91は、シリコン基板100に設けられた
バネ固定台90によって支持されることにより、シリコ
ン基板100から分離している。
【0003】前記固定子93,94は、同一ピッチで櫛
歯状に一体に形成されることにより多数の櫛歯部93
A,94Aをそれぞれ備え、また各櫛歯部93A,94
Aの一方の側面には同じく所定のピッチで櫛歯状に形成
された多数の固定子電極93B,94Bを備えている。
また、可動子92も前記固定子93,94の櫛歯部93
A,94Aと同一ピッチで櫛歯状に形成されることによ
り多数の櫛歯部92Aを有し、また各櫛歯部92Aの一
方の面には前記固定子電極93B,94Bの間にそれぞ
れ差し込まれる可動子電極92Bを備えている。固定子
電極93B,94Bは、固定子93,94とともにシリ
コン基板100に接着されているのに対して、可動子電
極92Bは櫛歯部92Aとともにシリコン基板100か
ら分離している。このため、可動子電極92Bと二つの
固定子93,94の電極93B,94Bとの間に電圧を
加えると、可動子92を図9において右側あるいは左側
に駆動させることができる。すなわち、左側の固定子9
4と可動子92に電圧を印加すると左側に、右側の固定
子93と可動子92に電圧を印加すると右側に移動させ
ることができる。
【0004】このマイクロアクチュエータは、シリコン
基板100の上で後に可動子92を形成する領域に2μ
m厚のPSG(燐シリガラス)をパターニングし、この
上にフォトリソグラフィーを利用して形成したレジスト
パターニングの間に銅メッキを行う方法を用いて製作さ
れた。最後に、フッ酸を用いてPSGを除去することに
よって可動子92、櫛歯部92A、可動子電極92Bお
よびばね91をシリコン基板100から分離した。この
ようにして、ファン等は20μm厚の銅を材料とするマ
イクロアクチュエータの試作を行った。
【0005】一方、シリコンICプロセスを利用するマ
イクロアクチュエータでは、従来からポリシリコン薄膜
を利用した構造がよく知られている。ポリシリコンを構
造体とするマイクロアクチュエータは、電気メッキアク
チュエータと比較して、シリコンICプロセスとの整合
性が良く、また優れた機械的特性を示すという長所があ
る。しかし、磁気・光磁気ヘッド等への応用において
は、ヘッドが所望の方向以外の方向へ動くことを低く抑
えることが必要である。
【0006】図9に示したマイクロアクチュエータで
は、可動子92が図において左右方向に動くことが要求
されているが、一方紙面に対して垂直な方向に動くこと
は極力小さく抑えなければならない。この要求から、ば
ね91の厚さを厚くすることが必要とされる。また、大
きな静電気力を利用するためにも可動子電極92Bと固
定子電極93B,94Bの厚さを厚くすることが重要で
ある。
【0007】以上の要求から、20μm以上の厚さをも
つマイクロアクチュエータを製作することが実用上重要
とされるようになった。ポリシリコン薄膜は実用上4μ
m程度の厚さをもたせることが限界であることから、上
述したメッキ技術や以下に述べるシリコン単結晶のエッ
チング加工技術を利用したマイクロアクチュエータが開
発されるようになった。
【0008】シリコン単結晶からなるマイクロアクチュ
エータを製作するには、例えばエイ.ベニチェツ(A.
