JP2637201C - - Google Patents

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JP2637201C
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三菱化学ビーエーエスエフ株式会社
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明の実施により得られるポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、包装容器、断
熱性建材、玩具、浮具、自動車バンパー芯材、ヘルメット芯材、包装緩衝材等と
して有用な発泡成形品を製造するのに適した発泡粒子を提供する、発泡粒子の処
理方法に関するものである。 〔従来技術〕 ポリプロピレン系樹脂発泡成形品は、ポリスチレン発泡成形品と比較して耐熱
性、耐衝撃性、圧縮弾性回復率に優れているのでバンパー芯材、包装容器として
利用されている。 この発泡成形品を成形するには、結晶性のポリプロピレン系樹脂発泡粒子が原
料として用いられ、この粒子はそれ自身二次発泡能力を有していないので、その
成形法として (i).発泡粒子に加圧空気で0.18kg/cm2G以上のガス圧力を発泡粒子
セル内に付与せしめ、この発泡粒子をスチーム孔を有する雌雄一対の型のキャビ
ティ内に充填し、ついでスチームで加熱発泡融着して型内発泡成形品とする加圧
熟成法(特公昭51−22951号、同59−23731号、同59−4349
0号、同59−43493号、同63−44780号等) (ii).発泡粒子を加圧空気で40〜70%圧縮してスチーム孔を有する金型
のキャビティ内に充填し、ついでスチームで抜気し、型内の圧力を大気圧に戻し
た後、スチームで本格的に加熱して発泡粒子同志を融着させて発泡成形品とする
型内圧縮充填ビーズ融着法(特開昭63−178029号) が知られている。 そして、原料のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を製造する方法としては、密閉
容器内の水中にポリプロピレン系樹脂粒子を分散させ、この分散系に揮発性膨脹
剤を供給し、ついでこの分散系を該ポリプロピレン系樹脂の軟化点温度以上、融
点(DSC曲線のピーク終了温度Mp)より低い温度に加熱し、一定時間同温度
に保持した後、容器の下端に備えられたノズルまたはスリットを開放し、水と一
諸に揮発性膨脹剤が浸透した樹脂粒子も密閉容器よりも低圧域(通常は大気圧)
に放出して発泡粒子を得る方法(特公昭56−1344号、特公昭63−246
15号、特開昭61−115940号、同61−103944号)か知られてい
る。 これらの揮発性膨脹剤を含有するポリプロピレン系樹脂粒子を含有する水分散
液を、該粒子の基材樹脂のポリプロピレン系樹脂の軟化点以上の温度下で高圧域
より低圧域に放出して発泡粒子を製造する、いわゆるドカン法によると、ポリプ
ロピレン系樹脂発泡粒子をブロッキングすることなく得ることができる。これら
の方法において、粒子の発泡倍率が30倍末満(ポリプロピレンの比重を0.9
0としたとき、発泡粒子の嵩密度は30g/l以上)のときは得られる発泡粒子
の表面にしわの発生が見受られないが、粒子の発泡倍率が30倍以上と高い発泡
の場合は発泡粒子の表面に収縮が原因とされるしわの発生が見られ、その程度は
発泡倍率が高い程著しい。 このしわの発生は、結晶性ポリプロピレン系樹脂の場合、発泡セルの発泡剤(
揮 発性膨脹剤や加圧空気)の保持力が乏しいので粒子が低圧域に放出されて発泡し
た際、発泡後の比較的早期に発泡剤が散逸し、発泡粒子内のセル内圧が減圧状態
となり、発泡倍率が高い粒子ではセル壁が薄く強度が小さいので発泡粒子全体が
収縮し、表面にしわが発生するものと思われる。 また、より高発泡の発泡粒子を製造するには揮発性膨脹剤の使用量が多くなり
、放出後の発泡粒子のセル内の減圧度がより高くなるので収縮の度合も大きい。 〔発明が解決しようとする課題〕 ポリプロピレン系樹脂発泡成形品を得る型内ビーズ成形法において、前記(i)
