JP2636010B2 - 成形用ガラス素材およびその製造方法 - Google Patents

成形用ガラス素材およびその製造方法

Info

Publication number
JP2636010B2
JP2636010B2 JP18763788A JP18763788A JP2636010B2 JP 2636010 B2 JP2636010 B2 JP 2636010B2 JP 18763788 A JP18763788 A JP 18763788A JP 18763788 A JP18763788 A JP 18763788A JP 2636010 B2 JP2636010 B2 JP 2636010B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molding
glass material
glass
optical element
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP18763788A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0238337A (ja
Inventor
光夫 後藤
隆男 柴崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP18763788A priority Critical patent/JP2636010B2/ja
Publication of JPH0238337A publication Critical patent/JPH0238337A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2636010B2 publication Critical patent/JP2636010B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Glass Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、レンズ,プリズム等の高精度なガラス光学
素子を、押圧成形によって得る際に用いる成形用ガラス
素材およびその製造方法に関する。
〔従来の技術〕 従来、ガラス光学素子を製造するには、ガラス素材を
ダイヤモンド砥石等によって所定形状に研削した後、酸
化セリウム等によって研削面を研摩する方法が一般的で
あった。しかし非球面レンズのニーズが高まりつつある
中で従来の方法によっては、低コストで大量の光学素子
を製造するには限度があり、新たに加熱軟化したガラス
素材の押圧成形によって、非球面レンズを製造する技術
が実用化されつつある。
しかしながら、1組の成形型にて加熱軟化したガラス
素材の多数個を、連続的に押圧成形して製造した場合に
は、ガラス素材中の鉛成分が析出して成形型の表面に付
着あるいは融着する現象が発生し、成形後の光学素子の
面精度を著しく低下させている。この対策のために成形
用ガラス素材として種々提案されている。例えば特開昭
57−4735には、特定の化学処理で容易に除去し得るガラ
スまたはプラスチック等の熱可塑性材料から成る被覆層
にて、予め成形用ガラス素材を被覆しておき、押圧成形
後に該被覆層を除去する(例えば硝酸にて)ことが示さ
れている。また特開昭62−297225には、内部ガラスより
もガラス転移温度が高く、熱膨張係数および屈折率が実
質的に等しいようなガラス表面層で被覆した成形用ガラ
ス素材を用いることが示されている。さらに特開昭62−
207728には、フッ化水素酸および硝酸に浸漬して表層部
の易蒸発成分(B2O3,PbO等)を減少させた成形用ガラス
素材を用いることが示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら特開昭57−4735においては、押圧成形後
に被覆層を除去する工程を必要とするので、極めて長時
間を有しコスト高な光学素子となってしまう。また、酸
で処理する際には、光学素子自体の面粗度を悪化させる
ことがあり、歩留り低下の原因となる。また特開昭62−
297225においては、成形用ガラス素材からの変形量が非
常に小さな光学素子に対しては有効であるが、変形量が
大きなものに対しては、成形時に未軟化状態にある表層
部に微小な割れが生じ易い。この割れによって生ずるガ
ラス片が成形型に付着することがあり、連続して高精度
の光学素子を製造することは難しくなる。さらに特開昭
62−207728においては、成形用ガラス素材をフッ化水素
酸に浸漬させると鉛等の易蒸発成分と同時にSiO2も分解
されてしまうので容積が変化し、押圧成形された光学素
子の寸法精度にバラツキが生ずるという問題点があっ
た。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、
成形用ガラス素材中の不安定成分が押圧成形中に成形型
表面に付着することを防止するとともに、安定した寸法
精度のガラス光学素子が得られるような、成形用ガラス
素材およびこの成形用ガラス素材の製造方法を提供する
ことを目的とする。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
本発明では、所望の光学素子の形状に近似した形状の
ガラス素材、例えば研削および研摩によって成形したガ
ラス素材を用い、これをアルカリ溶液とキレート溶液の
