JP4933677B1 - 耳たぶ補強具 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピアスやイヤリングの装飾部が、その重量に対して働く重力により下側に向いてしまうことを防ぎ、また、ある程度の重みのある装飾部を有するピアスやイヤリングを長時間装着したり、回数を重ねて装着したりしても、耳たぶの孔を広げたり耳たぶを傷つけたりしないようにするための耳たぶ補強具を提供する。
【解決手段】二つの面を有するシート状の部材により構成され、一方の面が耳たぶの裏側に接触し、他方の面がピアスやイヤリングの留め部側に位置する耳たぶ補強具である。
【選択図】図1

Description

本発明は、イヤリング(ピアス式及びそれ以外のイヤリングを含む)を耳に装着する際に耳たぶを補強するための耳たぶ補強具(以下、単に「補強具」ともいう)に関する。以下、本明細書においては、耳たぶに小さな孔をあけ、それに耳の正面からイヤリング本体のポスト(針)を通して耳の裏側から受け具(一般に「キャッチ」と呼ばれる)で留めるピアス式のイヤリングを「ピアス」と称し、それ以外のイヤリング(耳たぶの孔を利用せず、留め部を用いて留めるもの)を単に「イヤリング」と称する。
ピアス及びイヤリングは、耳に装着して使用するアクセサリーである。ピアス及びイヤリングは、通常、宝石その他をアレンジした装飾部を有する。この装飾部は時としてサイドや後ろ側に配置されることもあるが、多くの場合は前面に配され、これが耳たぶの正面側(表側)に位置するように耳たぶに装着する。
前記装飾部の素材、デザイン、大きさなどは様々である。ピアスやイヤリングの選択は、使用者がこの様々な装飾部の中から、時・場所・目的や好みに合ったものを選ぶことにより行う。
これらのピアスやイヤリングの装飾部には、サイズが大きくて重みのあるものや、サイズはさほど大きくなくともある程度の重みを有するものが少なからず存する。
特に、これらの装飾部をプラスチックなどのイミテーションではなく、貴金属や宝玉で作ったり、装飾部を大きくしたりすると、往々にして重量が増す。中には、装飾部だけでも10g程度に達するもの(ダイヤモンドやパールなど)もある。
装飾部にある程度以上の重みがあると、ピアスやイヤリングを耳たぶに装着した際に、装飾部にその重みによる重力が働く。
その結果、ピアスやイヤリングを耳たぶの裏側からキャッチや留め部でいかに強く留めようとも、装飾部は、本来向くべき方向(多くは正面)ではなく、その重みによって下側に向いてしまう。本来正面を向くことを前提としてデザインされた装飾部が下側に向いてしまうと、視覚上全く異なったデザインで捉えられることとなってしまう。
更に、ピアスについては、ある程度以上の重みのある装飾部を有するものを長時間装着したり、回数を重ねて装着したりすると、単に耳たぶが垂れ下がるのみならず、耳たぶの孔自体が下に延び、孔が大きくなり、場合によっては孔が下側に裂けてしまうこと(後天性耳垂裂などとも呼ばれる)もある。近年、耳たぶの孔を耳たぶの下縁近傍に開ける例が多いこともこのような症例を増加させている。
また、耳たぶの孔が一度裂けてしまうと、これを手術等により修復しても、傷つきやすくなっているため、裂ける前以上に、重みのあるピアスを装着するのが難しくなる。
イヤリングについても、装飾部が重みにより本来と異なって下側に向いてしまう状態が長時間続くと、耳たぶを傷めたり、場合によっては頭痛を引き起こしたりすることがある。
これらの問題点が存するため、装飾部にある程度以上の重みがあるものは、使用者(需要者)がたとえそのデザインや素材(宝石の種類など)を気に入ったとしても、装着するのを避けざるを得ないことが多い。
結果として、販売者(供給者)にとっても、そのような商品の販売が進まず、産業上の停滞を招いている。
また、イミテーションではなく貴金属や宝玉など高額なものを装飾部に有するピアスやイヤリングは、高齢者が装着を希望することも多いが、このようなピアスやイヤリングの装飾部は、重量が増す反面、耳たぶは年齢が上がるにつれて痩せるため、上記のような重力の影響を受けやすく、上記問題点は高齢者にはより一層切実である。そのため、このようなピアスやイヤリングは、装着の希望が多いにもかかわらず、高齢者の需要が進まない結果を招いている。