Benitez)等による「Bulk Silicon Microelectr
omechanical Devices Fabricated from Commercial Bon
ded and Etched‐Back Silicon‐on‐InsulatorSubstra
tes」(Sensors and Actuators, A50,pp-99-103,1995)に
記載されたSOI(Silicon On Insulator)基板を利用
する方法がある。この方法を用いると、図11に示した
可動子電極92Bおよび固定子電極93B,94B(図
示せず)を厚さ20μmのシリコン単結晶から形成する
ことが可能となる。すなわち、可動子92およびばね9
1の下方に位置するSOI基板の酸化膜101をフッ酸
によって除去することによって可動子92およびばね9
1をシリコン基板から分離することができる。この場合
には、可動子電極の92の幅が固定子電極の櫛歯部93
A,94Aの幅よりも狭く設計されているために、フッ
酸のエッチングを行った後にも、固定子電極の櫛歯部9
3A,94Aの下にはまだシリコン酸化膜101が残さ
れている。このようにして例えば20μmの厚さをもつ
シリコン単結晶からなる可動子電極92Bおよび固定子
電極93B,94Bをシリコン基板100の上に形成す
ることが可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図9に示した構造をも
つ従来のマイクロアクチュエータは、上記した通り左側
の固定子94と可動子92の間に電圧を加えることによ
って可動子92を左向きに動かすことができ、右側の固
定子93に電圧を加えた場合は可動子92を右向きに動
かすことができる。しかし、この駆動の際に可動子92
がシリコン基板100に対して平行でなく、ある角度を
もって傾いてしまうことが判明した。このため、ヘッド
もディスクに対して傾くことから情報の読み書きに誤差
が生じるという問題があった。
【0010】本発明は、上記した従来の問題を解決する
ためになされたもので、その目的とするところは、情報
の読書きの誤差が少なく信頼性の優れたマイクロアクチ
ュエータを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明に係るマイクロアクチュエー
タは、基板上に設けられた固定子、可動子、およびばね
固定台を介して前記可動子を基板上に支持するばねを備
え、前記可動子が基板に平行に動作するマイクロアクチ
ュエータにおいて、前記固定子をそれぞれ第1固定子
と、第2固定子とからなる2組の固定子で構成し、各組
の固定子の第1固定子を前記可動子の移動方向の一方の
半分側にそれぞれ設け、第2固定子を前記可動子の移動
方向の他方の半分側にそれぞれ設け、各々の固定子に対
して可動子に設けられた各々の電極が微小な間隔で相対
することを特徴とする。本発明において、第1固定子と
第2固定子はそれぞれ可動子の両半分に設けられる。こ
のとき、第2固定子に電圧を加えておくと、第1固定子
と可動子の間に働く基板に垂直な力によって発生する可
動子の回転力が第2固定子と可動子との間に働く回転力
によって相殺される。これによって可動子の垂直方向の
傾きが補正される。
【0012】また、請求項2に記載のマイクロアクチュ
エータは、請求項1記載のマイクロアクチュエータにお
いて、それぞれの第1固定子と第2固定子に異なった電
圧を印加することを特徴とする。本発明においては、ば
ね等のばらつきによる可動子の傾きを補償し、可動子を
安定した姿勢に保持する。
【0013】さらに、請求項3に記載のマイクロアクチ
ュエータは、基板上に設けられた固定子、可動子、およ
びばね固定台を介して前記可動子を基板上に支持するば
ねを備え、前記可動子が基板に平行に動作するマイクロ
アクチュエータにおいて、前記可動子の下方に制御電極