混合液に浸漬して、ガラス素材の表層部から鉛(Pb)成
分のみを除去して成形用ガラス素材を得る。または前記
近似形状のガラス素材を、そのガラス転移温度付近まで
加熱昇温して一定時間保持した後冷却することにより、
ガラス内部のPb成分を拡散によって表層部に集めるとと
もに、一部を外表面に析出させてから、前記混合液に浸
漬してより効果的にPb成分を除去して製造してもよい。
このようにPb成分を除去した後、必要に応じて、浸漬後
のガラス素材に付着した不純物を取り除くための水洗、
および成形用ガラス素材の水分によるヤケを防止するた
めの乾燥を行ってもよい。
前記混合液のうち、アルカリ成分はガラスの網目構造
を破壊するがSiは溶解しない性質があり、またキレート
試薬はPbと安定なキレートを形成してガラス表面からの
Pbを除去するが、Si,KあるいはNaとはキレートを形成し
ない性質がある。この性質を利用して成形用ガラス素材
の表層部からPb成分のみを溶出除去している。アルカリ
溶液としてはNaOH,KOHあるいはCaCO3等、キレート溶液
としてはEDTA(エチレンジアミン4酢酸),グルコン
酸,酒石酸あるいはクエン酸等がある。
〔実施例〕
以下実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
(第1実施例) カメラ用の非球面レンズのために、鉛を多量に含むSF
8を用いて、形状が外径16mm,肉厚3.5mm,曲率半径95mmお
よび35mmの両凸のレンズを研削,研摩加工によって成形
した。次いで、40℃に加熱した5%EDTAとNaOHの混合溶
液(PH12に調整)中に、両凸レンズを4時間浸漬して表
面処理した。得られた成形用ガラス素材を蒸留水で洗浄
し、更に200℃に昇温した乾燥器内にて30分間乾燥し
た。
第1図は、混合溶液に浸漬する前のレンズ表面と、浸
漬処理した後の成形用レンズ素材の表面を、X線光電子
スペクトル(ESCA…electron spectroscopy for chemic
al analysis)にて分析した結果を示すもので、横軸は
結合エネルギー(BINDING ENERGY),縦軸は成分比率で
ある。線Aは浸漬前の表面、線Bは浸漬後の表面のもの
で、図から明らかなように、鉛成分の減少が顕著に認め
られる。
処理して得られた成形用ガラス素材1を用いて、第2
図の如く非球面度(レンズの最外周での球面形状と非球
面形状とのズレ量)が50μmの非球面レンズを、一対の
非球面形状の成形金型2,3にて500個を押圧成形した(加
熱手段や加圧手段は不図示)。成形条件として、金型温
度は405℃,成形用ガラス素材の加熱温度は510℃,成形
圧力は80kg/cm2,押圧成形時間は10秒間である。成形後
の金型表面を分析した結果、鉛成分の付着は認められな
く、また押圧成形によって得られた非球面レンズのいず
れの外観も良好であった。
(第2実施例) コンパクトデスク用光ピックアップの非球面対物レン
ズを、鉛およびバリウムを多量に含むBaSF08を用いて試
作した。押圧成形する前の形状は、外径4.8mm,肉厚3.5m
m,曲率半径12mmおよび4.8mmの両凸レンズを研削,研摩
加工によって成形した。次いで、該両凸レンズをガラス
転移温度(550℃)付近に加熱昇温して10分間保持した
後、室温まで冷却し、その後液温20℃に調整した8%グ
ルコン酸とKOHの混合溶液(PH12)中に、3時間浸漬し
て表面処理した。得られた成形用ガラス素材を蒸留水で
洗浄し、更に150℃に昇温した乾燥器内にて2時間乾燥
した。
上記ガラス転移温度付近の加熱によって、融点が約32
8℃の鉛成分はガラスの表層部から蒸発するが、融点が
約725℃の酸化バリウムは蒸発しない。
処理して得られた成形用ガラス素材を用いて、非球面
度が130μmの非球面レンズを、非球面形状の成形金型
にて500個押圧成形した。成形条件としては、金型温度
は530℃,成形用ガラス素材の加熱温度は600℃,成形圧
力は120kg/cm2,押圧成形時間は40秒間である。成形後の
金型表面を分析した結果、鉛成分の付着は認められなか
った。また成形して得られた光学素子には、クラック等
の外観的な欠陥は認められなかった。さらに離型性につ
いても、未処理のガラス素材の押圧成形に比較して約10
%の離型応力の低減が認められ、極めて型離れも良好な
ものとなった。
〔発明の効果〕
以上の実施例から明らかなように、本発明による成形
用ガラス素材は新奇な処理溶液を用いた簡単な処理にて
表面層の鉛成分のみを除去しているので、多数回の押圧
成形した場合でも、成形用ガラス素材中の鉛成分が成形
型表面に付着することがなく、寸法精度の安定した光学
素子を得ることができる。また、成形用ガラス素材の面
粗度等を保ちながら、外観の良好な光学素子を高い歩留
りで大量に押圧成形できる。さらに一種類のガラス素材
にて成形しているので、非球面度の大きな形状でもクラ
ック等の欠陥を生ずることなく、連続して高精度にでき
る。従って、従来高価になりがちであった非球面レンズ
等の光学素子を、低コストで大量に成形可能にすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の第1実施例の成形用ガラス素材の表
面と研削,研摩後のレンズ表面とのX線光電子スペクト
ルの分析結果を示す図、第2図は、成形用ガラス素材を
押圧成形する状態の説明図である。 1……成形用ガラス素材 2,3……成形用金型