の加圧熟成法は、発泡粒子に二次発泡能力を付与するために加圧熟成を約2日か
けて行う必要があり、大容量の熟成タンクが必要であり、設備費が高い(特公昭
59−23731号)。 (ii)の型内圧縮充填ビーズ融着法は熟成工程が必要でなく、成形時間が短い
利点を有する。又、発泡粒子のセル内圧が0kg/cm2Gであっても成形でき
るので加圧熟成法のように内圧が減少しないように保管に注意を要するというこ
とが必要とされない利点も有する。 前記しわのある発泡粒子を用いても前記(i)および(ii)のいずれの成形
法でも発泡体製品を得ることができる。 しかし、しわのある発泡粒子を用いて型内圧縮充填ビーズ融着法で発泡成形品
を得ようとした場合、圧縮率がある程度高い域においては発泡成形品の中央部の
発泡粒子同志の融着度が低く(比較例4参照)、また、一方圧縮率が低い域におい
ては成形品の表面間隙の多い、収縮率の大きいものとなる欠点がある。 本発明は圧縮率の制限を受けない高発泡のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の提
供を目的とする。本発明はまた、しわのある高発泡のポリプロピレン系樹脂発泡
粒子の発泡倍率を更に高める養生方法を提供するものである。 〔課題を解決する具体的手段〕 上記目的を達成するために、本発明においてはしわのあるポリプロピレン系樹
脂発泡粒子を特定の温度条件下で加圧状態に保管し、ついで、加圧状態を解くこ
とにより、しわのない、かつ、発泡倍率がより高くなった発泡粒子とすることが
できる。 即ち、本発明は、揮発性膨脹剤を含有するポリプロピレン系樹脂粒子を含有す
る水分散液を、該粒子の基材樹脂のポリプロピレン系樹脂の軟化点以上の温度下
で高圧域より低圧域に放出して発泡させ、表面にしわが形成された嵩密度が30
g/l(リットル)以下のポリプロピレン系樹脂からなる皺付発泡粒子を得、 該皺付発泡粒子を密閉容器内に入れ、該粒子の基材樹脂の示差走査熱量測定に
よって得られるDSC曲線の固有ピークの融解終了温度をMpとしたとき、Mp
−120℃<T<Mp−70℃なる温度(T)下で、かつ、密閉容器内の圧力が
1.0kg/cmG2以上の圧力下に該皺付発泡粒子を加熱加圧処理したのち、 該皺付発泡粒子を前記圧力より低い圧力雰囲気下に晒す処理をすることにより
、発泡粒子のセル内圧を0kg/cm2とすることを特徴とするポリプロピレン
系樹脂発泡粒子の処理方法を提供するものである。 (ポリプロピレン系樹脂) 本発明の発泡粒子の基材樹脂のポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単
独重合体、プロピレンを主成分とし、これと、エチレン、ブテン−1、ペンテン
−1、4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンの一種または二種以上を共重
合して得たランダム共重合体もしくはブロック共重合体、ビニルシラングラフト
ポリプロピレン、これらポリプロピレン系樹脂に低密度ポリエチレン、エチレン
・酢酸ビニル共重合体、高密度ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体ゴ
ム等を0.5〜20重量%配合したものが使用される。 この樹脂の融点(Mp)は、該ポリプロピレン系樹脂6〜8mgを示差走査熱
量計によって10℃/分の昇温速度で220℃まで昇温し次いで10℃/分の降
温速度で40℃まで降温した後、再度10℃/分の昇温速度で220℃まで昇温
し、第2回目の昇温によって得られたDSC曲線の吸熱ピークの裾が高温側でベ
ースラインの位置に戻ったときの温度を言う。 ポリプロピレン系発泡樹脂粒子のドカン法(特許庁63年3月編 IPC図説)
による製造法は前述の特許公報群に記載されているのでここでは詳細を省略する
。 (処理法) 表面にしわのあるポリプロピレン系樹脂を密閉容器内に入れ、この密閉容器内
