JP2636343B2 - 磁石式モータ - Google Patents

磁石式モータ

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JP2636343B2 JP63155959A JP15595988A JP2636343B2 JP 2636343 B2 JP2636343 B2 JP 2636343B2 JP 63155959 A JP63155959 A JP 63155959A JP 15595988 A JP15595988 A JP 15595988A JP 2636343 B2 JP2636343 B2 JP 2636343B2
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雅浩 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は磁石式モータに関するものである。
[従来技術] 磁石式モータの磁石支持方法としては、例えば、特開
昭61−196747号公報にて開示されている。これは、一枚
の板を両端が対向するように円筒状に丸めたカバーに対
しその内周に磁石の内周両端を保持するL字状の保持部
を形成し、このカバーの外周径方向側に拡がる力により
カバーをヨークの内周に圧接するようにしたものであ
る。
[発明が解決しようとする課題] ところが、上記公報に示されたモータにおいては、磁
石設置部分のカバーの外周が開放されているので組付け
時に磁石がカバーから脱落しないように保持する治具を
別途用意する必要があり、その組付けが煩わしいものと
なっていた。
この発明の目的は、磁石の脱落防止用治具を用いるこ
となく容易に磁石をヨークに組付けることができる磁石
式モータを提供することにある。
[課題を解決するための手段] この発明は上記目的を達成するため、ヨークの内周部
に複数の円弧状でかつ切欠部を有する磁石が配設された
磁石式モータにおいて、磁性体よりなり略円筒状をな
し、その内周面が前記磁石の外周面と接触するととも
に、内側に切り起され前記磁石の周方向の対向面及び軸
方向の切起部を有するスリーブを備え、前記磁石の周方
向の対向面に当接する前記切起部は、前記磁石式モータ
の電機子反作用の増磁側に配設され、このスリーブを前
記ヨークの内周部に挿入支持したことを特徴とする磁石
式モータをその要旨とする。
[作用] 上記の構成により、スリーブの内周面が磁石の外周面
と接触した状態で切起部が当該磁石の周方向の対向面及
び軸方向の切欠部面と当接して磁石がスリーブに支持さ
れ、この磁石の周方向の対向面に当接する切起部はモー
タの電機子反作用の増磁側に接して配設され、このスリ
ーブがヨークの内周部に挿入支持される。
[実施例] 以下、この発明を具体化した一実施例を図面に従って
説明する。尚、第1図はスタータモータとして使用され
る本実施例の磁石式モータの断面図を示し、第2図は第
1図のA−A断面図であり、第3図は第1図のB−B断
面図である。
磁石式モータのヨーク1は、鉄板を深絞りすることに
より有底円筒状に形成されている。そのヨーク1の底部
(第1図、上面部)には回転子(電機子)2の回転軸2a
を支持するための軸受部1aが形成されている。このヨー
ク1の内周面に配設されるスリーブ3は、磁性体よりな
る円筒材であって、その外径がヨーク1の内径より若干
大きくなっている。前記ヨーク1とこのスリーブ3は、
それらの板厚が1mm及び0.6mmで合計1.6mmとなり、固定
子の磁気回路に必要な板厚、即ち、モータの性能に必要
な板厚となっている。尚、ヨーク1とスリーブ3の板厚
は、他にも強度、磁気回路を考慮して自由に選ぶことが
できる。
そのスリーブ3の内周部に配置される2つの磁石4
は、第4図に示すように当該スリーブ3の内周部とその
外周形状が等しい円弧状に形成されている。さらに、こ
の磁石4は、その周方向の一方の側面における両端部に
は切欠部5,6がそれぞれ形成されている。
前記スリーブ3には切起部7がプレス加工にて内側に
切り起され、当該切起部7は磁石4の周方向の一方の面
と面接触するようになっている。同じくスリーブ3には
切起部8,9が内側に切り起され、この切起部8,9は磁石4
の切欠部5,6にそれぞれ当接するようになっている。こ
のうち、切起部8はプレス加工にて予め切り起され、
又、切起部9は磁石4をスリーブ3内に挿入した後に切
り起されるものである。そして、この切起部8,9が磁石
3の切欠部5,6の周方向及び軸方向の各面5a,5b,6a,6bに
接触した状態で、前記切起部7が磁石4を周方向に圧接
するようになっている。このように、スリーブ3の内周
面が磁石4の外周面と接触した状態で切起部7,8,9が磁
石4の周方向及び軸方向の各面に当接し、磁石4の周方
向及び軸方向への移動を規制する。
