JP2637861B2 - オボマクログロブリンの保存方法 - Google Patents
オボマクログロブリンの保存方法Info
- Publication number
- JP2637861B2 JP2637861B2 JP3141880A JP14188091A JP2637861B2 JP 2637861 B2 JP2637861 B2 JP 2637861B2 JP 3141880 A JP3141880 A JP 3141880A JP 14188091 A JP14188091 A JP 14188091A JP 2637861 B2 JP2637861 B2 JP 2637861B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ovomacroglobulin
- aqueous solution
- present
- container
- head space
- Prior art date
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- Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はオボマクログロブリンの
保存方法に関する。
保存方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】オボマクログロブリンは卵白から採取さ
れる蛋白質の一種であり、分子量が約７０万に近く、創
傷治療剤その他への応用が検討され始めている。
れる蛋白質の一種であり、分子量が約７０万に近く、創
傷治療剤その他への応用が検討され始めている。
【０００３】卵白から採取したオボマクログロブリン
は、0.1 〜１０％ぐらいの濃度の水溶液の状態として、
通常濾過により無菌化した後、ガラス製などの容器内に
１〜２割のヘットスペースがある状態とし、４℃ぐらい
の温度で保存して使用に供するのが一般的である。
は、0.1 〜１０％ぐらいの濃度の水溶液の状態として、
通常濾過により無菌化した後、ガラス製などの容器内に
１〜２割のヘットスペースがある状態とし、４℃ぐらい
の温度で保存して使用に供するのが一般的である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、オボマ
クログロブリンを保存する場合、４℃ぐらいの低温下で
の保存であっても、１〜２ヶ月経過すると、蛋白質の変
性が起こるためか、水溶液が白く濁ってくるという問題
がある。
クログロブリンを保存する場合、４℃ぐらいの低温下で
の保存であっても、１〜２ヶ月経過すると、蛋白質の変
性が起こるためか、水溶液が白く濁ってくるという問題
がある。
【０００５】本発明は上記問題に鑑み、オボマクログロ
ブリン水溶液について前記の白濁現象が生じ難いオボマ
クログロブリンの保存方法を提供することを目的とす
る。
ブリン水溶液について前記の白濁現象が生じ難いオボマ
クログロブリンの保存方法を提供することを目的とす
る。
【０００６】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明に係るオボマクログロブリンの保存方法は、オボマク
ログロブリンの水溶液をヘッドスペースをゼロにして容
器に封入して保存することを特徴とする。
明に係るオボマクログロブリンの保存方法は、オボマク
ログロブリンの水溶液をヘッドスペースをゼロにして容
器に封入して保存することを特徴とする。
【０００７】以下、本発明の内容を説明する。
【０００８】本発明でオボマクログロブリンとは、卵白
から採取される分子量が約７０万の蛋白質の一種をい
う。このオボマクログロブリンの採取方法としては、卵
白（液）から、ムチンなどの水不溶性の蛋白質を除去し
てから、卵白アルブミン・卵白グロブリンなどの低分子
蛋白質を限外濾過などの方法により除去するとにより、
オボマクログロブリンを得ることができる。
から採取される分子量が約７０万の蛋白質の一種をい
う。このオボマクログロブリンの採取方法としては、卵
白（液）から、ムチンなどの水不溶性の蛋白質を除去し
てから、卵白アルブミン・卵白グロブリンなどの低分子
蛋白質を限外濾過などの方法により除去するとにより、
オボマクログロブリンを得ることができる。
【０００９】この得られたオボマクログロブリンの水溶
液としては、一般的にはｐＨ６〜８ぐらいの0.05〜0.2
Ｍリン酸緩衝液や0.05〜0.2 Ｍトリス塩酸緩衝液などの
緩衝水溶液（バッファー水溶液）を用いればよい。ま
た、オボマクログロブリンの濃度は限定されないが一般
的に0.1 〜１０％程度の濃度の水溶液とすればよい。な
お、オボマクログロブリンの水溶液には本発明の目的を
損わない範囲で、他の任意の原料・成分が入っていても
差し支えない。
液としては、一般的にはｐＨ６〜８ぐらいの0.05〜0.2
Ｍリン酸緩衝液や0.05〜0.2 Ｍトリス塩酸緩衝液などの
緩衝水溶液（バッファー水溶液）を用いればよい。ま
た、オボマクログロブリンの濃度は限定されないが一般
的に0.1 〜１０％程度の濃度の水溶液とすればよい。な
お、オボマクログロブリンの水溶液には本発明の目的を
損わない範囲で、他の任意の原料・成分が入っていても
差し支えない。
【００１０】本発明で水溶液を容器に封入して保存する
場合のヘッドスペースにするとは、例えば、水溶液を容
器に封入するときに空気の入るヘッドスペースをゼロに
するとか、或いは水溶液の上に油の膜を載せるなどの方
法がある。しかし、水溶液の上に油の膜を載せる方法は
水溶液への油の混入のおそれがあるので、あまり好まし
くない。
場合のヘッドスペースにするとは、例えば、水溶液を容
器に封入するときに空気の入るヘッドスペースをゼロに
するとか、或いは水溶液の上に油の膜を載せるなどの方
法がある。しかし、水溶液の上に油の膜を載せる方法は
水溶液への油の混入のおそれがあるので、あまり好まし
くない。
【００１１】水溶液を封入する容器の材質は限定される
ものではなく、例えばガラス製，プラスチック製，金属
製などのいずれであってもよい。
ものではなく、例えばガラス製，プラスチック製，金属
製などのいずれであってもよい。
【００１２】
【作用】本発明によれば、オボマクログロブリン水溶液
をヘッドスペースをゼロにすることが、蛋白質の変性を
起き難くしているのではないかと思われる。
をヘッドスペースをゼロにすることが、蛋白質の変性を
起き難くしているのではないかと思われる。
【００１３】（試験例）以下、本発明の効果を示す試験
例を説明する。なお、本発明において「％」は「重量
％」を示す。４％濃度のオボマクログロブリンの0.1 Ｍ
リン酸緩衝液（ｐＨ7.0 ）１００ｍｌを、１００ｍｌ容
のガラス製容器にヘッドスペースをゼロにして封入し