の温度(T)を発泡粒子の融点(Mp)よりも120℃低い温度から70℃低い 温度に保ち、1kg/cm2以上に加圧した無機ガスを密閉容器内に5〜120
分間、好ましくは20〜80分間導き、無機ガスを発泡粒子のセル内に浸透させ
る。浸透させるときの無機ガスの圧力は同一圧力であっても、漸次圧力を増加さ
せていっても、段階的に上昇させても良い。無機ガスの圧力が高い程処理時間は
短くて済むが、無機ガスの圧力が高すぎると発泡粒子が収縮してしまい、それに
より発泡粒子のセル内容積が小さくなりセル内に無機ガスが浸透しにくくなるの
で、余りの高圧は好ましくない。 従って、低圧から高圧へ漸次圧力を増加させるか段階的に圧力を上昇させる加
圧法の方が好ましい。もっとも、無機ガスの圧力が1〜5kg/cm2Gである
ときは一定圧力で加圧しても無機ガスの発泡粒子セル内への浸透は順当に行うこ
とができる。 従って、無機ガスの圧力は1kg/cm2G以上、好ましくは1〜5kg/c
2Gがよい。1kg/cm2G未満では発泡粒子の加圧処理時間が長くかかりす
ぎる。 発泡粒子の加圧処理時の温度(T)は、 Mp−120℃<T<Mp−70℃、好ましくは、Mp−100℃<T<Mp
−70℃である。温度が低すぎると加圧処理時間が長くなりすぎ、経済的にメリ
ットがない。温度が高すぎると加圧中の発泡粒子の収縮が大きく加圧処理による
圧力解放後の発泡粒子の嵩密度の減小がほとんどない。 加圧処理後、密閉容器内の無機ガスの供給を止め、圧カバルブを開き、密閉容
器内の圧力を加圧処理時の圧力よりも低い圧力に、好ましくは大気圧に戻すか、
密閉容器の下部に設けたノズルの弁を開き発泡粒子をより低圧域に、好ましくは
大気圧中に放出することにより発泡粒子は復元し、収縮のない、表面が平滑な発
泡粒子を得ることができる。 好ましい態様は、放出域を金型のキャビティ内とすれば充填と復元を一度に実
施することができる。 加圧処理、復元された発泡粒子のセル内圧は瞬時に0kg/cm2Gとなる。 (型内成形法) このしわのなくなった高発泡の発泡粒子は、加圧熟成して型内ビーズ発泡成形 (特公昭59−43492号)してもよいが、特開昭63−178029号公報
に示される型内圧縮充填ビーズ融着法を採用すると、加圧熟成法と比較して次の
利点を有する。 (a).養生する密閉容器が小型で済み、特公昭59−23731号公報の加圧熟
成法の加圧熟成のための大型の密閉容器より設備費が安価となる。 (b).発泡粒子のセル内圧が0kg/cm2Gでも成形できるので、加圧熟成の成
形に供するときの加圧熟成発泡粒子のポットライフ(セル内圧が0.18kg/
cm2G迄に低下するまでの期間)を気にする必要がなく、発泡粒子の製造メー
カーは遠距離の成形加工会社まで発泡粒子を輸送することもできる。 型内成形は、例えば特開昭63−178029号公報に示されるようにスチー
ム孔を有する固定型とスチーム孔を有する移動型よりなる型の加圧ガスにより昇
圧したキャビティ内に発泡粒子を加圧ガスを用いて圧縮しながら充填し、発泡粒
子充填後のキャビティ内に前記のキャビティ内圧を保持し続けて発泡粒子の復元
を抑えたままで、該キャビティ内圧よりも0.2kg/cm2以上高い圧力を有
する抜気用スチームを、 移動型のチャンバーに導き、スチーム孔、キャビティ、固定型のチャンバー
を経て抜気するか、又は 固定型のチャンバーに導き、スチーム孔、キャビティ、移動型のチャンバー
を経て抜気するか、又は 前記の抜気と前記の抜気の両方を行ない(の抜気との抜気はいずれ
を先に行なってもよい)、 次いでキャビティ内圧を大気圧に戻して圧縮された発泡粒子を復元させたのち、
移動型のスチームチャンバー及び固定型のスチームチャンバーに加熱用スチーム
を導入して発泡粒子どうしを融着させて、成形品とする、その際のキャビティ内
に圧縮充填される発泡粒子の式 [式中のW、V及びσはそれぞれ下記のものを表わす。 W...成形品の重量(g) V...成形品の容量(l) σ...発泡粒子の大気中でのかさ密度(g/l)] で表わされる圧縮率を40〜70%の範囲内の値に制御する。 次に、添付図面に示す成形装置を使用して圧縮充填型内ビーズ融着法を実施す
