JP2000327375A - 光学素子の製造方法 - Google Patents

光学素子の製造方法

Info

Publication number
JP2000327375A
JP2000327375A JP11136423A JP13642399A JP2000327375A JP 2000327375 A JP2000327375 A JP 2000327375A JP 11136423 A JP11136423 A JP 11136423A JP 13642399 A JP13642399 A JP 13642399A JP 2000327375 A JP2000327375 A JP 2000327375A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical element
solution
cloud
component
glass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11136423A
Other languages
English (en)
Inventor
Masato Nakahama
正人 中濱
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP11136423A priority Critical patent/JP2000327375A/ja
Publication of JP2000327375A publication Critical patent/JP2000327375A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C23/00Other surface treatment of glass not in the form of fibres or filaments
    • C03C23/008Other surface treatment of glass not in the form of fibres or filaments comprising a lixiviation step

Abstract

(57)【要約】 【課題】押圧成形された光学素子であっても、光の透過
率が高い良好な光学素子を得る。 【解決手段】加熱軟化したガラス素材を成形型により押
圧成形することにより、所望の形状の光学素子を得る光
学素子の製造方法において、押圧成形が終了した後に前
記成形型より取り出された前記光学素子を溶液中に浸漬
し、クモリ成分を解離させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱軟化したガラ
ス素材を押圧成形して得られる光学素子の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、加熱軟化したガラス素材を押圧成
形して光学素子を得る方法には、例えば、特公平7−9
1076号公報所載の技術(従来技術1)が開示されて
いる。この従来技術1では、溶融状態まで加熱軟化した
ガラス素材を適量滴下し、このガラス素材の滴下方向と
略直角方向から押圧するように対向配置された成形型
で、このガラス素材を押圧成形することにより光学素子
を得ている。
【0003】一方、ガラス素材と型部品との反応を防止
して成形品の着色およびクモリを防止するものとして、
特許第2739916号(平成10年1月23日登録)
に開示された技術(従来技術2)がある。この従来技術
2では、成形用素材として用いるガラスブランクのガラ
ス基体の表面層を、このガラス基体の芯部より水溶性成
分の含有量が少なくなるようにし、かつ、このガラス基
体上に炭化水素被覆層を形成した後、ガラスブランクを
加熱軟化し、その後押圧成形することにより、光学素子
を得ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記従来技
術には、つぎのような問題点があった。すなわち、従来
技術1では、溶融されたガラス素材を何らの前処理も施
さずに成形型にて押圧成形するために、押圧初期には、
ガラス素材の温度が高く、かつ、ガラス素材中の水溶性
成分の化学反応が促進されるので、押圧成形された光学
素子の表面に水溶性成分がクモリとなって析出してい
た。
【0005】また、従来技術2では、ガラス素材である
ガラスブランクのガラス基体の表面層を、このガラス基
体の芯部より水溶性成分の含有量が少なくなるように
し、かつこのガラス基体上に炭化水素被覆層を形成した
後、ガラスブランクを加熱軟化し、その後押圧成形して
いるが、大きな体積のガラスブランクを成形しようとす
る場合、軟化のためには長時間加熱するか、または、よ
り高温に加熱する必要があるため、ガラス基体の表面付
近にある水溶性成分の化学反応が促進され、押圧成形さ
れた光学素子表面上にクモリが生じるという欠点があっ
た。このクモリは、光学素子を光学機器に装着して使用
した際に、光学素子の光学性能、特に光の透過率を低下
させるものであった。
【0006】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、請求項1または2に係る発明の課題は、押
圧成形された光学素子であっても、光の透過率が高い良
