JP2638002B2 - 並列型a/d変換器 - Google Patents

並列型a/d変換器

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JP2638002B2
JP2638002B2 JP62278617A JP27861787A JP2638002B2 JP 2638002 B2 JP2638002 B2 JP 2638002B2 JP 62278617 A JP62278617 A JP 62278617A JP 27861787 A JP27861787 A JP 27861787A JP 2638002 B2 JP2638002 B2 JP 2638002B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はアナログ値をデジタル値に変換する並列型A/
D変換器に関するものである。
従来の技術 従来の並列型A/D変換器は第2図に示すように入力信
号1を比較器列4の各比較器の一方の入力端に並列に入
力し、基準電圧2を基準抵抗列3により分圧して各参照
電圧を形成し、各比較器の他方の入力端に夫々順序良く
入力し、夫々の比較器は夫々の参照電圧と入力信号1を
比較増幅して比較結果を出力する。この比較出力は入力
信号1と夫々の比較器の参照電圧の電位差が最も近い比
較器を境界にしてそれより参照電圧の高い比較器は全て
0レベル、低い比較器は全て1レベルの比較出力を発生
する。そこで論理回路列9において臨接する比較器の夫
々の比較出力を入力として一方が正論理、他方が負論理
の論理積をとれば、比較出力が異なる2つの信号を入力
した論理回路の論理出力のみが1になり、残りの論理回
路の論理出力は0となる。そこでこの論理出力をエンコ
ーダ回路7に入力すれば、論理出力が1のときのコード
のみが選択されて2進出力が出力端8に出力され、アナ
ログ・デジタル変換が行われている。
発明が解決しようとする問題点 このような並列型A/D変換器は比較器の参照電圧と入
力電圧が極めて近いときにエラーを発生し、A/D変換の
信頼性を著るしく劣化させているという問題があった。
このことを図を用いて説明する。第3図は比較器回路
の入出力特性である。比較器は入力信号が参照電圧より
大きいときに論理レベルが「1」になるような出力電圧
を、入力信号が参照電圧より小さいときに論理レベルが
「0」になるような出力電圧を発生させ、さらに入力信
号が参照電圧近傍にあるときは論理しきい値近傍の電圧
を発生する。またこのときヒステリシス特性や、ノイズ
によるばらつきがあり、論理レベルがあいまいな状態を
取る。第4図は第2図に示した従来の並列型A/D変換器
の一部分だけを切り出した回路図である。論理回路列9
における各論理回路の正転入力をA,反転入力をBとする
と論理回路出力Qは Q=A・ ……(1) の論理式で表わされる。第5図(A),(B),(C)
はこれら論理回路の入出力状態を表わす論理状態図であ
り、i,i−1,i−2は論理回路の番号を表わしている。入
力信号1がi番の比較器の参照電圧Vriよりも充分高
く、かつi+1番の比較器の参照電圧Vri+1よりも低い
場合の論理状態は第5図(A)のようになり、i−1番
の論理回路の論理出力のみが「1」になり、他の論理出
力は全て「0」になるので、第2図に示したエンコーダ
回路7により2進化された正常な変換値が得られる。し
かしながら入力信号が参照電圧Vriとほぼ等しくなった
場合は次の2つのエラーが発生する可能性がある。第5
図(B)はi番の比較器からの出力信号は論理しきい値
近傍にあるのでこれをi−1番の論理回路は「0」、i
番の論理回路は「1」と見なした場合で、このときは2
個の論理出力が「1」となり、エンコーダ回路7で論理
合成がおこりエラーを発生させる。例えば7番と8番の
論理回路が「1」を発生させたときエンコーダ回路7で
は「0111」と「1000」が各ビットで論理和がとられ「11
11」つまり「15」を出力してしまい、本来の値「7」も
しくは「8」に対し、極めて大きな誤差を発生する。第
5図(C)は第5図(B)とは逆に、i番の比較器から
の出力信号をi−1番の論理回路は「0」、i番の論理
回路は「1」と見なした場合で、このときは論理出力が
全て「0」になり、大きな誤差となる。
このように従来の並列型A/D変換器においては本質的
にエラーを発生するという容認し得ない欠点がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、エラーが
発生しにくく、信頼性の高い並列型A/D変換器を提供す
ることを目的としている。
問題点を解決するための手段 本発明は上記問題点を解決するため、単調に増加する
順序に(i)(i≧1)番目の順番が全ての参照電圧に
付与された複数の参照電圧を発生する参照電圧発生手段