る代表的な態様例についてさらに説明する。添付図面は本発明の実施に使用され
る成形装置の一例を部分縦断面図で示したものであるが、Aは発泡粒子の圧縮及
び充填用の回転供給装置であり、Bは金型装置である。 まず、金型装置Bは固定型11若しくは移動型12とフレーム13、13’と
裏板14、14’とによって形成される空間、すなわちスチームチャンバー16
及び16’を有するが、このスチームチャンバー16及び16’内に圧力P1
たとえば0.1〜6.0kg/cm2G)の加圧ガス、たとえば圧縮空気を圧入
して、両スチームチャンバー内圧を前記の所定圧力に加圧しておく。 次に、回転供給装置Aは、図示したようにケーシング2とロータ3とから主と
して構成され、ロータ3には複数個のチャンバー4が設けられていて、チャンバ
ー4の一端がケーシング2に設けられた発泡粒子の供給口5と一致する回転位置
において、チャンバー4の他端が減圧ライン8の吸引口7と一致するから、ホッ
パー1内の発泡粒子はその減圧力によってチャンバー4内に移送され、これを充
満せしめる。発泡粒子で充満されたチャンバー4は、両端ともシールされた状態
で回転をしてチャンバー4の一端が発泡粒子排出口6に達すると、同チャンバー
4の他端が前記の圧力P1よりも、たとえば0.5kg/cm2以上高い圧力P2
に加圧された加圧ガス吹出口9に達するから、チャンバー4内の発泡粒子はその
加圧ガス圧力P2で圧縮されながら充填ガン15により、前記の圧力P1に加圧さ
れた固定型11と移動12とによって形成される金型のキャビティ21内に 充
填せしめられる。そして、回転供給装置Aのロータ3には、前記したチャンバー
4が複数個設けられているから、ホッパー1内の発泡粒子は、前記の操作の繰返
しによって、複数回に分割されて逐次に型のキャビティ21内に充填されること
になる。 次いで、型内に所定量の発泡粒子が圧縮充填されれば、たとえば移動型12の スチームチャンバー16’内にスチーム管17’より抜気用スチームを導入し、
該スチームを移動型12のスチーム孔20'、20'…、キャビティ21内、固定
型11のスチーム孔20、20…、固定型のスチームチャンバー16を経て、圧
力調整弁を備えた抜気管18より系外に抜気(排出)させる。すると、キャビテ
ィ21内に充填されている発泡粒子の隙間に存在するガス(空気等)は該スチー
ムに随伴されて抜気されることになる。そして、この場合には、移動型12の抜
気管18'、ドレン排出管19'、固定型11のスチーム管17、ドレン排出管1
9は、それぞれ弁(図示されていない)によって閉鎖されており、移動型のスチ
ーム管17’と固定型の抜気管18の弁(図示されていない)はそれぞれ開放さ
れている。なお、抜気管18には、前述のとおり圧力調整弁が設けられている。 また、抜気処理は、前記の場合とは逆に、固定型11のスチーム管17からス
チームチャンバー16に抜気用スチームを導入し、スチーム孔20、20…、キ
ャビティ21内、スチーム孔20'、20'…、スチームチャンバー16’を経て
、抜気管18’から系外に排出する態様で行なわせてもよい。 さらに、抜気処理は、前記の第一態様で抜気用スチームを導入して抜気処理を
したのち、弁の切替えを行なって前記第二の態様でさらに抜気用スチームを導入
して抜気処理をすることができる。また、これとは逆に第二の態様で行ってから
第一の態様で行ってもよい。 これらの抜気処理は、スチームチャンバー16、16’の内圧P1に抗して、
スチームをチャンバー内に安定に供給する必要から、圧力P1よりも0.2kg
/cm2以上高い圧力を有する抜気用スチームの導入により行なわれる。 かかる抜気処理後に、管19、19’を開放することによりキャビティ21内
の圧力を大気圧に戻し、圧縮された発泡粒子を復元させてから、スチームチャン
バー16、16’内に所定温度のスチームを供給して加熱し、発泡粒子の融着を
行なわせて型物発泡体とする。次いで、スチームチャンバー16、16’内に設
けた冷却水配管から凹型11及び凸型12に水をスプレーして冷却し、さらに必
