JP2638466B2 - 物品展示用具 - Google Patents

物品展示用具

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JP2638466B2
JP2638466B2 JP6031277A JP3127794A JP2638466B2 JP 2638466 B2 JP2638466 B2 JP 2638466B2 JP 6031277 A JP6031277 A JP 6031277A JP 3127794 A JP3127794 A JP 3127794A JP 2638466 B2 JP2638466 B2 JP 2638466B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、壁面または台上や机上
等に物品を展示する際に物品を支持するために用いる物
品展示用具に関し、ミニチュアカー、ミニチュアSL機
関車、ミニチュア飛行機、帆船模型、陶器類等の一般消
費者が自ら製作した作品、あるいは宝石類、アクセサリ
ー、造花等の小売店が販売する商品などの各種の物品の
展示に利用できる。
【0002】
【背景技術】従来より、一般消費者が自ら製作した作
品、あるいは小売店が販売する商品などの各種の物品
を、壁面または台上や机上等に展示することが行われて
いる。このような物品の展示には、一般消費者が自分の
作品の展示を行う場合には、自ら努力して完成した作品
を展示して眺めることによって充実感を得たり、他人に
成果を認めてもらうなどの役割があり、小売店が商品を
展示する場合には、展示販売により消費者の購買意欲を
喚起するという重要な役割がある。
【0003】展示の方法としては、宝石店や貴金属店の
商品の収納に代表されるようなガラスケース内への収納
が一般的に行われている。また、このような店内備付け
のガラスケースによる大掛かりな展示方法に対し、小売
店のみならず、一般消費者が各家庭において手軽に展示
を行うことができる方法として、水平な置台の上に作品
や商品等の各種の物品を配置し、これらの物品をアクリ
ルケースで覆う方法などがある。さらに、物品をコルク
製のボードや木製の枠などに落ちないように取り付けて
おき、これらの物品を取り付けたコルクボードや木枠を
壁に固定することにより、物品の壁面への展示も行われ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような宝石店や貴金属店などで行われているガラスケ
ースによる展示は、高級品や破損しやすい物品の展示に
は適しているが、大掛かりで設備コストがかかるため、
一般消費者の手軽な展示には適さないうえ、水平な展示
しか行うことができないので、展示にあたって床面積を
広く確保しなければならないという問題があった。
【0005】また、アクリルケースにより置台の上の物
品を覆う展示方法では、手軽に展示を行うことができ、
一般消費者の作品展示などにも適しているが、この場合
にも、水平な展示しか行うことができないので床面積を
要するうえ、物品を目立つ配置で展示できないことも多
く、鑑賞者に対するアピール度を十分に得られないとい
う問題があった。
【0006】さらに、コルク製のボードや木製の枠など
を用いて物品を壁面に展示する方法では、物品を壁面に
展示することができるため、鑑賞者に対するアピール度
を十分に得ることはできるが、これらのコルクボードや
木枠は、単独では軽い物品や重い物品あるいは重心の偏
った物品などの様々な種類の物品の展示に対応すること
ができないという問題があった。つまり、コルクボード
は、ピン止めによる軽い物品の展示に適しているが、重
い物品の展示には適さない、あるいは物品の固定が不十
分で落下のおそれがあるため高級品や破損しやすい物品
の展示には適さないなどの問題があり、一方、木枠は、
針金や紐での縛り付けによる重い物品の展示には適して
いるが、軽い物品の展示には適さない、あるいは外観が
悪い、物品の取付姿勢や取付位置が限定されやすいなど
の問題がある。また、コルクボードや木枠に取り付けら
れた物品は、通常そのままの状態で露出しているので、
埃を被って汚れやすく、高級品や美術品の展示には適さ
ないという問題があった。
【0007】本発明の目的は、物品を壁面に対して、あ
るいは水平若しくは傾斜を有する台上等に対して確実か
つ容易に展示することができ、かつ軽い物品や重い物品
等の様々な種類の物品の展示に対応でき、しかも展示物
品の見栄えも良好にできるとともに、簡易な構造を有し
かつ安価に製造できる物品展示用具を提供することにあ
る。また、本発明は、前記目的に加え、展示物品の任意
の重心配置に対応でき、破損しにくく長期間使用でき、
あるいは塵や埃を被ることなく物品の高級感を損なうこ
とのない、物品展示用具を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、それぞれ機能
の異なる二種類の板状部材、つまり針金等を裏面に通し
て裏面で結ぶ等することができる機能を有する部材とピ
ン等を刺すことができる機能を有する部材とを重ね合わ
せて前記目的を達成しようとするものである。具体的に
は、本発明の物品展示用具は、表裏を貫通する多数の貫
通孔を有する基板と、この基板の物品配置側の面に貼ら
れかつ前記基板よりも軟質な軟質板と、この軟質板の表
面に貼られた装飾用の表装材とを備えたことを特徴とす
る。
【0009】ここで、装飾用の表装材としては、表面が
毛羽立っているか、多少の凹凸形状を有しているか、あ
るいは細かい穴が全面に散りばめられている方がよい。