を設けてこの制御電極と前記可動子との間に電圧を加え
ることによって前記可動子を前記固定子による移動方向
と垂直な方向に変位させることができるようにして、可
動子の上に搭載されたヘッドが磁気ディスクの外周から
内周にいくにしたがって、可動子と制御電極との間に加
える電圧の大きさを変化させるようにしたことを特徴と
する。本発明においては、制御電極によって可動子の移
動方向と垂直な方向の傾きを補償することができる。磁
気ディスクは通常ディスクの回転速度が一定であるため
に、ディスクの外周部では流体の速度が速く、可動子に
大きな垂直方向の力が加わる。一方、ディスクの内周に
いくにしたがって流体の速度が減少するために可動子に
働く垂直方向の力が減少する。そこで、制御電極に加え
る電圧をヘッドが磁気ディスクの内周に近づくにしたが
って増加させると、流体の力の変化を補償することがで
き、ディスクの位置に関わらず可動子の垂直方向の変位
を一定に保つことができる。の衝突によってばねの変位
を制限し、破壊を防ぐことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】先ず、本発明を図面に示す実施の
形態に基づいて詳細に説明するに当たって、理解を深め
るために図1〜図3に参考例1として示すマイクロアク
チュエータについて説明する。図1は同アクチュエータ
の平面図、図2は固定子と可動子の要部の平面図、図3
は図2のIII −III 線断面図である。これらの図におい
て、マイクロアクチュエータは、半導体基板30に固定
されている一対の固定子1,2と、半導体基板30から
分離された可動子3とから構成されている。また、可動
子3は長手方向の両端部が4つのばね4によって支持さ
れている。このばね4は可動子3と同様に半導体基板3
0から分離されており、半導体基板30に固定されたば
ね固定台5に接続されている。さらに、前記可動子3の
上には、ステージ6が設けられている。
【0015】前記固定子1,2は、それぞれ一定ピッチ
で櫛歯状に一体に形成されることにより多数の櫛歯部1
A,2Aを備え、また各櫛歯部1A,2Aの一方の側面
には同じく所定のピッチで櫛歯状に形成された多数の固
定子電極1B,2Bを備えている。前記可動子3も前記
固定子1,2の櫛歯部1A,2Aと同一ピッチで櫛歯状
に形成されることにより多数の櫛歯部3Aを有し、また
各櫛歯部3Aの一方の面には前記固定子電極1A,2A
の間にそれぞれ差し込まれる複数の可動子電極3Bを備
えている。固定子1,2の櫛歯部1A,2Aは、可動子
3の櫛歯部3Aよりも大きな幅を有している。前記固定
子1,2の櫛歯部1A,2Aは、固定子固定台31を介し
てシリコン基板30に接着されているのに対して、可動
子電極3Bは櫛歯部3Aとともにシリコン基板30から
分離している。このため、可動子電極3Bと二つの固定
子1,2の固定子電極1B,2Bとの間に電圧を加える
と、可動子3を図1において右側あるいは左側に駆動さ
せることができる。この場合、図1において左側の固定
子1と可動子3に電圧を印加すると左側に、右側の固定
子2と可動子3に電圧を印加すると右側に移動させるこ
とができる。
【0016】このような構造のマイクロアクチュエータ
を作製することによって、ステージ6を可動子3の動き
に追随させることが可能となる。可動子3の櫛歯部3A
と電極3Bは、例えば幅3μm、高さ20μmの寸法を
もつシリコン単結晶である。一方、固定子1,2の櫛歯
部1A,2Aは、幅10μm、高さ20μmのシリコン
単結晶である。固定子電極1B,2Bは、例えば可動子
電極3Bと同様に幅3μm、高さ20μmのシリコン単
結晶からなっている。この場合、電極1B,2Bは半導
体基板1から浮き上がった構造となるが、櫛歯部1A,
2Aが半導体基板30に固定されているために、電圧を
印加しても動くことがない。また、ステージ6は、1.