要に応じて空冷及び放冷をしてから型を解き、製品を取出す。 (実施例等) 以下に、実施例及び比較例等をあげて本発明をさらに詳述する。 発泡体粒子の製造例 製造例1 内容積3リットル(1)の耐圧力50kg/cm2のオートクレーブに、水1
400部(重量部、以下同様)、エチレン・プロピレンランダムコポリマー(三菱
油化株式会社商品名三菱ノーブレンFG3、エチレン含量3重量%、融点160
℃)600部、懸濁剤として第三リン酸カルシウム15部、界面活性剤のドデシ
ルベンゼンスルホン酸ソーダ0.05部、発泡剤としてブタン150部を仕込み
、430rpmの攪拌下で、1時間かけて室温から135℃まで昇温し、同温度
に10分間保持したところ、オートクレーブの内圧が28kg/cm2Gになっ
た。オートクレーブの底部の吐出ノズル弁を開き、内容物を大気中に180rp
mで攪拌しながら2秒で放出して発泡を行わせた。得られた発泡粒子は粒径約4
mm、かさ密度が17.5g/lで、表面にしわが多数であった。 製造例2 内容積3リットルの耐圧力50Kg/cm2のオートクレーブに、水1400
部(重量部、以下同様)、ブテン−1・プロピレンランダムコポリマー(三菱油化
株式会社製ブテーン1含量5重量%融点162℃)600部、懸濁剤としてピロ
リン酸マグネシウム15部、界面活性剤のドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0
.05部、発泡剤としてブタン45部を仕込み、430rpmの撹拌下で、1時
間かけて室温から140℃まで昇温し、同温度に10分間保持したところ、オー
トクレーブの内圧が29Kg/cm2Gになった。オートクレーブの底部の吐出
ノズル弁を開き、内容物を大気中に180rpmて撹拌しながら2秒で放出して
発泡を行なわせた。得られた発泡粒子は粒径約4mm、かさ密度が16.4g/
1表面しわの多い粒子であった。 製造例3 製造例1において、エチレン(4.2wt%)・プロピレンランダム共重合体を
用い、かつ、ブタンの使用量を140部とし、発泡温度を132℃とする他は同
様にしてエチレン・プロピレンランダム共重合体の発泡粒子を得た。 この発泡粒子は、粒径が約4mm、嵩密度が19.2g/l、表面しわの多い
粒子であった。 実施例1 製造例1で得たしわのある発泡粒子1.0Kgをオートクレーブ内に入れ、8
0℃、4Kg/cm2Gの加圧空気をオートクレーブ内に30分導き加圧処理を
行った(オートクレーブ内の圧力は調節弁で4Kg/cm2Gに処理中保った)
のち、オートクレーブの下部に設けたノズルの弁を開き発泡粒子を大気中に放出
した。 放出直後の発泡粒子のセル内圧は0Kg/cm2Gであり、高密度は13.5
g/l、表面のしわは消滅していた。 このしわの消滅した発泡粒子を用いて型内成形を行なった。成形機としてはD
AIYA−600LF(ダイセン工業社商品名)を、型としては巾300mm×
長さ300mm×高さ50mmの成形品が得られる内容積4.5リットル(1)
の型を、発泡粒子の圧縮充填用の回転供給装置として、6ケのチャンバー(各チ
ャンバーは直径35mm×長さ52mm、容積50ccである)を有する添付図
面に図示したような装置を、そして充填ガンとして口径30mmの充填ガンをそ
れぞれ使用した。 また、成形方法は、まず金型を閉じ、圧縮空気で型内圧P1を2Kg/cm2
に昇圧した。次いで、前記のようにして製造されたかさ密度13.5g/lの発
泡粒子を、圧縮充填用の回転供給装置のチャンバー4の供給数を190に設定し
圧力P2の加圧ガスとして4Kg/cm2Gの圧力を有する圧縮空気を用いて、0
.1秒間隔で分割して逐次に充填した。充填中、型内圧P1が2Kg/cm2Gに
保持されるように、抜気管18及び18’に取り付けた圧力調整バルブを作動さ
せた。 充填終了後、充填ガンを閉じ、スチーム管17’を開放し、2.5Kg/cm
2Gのスチームを15秒間、移動型のチャンバー16’に導入し抜気管18に取
り付けた圧力コントロール装置をON−OFFさせて、型内圧力P1を2.5K