【0010】また、前記基板の裏面には支持部が設けら
れ、この支持部には吊下支持用の吊下部材と係合可能な
係合部が少なくとも一方向に略等間隔に複数個形成され
ていることが望ましい。なお、吊下部材としては、壁に
打ち付けられた釘やフック、あるいはこれらに結び付け
られ若しくは引っ掛けられた紐や鎖などがある。
【0011】さらに、前記軟質板の周縁部には、薄板状
の補強部材が設けられていることが望ましい。ここで、
周縁部とは、軟質板の側面(厚み面)の他、軟質板の表
裏面の端部を含むものとする。また、補強部材は、軟質
板の周縁部の全面に渡って設けられるものであってもよ
く、局部的に設けられるものであってもよい。
【0012】また、以上のような物品展示用具には、少
なくとも前記基板または前記軟質板のいずれかに着脱可
能に取り付けられ、かつ、展示物品を覆う透明性のケー
スが備え付けられていてもよい。ここで、透明性とは、
外部からケースを通して展示物品を見ることができる程
度の透明度であり、完全な透明の他、半透明の状態も含
む。また、ケースの全体が透明性を有していることを要
さず、外から展示物品が充分に見える範囲で部分的に透
明性を有していてもよい。
【0013】
【作用】このような本発明においては、基板と軟質板と
を備えた物品展示用具に展示物品を取り付け、この展示
物品を取り付けた状態で物品展示用具を壁に掛け、ある
いは床や台上に置くことにより、物品の展示を行う。
【0014】この展示物品の取り付けの際には、基板に
貫通孔が設けられているので、物品を物品展示用具に取
付固定するための針金や糸等は、この貫通孔を通して基
板の裏面側に導かれてそこで結ばれ、物品は物品展示用
具に確実に固定される。そして、このような貫通孔が多
数設けられているので、物品は任意の位置に自在に取り
付けられる。また、基板の物品配置側の片面に貼り付け
られた軟質板は、基板よりも軟質なので、物品取付固定
用のピンや針金等は、金槌等の道具を使わずに人手によ
り容易に軟質板に刺したり、あるいは通したりされて物
品の固定が行われる。このため、物品展示用具は、基板
の有する機能(針金等を裏面に通して裏面で結ぶ等する
ことができる機能)および軟質板の有する機能(ピン等
を刺すことができる機能)により、軽い物品や重い物品
等の様々な種類の物品に対応できるものとなる。
【0015】そして、これらの基板および軟質板は、市
販品を用いて容易に形成することができるので、物品展
示用具の製造コストは低く抑えられ、物品展示用具は宝
石店等に加え、一般消費者への供給にも適したものとな
【0016】また、軟質板の表面に装飾用の表装材を貼
り付けたので、物品展示用具自体の外観向上が図られ
る。このため、物品の高級感を損なうようなことはな
く、物品の見栄えがよくなる。この場合において、表装
材の表面を毛羽立ったもの、多少の凹凸形状を有してい
るもの、あるいは細かい穴が全面に散りばめられている
ものとしておけば、展示物品の交換跡が目立たなくなる
ので、さらに物品の見栄えが良くなる。
【0017】そして、基板の裏面に支持部を設けておけ
ば、物品展示用具を壁に容易に掛けることが可能とな
り、この支持部に吊下部材と係合可能な係合部を少なく
とも一方向に略等間隔に複数個形成しておけば、任意の
位置で物品展示用具の支持部と吊下部材とを係合させる
ことができるため、物品を取り付けた状態の物品展示用
具の重量バランスは適切な状態に調整される。このた
め、展示物品の重心配置に応じた展示が達成される。
【0018】さらに、軟質板の周縁部に補強部材を設け
ておけば、軟質板の変形や破損(例えば、取扱時に物品
展示用具をぶつけてその角部が潰れる等の不都合)は防
止される。このため、物品展示用具の長期間の使用が実
現される。特に、物品展示用具が物品を覆うケースを備
えている場合には、ケースの着脱による軟質板の角部の
潰れなどが防止されるので有効である。また、物品展示
用具を、ケースを備えた構成とすれば、展示物品への塵
や埃の付着や堆積は防止される。このため、高級品や塵
埃に弱い物品などの展示も好適に行われるようになる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1から図4までには、本実施例に係る物品展
示用具10が示されている。図1は、物品展示用具10
の分解斜視状態を示す図であり、図2および図3は、そ
れぞれ物品展示用具10の組立状態における側面図およ
び裏面図、図4は、図2における要部の拡大断面図であ
る。図1において、物品展示用具10は、物品11を収
納して展示を行うための道具であり、図中下側から、表
裏を貫通する多数の貫通孔21を有する基板20と、基
板20よりも軟質な軟質板30と、装飾用の表装材40
と、物品11を覆うケース50とを備え、さらにケース
50の取り付け用の止め具60を備えている。
【0020】これらの各部品のうち、基板20、軟質板
30、および表装材40は、常に一体化されて物品展示
用具10の本体部分10Aを構成し、ケース50は、止
め具60の着脱操作により本体部分10Aから着脱可能
な構成とされている。そして、物品展示用具10は、ケ
ース50を本体部分10Aに取り付けた状態では、図2
〜4に示すような物品11を収納可能な箱型の形状にな
るようになっている。
【0021】図1ないし図4において、基板20は、長
方形形状(例えば、縦320mm×横150mm程度)
を有し、厚みが1.5mm程度の塩化ビニル製の比較的
硬質な板状部材である。基板20に形成された多数の貫
通孔21は、基板20の略全面に渡って略均一に分布配
置され(図では、一部省略されている)、その孔径(直