ピアスやイヤリングについては、従来、主として装着した状態で耳たぶから落下するのを防止するための技術が提案されてきたが(特許文献1など)、上記の問題点についてはほとんど対処されておらず、特に耳たぶの孔や耳たぶ自体を傷つけるとの問題とその対処については認識もされてこなかった。
装飾部の垂下に限れば、従来わずかに、ピアスやイヤリングの受け具(キャッチ)ないし留め部自体を以下のようにすることでこれを防ごうとする試みがみられる。
例えば、ピアスのキャッチやイヤリングの留め部を、耳たぶに強く締め付けるべき旨提唱されることがある。しかしながら、このように強く締め付ける場合は、ピアスやイヤリングの落下防止の効果は奏するも、装飾部自体はやはりその重さにより垂れ下がったり、下向きになったりするため、上記問題を何ら解決することができない。また、このような手段ではきつく締め付けることによる頭痛等を引き起こすこともある。
また、ピアスについては、受け具であるキャッチ自体の重量を重くすることにより、装飾部の向きを整えるよう提案されることもある。これは両者の重量のバランスをとる点に着目し、キャッチの重量をも重くして効果を得ようとするものである。しかしながら、この場合は装飾部とキャッチの両方の重量により、ピアス全体が耳たぶごと不自然に垂下し、結果として本来のデザインとは異なったものに見えるのみならず、見栄えが悪いものとなる。更に、両者の重量により耳たぶに大きな負担がかかるため、耳たぶが傷つくおそれが一層高くなる。イヤリングについても同様である。
さらに、ピアスに関しては、キャッチに所定の角度を有する管路を設けるものが提案されている(特許文献2)。これは、キャッチに相当する裏当てにある程度の幅と厚さをもたせ、これに管路120を設け、この管路を裏当ての接触面に対し鋭角にするというものである。かかる角度を有する管路に、先端に正面部118(装飾部)を有するポスト112を挿入することで、正面部118(装飾部)の位置を保持する。
しかしながら、特許文献2の発明もキャッチを改良するものであり、これにある程度の幅と厚みをもたせることを前提としている。そのため、本来隠れるべきキャッチ(裏当て)が目立ってしまい、必ずしも見栄えが良くないものとなる。また装置全体もある程度の重量を持たざるを得ないので、垂下の問題点も解消できるとは限らず、また耳たぶを傷つけるおそれも残る。さらに、特許文献2の発明は、管路の角度を接触面に対し鋭角に保つものであるため、ピアス孔が耳たぶのある程度上部に開けられている場合にしか使用できない(そうでない場合に装着すると、裏当てが耳たぶの下からはみ出るため、見た目が非常に悪くなる)。また、装飾部の位置も、耳たぶ上部またはこれより上に限定されてしまう。
特開平9−10015号 特表2010−533542号
本発明は上記の問題点を解決することを課題とする。具体的には、本発明の一つの側面として、本発明は、ピアスやイヤリングの装飾部が、下側に向くのを軽減したり防いだりするための耳たぶ補強具を提供することを課題とする。
また、本発明の他の側面として、本発明は、ピアスやイヤリングを長時間装着したり、回数を重ねて装着したりしても、耳たぶの孔を広げたり耳たぶを傷つけたりしないようにするための耳たぶ補強具を提供することを課題とする。
更に、本発明の他の側面として、本発明は、ピアスやイヤリングの装飾部が下側に向くのを軽減したり防いだりするための耳たぶ補強具を有するピアスやイヤリングを提供することを課題とする。
更に、本発明の他の側面として、本発明は、ピアスやイヤリングを長時間装着したり、回数を重ねて装着したりしても、耳たぶの孔を広げたり耳たぶを傷つけたりしないようにするための耳たぶ補強具を有するピアスやイヤリングを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、発明者は、従来のような、ピアスやイヤリングのキャッチ、留め部、保持具などに着目するのとは異なり、使用者の耳たぶを補強するとの観点から本発明を行った。かかる本発明の第1の側面として、請求項1に記載の発明は表と裏の二つの面を有するシート状であり、ピアスのポストを貫通させるための少なくとも一つの孔を有し、前記二つの面の一方が、耳たぶの裏側に接触するための接触面であり、前記二つの面の他方が、前記ピアスのキャッチ側に位置するための面であり、耳たぶにピアスを装着する際に、前記接触面の上端を、耳の下部の軟骨付近、又は軟骨下端よりも上に位置するように耳たぶの裏側に装着する耳たぶ補強具を提供する。