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所望の光学素子に近似した形状のガラス表
    面層の鉛成分のみを、ガラス内部の鉛成分より減少せし
    めたことを特徴とする成形用ガラス素材。
  2. 【請求項2】所望の光学素子に近似した形状にガラス素
    材を研削,研摩して成形する工程と、キレート溶液とア
    ルカリ溶液との混合溶液に浸漬する工程と、浸漬によっ
    てガラス表面層の鉛成分を溶出する工程と、を有するこ
    とを特徴とする成形用ガラス素材の製造方法。
JP18763788A 1988-07-27 1988-07-27 成形用ガラス素材およびその製造方法 Expired - Fee Related JP2636010B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18763788A JP2636010B2 (ja) 1988-07-27 1988-07-27 成形用ガラス素材およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18763788A JP2636010B2 (ja) 1988-07-27 1988-07-27 成形用ガラス素材およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0238337A JPH0238337A (ja) 1990-02-07
JP2636010B2 true JP2636010B2 (ja) 1997-07-30

Family

ID=16209600

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18763788A Expired - Fee Related JP2636010B2 (ja) 1988-07-27 1988-07-27 成形用ガラス素材およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2636010B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4034056B2 (ja) 2000-09-13 2008-01-16 日本板硝子株式会社 非晶質材料の加工方法
JP7188005B2 (ja) * 2018-11-15 2022-12-13 日本電気硝子株式会社 ガラス物品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0238337A (ja) 1990-02-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2636010B2 (ja) 成形用ガラス素材およびその製造方法
JPH0421606B2 (ja)
JPS6033221A (ja) 精密ガラス物品の製造方法
JPH0435426B2 (ja)
CN113754304A (zh) 一种硫系玻璃精密模压预型体模压前处理方法
JPS61291427A (ja) モ−ルドレンズおよびその製造方法
JPS62207727A (ja) ガラス物品の製造方法
JPS62241833A (ja) 成形用ガラス素材およびその製造方法
JPH01102401A (ja) 反射防止膜の形成方法
JP2920172B2 (ja) レンズの成形方法
JPS6361201A (ja) 反射防止膜の形成方法
JPH0643259B2 (ja) 反射防止膜の形成方法
JP3382415B2 (ja) 光学素子の製造方法
JPH0692654A (ja) ガラスレンズの成形方法
JP2003159718A (ja) 複合非球面レンズの製造方法
JPH0643260B2 (ja) 反射防止膜の形成方法
JPH0237301A (ja) 反射防止膜
JPH0776095B2 (ja) 光学素子の製造方法
CN1225660C (zh) 一种制造微型固体浸没透镜的方法
JPH04285031A (ja) 成形用ガラス素材の製造方法及び光学素子の製造方法
JP2740453B2 (ja) 光学素子成形用硝子素材の製造方法
KR200141214Y1 (ko) 복합형 비구면 렌즈 제조장치
JPH06118202A (ja) ガラス成形光学素子とその製造方法
JP2000327375A (ja) 光学素子の製造方法
JPH0755839B2 (ja) 成形用ガラス素材

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees