JP2017160111A - 強化ガラス基板の製造方法及び強化ガラス基板 - Google Patents

強化ガラス基板の製造方法及び強化ガラス基板 Download PDF

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Toshiyuki Kajioka
利之 梶岡
睦 深田
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睦 深田
清貴 木下
Kiyotaka Kinoshita
清貴 木下
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Abstract

【課題】着色の少ない強化ガラス基板を製造する方法及び強化ガラス基板の提供。
【解決手段】強化ガラス基板1の製造方法は、主面11a,11bを有するガラス基板11の上にイオン交換抑制膜2a・2bを形成する成膜工程と、ガラス基板11をイオン交換法によりイオン交換抑制膜2a・2bを通じて、主面11a,11bに圧縮応力層1a・1bを形成するイオン交換工程とを備える強化ガラス基板1の製造方法であって、前記イオン交換工程後に、イオン交換抑制膜2a・2bを膜厚が45nm以下まで除去する除去工程を有する強化ガラス基板の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、化学強化により形成された圧縮応力層を有する強化ガラス基板の製造方法及び強化ガラス基板に関する。
従来、化学強化された強化ガラス基板は、スマートフォンやタブレットPCなどの電子機器に搭載されるタッチパネルディスプレイのカバーガラスとして用いられている。このような強化ガラス基板は、一般的に、アルカリ金属を組成として含むガラス基板をイオン交換液で化学的に処理し、ガラス基板表面のアルカリ金属イオン(Na+)とイオン交換液中のアルカリ金属イオン(K+)とを交換し、圧縮応力層を形成することによって製造される。このような強化ガラス基板は、圧縮応力層により、衝撃耐性が向上する。
一方、このような強化ガラス基板の内部には、主面の圧縮応力層に対応して引張応力層が形成される。そして、この引張応力に起因して端面に発生したクラックが進展することによる破損(所謂、自己破壊)が問題となっていた。また、このような引張応力を小さくしようとガラス板全体的に圧縮応力層を浅く形成した場合、端面において十分な耐衝撃性を得られないという問題があった。
このような問題を解決すべく、強化ガラス基板の主面と端面との圧縮応力のバランスを適切に設定するため、化学強化の進度を調整する処理を主面に施す技術が開発されている。例えば、特許文献1には、予め主面に、イオン交換抑制膜を形成して、化学強化の進度を端面より抑制することによって、主面の圧縮応力の大きさを制御する技術が開示されている。
特開2014−208570号公報
特許文献1の強化ガラス基板では、イオン交換液に浸漬した後の、イオン交換抑制膜と強化ガラス基板との屈折率差が大きくなり、着色しやすくなる。
特許文献1においては、上述したような膜の着色については考慮されていない。
本発明の目的は、着色の少ない強化ガラス基板を製造する方法及び強化ガラス基板を提供することにある。
本発明に係る強化ガラス基板の製造方法は、主面を有するガラス基板の前記主面上にイオン交換抑制膜を形成する成膜工程と、前記ガラス基板に圧縮応力層を形成するイオン交換工程とを備える強化ガラス基板の製造方法であって、前記イオン交換工程後に、前記イオン交換抑制膜を膜厚が45nm以下となるまで除去する除去工程を有することを特徴とする。
本発明の強化ガラス基板の製造方法によれば、強化ガラス基板を着色させる最大の要因であるイオン交換抑制膜を、膜厚が45nm以下となるまで除去しているため、着色の少ない強化ガラス基板を製造することが可能となる。
また、本発明に係る強化ガラス基板の製造方法は、前記除去工程において、前記イオン交換抑制膜を膜厚が0nm超45nm以下となるまで除去することが好ましい。
本構成のように、イオン交換抑制膜を完全に除去せずに残すことによって、反射彩度を小さくし、着色をより少なくすることが可能となる。また、膜厚を45nm以下とすることで、強化ガラス基板の表面に傷が付くことを抑制できる。
また、本発明の強化ガラス基板の製造方法は、成膜工程後、かつイオン交換工程前に、切断加工、孔あけ加工、および端面加工の少なくとも何れかの加工を前記ガラス基板に施すことによって前記イオン交換抑制膜に被覆されない端面を有するガラス基板を得る加工工程を有することが好ましい。
本構成のようにすることで、強化ガラス基板の端面の応力深さが主面の応力深さよりも大きくできるため、強化ガラス基板の端面の損傷を効率的に抑制できる。