好な光学素子を得る光学素子の製造方法を提供すること
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1または2に係る発明は、加熱軟化したガラ
ス素材を成形型により押圧成形することにより、所望の
形状の光学素子を得る光学素子の製造方法において、押
圧成形が終了した後に前記成形型より取り出された前記
光学素子を溶液中に浸漬し、クモリ成分を解離させる。
【0008】請求項1または2に係る発明の光学素子の
製造方法では、押圧成形が終了した後に成形型より取り
出された光学素子を溶液中に浸漬し、光学素子表面のク
モリ成分を解離させ、光学素子を透明にする。請求項2
に係る発明の光学素子の製造方法では、上記作用に加
え、溶液がアルカリ性溶液または酸性溶液であることに
より、光学素子表面に析出したクモリ成分とアルカリ性
溶液または酸性溶液とを化学反応させ、クモリ成分を光
学素子表面より解離させる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態における光学
素子の製造方法では、ガラス中の水溶性成分がクモリ成
分となって、光学素子表面に付着している押圧成形後の
光学素子を、アルカリ性または酸性の溶液中に浸漬し、
光学素子表面に析出したクモリ成分と前記溶液とを化学
反応させて、クモリ成分を前記光学素子表面上より解離
させる。このクモリ成分の解離により、押圧成形された
光学素子の表面を透明にして、光の透過率を向上させ
る。なお、本発明の実施の形態では、成形後の光学素子
として両凸レンズを例とするが、これに限定されるもの
ではなく、両凹レンズ、メニスカスレンズなどの他の形
状のレンズの他、成形されたプリズム、フィルタなどの
光学素子にも、本発明を適用することができる。以下、
具体的な実施の形態について説明する。
【0010】(実施の形態1)本実施の形態において、
成形された光学素子Aの形状寸法は、外径20mm、厚
さ3mm、両面の曲率半径32mmの両凸レンズであ
る。成形後の光学素子Aの表面には、クモリ成分が析出
しており、顕微鏡で観察すると、白っぽく見えていた。
光学素子Aのガラス素材の組成は、PbO;66.0w
t%、SiO;26.0wt%、TiO;4.4w
t%、Al;2.7wt%、NaO;0.66
wt%、その他;0.24wt%である。ガラス素材
は、鉛の含有量が多いため、クモリの主成分は酸化鉛
(PbO)であった。
【0011】光学素子Aのクモリを除去する溶液には、
アルカリ性溶液としてのNaEDTA(EDTAはエ
チレンジアミン四酢酸の略称)の10%溶液を用い、フ
ッ素樹脂製容器に入れて使用した。NaEDTAの水
素イオン指数はpH9に調整している。また、Na
DTAの10%溶液を加熱するためにホットプレートを
使用した。
【0012】つぎに、光学素子Aのクモリ除去方法につ
いて説明する。まず、NaEDTAの10%溶液を入
れたフッ素樹脂製容器をホットプレート上に載置し、N
EDTAの10%溶液を50℃に昇温する。つぎ
に、光学素子Aをピンセットで挟持し、Na4 EDTA
の10%溶液中に1分間浸漬する。このとき、EDTA
は、ガラス素材中に含まれる鉛と安定した複合体を形成
するために、クモリの主成分である酸化鉛(PbO)が
光学素子Aの表面から解離される。つぎに、光学素子A
をピンセットで挟持し、NaEDTAの10%溶液中
より取り出し、純水にて洗浄する。洗浄後の光学素子A
を顕微鏡で観察したところ、光学素子Aの表面に析出し
ていたクモリが除去され、透明になっていた。
【0013】比較のため、同様にして光学素子Aを50
℃に昇温したNaEDTAの10%溶液中に5分間浸
漬し、純水にて洗浄後、顕微鏡で観察したところ、光学
素子Aの表面が浸食され、光学素子として使用すること
はできなかった。同様に、50℃に昇温した前記溶液中
に10秒間浸漬し、純水にて洗浄後、顕微鏡で観察した
ところ、光学素子Aの表面のクモリは除去できず、透明
にはならなかった。本実施の形態では、クモリ成分の解
離のための浸漬時間は、1分間が適切な時間であった
が、化学反応を利用するため、光学素子表面の表面積、
光学素子素材の組成比、NaEDTAの濃度、水素イ
オン指数(pH)、温度等により反応速度は異なるため
に、浸漬時間は、実験的に決定する必要がある。
【0014】また、本実施の形態では、光学素子Aをピ
ンセットで挟持し、フッ素樹脂製容器に入れたNa
DTAの10%溶液に浸漬したが、洗浄ヤトイ等で光学
素子Aを保持し、NaEDTAの10%溶液への浸
漬、つぎに、純水による洗浄という工程で行っても何ら
本質的に変わることはない。また、光学素子素材の硝種
によっては、純水では乾きが遅く、ヤケが発生すること
もあるため、純水に替えて、揮発性の高いメチルアルコ
ールとジェチルエーテルとの混合溶剤、またはレンズク
リーナー(商品名、オリンパス光学(株)製)等の有機
溶剤により洗浄してもよい。
【0015】本実施の形態によれば、押圧成形後に、ア
ルカリ性溶液への浸漬によって、光学素子表面のクモリ
を除去できるために、従来技術で述べたようなガラス体
積の大きな素材から押圧成形される光学素子、または、
溶融したガラスを滴下してそのまま押圧成形して得られ
