JP2638826B2 - 高誘電体磁器組成物 - Google Patents
高誘電体磁器組成物Info
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- JP2638826B2 JP2638826B2 JP62196885A JP19688587A JP2638826B2 JP 2638826 B2 JP2638826 B2 JP 2638826B2 JP 62196885 A JP62196885 A JP 62196885A JP 19688587 A JP19688587 A JP 19688587A JP 2638826 B2 JP2638826 B2 JP 2638826B2
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- dielectric constant
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- porcelain composition
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- Inorganic Insulating Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、圧電材料等として用いられる高誘電体磁
器組成物に関する。
器組成物に関する。
[従来の技術] 対称性が低い高誘電体は、電場を加えなくても応力を
付加するだけで分極を生ずるので、圧電材料として注目
されている。このような圧電材料は、マイクロフォン、
超音波振動子等の広い用途を有している。このような圧
電材料としては、PbTiO3−PbZrO3系セラミックス、所謂
PZTセラミックスが注目されている。このPTZセラミック
スは、PbZrO3が55mol%付近に菱面体晶と正方晶との間
の転移点が存在し、この組成において急激に比誘電率が
上昇して圧電性を示す。
付加するだけで分極を生ずるので、圧電材料として注目
されている。このような圧電材料は、マイクロフォン、
超音波振動子等の広い用途を有している。このような圧
電材料としては、PbTiO3−PbZrO3系セラミックス、所謂
PZTセラミックスが注目されている。このPTZセラミック
スは、PbZrO3が55mol%付近に菱面体晶と正方晶との間
の転移点が存在し、この組成において急激に比誘電率が
上昇して圧電性を示す。
[発明が解決しようとする問題点] ところで、近時の電子機器の進歩により、これに用い
られる材料部品に対し、高性能化、小型化、高周波化、
高信頼性化等が強く要求されている。このため、セラミ
ックス圧電材料としてより高誘電率のものが要求されて
いる。しかしながら、従来のPZTでは比誘電率が1000乃
至2300程度であり未だ不十分である。
られる材料部品に対し、高性能化、小型化、高周波化、
高信頼性化等が強く要求されている。このため、セラミ
ックス圧電材料としてより高誘電率のものが要求されて
いる。しかしながら、従来のPZTでは比誘電率が1000乃
至2300程度であり未だ不十分である。
これに対して、PZTに第3成分としてPb(Mg1/3Nb2/
3)O3等を添加して原子価制御することにより比誘電率
を上昇させることが試みられており、比誘電率が5000近
くのものも得られているが、更に高い値が要求されつつ
ある。
3)O3等を添加して原子価制御することにより比誘電率
を上昇させることが試みられており、比誘電率が5000近
くのものも得られているが、更に高い値が要求されつつ
ある。
この発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであっ
て、比誘電率が従来のものよりも極めて高い高誘電体磁
器組成物を提供することを目的とする。
て、比誘電率が従来のものよりも極めて高い高誘電体磁
器組成物を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] この発明に係る高誘電体磁器組成物は、PbTiO3及びPb
ZrO3を主体とし、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3を含有してなる組
成物に、さらに、Nd2O3を0.1乃至7.0重量%含有してい
る。
ZrO3を主体とし、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3を含有してなる組
成物に、さらに、Nd2O3を0.1乃至7.0重量%含有してい
る。
[作用] この発明においては、PbTiO3及びPbZrO3を主体とし、
Pb(Mg1/3Nb2/3)O3を含有してなる組成物に、さらに、
Nd2O3を0.1乃至7.0重量%含有させる。このNd2O3は適量
含有させることによりキュリー点を低下させる作用があ
り、これにより常温における比誘電率を著しく上昇させ
ることができる。
Pb(Mg1/3Nb2/3)O3を含有してなる組成物に、さらに、
Nd2O3を0.1乃至7.0重量%含有させる。このNd2O3は適量
含有させることによりキュリー点を低下させる作用があ
り、これにより常温における比誘電率を著しく上昇させ
ることができる。
[実施例] 以下、この発明の実施例について具体的に説明する。
この実施例においては、PZTセラミックスを主体と
し、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3を含有させ、さらに、Nd2O3を
含有させる。Nd2O3は、前述したように、キュリー点を
下げる作用を有する。従って、PZTを主体とするセラミ
ック組成物に適量のNd2O3を添加することにより比誘電
率を著しく上昇させることができる。Nd2O3の含有量が
0.1重量%よりも少ない場合には、Nd2O3の効果が殆どな
く、また、Nd2O3の含有量が7.0重量%よりも大きい場合
には、比誘電率のピーク値(誘電異常)が低下し、結果
的に常温での比誘電率も低下してしまう。従って、Nd2O
3の添加量を0.1乃至7.0重量%に規定する。
し、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3を含有させ、さらに、Nd2O3を
含有させる。Nd2O3は、前述したように、キュリー点を
下げる作用を有する。従って、PZTを主体とするセラミ
ック組成物に適量のNd2O3を添加することにより比誘電
率を著しく上昇させることができる。Nd2O3の含有量が
0.1重量%よりも少ない場合には、Nd2O3の効果が殆どな
く、また、Nd2O3の含有量が7.0重量%よりも大きい場合
には、比誘電率のピーク値(誘電異常)が低下し、結果
的に常温での比誘電率も低下してしまう。従って、Nd2O
3の添加量を0.1乃至7.0重量%に規定する。
PZTセラミックスを主体とする組成物に、PbTiO3及びP
bZrO3の他に適量のPb(Mg1/3Nb2/3)O3を含有させ、こ
れにNd2O3を前述した範囲で含有させることにより、一
層比誘電率を高くすることができ、9000近傍の極めて高
い比誘電率を得ることも可能となる。
bZrO3の他に適量のPb(Mg1/3Nb2/3)O3を含有させ、こ