径)は約3mmで、縦横に約7mmピッチで開けられて
いる。また、このような基板20は、市販のパンチング
プレート(最大の定尺1000mm×2000mm、色
グレー等)を適宜必要な大きさに切り出して形成するこ
とができる。
【0022】軟質板30は、基板20と同じ大きさ(面
積)の長方形形状を有し、例えば、厚みが7mm程度の
樹脂発泡体(発泡スチロール)製の比較的軟質な板状部
材である。軟質板30は、物品11を物品展示用具10
に取付固定するためのピン(虫ピン)12や針金13
(図4参照)を人手により容易に刺したり、あるいは通
したりすることができるとともに(金槌等の道具を使わ
なくてもよい程度)、一旦刺したピン12等が人手によ
る力等を加えない限りは容易に抜けてしまうことのない
構造となっている。軟質板30の片面には、両面テープ
35が予め張り付けられており(図4参照)、これによ
り軟質板30は、基板20の片面であって物品配置側の
面に全面に渡って接着されている。なお、軟質板30と
基板20との接着は、両面テープ35ではなく、接着剤
等の他の接着手段により行ってもよい。また、このよう
な軟質板30は、市販品(最大の定尺1830mm×9
15mm)を適宜必要な大きさに切り出して形成するこ
とができる。
【0023】表装材40は、表面をビロード状とされた
薄手のシート材により形成され、軟質板30の表面(物
品配置側の面)を全て覆うように軟質板30に貼り付け
られている。そして、表装材40は、その周囲が基板2
0や軟質板30の周縁位置をこえる位置まで延長形成さ
れている(図1参照)。この延長部分は、図3に示すよ
うに、基板20の裏面まで回り込むように貼り付けら
れ、基板20の裏面の周囲を約15mm幅で覆ってい
る。表装材40は、毛羽立った表面を有しており、この
ため展示する物品11の交換を行う場合に、交換前の物
品11を固定していたピン12等の穴の跡が見えない、
あるいは目立たないようになっている。
【0024】ケース50は、例えば、厚さ2〜3mm程
度のアクリル製の透明な部材により形成され、軟質板3
0と略同じ形状および大きさ(面積)を有しかつ軟質板
30と平行に配置される平行部51と、この平行部51
の四辺に接続されかつ軟質板30と垂直に配置される四
つの垂直部52とを備えている(図1,2参照)。これ
らの平行部51および四つの垂直部52は、それぞれ別
個の部材(但し、材質は同じ)により形成され、ケース
50は、これらの部材の各辺どうしを接着剤による接着
や加熱溶着などで接合することにより一体化されてい
る。また、四つの垂直部52の軟質板30側(ケース5
0の開放側)の端部には、それぞれ孔53が設けられて
いる(図1,4参照)。これらの四つの垂直部52の端
部は、物品展示用具10の本体部分10Aの周縁部を外
側から囲むようにして本体部分10Aに嵌め合わされる
ようになっている。
【0025】軟質板30の周縁部の側面(厚み面)の四
つの角部には、それぞれ直角に屈折した薄板形状を有す
る補強部材31が設けられている(図1参照)。この補
強部材31は、軟質板30の周縁部の二側面に跨がるよ
うにして両面テープ等により軟質板30に密着固定され
ている。軟質板30の周縁部の四つの側面(厚み面)の
略中央付近には、それぞれ平坦な薄板状の補強部材32
が両面テープ等により密着して設けられている(図1,
4参照)。この補強部材32には、ケース50に設けら
れた孔53に対応する位置に、孔53と略同じかまたは
若干小さい孔径を有する孔33が設けられている。これ
らの各補強部材31,32は、例えば、厚さ0.2mm
程度の硬質塩化ビニルにより形成されている。
【0026】止め具60は、ケース50を物品展示用具
10の本体部分10Aに取り付けるために用いる金具で
あり、全部で四個用意されている。止め具60は、針部
61と板状部62とにより構成され、さらに板状部62
は、互いに直角をなす板状部62A,62Bにより構成
されている(図4参照)。針部61は、板状部62Aに
溶接等により直角に接続され、かつ板状部62Bと所定
間隔を置いて平行に配置されている。この針部61は、
ケース50の孔53および補強部材32の孔33に挿通
されて軟質板30に刺さるようになっており、これによ
りケース50が物品展示用具10の本体部分10Aに取
り付けられる。また、止め具60の使用状態(ケース5
0を物品展示用具10の本体部分10Aに取り付けた状
態)では、板状部62Aは、ケース50の垂直部52に
沿って配置され、一方、板状部62Bは、基板20に沿
って配置されるようになっている。
【0027】図2および図3において、基板20の裏面
には、物品展示用具10を壁15に掛ける際に物品展示
用具10を支持するための塩化ビニル製の三つの支持部
23が設けられている。各支持部23は、基板20と平
行に配置された係合板23Aと、係合板23Aの両端に
設けられて基板20と係合板23Aとを適宜な間隔を置
いて接続する足部23Bとにより、ブリッジ状に構成さ
れている。
【0028】係合板23Aの長手方向の一端縁には、略
三角形形状に切り取られた係合部24が略等間隔に複数
個形成され、略鋸歯状とされている。これらの各係合部
24は、壁15から突出したフック16(図2参照)や
紐17(図3参照)等の吊下部材を引っ掛けて係合でき
るようになっている。この略鋸歯状の係合板23Aは、
ホットヒータによる型抜きなどで形成することができ
る。三つの各支持部23のうちの二つは、基板20の長
手方向に一列に配置され、残りの一つは、これらと直角
をなすように配置されている。そして、各支持部23