と、 前記(i)番目の参照電圧と入力電圧を比較して
(i)番目の比較出力とする複数の比較器から成る比較
器列と、前記比較器列における隣接する奇数番目(2n−
1,2n+1)(n≧1)の比較出力間を入力して隣接する
奇数番の参照電圧に挟まれた電圧範囲で論理出力がアク
ティブになる奇数の番号が付与された奇数論理回路列
と、同様に隣接する偶数番目の比較出力間を入力して隣
接する偶数番(2n,2n+2)の参照電圧に挟まれた電圧
範囲で論理出力がアクティブになる偶数の番号が付与さ
れた偶数論理回路列とから成る第1の論理回路列と、前
記奇数論理回路列と前記偶数論理回路列から隣接する番
号の奇数の番号(2n−1)が付与された論理回路の出力
と偶数の番号(2n)が付与された論理回路の出力を入力
として(0,1)又は(1,0)の相異なる特定の論理状態の
ときにアクティブになる複数の論理回路から成る第2の
論理回路列と、前記第2の論理回路列からの出力をエン
コードしてA/D変換値を発生するエンコーダとを備えた
並列型A/D変換器である。
作 用 (i)番目の比較器と(i+2)番目の比較器の各々
の比較出力を入力とする第1の論理回路列により、エラ
ー状態でも1つ以上の第1の論理回路列の論理出力が連
続して「1」を発生する。さらにエラー発生は入力信号
が参照電圧近傍にある場合だけなので、この参照電圧を
Vjとすれば変換値を(j)もしくは(j−1)としても
誤差にはならない。このような性質を利用して、この第
1の論理回路列の出力を入力とする第2の論理列の論理
を適切に構成することでエラーのない並列型A/D変換器
を実現できる。
実施例 第1図は本発明の一実施例である並列型A/D変換器の
回路図である。第1図において、5は第1の論理回路列
であり(i)番の論理回路は(i)番の比較器の比較出
力と(i+2)番の比較器の反転比較出力を入力とする
論理和回路である。また6は第2の論理回路列であり、
(i)番の第1論理回路の出力をyi,(i)番の第2論
理回路の出力をZiとすれば Zi=yi・▲▼ ……(2) の論理式を満足するような論理回路になっている。
次に動作を説明する。第1の論理回路列5のi番目の
論理回路はi番の比較器と(i+2)番の比較器の比較
出力を入力とする。i番の比較器の参照電圧をVriとす
ると、第1の論理回路列5のi番目の論理回路出力yi
「1」になるのは入力電圧Vinが次式の場合である。
yi=「1」:VriVin<Vr(i+2) ……(3) 同様に yi-1=「1」:Vr(i-1)Vin<Vr(i+1) ……(4) であるから Zi=yi・yi-1=「1」:VriVin<Vr(i+1) ……(5) が得られ、A/D変換値が求められる。つまり第1の論理
回路列においては臨接する2つの論理回路の出力が2LSB
(最小ビット単位)にわたって「1」となるので、第2
の論理回路列でこれら第1の論理回路列の臨接する出力
の論理積をとれば入力電圧範囲を最小ビット単位で特定
することができA/D変換値が得られる。この様子を第6
図に示す。
第1の論理回路列においては必ず偶数番の論理回路と
奇数番の論理回路が同時に「1」を出すので第1の論理
回路列の論理出力yを偶数と奇数に分けて示している。
Zは第2の論理回路列の出力である。第6図(A)は入
力信号が5から6の間にある場合で、このときは第1の
論理回路列の4番と5番の論理出力が同時に1になって
おり、第(5)式の論理演算で第2の論理回路列の出力
Z5が「1」になり、これをエンコーダ回路を用いて2進
数に変換してA/D変換値が得られる。第6図(B)は入
力信号が4から5の間にある場合で、第1の論理回路列
の3番と4番の論理出力が同時に1になっており、第2
の論理回路列の出力Z4が「1」になり、正常な変換が行
われる。
以上のように、第2の論理回路列を第(5)式を満足
するように構成すれば並列型A/D変換器が実現できる
が、本実施例においてはさらに第2の論理回路列6を第
(2)式を満足するように構成することで従来のA/D変
換器の問題点を解決している。
第7図はエラー発生時の第1の論理回路列の出力y及
び第2の論理回路列の出力Zの論理状態を示している。
エラーは第7図の(A)〜(D)の4つのタイプに分類
できる。(A)は入力電圧が5番の比較器の参照電圧近
傍にあり、第1の論理回路列の3番と5番が同時に
「1」を出力したときであり、(B)は同様に同時に
「0」を出力したときである。これらのとき第1の論理
回路列の4番の出力は安定な「1」である。次に(C)
は入力電圧が6番の比較器の参照電圧近傍にあり第1の
論理回路列の4番と6番が同時に「1」を出力したとき
であり、(D)は同様に同時に「0」を出力したときで
ある。これらのとき第1の論理回路列の5番の出力は安
定な「1」である。以上エラーモードは基本的に2つで