5mm×2mm×0.1mmの寸法をもっており、銅、
ニッケル、等の金属等である。
【0017】ここで参考例1の形態においては、外部の
物体との接触によって破壊され易い可動子3およびばね
4を保護するためにこれら両部材の周囲を図1に示すよ
うに固定子1,2によって取り囲んでいることを特長と
する。また、可動子3とばね4の下方および上方を半導
体基板30とステージ6によって覆っている。その結果
として、参考例1の形態においては、可動子3およびば
ね4に外部から物体が直接的に接触することは通常起こ
らない。また、微小な塵埃等の異物の侵入も図9に示し
た従来の構造に比べて著しく少なく、可動子3およびば
ね4の破壊、マイクロアクチュエータの動作不良等を確
実に防止することができることが確かめられた。
【0018】次に、本発明の実施の形態について説明す
る。図4は本発明の第1の実施の形態を示す平面図であ
る。なお、図中図1と同じ番号は同一の構成要素を示
し、その説明を適宜省略する。本実施の形態において
は、可動子3を左方へ駆動するために用いられる左側の
固定子41を、全体の左側に位置する第1固定子41a
と、右側に位置する2つの第2固定子41b,41cと
で構成し、同様に右方へ駆動するために用いられる右側
の固定子42も右側に位置する第1固定子42aと、左
側に位置する2つの第2固定子42b,42cとで構成
している。前記第1固定子41aは、ロ字状に形成され
て可動子3の左半部を取り囲み、その内側に可動子3の
左端部を支持する2つのばね4、そのばね固定台5およ
び前記第2固定子42b,42cが配置されている。第
2固定子42bと42cは、可動子3の両側に対称的に
設けられている。前記第1固定子42aは、前記第1固
定子41aと同様にロ字状に形成されて可動子3の右半
部を取り囲み、その内側に可動子3の右端部を支持する
2つのばね4、そのばね固定台5および第2固定子41
b,41cが配置されている。第2固定子41bと41
cは、可動子3の両側に対称的に設けられている。その
他の構成は上記した参考例1の形態と同じである。
【0019】このような構造においては、図1に示した
参考例に比べて以下に列記するような特長をもってい
る。 1)図1に示した構造では、可動子3を左右方向に駆動
させるときには、可動子3の左半分(左側の固定子1と
可動子3に電圧を加える場合)、あるいは可動子3の右
半分(右側の固定子2と可動子3に電圧を印加する場
合)にのみ静電気力が働くのみである。しかし、図2お
よび図3に示した櫛歯状の電極構造に電圧を加えるとき
には、可動子3を半導体基板30に対して水平に動かす
力の他に、可動子3に半導体基板30に対して垂直方向
の力が働くことが知られている。これは、可動子3の上
下方向の構造が対称的でないために、電気力線の対称性
が上下方向に対して破れているためである。この垂直方
向の力が左右のいずれか一方にのみ働く構造であるため
に、図1に示した構造では、可動子3が半導体基板30
に対して傾くという現象が生じる。
【0020】これに対して、図4に示した本発明に係る
アクチュエータの構造では、可動子3を左方へ移動させ
るために、3つの固定子、すなわち第1固定子41a
と、2つの第2固定子41b,41cに電圧を同時に加
えることができる。この場合、第1固定子41aは可動
子3の左側半分に位置しており、第2固定子41b,4
1cは右側半分に位置している。第2固定子41b,4
1cに印加する電圧は、第1固定子41aに印加する電
圧と異なるように調節することが可能である。このよう
にすることによって、可動子3に働く基板に垂直な方向
の力を可動子3の左右でバランスをとることができ、こ
の結果、可動子3が半導体基板30に対して傾くことを
著しく小さく抑えることができる。なお、右方へ移動さ
せる場合も第1固定子42aと第2固定子42b,42
cに電圧を印加することで同様に可動子3の垂直方向の
傾きを抑えることができる。
【0021】2)また、各固定子41,42がそれぞれ
3つに分離されていることから、例えば第1固定子41
a,42aを駆動用の電圧を加える電極にして、一方、
第2固定子41b,41cと42b,42cを可動子3
との間の静電容量を検出する電極として用いることも可
能である。このような構成とすることによって、可動子
3の変位量を瞬時に計測しながら、アクチュエータに加
える電圧を制御するというフィードバック制御方式を実
現することが可能となった。この結果、アクチュエータ
の位置制御が飛躍的に正確となった。
【0022】3)さらに、図4に示す実施の形態におい