は、基板20の裏面であって端部近傍の位置、つまり物
品展示用具10の重心を外した位置(中央付近ではない
位置)に配置されている。このため、吊下部材を用いて
物品展示用具10を壁15に掛けた際に、物品展示用具
10の重心が各支持部23の下側にきて物品展示用具1
0が安定した状態となるようになっている。
【0029】また、基板20の裏面には、四つの各角部
の近傍に、例えば、それぞれ円柱状(直径約10mm程
度)の塩化ビニル製の足25が設けられている。足25
の高さ寸法Lは、支持部23の高さ寸法よりも大きくな
っており、図2のように、足25が壁15に接触した状
態では、支持部23は壁15に接触しないようになって
いる。足25の頭の部分(円形の表面)には、ゴムやフ
ェルト等の材料による高摩擦性および柔軟性(弾性)を
有するシート状の当接部材26が接着されており、すべ
り止め機能、および壁15側の傷防止機能を果たすよう
になっている。
【0030】このような本実施例においては、以下のよ
うに物品11の展示を行う。先ず、図4に示すように、
展示する物品11をピン12や針金13等を用いて物品
展示用具10に固定する。この際、物品11の重量や大
きさ等に応じてピン12による固定、あるいは針金13
による固定などの固定方法を適宜選択する。ピン12に
よる固定においては、表装材40を貫通させてピン12
を軟質板30に刺す。通常、ピン12は軟質板30を貫
通しない程度に刺すことが好ましいが(図4中実線で示
したピン12の状態)、ピン12が軟質板30を貫通す
るような場合には、基板20の貫通孔21にピン12の
先端が至るようにする(図4中二点鎖線で示したピン1
2の状態)。また、針金13による固定においては、表
装材40および軟質板30を貫通させて針金13を基板
20の貫通孔21に通し、基板20の裏面で針金13を
結ぶ。そして、柔軟な糸等により固定する場合には、裁
縫針などを使って糸等を通してもよい。
【0031】次に、物品11を覆うようにしてケース5
0を物品展示用具10の本体部分10Aに取り付ける。
この際、ケース50の孔53の位置と補強部材32の孔
33の位置とが一致するように両者を配置しておき、こ
の配置状態で両者の各孔53,33に針部61を挿通さ
せるようにして四つの止め具60を取り付け、物品11
の物品展示用具10の内部への収納を完了する。
【0032】そして、物品11が内部に収納された状態
の物品展示用具10を、物品11の収納状況に応じて縦
長または横長の配置で壁15に掛ける。なお、物品展示
用具10は壁15に掛けずに、床や台上に置くようにし
てもよいが、ここでは、壁15に掛けるものとする。こ
の際、支持部23に複数個形成された係合部24のうち
のいずれかを選択し、この選択した係合部24に図2に
示したフック16や図3に示した紐17等の吊下部材を
引っ掛ける。図3に示す紐17の係合状態では、物品展
示用具10は図中左側が天井に向く配置となる。
【0033】この時の係合部24の選択は、物品11が
内部に収納された状態の物品展示用具10の重心位置に
応じて行い、安定した状態で物品展示用具10を支持で
きるようにする。例えば、図3のような紐17との係合
を行う場合には、図中実線や二点鎖線のようにして紐1
7を係合させる係合部24の位置を変更することによ
り、物品展示用具10の安定性を確保する。なお、選択
使用される係合部24の数は、使用する吊下部材の形態
に応じた数とすればよく、図3のような紐17との係合
を行う場合には、離れた位置にある二つの係合部24を
選択すればよく、図2のようなフック16との係合を行
う場合には、選択使用される係合部24は一つであって
もよい。
【0034】このような本実施例によれば、次のような
効果がある。すなわち、基板20に多数の貫通孔21が
設けられているので、物品11を物品展示用具10に取
付固定するための針金13等をこの貫通孔21を通して
基板20の裏面側に導くことができ、針金13等を基板
20の裏面側で結ぶことができる。このため、物品11
の取付固定を確実かつ容易に行うことができる。そし
て、ピン12を用いて取付固定を行う場合には、通常、
軟質板30を貫通させないようにピン12を刺すが、あ
えて軟質板30を貫通させたい場合には、基板20に多
数の貫通孔21が設けられているので、ここにピン12
の先端を導けば、軟質板30の厚みを超えてピン12を
深く刺すことができるため、ピン12を抜けにくくする
こともできる。
【0035】また、基板20に設けられた多数の貫通孔
21は、基板20の略全面に渡って略均一に分布配置さ
れているので、物品11を任意の位置に取付固定するこ
とができる。さらに、このような貫通孔21の配置によ
り、二以上の物品11を一つの物品展示用具10に自在
に取付固定することができる。
【0036】また、軟質板30は、樹脂発泡体(発泡ス
チロール)製の比較的軟質な板状部材により形成されて
いるので、物品11の取付固定用のピン12や針金13
等を金槌等の道具を使わずに人手により容易に刺した
り、あるいは通したりすることができる。このため、物
品11の取付固定を容易に行うことができる。さらに、
あえて軟質板30を貫通させてピン12を刺す場合を除
けば、基板20の貫通孔21の配置位置とは無関係に任
意の位置にピン12を刺すことができる。そして、樹脂
発泡体(発泡スチロール)製であるため、一旦刺したピ
ン12等が抜けてしまうという不都合も未然に防止でき
る。
【0037】さらに、基板20および軟質板30は、市
販品を用いて容易に形成することができるので、物品展
示用具10を安価に製造することができる。このため、