請求項1に記載の耳たぶ補強具は、ピアスを装着する際に、耳たぶの裏側に当該補強具の接触面を接触させ、耳たぶの表側(正面側)から耳たぶの孔と前記補強具の孔の一つを通して共にポストを貫通させ、当該補強具の他方の面側からピアスのキャッチでポストを受けるようにして装着することにより使用する。ピアスを耳たぶに装着すると、重力により装飾部が下側に引っ張られる。ここで、シート状の補強具が耳たぶの裏側にある程度の広がりをもって接触し、耳たぶの裏側を支持するため、この重力を分散しながらこれに対抗する。その結果、装飾部は下側に向くことなく、本来向くべき方向(多くは正面)を向いた状態を維持する。また、耳たぶの孔が広がったり裂けたりすることを防ぐ。
本発明の第2の側面として、請求項2に記載の発明は、前記接触面において、前記少なくとも一つの孔の略中心を通る仮想水平線よりも上側の面積が該水平線の下側の面積よりも広くなるように前記孔が設けられた請求項1に記載の耳たぶ補強具を提供するものである。
請求項2に記載の耳たぶ補強具は、耳たぶの孔(ポストを貫通させるための耳たぶに開けられた孔)よりも上側の領域を支持して装飾部の重力に対抗することができるように、この領域に対応する部分をより多く占めようとするものである。これにより、装飾部は下側に向くことなく、本来向くべき方向(通常正面)を向いた状態を維持する。また、耳たぶの孔が広がったり裂けたりすることを防ぐ。また、この補強具によれば、耳たぶの孔を耳たぶの下側に開けたピアス使用者(需要者)が多い(近時は下側近傍に開けることが多い)ことにも対応でき、耳たぶの下側近傍から補強具がはみ出ないようにすることができる。
本発明の第3の側面として、請求項3に記載の発明は、前記少なくとも一つの孔が、前記耳たぶ補強具の下側の周縁近傍に設けられた請求項1又は2に記載の耳たぶ補強具を提供するものである。
請求項3に記載の耳たぶ補強具は、前記請求項2の発明に係る補助具と同様の作用効果を奏するものである。
本発明の第4の側面として、請求項4に記載の発明は、前記耳たぶ補強具が弾性材からなる請求項1乃至3のいずれか一項に記載の耳たぶ補強具を提供するものである。
請求項4に記載の耳たぶ補強具は、プラスチック、合成樹脂、エラストマーなどの弾性材からなるものとすることにより、軽量でありながら、ある程度の強度を保ち、装着時に耳たぶにフィットし易いものとなる。耳たぶ補強具がある程度の強度をもって耳たぶにフィットすると、装飾部が重力により引っ張られたときに、これに対抗し易くなる。
本発明の第5の側面として、請求項5に記載の耳たぶ補強具は、縦方向の全長が10mm以上である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の耳たぶ補強具を提供するものである。
本発明の他の側面として、本発明に係る耳たぶ補強具は、周縁の一部又は全部が曲線からなるものとしてもよい
前記耳たぶ補強具は、その周縁(輪郭)が曲線を有することにより装着感を向上できると共に、周縁により耳たぶが傷つけられることを防ぐ。
本発明のの側面として、本発明に係る補強具は、耳たぶにイヤリングを装着する際に耳たぶの裏側に装着して耳たぶを補強するものであり、表と裏の二つの面を有するシート状であり、前記二つの面の一方が、耳たぶの裏側に接触するための接触面であり、前記二つの面の他方が、イヤリングの留め部側に位置するための面である、耳たぶにイヤリングを装着する際に耳たぶの裏側に装着する耳たぶ補強具とすることもできる
前記耳たぶ補強具は、装飾部を有するイヤリングを装着する際に、耳たぶの裏側に当該補強具の接触面を接触させ、他方の面側からイヤリングの留め部で押さえるようにして装着することにより使用する。イヤリングを耳たぶに装着すると、重力により装飾部が下側に引っ張られる。ここで、シート状の補強具が耳たぶの裏側にある程度の広がりをもって接触し、耳たぶの裏側を支持するため、該重力を分散しながらこれに対抗する。その結果、装飾部は下側に向くことなく、本来向くべき方向(多くは正面)を向いた状態を維持する。また、耳たぶが変形したり傷ついたりすることを防ぐ。更に、留め部の緩衝材となり、留め部で必要以上に強く締め付ける必要もなくなり、頭痛を引き起こすこともなくなる。
前記耳たぶ補強具は、弾性材からなるものとしてもよい