る光学素子の場合でも、クモリを除去し、光学素子を透
明にすることができる。これにより、光の透過率が高い
光学素子を得ることができる。
【0016】(実施の形態2)本実施の形態において、
成形された光学素子Bの形状寸法は、外径20mm、厚
さ3mm、両面の曲率半径32mmの両凸レンズであ
る。成形後の光学素子Bの表面には、クモリ成分が析出
しており、顕微鏡で観察すると、白っぽく見えていた。
光学素子Bのガラス素材の組成は、SiO;74.0
wt%、ZnO;1.4wt%、NaO;11.0w
t%、Al;0.6wt%、BaO;2.0wt
%、KO;11.0wt%である。クモリの主成分
は、酸化カリウム(KO)および酸化ナトリウム(N
O)であった。
【0017】光学素子Bのクモリを除去する溶液には、
酸性溶液としてのHNOの10%溶液を用い、フッ素
樹脂製容器に入れて使用した。HNOの水素イオン指
数はpH4に調整している。また、HNOの10%溶
液を加熱するためにホットプレートを使用した。
【0018】つぎに、光学素子Bのクモリ除去方法につ
いて説明する。まず、HNOの10%溶液を入れたフ
ッ素樹脂製容器をホットプレート上に載置し、HNO
の10%溶液を50℃に昇温する。つぎに、光学素子B
をピンセットで挟持し、HNOの10%溶液中に50
秒間浸漬する。このとき、HNOは、ガラス素材中に
含まれるカリウム、ナトリウムと反応するために、クモ
リの主成分である酸化カリウム(KO)、酸化ナトリ
ウム(NaO)が光学素子Bの表面から解離される。
つぎに、光学素子Bをピンセットで挟持し、HNO
10%溶液中より取り出し、純水にて洗浄する。洗浄後
の光学素子Bを顕微鏡で観察したところ、光学素子Bの
表面に析出していたクモリが除去され、透明になってい
た。
【0019】比較のため、同様にして光学素子Bを50
℃に昇温したHNOの10%溶液中に3分間浸漬し、
純水にて洗浄後、顕微鏡で観察したところ、光学素子B
の表面が浸食され、光学素子として使用することはでき
なかった。同様に、50℃に昇温した前記溶液中に10
秒間浸漬し、純水にて洗浄後、顕微鏡で観察したとこ
ろ、光学素子Bの表面のクモリは除去できず、透明には
ならなかった。本実施の形態では、クモリ成分の解離の
ための浸漬時間は、50秒間が適切な時間であったが、
化学反応を利用するため、光学素子表面の表面積、光学
素子素材の組成比、HNOの濃度、水素イオン指数
(pH)、温度等により反応速度は異なるために、浸漬
時間は、実験的に決定する必要がある。
【0020】また、本実施の形態では、光学素子Bをピ
ンセットで挟持し、フッ素樹脂製容器に入れたHNO
の10%溶液に浸漬したが、洗浄ヤトイ等で光学素子A
を保持し、HNOの10%溶液への浸漬、つぎに、純
水による洗浄という工程を行っても何ら本質的に変わる
ことはない。また、光学素子素材の硝種によっては、純
水では乾きが遅く、ヤケが発生することもあるため、純
水に替えて、揮発性の高いメチルアルコールとジェチル
エーテルとの混合溶剤、またはレンズクリーナー(商品
名、オリンパス光学(株)製)等の有機溶剤により洗浄
してもよい。
【0021】本実施の形態によれば、実施の形態1と同
様の効果に加え、光学素子表面に析出した鉛以外のクモ
リ成分の場合でも、クモリを除去することができる。
【0022】
【発明の効果】請求項1または2に係る発明によれば、
押圧成形された光学素子であっても、光学素子表面のク
モリを除去して、光の透過率が高い良好な光学素子を得
ることができる。請求項2に係る発明によれば、上記効
果に加え、光学素子表面に析出したクモリ成分とアルカ
リ性溶液または酸性溶液とを化学反応させ、クモリ成分
を光学素子表面より解離させる条件を容易に得ることが
できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱軟化したガラス素材を成形型により
    押圧成形することにより、所望の形状の光学素子を得る
    光学素子の製造方法において、 押圧成形が終了した後に、前記成形型より取り出された
    前記光学素子を溶液中に浸漬し、クモリ成分を解離させ
    ることを特徴とする光学素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記溶液は、アルカリ性溶液または酸性
    溶液であることを特徴とする請求項1記載の光学素子の
    製造方法。
JP11136423A 1999-05-17 1999-05-17 光学素子の製造方法 Pending JP2000327375A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11136423A JP2000327375A (ja) 1999-05-17 1999-05-17 光学素子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11136423A JP2000327375A (ja) 1999-05-17 1999-05-17 光学素子の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000327375A true JP2000327375A (ja) 2000-11-28