宝石店等に加え、一般消費者への供給にも適したものと
することができる。
【0038】また、軟質板30の表面に表装材40が貼
り付けられているので、物品展示用具10自体の外観向
上を図ることができる。このため、物品11の高級感を
損なうようなことはなく、むしろ物品11の見栄えを良
くするので、高級品や芸術品などの展示も好適に行うこ
とができる。
【0039】そして、表装材40は、表面をビロード状
とされた薄手のシート材により形成され、毛羽立った表
面を有しているので、物品11の取付固定用のピン12
や針金13等の抜き刺しの跡が残らず、見栄えを良くす
ることができる。このため、物品11の交換を何度も行
うことができるうえ、物品11の取付固定作業の際のピ
ン12や針金13等の位置決めも何度でもやり直すこと
ができる。
【0040】また、物品展示用具10はケース50を備
えているので、展示する物品11が塵や埃を被ることは
なく、物品11の汚れを防止することができる。このた
め、高級品や塵埃に弱い物品などの展示を好適に行うこ
とができる。そして、万一、ピン12が外れたり、ある
いは針金13が切れたりして物品11が物品展示用具1
0の本体部分10Aから外れた場合にも、ケース50で
物品11を受け止めることができるので、安全性をより
高めることができる。
【0041】さらに、ケース50は、止め具60の着脱
操作により物品展示用具10の本体部分10Aから着脱
可能となっているため、物品11の交換を容易に行うこ
とができる。そして、ケース50と本体部分10Aとが
分離可能となっているので、高さ寸法H(図2参照)の
異なる複数のケースを用意しておけば、物品11の大き
さに応じてケースを選択することができ、物品11と物
品展示用具10との釣合いの良好性から外観の向上を図
ることができるうえ、展示可能な物品11の大きさの範
囲を任意に拡大することができる。
【0042】また、ケース50は、アクリルにより形成
されているので、ガラスなどにより形成する場合に比
べ、物品展示用具10を軽量化することができるうえ、
例えば掃除中に割れる等の不都合も生じにくいため、安
全性を高めることができる。そして、ケース50は、ア
クリルにより形成されているため、透明度が高く、外観
を良くすることができる。
【0043】さらに、ケース50は、平行部51および
四つの垂直部52ごとにそれぞれ別個の部材(但し、材
質は同じ)を用いて接合形成されているので、市販の板
状のアクリル部材を用いて形成することができ、特に少
量生産の場合等には、平行部51および四つの垂直部5
2の全てを金型により一体成形する場合に比べ、ケース
50を安価に製造することができる。また、ケース50
は、別個の部材による接合形成なので、金型により一体
成形する場合に比べ、成形時のフローマーク(樹脂の流
れの跡)やヒケが生じることもなく、ケース50の外観
形状を綺麗に仕上げることができ、高級感を得ることが
できる。
【0044】そして、軟質板30の周縁部の側面(厚み
面)の四つの角部に、それぞれ補強部材31が設けられ
ているので、取扱時にぶつける、あるいはケース50の
着脱等により軟質板30の角部が潰れたり、変形したり
するという不都合を防止できる。また、軟質板30の周
縁部の四つの側面(厚み面)の略中央付近に、それぞれ
補強部材32が設けられているので、止め具60の繰り
返しの着脱による軟質板30の破損を防止できるうえ、
止め具60を物品展示用具10の本体部分10Aに確実
に固定することができ、ケース50のぐらつきを防止で
きる。
【0045】さらに、物品展示用具10は、基板20の
裏面に支持部23を備えているので、物品展示用具10
を壁15に掛けて物品11の壁15への展示を行うこと
ができる。そして、支持部23は、基板20の長手方向
およびこれと直角をなす方向の二方向に設けられている
ので、物品展示用具10を縦長配置または横長配置のい
ずれの状態でも壁15に掛けることができる。このた
め、物品11の物品展示用具10への取付自由度を向上
することができる。
【0046】また、支持部23の係合板23Aは、一方
向に長い形状を有しているので、この長さの範囲内でフ
ック16や紐17等の吊下部材を任意の位置で支持部2
3に係合させることができる。このため、物品11を取
り付けた状態の物品展示用具10の重心位置に応じて重
量のバランス配分が最適となるように物品展示用具10
を壁15に掛けることができ、物品11および物品展示
用具10を安定した状態に保つことができる。さらに、
支持部23の係合板23Aには、略三角形形状の係合部
24が略等間隔に複数個形成されているので、これらの
係合部24のうちから適当なものを選択することによ
り、前述した重量のバランス配分を最適化した展示を容
易に実現できるとともに、支持部23と吊下部材との係
合位置が係合板23Aの長手方向に滑ってずれてしまう
という不都合を未然に防止できる。
【0047】また、基板20の裏面に足25が設けられ
ているので、足25を壁15に密着させることにより、
物品展示用具10を安定した状態で壁15に掛けること
ができる。さらに、足25の頭の部分(円形の表面)
に、高摩擦性および柔軟性(弾性)を有するシート状の
当接部材26が接着されているので、そのすべり止め機
能により物品展示用具10をより安定した状態で壁15
に掛けることができるうえ、その傷防止機能により壁1
5側の傷を防止することができる。
【0048】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の目的を達成できる他の構成も含