係る耳たぶ補強具は、プラスチック、合成樹脂、エラストマーなどの弾性材からなるものとすることにより、軽量でありながら、ある程度の強度を保ち、装着時に耳たぶにフィットし易いものとなる。耳たぶ補強具がある程度の強度をもって耳たぶにフィットすると、装飾部が重力により引っ張られたときに、これに対抗し易くなる。
前記耳たぶ補強具の周縁の一部又は全部曲線からなるものとしてもよい
係る耳たぶ補強具は、その周縁(輪郭)が曲線を有することにより装着感を向上できると共に、周縁により耳たぶが傷つけられることを防ぐ。
本発明のの側面として、前記いずれかの耳たぶ補強具は、少なくとも一部が透明、半透明又は淡黄色(肌色)としてもよい
係る耳たぶ補強具は、その全部又は一部が透明、半透明又は淡黄色であることにより、補強具自体が目立たなくなるようにするものである。
本発明のの側面として、本発明は、前記いずれか耳たぶ補強具を有するピアスキャッチ又はイヤリング留め部とすることもできる
係るピアスキャッチ又はイヤリング留め部は、前記いずれかの耳たぶ補強具を有することにより、それぞれそれらの発明の作用効果を得るものである。
本発明によれば、ピアスやイヤリングを装着した場合、それらの装飾部が下側に向くことなく、本来あるべき正面を向いた状態を維持する。また、ピアスやイヤリングの使用によって耳たぶを傷めることを防ぐ。
ピアスを装着する際に用いる本発明にかかる耳たぶ補強具の一実施例を示す図である。 ピアスを装着する際に用いる本発明の一実施例にかかる耳たぶ補強具を実際に装着する際の状態を分解して示す図である。 ピアスを装着する際に用いる本発明にかかる耳たぶ補強具の一実施例において、ポストを貫通させるための孔の略中心を通過する仮想水平線を示す図である。 ピアスを装着する際に用いる本発明にかかる耳たぶ補強具の一実施例において、一つの孔を、補強具の下側の周縁の近傍に設ける場合を示す図である。 (a)(b)(c)(d)は、それぞれ、ピアスを装着する際に用いる本発明の形状の他の例を示す図である。 (a)(b)(c)(d)(e)は、それぞれ、イヤリングを装着する際に用いる本発明にかかる耳たぶ補強具の一実施例を示す図である。 イヤリングを装着する際に用いる本発明の一実施例にかかる耳たぶ補強具を実際に装着した際の状態を示す図である。 本発明にかかる耳たぶ補強具をピアスのキャッチと一体成形した一実施例を示す図である。(a)はその平面図(上方から見た図)であり、(b)は斜視図(正面左側から見た図)である。点線はピアスのポストを貫通させるための孔を示す。
以下、本発明の補強具に係る実施形態を、図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、本発明にかかる補強具の一実施例を示す図であり、ピアスを装着する場合に装着するための補強具1を接触面2の方向から見た図である。
補強具1は、耳たぶと直接接触する接触面2と、その裏側の面であるピアスのキャッチ側に位置する面とを有する。一つの補強具において、表面と裏面のそれぞれが、接触面としても、ピアスのキャッチ側に位置する面としても使用できるように、補強具を構成してもよい。
補強具1は、ピアスのポスト(針)を貫通させるための孔3を有する。孔3は、ピアスのポスト(針)を貫通させるのに適したものであれば良く、例えば直径約1mm程度の円形とすることができる。
孔3は複数設けても良い。耳たぶの裏側はもともと装着しにくい場所であるため、孔3を複数設けることにより、使用者が補強具装着に際し、孔3にピアスのポストを通し易くすることができる。例えば、補強具の形状を図1に示すような縦長楕円形とした場合に、これに左右(又は上下)2つの孔を形成し、ピアスのポストをいずれの孔に貫通させてもよいようにすれば便宜である。
補強具1は、薄板状、プレート状ないしシート状である。これによると、補強具自体の重量を抑えながら耳たぶの裏側を支持できるとともに、補強具を目立たないようにすることができる。厚みは、重力を充分分散させ、重量を抑え、装着感を向上させる等の観点に、素材(プラスチック、シリコンその他)を考慮して決せられる。各種実験の結果では、厚さはおよそ0.1mm〜1.0mm程度の範囲となった。