ては、第2固定子41bと41cあるいは、42bと4
2cが可動子3の移動方向の両側で分離された構造とな
っている。このため、これらにそれぞれに独立した電圧
を加えることが可能である。これは、例えばばね4を作
製する際に生じたばらつきによって可動子3が少し移動
方向に平行な向きから傾いた方向に全体の力のバランス
がなされているような場合に、第2固定子41bおよび
41cあるいは42bおよび42cにこのバランスの乱
れを補償するように異なる電圧を加えることによって調
整を行うことに利用できる。この結果、可動子3が常に
本来的に期待される方向に平行に移動できるようになっ
た。
【0023】以上の実施の形態では、各固定子41,4
2をそれぞれ三つに分割した例を示したが、本発明はこ
の分割数に限られることはない。また、可動子3の変位
を検出する静電容量のための電極は電圧を加える駆動用
の電極と分離する必要もなく、例えば時間的に分割して
切替るという方法を用いると、一つの固定子で両方の機
能を持たせることが可能である。
【0024】図5は、本発明の参考例2の形態を示す平
面図である。図1と同じ番号は同一の構成要素を示すも
のである。この参考例2の形態においては、図1の参考
例1の形態に比べて各固定子51,52をそれぞれ可動
子3を挟んで対向するように個々独立に設けた2つの固
定子51aと51b、52aと52bとで構成し、可動
子3の移動方向の両側面において固定子51aと51
b、52aと52b間に設けた2つの隙間54a,54
bのうち、右側の隙間54bに対応してレーザ55とフ
ォトダイオード56を設けている。この構造を利用する
と、レーザ55から照射されたレーザ光を可動子3の側
面によって反射させ、この反射光をフォトダイオード5
6によって受光することができる。このようにすること
によって、可動子3の変位を光計測技術を利用して計測
することが可能となる。その他の構成は図1に示した構
造と同一である。
【0025】本発明のマイクロアクチュエータは磁気ヘ
ッド等の微小な駆動に用いることを目的としている。こ
の目的には、10nm以下の分解能をもった制御を実現
することが必要である。先に述べたように可動子3の変
位は静電容量によっても計測することが可能であるが、
半導体基板の大きな寄生容量の存在等のためにこのよう
な微小な変位を計測することは容易なことではない。し
かし、ここで述べたようにレーザ光を利用するとこのよ
うな寄生容量等の問題もなく、1nm以下の精度をもっ
て容易に変位を計測することが可能である。なお、レー
ザ55およびフォトダイオード56は、マイクロアクチ
ュエータが作製される半導体基板の上に集積してもよい
し、あるいは個別の部品を適当な場所に配置するという
ハイブリッド方式を用いてもいずれでも本発明の効果を
得ることができる。
【0026】図6は、本発明の参考例3の形態を示す断
面図である。図1と同じ番号は同一の構成要素を示すも
のである。この参考例3の形態においては、左右の固定
子1,2の間に2つのストッパー61を対向させて設け
ている。このストッパー61は、可動子3の櫛歯部3A
間に差し込まれる突起61aを一体に備えており、半導
体基板に固定されている。また、ストッパー61は、可
動子3の櫛歯部3Aと対向する距離が、固定子1,2の
櫛歯部1A,2Bと櫛歯部3Aとの間の距離(例えば2
μm)に比べて小さく設定されている(例えば1μ
m)。このため、可動子3に外部から外力が働いたとき
でも、可動子3とストッパー61が衝突することによっ
て可動子3と固定子1,2が直接衝突するのを防止する
ことができる。また、駆動時の固定子1,2と可動子3
の電気的な短絡を防ぐことができる。さらに、ばね4が
外部からの力によって大きく変位して破壊されることも
防ぐことができる。このストッパー61は、可動子3あ
るいはばね4の変位を制限する働きがあることから、加
速度のような物体が直接接触しない場合に生じる力にお
いても破壊を防止する機能をもっていることが大きな特
長である。ストッパー61の位置は図6に示した場所に
限られることなく、マイクロアクチュエータの全体の設
計に応じて適宜適当な場所に配置することができること
は言うまでもない。
【0027】図7は本発明の第2の実施の形態を示す断
面図である。図3と同じ番号は同一の構成要素を示すも
のである。この第2の実施の形態においては、可動子3
の櫛歯部3Aに対応して半導体基板30の上面に下側制
御電極71を設けている。可動子電極3Bは、半導体基
板30方向に変位しないように通常半導体基板30と同