あり、この状態を偶数および奇数に対して適用すれば、
全てのエラー状態を想定したことになる。
第7図において第2の論理回路列の出力Zは論理を第
(2)式を満たすように構成したときの論理状態であ
る。(A)〜(D)のいづれの場合も正常値が出力され
る。
この論理回路が有効な理由を第8図を用いて説明す
る。
第8図は(A)に第6図(A),(B)に対応する正
常変換時の論理状態を(B)に第7図(A),(C)に
示したエラー状態、(C)に第7図(B),(D)に示
したエラー状態を示す。yiは第1の論理回路列のi番目
の論理出力、Ziは第2の論理回路列のi番目の論理出力
を示している。第(2)式より Zi=yi・▲▼ ……(2) であることから、Ziが「1」になるためには、yi
「1」,yi+1=「0」でなければならないが、第7図
(A),(B),(C)のいづれの場合もZiが「1」に
なるZiが存在し、しかも唯一である。この理由は第1の
論理回路列が正常変換状態、エラー状態においても第1
の論理回路列の出力yにおいていづれかの番号の論理回
路は1つ以上「1」を発生し、しかも連続した番号で
「1」を発生するからである。この点が本発明の重要な
点で従来の並列型A/D変換器では第5図(B),(C)
のようにデーターの二重発生が生じたり、変換値の消失
が発生していた欠点を除去している。なお第2の論理回
路列6の論理構成を第(2)式で与えたような構成にし
ているが、第8図からわかるように Zi=yi-1・▲▼ ……(6) の論理式を用いても良い。またエンコーダ回路7は実施
例においてバイナリーコードを用いているが、他のコー
ド、例えばグレイコードであっても良いことは言うまで
もない。
発明の効果 以上説明したように本発明は、(i)番目の比較器と
(i+2)番目の比較器の各々の比較出力を入力とする
第1の論理回路列によりエラー状態でも1つ以上の第1
の論理回路列の論理出力が連続して「1」を発生し、こ
の論理出力を入力とする第2の論理回路列でこの論理入
力の性質に応じた適切な論理処理を行うので従来の並列
型A/D変換器が本質的に発生していたエラーを除去し、
殆んどエラー発生のない並列型A/D変換器を提供するこ
とができるため、並列型A/D変換器の変換信頼性の向上
にとって極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における並列型A/D変換器の
論理回路図、第2図は従来の並列型A/D変換器の論理回
路図、第3図は比較器回路の入出力特性を示す特性図、
第4図は従来の並列型A/D変換器の一部を示す論理回路
図、第5図は論理回路列の論理状態を示す論理状態図、
第6図は本発明の一実施例におけるエラー発生がないと
きの第1及び第2の論理回路列の論理状態を示す論理状
態図、第7図は本発明の一実施例における第1の論理回
路列にエラーが発生したときの第1及び第2の論理回路
列の論理状態を示す論理状態図、第8図は本発明の一実
施例における第1及び第2の論理回路列の論理状態を示
す論理状態図である。 1……入力信号、2……基準電圧、3……基準抵抗列、
4……比較器列、5……第1の論理回路列、6……第2
の論理回路列、7……エンコーダ回路、8……出力端。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単調に増加する順序に(i)(i≧1)番
    目の順番が全ての参照電圧に付与された複数の参照電圧
    を発生する参照電圧発生手段と、 前記(i)番目の参照電圧と入力電圧を比較して(i)
    番目の比較出力とする複数の比較器から成る比較器列
    と、 前記比較器列における隣接する奇数番目(2n−1,2n+
    1)(n≧1)の比較出力間を入力して隣接する奇数番
    の参照電圧に挟まれた電圧範囲で論理出力がアクティブ
    になる奇数の番号が付与された奇数論理回路列と、同様
    に隣接する偶数番目の比較出力間を入力して隣接する偶
    数番(2n,2n+2)の参照電圧に挟まれた電圧範囲で論
    理出力がアクティブになる偶数の番号が付与された偶数
    論理回路列とから成る第1の論理回路列と、 前記奇数論理回路列と前記偶数論理回路列から隣接する
    番号の奇数の番号(2n−1)が付与された論理回路の出
    力と偶数の番号(2n)が付与された論理回路の出力を入
    力として(0,1)又は(1,0)の相異なる特定の論理状態
    のときにアクティブになる複数の論理回路から成る第2
    の論理回路列と、 前記第2の論理回路列からの出力をエンコードしてA/D
    変換値を発生するエンコーダと を備えた並列型A/D変換器。
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