み、例えば以下に示すような変形等も本発明に含まれる
ものである。すなわち、前記実施例では、基板20は塩
化ビニルにより形成されており、基板20の材料として
は、このような塩化ビニル(ポリ塩化ビニルや各種の塩
化ビニル共重合体などを含む)が好適であるが、これに
限定されるものではなく、他の樹脂材料、金属、セラミ
クス、木材等であってもよく、要するに物品11の重量
を支えた状態で所定の形状を維持できる程度の強度を有
する材料であれば任意である。しかし、前記実施例のよ
うな塩化ビニル製としておけば、安価である点、あるい
は入手容易な市販のパンチングプレートを基板20とし
て用いることができる点などから有利である。
【0049】また、前記実施例では、基板20は長方形
形状を有していたが、基板20の形状は、正方形、六角
形等の多角形形状、円形、半円形、楕円形、その他の幾
何学形状、あるいは星形、ハート形、魚形等の事物の輪
郭形状など任意である。この際、基板20を複雑な形状
とする場合には、ケース50は必ずしも基板20に従っ
た形状を有している必要はなく、ケース50のみを前記
実施例のような単純な形状にしておいてもよい。
【0050】さらに、基板20の大きさは、前記実施例
の縦320mm×横150mm程度に限定されるもので
はなく、任意であり、展示する物品11の大きさや市販
されている材料の大きさ(定尺)等に応じて適宜決定す
ればよい。そして、基板20の厚みも、前記実施例の
1.5mm程度に限定されるものではなく、基板20の
材料の強度や展示する物品11の重量等に応じて適宜決
定すればよい。また、基板20の大きさ及び形状の任意
性に伴って、物品展示用具10の全体の大きさ及び形状
も任意のものであってよい。
【0051】そして、基板20の貫通孔21は、基板2
0の略全面に渡って略均一に分布配置されているが、基
板20の略全面に渡って配置されている必要はなく、例
えば、図5(A)のように中央付近のみに複数個配置す
る、あるいは図5(B)のように数カ所に複数個づつ配
置するなどの部分的な配置としてもよい。また、貫通孔
21は略均一に分布配置されている必要もなく、例え
ば、図5(C)のように不均一な配置としてもよく、さ
らに全く規則性のないランダム配置としてもよい。しか
し、貫通孔21は、前記実施例のように基板20の略全
面に渡って略均一に分布配置しておくことが好ましく、
そうすることで物品11の取付自由度を高めることがで
きるうえ、市販のパンチングプレートを用いることがで
きるので安価に製造できる利点がある。
【0052】さらに、貫通孔21の孔径およびピッチ
は、それぞれ前記実施例の約3mm、約7mmに限定さ
れるものではなく、使用する針金13の太さや市販品の
入手容易性等に応じて実施にあたって適宜選択すればよ
い。そして、基板20は板状部材に孔を開けたものでは
なく、比較的硬質なネット状あるいは格子状の部材、例
えば金網や樹脂製の網等により形成されていてもよい。
【0053】また、前記実施例では、軟質板30は樹脂
発泡体(発泡スチロール)により形成されており、軟質
板30の材料としては、このような発泡スチロール、あ
るいはブチルゴムフォームやウレタンフォーム等の発泡
体が好適であるが、発泡体に限定されるものではなく、
比較的軟質な材料であればコルク、ゴム等任意であり、
要するにピン12や針金13を人手により容易に刺した
り、あるいは通したりすることができ、かつ一旦刺した
ピン12等が容易に抜けてしまうことのない材料であれ
ばよい。そして、軟質板30の厚みは、前記実施例の7
mm程度に限定されるものではなく、使用するピン13
の太さや市販品の入手容易性等に応じて実施にあたって
適宜選択すればよい。
【0054】
【0055】そして、前記実施例では、表装材40は表
面をビロード状とされた薄手のシート材により形成され
ていたが、表装材40の材料は、これに限定されるもの
ではなく、例えば、ビロード、壁紙、合成皮革等であっ
てもよく、その色艶や厚みも任意である。しかし、表装
材40は、毛羽立った表面を有する材料(例えば、ビロ
ード)、多少の凹凸形状を有している材料(例えば、壁
紙)、あるいは細かい穴が全面に散りばめられている材
料(例えば、比較的目の粗いクロス)としておくことが
好ましく、そうすることでピン12等の穴の跡を目立た
なくすることができる。
【0056】また、前記実施例では、物品展示用具10
はケース50を備えていたが、ケース50は必ずしも必
要なものではなく、省略することもできる。しかし、ケ
ース50を備えていることが望ましく、そうすることで
物品10への塵や埃の付着、堆積を防止でき、高級品の
展示などにも適したものとすることができる。
【0057】さらに、前記実施例では、ケース50はア
クリル製の透明な部材により形成されていたが、透明性
を有する材料であれば、いずれの材料を使用してもよ
く、要するにケース50を通して外から物品10を見る
ことができればよい。例えば、ポリカーボネート製のケ
ースとしてもよく、あるいは木枠にガラスを嵌め込んだ
ケースとしてもよい。しかし、アクリル製としておくこ
とが、軽量化、安全性向上、および外観向上(透明度が
良好)の点で好ましい。
【0058】また、前記実施例では、ケース50の全体
が透明となっていたが、少なくともケース50の一部分
に透明性の部分があればよく、例えば、ケース50のう
ち平行部51を透明としておき、垂直部52に曇りを入
れておくことで、垂直部52に堆積する塵や埃を目立た
なくすることができる。あるいは、ケース50の一部
分、例えば一つの垂直部52に相当する部分を、本体部