また、本発明の強化ガラス基板の製造方法は、前記除去工程において、前記イオン交換抑制膜が配された主面での反射彩度が1以下となるように前記イオン交換抑制膜を除去することが好ましい。
本構成のように、イオン交換抑制膜が配された主面での反射彩度が1以下となるようにイオン交換抑制膜を除去することにより、より着色の少ない強化ガラス基板を製造することが可能となる。
また、本発明の強化ガラス基板の製造方法は、前記除去工程において、前記イオン交換抑制膜をエッチングにより除去することが好ましい。
本構成のように、エッチングにより除去工程を実施することで、強化ガラス基板に物理的な衝撃を与えずにイオン交換抑制膜を除去できるとともに、破損の原因となるマイクロクラックを減少させてさらに強度が向上した強化ガラス基板を製造することが可能となる。
また、本発明の強化ガラス基板の製造方法は、前記イオン交換抑制膜が、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、炭化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化スズ、酸化亜鉛、及び酸化インジウムの無機膜の群から選択された少なくとも一種を含むことが好ましい。
本構成の無機膜は、イオンの透過を効率的に抑制できるため、イオン交換抑制膜として好適である。
また、本発明の強化ガラス基板の製造方法は、前記除去工程において、前記イオン交換抑制膜の全てを除去するとともに、更に前記圧縮応力層を、20μm以下除去することが好ましい。
本構成のように、圧縮応力層を20μm以下程度除去することで、マイクロクラックが減り、耐衝撃性が向上する。
本発明の強化ガラス基板の製造方法は、主面を有するガラス基板の前記主面上にイオン交換抑制膜を形成する成膜工程と、前記ガラス基板に圧縮応力層を形成するイオン交換工程とを備える強化ガラス基板の製造方法であって、前記イオン交換工程後に、前記イオン交換抑制膜が配された主面での反射彩度が1以下となる膜厚まで前記イオン交換抑制膜を除去する除去工程を有することを特徴とする。
本発明の強化ガラス基板の製造方法によれば、強化ガラス基板を着色させる最大の要因であるイオン交換抑制膜を、イオン交換抑制膜が配された主面での反射彩度が1以下となるまで除去しているため、着色の少ない強化ガラス基板を製造することが可能となる。
本発明の強化ガラス基板は、圧縮応力層を有し、端面の応力深さが、主面の応力深さより大きい強化ガラス基板であって、前記主面上に、膜厚が0nm超45nm以下のイオン交換抑制膜を有することを特徴とする。
イオン交換抑制膜の膜厚を小さくすることで、可視光の干渉による着色が発生しにくくなる。本発明の強化ガラス基板によれば、イオン交換抑制膜の膜厚が45nm以下と小さいため、着色の少ない強化ガラス基板が得られる。
また、本発明の強化ガラス基板は、前記イオン交換抑制膜の膜厚が0nm超35nm以下であることが好ましい。
本構成のように、イオン交換抑制膜の膜厚を0nm超35nm以下とすることで、反射彩度を小さくできるため、イオン交換抑制膜の無い強化ガラス基板と比較しても、着色が少ない強化ガラス基板が得られる。
また、本発明の強化ガラス基板は、前記イオン交換抑制膜が配された主面での反射彩度が1以下であることが好ましい。
本構成のように、反射彩度が1以下であれば、着色の少ない強化ガラス基板が得られる。
また、本発明の強化ガラス基板は、前記イオン交換抑制膜が配された主面での反射彩度が0.5以下であることが好ましい。
本構成のように、反射彩度が0.5以下であれば、着色の殆ど無い強化ガラス基板が得られる。
本発明によれば、着色の少ない強化ガラス基板を製造する方法及び強化ガラス基板を提供することができる。
本発明の実施形態に係る強化ガラス基板の製造方法の説明図である。 第1の方法に使用されるエッチング装置の概略図である。 第2の方法に使用されるエッチング装置の概略図である。 実施例における、エッチング後のイオン交換抑制膜の膜厚と第1及び2主面側からの反射彩度の相加平均値との関係を示したグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
本実施形態の強化ガラス基板の製造方法は、成膜工程、加工工程、イオン交換工程、除去工程を有する。以下に各工程について詳細に説明する。
(成膜工程)
図1(a)及び(b)は、成膜工程を説明するための説明図である。図1(a)に示すように、初めに、ガラス基板11を用意する。ガラス基板11は、対向し合う第1・第2の主面11a・11b及び第1・第2の主面11a・11bに接続される端面11cを有する。ガラス基板11の材質は、イオン交換法により強化し得る材質であれば、特に限定されない。例えば、ガラス基板11は、ソーダライムガラスやアルミノシリケートガラスなどからなっていてもよい。