電位となるようにして用いられる。しかし、先に述べた
ように固定子1,2の配置が対称的でないために静電気
力のバランスが崩れて可動子3が半導体基板30に対し
て傾いたり、あるいはスライダーが磁気ディスク面に浮
上する状態の場合に生じる流体の力のために半導体基板
30に垂直方向の変位が生じることが起こる。
【0028】このような問題を解決するために、本実施
の形態では、可動子櫛歯部3Aと下側制御電極71間に
電圧を加えるようにしている。下側制御電極71は、可
動子3の移動する範囲を含むように櫛歯部3Aおよび可
動子電極3Bより少し広い領域か、あるいは櫛歯部3A
および可動子電極3Bが常に位置する下側の狭い領域に
設定することができる。
【0029】この場合、下側制御電極71は、上記目的
を実現するために一つである必要はなく、複数の領域に
設けることが可能である。複数の領域にそれぞれ分離し
て設け、各制御電極に電圧を加えるようにするには、例
えば半導体基板30の不純物と異なる不純物を拡散する
ことによって制御電極71を作製する方法がある。この
拡散以外にも、半導体基板30の上に電極となる材料を
堆積する等の方法によっても本発明の効果が得られる。
【0030】可動子3を半導体基板30に対して垂直な
方向に変位させることは、磁気ディスクでは特に役立
つ。これは、スライダーが磁気ディスクの上に浮上した
構造をもつからであり、この浮上量の制御に役立てるこ
とが可能である。例えば、磁気ディスクでは通常ディス
クの回転速度が一定であるために、ディスクの外周部で
は流体の速度が速く、可動子3に大きな垂直方向の力が
加わる。しかし、ディスクの内周にいくにしたがって流
体の速度が減少するために可動子3に働く垂直方向の力
が減少する。本実施の形態においては、磁気ディスクの
位置に拘わらず可動子3の垂直方向の変位を一定に保つ
ことが可能である。この目的のために、磁気ディスクの
外周部にあるときには可動子3と制御電極71の間に小
さな電圧を加えておき、磁気ディスクの内周に近づくに
したがって両部材の間に加える電圧を増加させることに
よって、流体の力の変化を補償することが可能である。
【0031】図8(a)〜(f)は図1に示した参考例
1の形態におけるマイクロアクチュエータの製造方法を
説明するための図である。先ず、例えば500μmの厚
さの半導体基板80の上に2μmの絶縁膜81および2
0μmの厚さのシリコン82からなるSOIウェハを利
用してプロセスを開始する。シリコン膜82上に例えば
ボロンの拡散層83を作製し、さらにその上に3μmの
酸化膜84および0.3μmの窒化膜85を堆積し、フ
ォトリソグラフィーを用いて窒化膜をパターニングする
(同図(a))。
【0032】さらに、この上に3μmの酸化膜86を堆
積してパターニングを行う(同図(b))。そして、こ
の酸化膜86および84をマスクとして拡散層83およ
びシリコン82を塩素ガスを用いたプラズマエッチング
装置によってエッチングする(同図(c))。
【0033】続いて、フッ酸の中にウェハを入れること
によって、酸化膜86を除去する。また、このとき、窒
化膜85がマスクとなって、可動子櫛歯部3Aおよび電
極3Bとなる部分の領域のみに酸化膜84のパターンが
同図(d)に示すように残される。続いて、22μmの
レジストを塗布してパターニング87を行う。さらに、
この上に例えばチタンと白金からなるシード層88を作
製する。
【0034】続いて、厚さ12μmのレジストを塗布し
てパターニングを行い(図示せず)、例えば銅のメッキ
を行う。そして、ウェハをアセトンの中に入れることに
よってレジストを除去する(同図(e))。最後に、可
動子櫛歯部3Aおよび電極3Bの下側の酸化膜84をフ
ッ酸を用いて除去する。このとき、固定子2となる部分
の下側には酸化膜801が残されている(同図
(f))。
【0035】フッ酸を多量の水によって洗い流した後、
試料をフリーズドドライ装置を利用して可動子電極が半
導体基板80に付着しないように注意して乾燥させ、も
ってマイクロアクチュエータが完成する。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように本発明に係るマイクロ
アクチュエータによれば、複数の固定子あるいは、可動
子の下側に設けた制御電極にそれぞれ異なった電圧を加
えることにより、アクチュエータを駆動する際に従来生
じていたバランスの狂いを調整することが可能となっ
た。このため、情報の読み書きの操作が正確となり、長
期信頼性の優れた、高分解能で情報の誤差が少ないマイ