分10Aと同様な構造としてもよい。この場合には、部
屋の隅への展示に好適となる。
【0059】また、前記実施例では、ケース50は複数
の部材(但し、材質は同じ)を接合して形成されていた
が、金型等を用いて一体成形されたものであってもよ
い。しかし、接合形成とすることが、安価なパネル状の
市販品を用いることができるうえ金型も不要となるため
コスト低減の点から好ましく、また、成形時のフローマ
ークやヒケが発生することがないため外観向上の点から
も好ましい。
【0060】さらに、前記実施例では、軟質板30の周
縁部の側面(厚み面)に補強部材31,32が設けられ
ていたが、これらは必ずしも必要なものではなく、省略
することもできる。しかし、補強部材31,32を設け
ておくことが好ましく、そうすることで軟質板30の破
損防止およびケース50の確実な取り付けを行うことが
できる。また、このような補強部材は、前記実施例のよ
うに軟質板30の周縁部の側面(厚み面)に局部的に設
けるのではなく、周縁部の四つの側面の全面に渡って設
けてもよく、あるいは側面だけではなく、軟質板30の
周縁部の表裏面にまで跨がって設けてもよい。そして、
各補強部材31,32の材質および厚みは、前記実施例
の硬質塩化ビニル、2mm程度に限定されるものではな
く、それぞれ任意である。
【0061】また、止め具60の形状および個数は、前
記実施例の形状および個数に限定されるものではなく、
例えば、個数は五個以上であってもよく、形状は板状部
62を前記実施例のような屈折形状ではなく単なる平坦
な角形や丸形等の形状としたり、あるいは全く板状部を
設けずに図4中二点鎖線で示したような単なるピン63
としてもよい。そして、止め具60の材質は、金属、木
材、樹脂、セラミクス等任意である。
【0062】さらに、前記実施例では、基板20の裏面
に支持部23が二方向に設けられているが、少なくとも
一方向に設けられていればよい。しかし、二方向に設け
ておくことが望ましく、そうすることで物品展示用具1
0を縦長配置または横長配置のいずれの状態でも壁15
に掛けることができる。
【0063】また、前記実施例では、支持部23の個数
は三個とされていたが、基板20の形状に応じて任意の
個数としてよく、少なくとも一個設けられていれば物品
展示用具10を壁15に容易に掛けることができる。例
えば、基板20が正方形である場合には、物品展示用具
10の縦横の区別がなくなるので、支持部23をいずれ
かの方向に一個設けておけばよい。また、基板20が長
方形である場合には、必ずしも前記実施例のように長辺
方向に二つの支持部23を設けておく必要はなく、支持
部23を各方向にそれぞれ一個ずつ設けるようにしても
よく、この場合において、図6に示すように、基板20
の長手方向に配置する支持部23の係合板23Aの長さ
を、他方の支持部23の係合板23Aの長さよりも長く
するなどしてもよい。
【0064】さらに、支持部23に形成する係合部24
の形状は、前記実施例のような略三角形形状に限定され
るものではなく、例えば、U字形状、コの字形状等であ
ってもよく、要するにフック16や紐17等の吊下部材
を係合することができる形状であればよい。また、各係
合部24の配置ピッチは任意であり、前記実施例のよう
な密な配置に限らず、例えば、図7に示すように、ある
程度の間隔を置いた配置としてもよく、このようにして
おけばフック16が一つの係合部24に収まらないよう
な場合(例えば、棒状のフックではなく、板状のフック
の場合)には、フックの支持部23に対する接触状態を
安定させることができる、つまり鋸歯の先端のみでの接
触を避けることができる。
【0065】さらに、支持部23には、前記実施例のよ
うな係合部24が必ずしも設けられている必要はなく、
例えば、支持部23の係合板23Aの端部(吊下部材が
当接する側の端部)を紙鑢のようなざらざらの状態にし
ておいても、すべり止め効果を得ることができる。そし
て、支持部23は、基板20の裏面に固定したフックや
紐等であってもよい。
【0066】また、支持部23の材質は前記実施例の塩
化ビニルに限定されるものではなく、物品展示用具10
および物品11の重量を支持できる強度を有する材料で
あれば、金属、木材、セラミクス等任意である。しか
し、基板20への接着性を考慮すると基板20の材料と
同じ塩化ビニルが好ましい。さらに、基板20と支持部
23との接合方法は、接着剤による接着、加熱溶着、ボ
ルト止め、足割れリベット止め等任意である。そして、
足割れリベット止めを行う場合には、足割れリベットの
足を支持部23の足部23Bを貫通させて基板20の裏
面側から貫通孔21に挿通し、基板20と軟質板30と
の間の位置で足割れリベットの足を開くようにすればよ
い。
【0067】また、フック16や紐17等の吊下部材の
係合形態も任意であり、図6に示すように、二つのフッ
ク16、あるいは二本の紐17を用いてもよい。さら
に、図8に示すように、支持部23を壁15の方向に引
っ張るように作用する吊下部材70を用いれば、物品展
示用具10の足25を壁15に確実に密着させることが
でき、物品展示用具10を安定した状態に保つことがで
きる。
【0068】また、物品展示用具10を壁15に掛けず
に、専ら床や台上に置く場合には、支持部23を省略す
ることができる。そして、支持部23を省略した場合に
おいても、貫通孔21に吊下部材としての紐17を通
す、あるいは壁15から突出した釘等の吊下部材を裏面
側から貫通孔21を通して軟質板30に刺す等により、
物品展示用具10を壁15に掛けることができる。
【0069】また、前記実施例では、基板20の裏面に