Family

ID=15174815

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11136423A Pending JP2000327375A (ja) 1999-05-17 1999-05-17 光学素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000327375A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5160042B2 (ja) ガラス光学素子の製造方法
CA1141241A (en) Process of making glass articles having antireflective coatings and products
JP3664174B2 (ja) 光導波路およびその製造方法
US20050188724A1 (en) Process for the production of precision press-molding preform and process for the production of optical element
CA2391934A1 (fr) Procede de traitement de substrats en verre et substrats en verre pour la realisation d'ecrans de visualisation
JP2012131695A (ja) 多孔質ガラスの製造方法及び撮像装置の製造方法
JPS6045137B2 (ja) 多孔性非反射層を有する耐久ガラスの製造方法
JP2015206880A (ja) 光学素子、および光学素子の製造方法
JP4166174B2 (ja) 精密プレス成形用プリフォームの製造方法および光学素子の製造方法
JP4140850B2 (ja) 精密プレス成形用プリフォームの製造方法および光学素子の製造方法
JP2000327375A (ja) 光学素子の製造方法
JPS62108741A (ja) 光学素子の製造方法
TW200406363A (en) Direct bonding methods using lithium
CN1210587C (zh) 制备铌酸锂光波导的钛扩散方法及装置
JPS62202824A (ja) プレスレンズの製造方法
JP5547777B2 (ja) ガラス光学素子の製造方法
JP2636010B2 (ja) 成形用ガラス素材およびその製造方法
JPH09227137A (ja) レンズの製造方法
JP4511221B2 (ja) 精密プレス成形用プリフォームの製造方法および光学素子の製造方法
US20240158292A1 (en) Anti-reflective infrared transmitting laminate glass articles with a porous layer
JPH0543649B2 (ja)
JP2017160111A (ja) 強化ガラス基板の製造方法及び強化ガラス基板
JP2007091524A (ja) モールドプレス成形用ガラス素材、及びガラス光学素子の製造方法
JPH0462644B2 (ja)
JPH06279034A (ja) 成形用ガラス素材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050520

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070723

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070731

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071127