g/cm2Gにコントロールしながら抜気した。 ついで、バルブ17',17を閉じることによりスチームの供給を止め、ドレ
ン排出管19'、19を開放し、チャンバー16'、16、キャビティ21内の圧
力を瞬時的に大気圧に戻した。 次いで凸型(移動型)側、及び凹型(11)側、すなわち固定型側のスチーム
チャンバー16’及び16に同時に、2.5Kg/cm2Gのスチームを10秒
間導入して、発泡粒子どうしを加熱融着させた。 型を50秒間水冷、ついで8秒間空冷、更に60秒間放冷する冷却を行ったの
ち、取出して乾燥させて得た発泡成形品は、密度24.5g/lであり、その成
形時の発泡粒子の圧縮率は45%であった。そして、得られた発泡成形品は、発
泡粒子が偶々にまで充填されていて、粒子間に間隙が非常に少なく(表面間隙2
個/25cm2)、融着も優れ(85%)ていた。 実施例2〜4、比較例1〜5 実施例1において、しわのある発泡粒子の加熱加圧処理特の温度(T)と圧縮
空気の圧力および処理時間を表1のように変化する他は同様にし、しわの消滅し
た発泡粒子を得た。 この発泡粒子を用い、圧縮率を同表に示すようにする他は実施例1と同様にし
て圧縮充填型内ビーズ融着成形して同表に示す物性の成形品を得た。 実施例5 製造例1で得たしわのある嵩密度が17.5g/lの発泡粒子をオートクレー
ブ内で、先ず80℃、4kg/cm2Gの空気で30分、ついで80℃、6kg
/cm2Gの空気で30分加圧処理したのち、オートクレーブ内の圧力を大気圧
下に戻し、嵩密度が12.4g/lのしわのない発泡粒子を得た。 以下、実施例1と同様にして嵩密度が21.8g/lの成形品を得た。 実施例6〜8 製造例2または3で得たしわのある発泡粒子を用い、表2に示す加熱加圧処理
を後ってしわのない発泡粒子とし、以下、実施例1と同様にして成形品を得た。 (効果) 本発明の発泡粒子の処理方法によれば、高発泡倍率のポリプロピレン系樹脂発
泡粒子のしわを容易に、かつ、短時間で引き延すことができ、表面が平滑な発泡
粒子とすることができる。この発泡粒子を用いて得た型内成形品は粒子同志の融
着度が優れる。
【図面の簡単な説明】 添付図面は型内圧縮充填ビーズ融着成形装置の一例を部分縦断面図で示したも
のであり、図中の各符号はそれぞれ下記のものを示す。 A...発泡粒子の圧縮及び充填用の回転供給装置、B...金型装置、1...発泡
粒子用ホッパー、2…ケーシング、3…ロータ、4…チャンバー、5...発泡粒
子供給口、6...発泡粒子排出口、7...減圧ライン吸引口、8...減圧ライン、
9...加圧ガス吹出口、10...加圧ガスライン、11…固定型、12...移動型
、13,13’…フレーム、14,14'...裏金、15...充填ガン、16,1
6’…スチームチャンバー、17,17’…スチーム管、18,18'...抜気管
、19,19'...ドレン排出管、20,20'...スチーム孔、21...キャビテ
ィ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1).揮発性膨脹剤を含有するポリプロピレン系樹脂粒子を含有する水分散液を
    、該粒子の基材樹脂のポリプロピレン系樹脂の軟化点以上の温度下で高圧域より
    低圧域に放出して発泡させ、表面にしわが形成された嵩密度が30g/l(リッ
    トル)以下のポリプロピレン系樹脂からなる皺付発泡粒子を得、 該皺付発泡粒子を密閉容器内に入れ、該粒子の基材樹脂の示差走査熱量測定に
    よって得られるDSC曲線の固有ピークの融解終了温度をMpとしたとき、Mp
    −120℃<T<Mp−70℃なる温度(T)下で、かつ、密閉容器内の圧力が
    1.0kg/cm2G以上の圧力下に該皺付発泡粒子を加熱加圧処理したのち、 該皺付発泡粒子を前記圧力より低い圧力雰囲気下に晒す処理をすることにより
    、発泡粒子のセル内圧を0kg/cm2とすることを特徴とするポリプロピレン
    系樹脂発泡粒子の処理方法。

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