回転子2は、磁石4の内周側においてヨーク1の軸受
部1aに回転軸2aが支持された状態で配置される。この回
転子2をヨーク1内に配設した状態で、切起部7は電機
子反作用の増磁側に配設されていることとなる。
次に、このようにして構成した磁石式モータの組付け
手順を説明する。
まず、スリーブ3と磁石4とを用意する。この際、ス
リーブ3は切起部7,8が切り起されているが切起部9が
切り起されていない。そして、スリーブ3内にその軸方
向の切起部9側から磁石4を挿入し、切起部7,8の間の
磁石4を配置する。そして、磁石4の挿入後に切起部9
を切り起し、軸方向への磁石4の移動を規制すべく固定
する。このとき、磁石4の周方向の固定は、切起部7の
付勢力によりスリーブ3内周側と切起部8,9側に押しつ
けられて行なわれる。
このようにして磁石4をスリーブ3に取付けた後、ス
リーブ3をヨーク1内に圧入する。この圧入の際に、ス
リーブ3はその軸方向に挿入されるが、その移動は深絞
りにて形成されるヨーク1の底部の曲げ部にて停止され
る。その結果、スリーブ3のヨーク1への取付は、ヨー
ク1内径とスリーブ3外径とのしまりばめにて行なわれ
る。
その後、スリーブ3内に回転子2を配置し、取付は完
了する。即ち、回転子2の回転軸2aをヨーク1の軸受部
1aに配設する。
このように、従来の特開昭61−196747号公報によるモ
ータにおいては、組付け時に磁石がカバーから脱落しな
いように保持する治具を別途用意する必要があり、その
組付けが煩わしかったが、本実施例のモータではスリー
ブ3を磁性体の円筒とし、そのスリーブ3内周面に設け
た切起部7,8,9が磁石4の外周面と接触した状態で磁石
4の周方向及び軸方向の各対向面に当接する構造とする
ことにより、磁石4の脱落防止用治具を用いることなく
容易に磁石4をヨーク1に組付けることができることと
なる。
又、本実施例では接着剤にて磁石4を固着させていな
いので、その磁石4の固着力は接着剤で行なう場合に比
べ安定する。特に、高温時には接着特性が劣化するため
磁石脱落の虞があるが本実施例ではそのようなことがな
い。又、切起部7を増磁側に設けることにより電機子反
作用によりトルクが増加し性能が向上する。
尚、この発明は上記実施例に限定されるものでなく、
上記実施例では2極としたが第5図に示すように4極や
6極以上としもよい。
又、スリーブ3の切起部8、9の軸方向間隔が磁石4
の切欠部5、6の軸方向の間隔より、製造公差によって
は大きくなり、切起部8、9と磁石4の間に軸方向のギ
ャップが発生するが、このギャップに対しては、小型モ
ータに使用される環境においてはほとんど問題とはなら
ない。又、特殊な厳しい条件で使用されそのギャップが
問題となる場合には、第6図のように磁石取付の際に後
で切り起される切起部9に対応する磁石4の切欠部6に
おいて、その軸方向の面6bを内周側に行く程、もう一方
の切欠部5の軸方向の面5aより遠ざかる斜面状とし、切
起部9を切り起こす時の切起角度を調整することによ
り、前記ギャップの発生を防止してもよい。
実施例ではスリーブ3は円筒としたが、薄板を丸め加
工してもよい。
[発明の効果] 以上詳述したように、この発明によれば、磁石の脱落
防止用治具を用いることなく、容易に磁石をヨークに組
付けることができるとともに、スリーブの一部を補助極
として利用することによりモータのトルクを向上させる
ことができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明を具体化した磁石式モータの断面図、
第2図は第1図のA−A断面図、第3図は第1図のB−
B断面図、第4図は磁石の斜視図、第5図は別例のスリ
ーブと磁石の断面図、第6図は他の別例の磁石の斜視図
である。 1はヨーク、2は回転子、3はスリーブ、4は磁石、7
は切起部、8は切起部、9は切起部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヨークの内周部に複数の円弧状でかつ切欠
    部を有する磁石が配設された磁石式モータにおいて、 磁性体よりなり略円筒状をなし、その内周面が前記磁石
    の外周面と接触するとともに、内側に切り起され前記磁
    石の周方向の対向面及び軸方向の切起部を有するスリー
    ブを備え、 前記磁石の周方向の対向面に当接する前記切起部は、前
    記磁石式モータの電機子反作用の増磁側に配設され、 このスリーブを前記ヨークの内周部に挿入支持したこと
    を特徴とする磁石式モータ。
JP63155959A 1988-06-23 1988-06-23 磁石式モータ Expired - Fee Related JP2636343B2 (ja)

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