足25が設けられているが、足25は必ずしも必要なも
のではなく、省略することができる。しかし、足25を
設けておくことが好ましく、そうすることで壁面への展
示および台上等への展示のいずれの場合においても物品
展示用具10の安定性を向上させることができる。さら
に、足25の材質は、前記実施例の塩化ビニルに限定さ
れるものではなく、金属、木材、セラミクス等任意であ
る。しかし、基板20への接着性を考慮すると基板20
の材料と同じ塩化ビニルが好ましい。そして、基板20
と足25との接合方法は、接着剤による接着、加熱溶
着、ボルト止め等任意である。
【0070】また、支持部23を足として兼用させても
よく、図9に示すように、足25を基板20に直接に設
けるのではなく、支持部23に設けるようにしてもよ
い。さらに、足25の頭の部分には、当接部材26が接
着されているが、省略してもよい。しかし、すべり止め
機能、および壁15側の傷防止機能を得るために設けて
おくことが好ましい。
【0071】また、物品11の取付固定は、図4に示し
たピン12や針金13の他、透明性のミシン糸や釣り
糸、通常の糸、あるいは紐などであってもよく、物品1
1の重量や色等に応じて適宜選択すればよい。例えば、
物品11が軽い場合にはピン12や糸、重い場合には針
金13、物品11の模様や色彩を極力損ないたくない場
合には透明性のミシン糸や釣り糸などを用いればよい。
【0072】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、物
品展示用具を多孔を有する基板と軟質板とを備えた構成
としたので、物品取付固定用の針金や糸等を貫通孔を通
して基板の裏面側で結ぶことができ、物品を物品展示用
具に確実に固定できるとともに、物品取付固定用のピン
や針金等を物品を軟質板に容易に刺したり、通したりす
ることができるという効果がある。そして、これらの基
板および軟質板は、市販品を用いて容易に形成すること
ができるので、物品展示用具の製造コストの低減を図る
ことができ、物品展示用具を宝石店等に加え、一般消費
者への供給にも適したものとすることができるという効
果がある。
【0073】また、軟質板の表面に装飾用の表装材を貼
り付けたので、物品展示用具自体の外観向上を図ること
ができる。このため、物品の高級感を損なうようなこと
はなく、物品の見栄えを良くすることができるという効
果がある。
【0074】そして、基板の裏面に支持部を設けた場合
には、物品展示用具を壁に容易に掛けることができ、こ
の支持部に吊下部材と係合可能な係合部を少なくとも一
方向に略等間隔に複数個形成しておけば、任意の位置で
支持部と吊下部材とを係合させることができるため、物
品を取り付けた状態の物品展示用具の重量バランスを適
切な状態に調整することができるという効果がある。
【0075】さらに、軟質板の周縁部に補強部材を設け
た場合には、軟質板の変形や破損を防止でき、物品展示
用具を長期間使用できるという効果がある。また、物品
展示用具を、ケースを備えた構成とした場合には、展示
物品への塵や埃の付着、堆積を防止でき、高級品や塵埃
に弱い物品などの展示を好適に行うことができるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す分解斜視図。
【図2】前記実施例の組立状態における側面図。
【図3】前記実施例の組立状態における裏面図。
【図4】前記実施例の要部の拡大断面図。
【図5】本発明の第一の変形例を示す概略構成図。
【図6】本発明の第二の変形例を示す概略構成図。
【図7】本発明の第三の変形例を示す概略構成図。
【図8】本発明の物品展示用具の吊り下げに好適な吊下
部材を用いて吊下を行った状態の説明図。
【図9】本発明の第四の変形例を示す概略斜視図。
【符号の説明】
10 物品展示用具 11 物品 16 吊下部材であるフック 17 吊下部材である紐 20 基板 21 貫通孔 23 支持部 24 係合部 30 軟質板 31,32 補強部材 40 表装材 50 ケース 70 吊下部材

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表裏を貫通する多数の貫通孔を有する基
    板と、この基板の物品配置側の面に貼られかつ前記基板
    よりも軟質な軟質板と、この軟質板の表面側に貼られた
    装飾用の表装材とを備えたことを特徴とする物品展示用
    具。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した物品展示用具におい
    て、前記基板の裏面には支持部が設けられ、この支持部
    には吊下支持用の吊下部材と係合可能な係合部が少なく
    とも一方向に略等間隔に複数個形成されていることを特
    徴とする物品展示用具。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載した物品
    展示用具において、前記軟質板の周縁部には、薄板状の
    補強部材が設けられていることを特徴とする物品展示用
    具。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項のいずれかに記載
    した物品展示用具において、前記基板および前記軟質板
    の少なくとも一方に着脱可能に設けられかつ展示物品を
    覆う透明性のケースを備えたことを特徴とする物品展示
    用具。
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