れにNd2O3を前述した範囲で含有させることにより、一
層比誘電率を高くすることができ、9000近傍の極めて高
い比誘電率を得ることも可能となる。
以下、この実施例に基いて実際にサンプルを作成し、
特性を評価した試験例について説明する。
特性を評価した試験例について説明する。
出発原料として酸化鉛(PbO)、酸化チタン(Ti
O2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化マグネシウム
(MgO)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化ネオジウム(Nd2O
3)を用い、これらを所定組成になるように配合した。
この配合原料を湿式ボールミルで18時間混合した後乾燥
し、950乃至1050℃で2時間仮焼した。この仮焼物を再
び湿式ボールミルにて18時間粉砕混合した後乾燥し、混
合粉末を得た。この混合粉末にポリビニルアルコール
(PVA、関東化学製#500)を適量加え均一に分散させ
て、この粉体を1ton/cm2の圧力で成形し、直径200mm、
厚さ1mmの円板状の成形体を作成した。次いで、この成
形体をマグネシア製の容器中に装入して密閉し、1150乃
至1250℃の温度で2時間焼成して焼結体を得た。この焼
結体の両面にAgペースト(昭栄化学製H−4563)を塗布
し、800℃で焼付した。このようにして作成した試料を
特性評価した。
O2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化マグネシウム
(MgO)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化ネオジウム(Nd2O
3)を用い、これらを所定組成になるように配合した。
この配合原料を湿式ボールミルで18時間混合した後乾燥
し、950乃至1050℃で2時間仮焼した。この仮焼物を再
び湿式ボールミルにて18時間粉砕混合した後乾燥し、混
合粉末を得た。この混合粉末にポリビニルアルコール
(PVA、関東化学製#500)を適量加え均一に分散させ
て、この粉体を1ton/cm2の圧力で成形し、直径200mm、
厚さ1mmの円板状の成形体を作成した。次いで、この成
形体をマグネシア製の容器中に装入して密閉し、1150乃
至1250℃の温度で2時間焼成して焼結体を得た。この焼
結体の両面にAgペースト(昭栄化学製H−4563)を塗布
し、800℃で焼付した。このようにして作成した試料を
特性評価した。
第1表に、試料の組成、誘電特性及び焼成温度を示
す。
す。
第1表中試料番号2乃至13はこの発明の範囲に含まれ
る実施例を示し、試料番号1及び14はこの発明の範囲か
ら外れる比較例を示す。また、いずれの試料もPbTiO3を
35モル%、PbZrO3を25モル%、Pb(Mg1/3Nd2/3)O3を40
モル%の割合で配合した組成物を主体とした。
る実施例を示し、試料番号1及び14はこの発明の範囲か
ら外れる比較例を示す。また、いずれの試料もPbTiO3を
35モル%、PbZrO3を25モル%、Pb(Mg1/3Nd2/3)O3を40
モル%の割合で配合した組成物を主体とした。
その結果、Nd2O3を0.1乃至7.0重量%にした試料2乃
至13は5200乃至8700という極めて高い比誘電率を示し
た。これに対し、比較例の試料番号1及び14は比誘電率
が5000未満であった。これにより、この発明の効果が確
認された。
至13は5200乃至8700という極めて高い比誘電率を示し
た。これに対し、比較例の試料番号1及び14は比誘電率
が5000未満であった。これにより、この発明の効果が確
認された。
[発明の効果] この発明によれば、PbTiO3及びPbZrO3を主体とする組
成物にPb(Mg1/3Nb2/3)O3を含有させ、さらに、Nd2O3
を0.1乃至7.0重量%含有させる。これにより、極めて比
誘電率を高くすることができ、圧電材料として極めて優
れたものを得ることができる。
成物にPb(Mg1/3Nb2/3)O3を含有させ、さらに、Nd2O3
を0.1乃至7.0重量%含有させる。これにより、極めて比
誘電率を高くすることができ、圧電材料として極めて優
れたものを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中原 啓介 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 小西 英一郎 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 小貫 光太 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 菊沢 将長 千葉県市川市田尻3の9の15
Claims (1)
- 【請求項1】PbTiO3及びPbZrO3を主体とし、Pb(Mg1/3N
b2/3)O3を含有している組成物にNd2O3を0.1乃至7.0重
量%含有してなることを特徴とする高誘電体磁器組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62196885A JP2638826B2 (ja) | 1987-08-06 | 1987-08-06 | 高誘電体磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62196885A JP2638826B2 (ja) | 1987-08-06 | 1987-08-06 | 高誘電体磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6441106A JPS6441106A (en) | 1989-02-13 |
JP2638826B2 true JP2638826B2 (ja) | 1997-08-06 |
Family
ID=16365273
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62196885A Expired - Lifetime JP2638826B2 (ja) | 1987-08-06 | 1987-08-06 | 高誘電体磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2638826B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4852160B2 (ja) * | 2010-03-05 | 2012-01-11 | シーケーディ株式会社 | ソレノイド駆動回路 |
CN115894020B (zh) * | 2022-12-23 | 2023-12-19 | 佛山仙湖实验室 | 一种高压电系数的pmnzt基压电陶瓷及其制备方法和应用 |
-
1987
- 1987-08-06 JP JP62196885A patent/JP2638826B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6441106A (en) | 1989-02-13 |
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