て、４℃で保存した。対象品として、上記と同じオボマ
クログロブリン水溶液１００ｍｌを１００ｍｌ容のガラ
ス製容器にヘッドスペースを１０ｍｌほど設けて封入し
たものを、同様に４℃で保存した。これらの期間経過に
伴う白濁の発生状況を検査した。この結果を下記「表
１」に示す。
例を説明する。なお、本発明において「％」は「重量
％」を示す。４％濃度のオボマクログロブリンの0.1 Ｍ
リン酸緩衝液（ｐＨ7.0 ）１００ｍｌを、１００ｍｌ容
のガラス製容器にヘッドスペースをゼロにして封入し
て、４℃で保存した。対象品として、上記と同じオボマ
クログロブリン水溶液１００ｍｌを１００ｍｌ容のガラ
ス製容器にヘッドスペースを１０ｍｌほど設けて封入し
たものを、同様に４℃で保存した。これらの期間経過に
伴う白濁の発生状況を検査した。この結果を下記「表
１」に示す。
【００１４】
【表１】
【００１５】表１の結果より、ヘッドスペースをゼロに
したものは、３月間保存しても白濁は全く見られなかっ
た。これに対しヘッドスペースがあって空気と接触した
ものは１週間経過後から白濁がみられ、１月間保存で白
濁が明らかになった。
したものは、３月間保存しても白濁は全く見られなかっ
た。これに対しヘッドスペースがあって空気と接触した
ものは１週間経過後から白濁がみられ、１月間保存で白
濁が明らかになった。
【００１６】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。実施例１ ４％濃度のオボマクログロブリンの0.1 Ｍリン酸緩衝液
（ｐＨ7.2 ）１００ｍｌを、１００ｍｌ容のガラス容器
にヘッドスペースをゼロにして封入して４℃で保存し
た。このものは３ヶ月間保存しても白濁が生じず、保存
性が良好であった。
（ｐＨ7.2 ）１００ｍｌを、１００ｍｌ容のガラス容器
にヘッドスペースをゼロにして封入して４℃で保存し
た。このものは３ヶ月間保存しても白濁が生じず、保存
性が良好であった。
【００１７】実施例２ ８％濃度のオボマクログロブリンの0.1 Ｍリン酸緩衝液
（ｐＨ6.9 ）１００ｍｌを、１００ｍｌ容のガラス製容
器にヘッドスペースをゼロにして封入して４℃で保存し
た。このものは３ヶ月間保存しても白濁が生じず、保存
性が良好であった。
（ｐＨ6.9 ）１００ｍｌを、１００ｍｌ容のガラス製容
器にヘッドスペースをゼロにして封入して４℃で保存し
た。このものは３ヶ月間保存しても白濁が生じず、保存
性が良好であった。
【００１８】
【発明の効果】本発明によれば、オボマクログロブリン
水溶液をヘッドスペースをゼロにして容器に封入して保
存するので、蛋白質の変性による白濁現象の発生を防止
する保存方法が提供され、長期間に亙っての保存が可能
となる。
水溶液をヘッドスペースをゼロにして容器に封入して保
存するので、蛋白質の変性による白濁現象の発生を防止
する保存方法が提供され、長期間に亙っての保存が可能
となる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−107912（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−251320（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−148436（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−103445（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−192552（ＪＰ，Ａ) 実開 昭60−129932（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−6829（ＪＰ，Ｕ) 「薬剤学」昭33．11．15．株式会社南 山堂発行 Ｐ．356−361
Claims (1)
- 【請求項１】 オボマクログロブリンの水溶液をヘッド
スペースをゼロにして容器に封入して保存することを特
徴とするオボマクログロブリンの保存方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3141880A JP2637861B2 (ja) | 1991-06-13 | 1991-06-13 | オボマクログロブリンの保存方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3141880A JP2637861B2 (ja) | 1991-06-13 | 1991-06-13 | オボマクログロブリンの保存方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0630973A JPH0630973A (ja) | 1994-02-08 |
| JP2637861B2 true JP2637861B2 (ja) | 1997-08-06 |
Family
ID=15302311
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3141880A Expired - Lifetime JP2637861B2 (ja) | 1991-06-13 | 1991-06-13 | オボマクログロブリンの保存方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2637861B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS58192552A (ja) * | 1982-05-06 | 1983-11-10 | テルモ株式会社 | 薬液を収容してなる合成樹脂製医療用バッグを収納した包装容器 |
| JPS61103445A (ja) * | 1984-10-24 | 1986-05-21 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 脱酸素剤包装容器 |
| JPH033336Y2 (ja) * | 1985-06-28 | 1991-01-29 |
-
1991
- 1991-06-13 JP JP3141880A patent/JP2637861B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
| Title |
|---|
| 「薬剤学」昭３３．１１．１５．株式会社南山堂発行 Ｐ．３５６−３６１ |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0630973A (ja) | 1994-02-08 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19940920 |