図2は、補強具1をピアスと共に装着する場合を示している。補強具1を装着する場合、接触面2を耳たぶに接触させ、ピアスのポスト5を耳たぶのピアス用の孔6と補強具の孔3に貫通させる。接触面2の裏面側において、貫通した前記ポスト5をキャッチ7で受け、ピアスを保持する。装着時、補強具1は、耳たぶとキャッチ7の間に位置するものとなる。ピアスの装飾部4は、耳たぶの表側正面に位置する。
ピアスを耳たぶに装着すると、重力により装飾部4が下側(地面側)に引っ張られる。ここで、シート状の補強具1の接触面2が、耳たぶの裏側に所定の広がりをもって接触し、耳たぶの裏側を支持するため、該重力を分散しながらこれに対抗する。その結果、装飾部4は下側に向くことなく、本来向くべき方向(通常は正面)を向いた状態を維持する。また、耳たぶの孔が広がったり裂けたりすることを防ぐ。
補強具1は、装飾部4が重い場合により一層効果を実感できるが、装飾部4が必ずしも重いとまではいえないような場合も耳たぶが支持されるため有効となり得る。例えばこのような場合も、耳たぶが痩せて張りや弾力が低下した高齢者や、耳たぶのピアス用の孔が裂けたことがある使用者(需要者)などは、耳たぶへの負担を軽減しながらこれらの効果を得られるため有利である。
なお、キャッチ7は、ピアス本体を保持する機能を有するものの、耳たぶの裏側を支持するものではないため、上記重力を分散することができない。そのため、キャッチ7のみでは装飾部4の重力に対抗できず、装飾部4がある程度以上の重さになるとこれが下側を向いてしまい、また、耳たぶの孔6が広がったり、裂けたり傷ついたりしてしまう。
耳たぶの裏側の、耳たぶのピアス用の孔6よりも上側の領域を支持して装飾部の重力に対抗することができる(上側の領域においてより充分な支持を得る)ように、この領域に対応する部分をより多く占めるようにしてもよい。図3で示されるように、孔3を、接触面2において、この孔の略中心を通る仮想水平線11よりも上側の面積が該水平線の下側の面積よりも広くなるように構成することができる。なお、補強具1に孔3を複数設けること(例えば、前記のように、左右2つの孔や、上下2つの孔を形成するなど)もあり得るが、その場合も、いずれか一つの孔がこの条件を満たしていればよい。
また、耳たぶの裏側の、耳たぶのピアス用の孔6よりも上側の領域を支持して装飾部の重力に対抗することができる(上側の領域においてより充分な支持を得る)ものとしては、図4に示すように、孔3を、補強具1の下側の周縁12の近傍に設けるようにしてもよい。ここで、補強具1の下側の周縁12とは、通常、補強具1の縦方向(装着時の垂直方向)の最も下側(最下端)に位置する箇所をいう。孔3が設けられる補強具1の下側の周縁12の近傍とは、接触面2の方向から見た形状に応じ、その形状全体との関係で、孔3が、補強具1の下側の周縁12に近接しているといえる位置をいう。例えば、補強具1の下側の周縁12と、孔3の下端との直線距離(図4において符号13で表される距離)が、約1.5mm〜約2.5mm程度の位置を指す。
補強具1の接触面2の方向から見た形状は様々なものとし得るが、装着時の違和感や耳たぶを傷つけるのを避けるため、周縁を曲線で構成するのが好ましい。かかる形状の典型例としては、円形や楕円形が挙げられる。図1乃至図4においては、好ましい形状の一例として、装着時に長軸が縦方向(垂直方向)に位置する楕円形による補強具を示している。
もっとも、装着時の違和感や耳たぶを傷つけるのを避けられれば良いので、周縁全体を曲線をもって構成しなくてもよく、図5(a)に示すように、角が丸みを帯びた長方形や、図5(b)に示すように、角が丸みを帯びた三角形のような形状としても良い。なお、この形状は種々のものとすることができ、例えば、図5(c)に示すようにハート型や、図5(d)に示すようにいわゆる逆ドロップ型とすることもでき、その下端が丸みを帯びるようにしても良い。
なお、孔3を左右のバランスの取れた位置、例えば接触面2が前記楕円形の場合であればその長軸上に位置させることにより、装飾部4の重力の分散をバランス良く行うようにしてもよい。
補強具1の大きさは、補強又は支持に充分なものとすればよいが、装着した補強具1が目立たないようにするため、の裏側におさまる(隠れる)範囲内とすることが好ましい。一例として、接触面2から見た形状を図1で表されているような楕円形とする場合、例えば長径(縦方向の長軸)を約20mm程度、短径(横方向の短軸)を約15mm程度とすることができる。また例えば、接触面2から見た形状を直径約10mm程度の円形とし、補強具1の下側の周縁12と、孔3の下端の直線距離を約2.0mm程度とするなど、多くのバリエーションが考えられる。具体的な大きさは形状と共に適宜決するものであるが、いずれの形状でも、補強又は支持のために補強具1の縦方向(装着時の垂直方向)の全長が約10mm以上あることが望ましい。