クロアクチュエータを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例1の形態を示す平面図であ
る。
【図2】 固定子と可動子の要部の拡大図である。
【図3】 図2のIII −III 線断面図である。
【図4】 本発明の第1の実施の形態を示す平面図であ
る。
【図5】 本発明の参考例2の形態を示す平面図であ
る。
【図6】 本発明の参考例3の実施の形態を示す平面図
である。
【図7】 本発明の第2の実施の形態を示す断面図であ
る。
【図8】 (a)〜(f)は参考例1のアクチュエータ
の製造方法を説明するための図である。
【図9】 従来のマイクロアクチュエータの平面図であ
る。
【図10】 図9のA部を拡大して示す平面図である。
【図11】 図10のA−A’線断面図である。
【符号の説明】
1,2…固定子、1A,2A…櫛歯部、1B,2B…固
定子電極、3…可動子、3A…櫛歯部、3B…可動子電
極、4…ばね、5…ばね固定台、6…ステージ、30…
半導体基板、41…固定子、41a…第1固定子、41
b,41c…第2固定子、42…固定子、42a…第1
固定子、42b,42c…第2固定子、51a,51b
…固定子、52a,52b…固定子、55…レーザ、5
6…フォトダイオード、61…ストッパー、71…下側
制御電極、80…半導体基板、82…シリコン、83,
84,86…酸化膜、81…絶縁膜、85…窒化膜パタ
ーン、87…レジストパターン、88…シード層、89
…ステージパターン、801…固定子固定酸化膜、90
…ばね固定台、91…ばね、92…可動子、93…右側
固定子、94…左側固定子。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に設けられた固定子、可動子、お
    よびばね固定台を介して前記可動子を基板上に支持する
    ばねを備え、前記可動子が基板に平行に動作するマイク
    ロアクチュエータにおいて、 前記固定子をそれぞれ第1固定子と、第2固定子とから
    なる2組の固定子で構成し、各組の固定子の第1固定子
    を前記可動子の移動方向の一方の半分側にそれぞれ設
    け、第2固定子を前記可動子の移動方向の他方の半分側
    にそれぞれ設け、各々の固定子に対して可動子に設けら
    れた各々の電極が微小な間隔で相対することを特徴とす
    るマイクロアクチュエータ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のマイクロアクチュエータ
    において、 それぞれの第1固定子と第2固定子に異なった電圧を印
    加することを特徴とするマイクロアクチュエータ。
  3. 【請求項3】 基板上に設けられた固定子、可動子、お
    よびばね固定台を介して前記可動子を基板上に支持する
    ばねを備え、前記可動子が基板に平行に動作するマイク
    ロアクチュエータにおいて、 前記可動子の下方に制御電極を設けてこの制御電極と前
    記可動子との間に電圧を加えることによって前記可動子
    を前記固定子による移動方向と垂直な方向に変位させる
    ことができるようにして、可動子の上に搭載されたヘッ
    ドが磁気ディスクの外周から内周にいくにしたがって、
    可動子と制御電極との間に加える電圧の大きさを変化さ
    せるようにしたことを特徴とするマイクロアクチュエー
    タ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002359980A (ja) * 2001-05-30 2002-12-13 Miura Hidemi 平行平板型静電アクチュエータ、ヘッドスライダ、ヘッド組立体及び磁気ディスク装置
JP2005066805A (ja) * 2003-08-27 2005-03-17 Matsushita Electric Works Ltd 駆動装置及び光デバイス
JP2010046720A (ja) * 2008-08-19 2010-03-04 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 微細構造体およびその製造方法
JP2014173977A (ja) * 2013-03-08 2014-09-22 Seiko Instruments Inc 圧力センサ

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