補強具1の材質は必ずしも限定するものではないが、軽量で、装着時に耳たぶにフィットし易くするためにある程度の弾力性を有すると共に、耳たぶを支持するため、ある程度の強度を有するものが好適であり、例えばプラスチック、合成樹脂、エラストマーなどの弾性材が挙げられる。耳たぶ補強具がある程度の強度をもって耳たぶにフィットすると、装飾部が重力により引っ張られたときに、これに対抗し易くなる。補強具1の材質を金属等でなく合成樹脂にすると、以下に述べる透明や半透明のものを形成し易い点でも有利である。また通常、製造コストも抑えられる。
補強具1は装着時に目立たないようにするのが好ましいため、全体又は少なくとも一部を透明や半透明、淡黄色(肌色)などにしてもよい。
図6(a)乃至(e)は、本発明にかかる補強具の他の実施例を示す図であり、イヤリングを装着する場合に装着するための補強具8を正面から見た図である。
補強具8は、ピアスのポストを貫通させる孔3を有しないこと以外は、前記実施例の補強具1と同じように構成することができる。図7に、補強具8をイヤリングと共に装着した状態を示す。
本発明に係る補強具1又は補強具8は、本来、ピアスやイヤリングとは別の部品である。しかしながら、例えば補強具1をピアスのキャッチと一体成形させたり、補強具8をイヤリングの留め部と一体成形させたりして、ピアスのキャッチやイヤリングがこれら補強具を有するように構成することもできる。図8に、補強具9をピアスのキャッチ7と一体成形させた本発明の一実施例を示す。補強具をイヤリングの留め部と一体成形させた場合も、孔以外の基本的な構成は同様となる。
また、本発明の上記原理を活かせば、補強具を、ピアスやイヤリングのみならず、ブローチなど他のアクセサリーに用いるように構成することも可能である。
本発明によれば、一つの耳たぶ補強具により、手持ちの様々なピアスやイヤリングの装着時に用いることができるため高い汎用性を有する反面、ピアスやイヤリングの需要者がこれまで装着を避けざるを得なかった重みのある装飾部を有するピアスやイヤリングを装着することが可能となり、その選択の幅を大きく広げることができる。その結果、これらのピアス及びイヤリングの需要を促進する。また、多くの潜在的需要者が存する高齢者によるピアス、イヤリングの需要促進も期待できる。そのため、本発明の産業上の利用可能性は極めて大きい。
1、8、9 補強具(耳たぶ補強具)
2 接触面
3 孔
4 装飾部
5 ポスト
6 耳たぶの孔
7 ピアスキャッチ
11 仮想水平線
12 補強具下側の周縁

Claims (6)

  1. 表と裏の二つの面を有するシート状であり、
    ピアスのポストを貫通させるための少なくとも一つの孔を有し、
    前記二つの面の一方が、耳たぶの裏側に接触するための接触面であり、
    前記二つの面の他方が、前記ピアスのキャッチ側に位置するための面であ
    耳たぶにピアスを装着する際に、前記接触面の上端を、耳の下部の軟骨付近、又は軟骨下端よりも上に位置するように耳たぶの裏側に装着する
    耳たぶ補強具。
  2. 前記接触面において、前記少なくとも一つの孔の略中心を通る仮想水平線よりも上側の面積が該水平線の下側の面積よりも広くなるように前記孔が設けられた請求項1に記載の耳たぶ補強具。
  3. 前記少なくとも一つの孔が、前記耳たぶ補強具の下側の周縁近傍に設けられた請求項1又は2に記載の耳たぶ補強具。
  4. 前記耳たぶ補強具が弾性材からなる請求項1乃至3のいずれか一項に記載の耳たぶ補強具。
  5. 縦方向の全長が10mm以上である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の耳たぶ補強具。
  6. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の耳たぶ補強具を有するピアスキャッチ。
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