アルミノシリケートガラスとしては、ガラス組成として、質量%で、SiO 50〜80%、Al 5〜25%、B 0〜15%、NaO 1〜20%、KO 0〜10%を含有することが好ましい。上記のようにガラス組成範囲を規制すれば、イオン交換性能と耐失透性を高いレベルで両立し易くなる。
ガラス基板11の厚みは、0.1〜2mmであることが好ましい。ガラス基板11の厚みが0.1mmよりも薄い場合、ガラス基板に割れが生じやすく、後述する圧縮応力層を形成し難い。また、後述する、イオン交換抑制膜の形成時や、イオン交換工程において、ガラス基板が反りやすい。ガラス基板11の厚みが2mmよりも厚い場合、本製造方法により得られる強化ガラス基板の質量が大きくなり、電子機器の軽量化が図りにくい。ガラス基板11の厚みは、0.2〜1.3mmであることがより好ましく、0.2〜1.0mmであることがさらに好ましく、0.2〜0.9mmであることが最も好ましい。
ガラス基板11は、ダウンドロー法、フロート法、リドロー法等で成形することができるが、オーバーフローダウンドロー法を用いて成形され、第1・第2の主面11a・11bが研磨されていないものであることが好ましい。このように成形されたガラス基板11であれば低コストで高い表面品位を有する強化ガラス基板が得られる。なお、ガラス基板11の成形方法や加工状態は任意に選択しても良い。例えば、ガラス基板11はフロート法を用いて成形され、第1・第2の主面11a・11bが研磨加工されたものであっても良い。ガラス基板11は、事前に風冷強化や化学強化処理を行い、圧縮応力層を形成し、以下に説明するイオン交換工程によって、より深い圧縮応力層を形成してもよい。
次に、図1(b)に示すように、ガラス基板11の第1・第2の主面11a・11bの上に、イオン交換抑制膜2a・2bを形成する。本実施形態では、イオン交換抑制膜2a・2bは、酸化珪素からなる。なお、イオン交換抑制膜2a・2bは、特に限定されず、例えば、金属、金属酸化物膜、金属窒化物膜、金属炭化物膜、金属酸窒化物膜、金属酸炭化物膜、金属炭窒化物膜などから形成される。より具体的には、イオン交換抑制膜2a・2bは、例えば、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、炭化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化スズ、酸化亜鉛、及び酸化インジウム群から選択された少なくとも一種から形成される。これらの材質からなるイオン交換抑制膜2a・2bは、イオンの透過を効率的に抑制できる。なお、本実施形態では、イオン交換抑制膜2aとイオン交換抑制膜2bは、同一の材質により構成されているが、イオン交換抑制膜2aとイオン交換抑制膜2bは、異なる材質により構成されていてもよい。
イオン交換抑制膜2a・2bは、スパッタリング法や真空蒸着法などのPVD法(物理気相成長法)、熱CVD法やプラズマCVD法などのCVD法(化学気相成長法)、あるいは、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法やスリットコート法などのウェットコート法を用いることで形成することができる。特に、スパッタリング法を用いることが好ましい。スパッタリング法を用いた場合、イオン交換抑制膜の膜厚の均一性が特に高い。
PVD法やCVD法においては、成膜レートや成膜時間を制御することにより、イオン交換抑制膜2a・2bの膜厚を制御することができる。ディップコート法においては、コート液に浸漬したガラス基板11を引き上げる際のガラス基板11の引き上げ速度を調整することにより、上記膜厚を制御することができる。スリットコート法においては、塗布量の調整などにより、上記膜厚を制御することができる。
図1(b)に示すように、イオン交換抑制膜2a・2bを形成する際に、ガラス基板11の端面11cにもイオン交換抑制膜2cを形成してもよい。
イオン交換抑制膜2a・2bの膜厚は、45nm超300nm以下であることが好ましい。イオン交換抑制膜の膜厚が300nmよりも厚い場合、後述するイオン交換工程において、イオン交換が進行しないおそれがある。イオン交換抑制膜の膜厚が45nm以下の場合は、イオン交換を抑制することができないおそれがある。なお、本実施形態では、イオン交換抑制膜2aの膜厚が、イオン交換抑制膜2bの膜厚と同じとなるように成膜しているが、イオン交換抑制膜2aの膜厚が、イオン交換抑制膜2bの膜厚と異なっていてもよい。イオン交換抑制膜2a・2bの膜厚は、50〜250nmであることがより好ましく、65〜200nmであることがさらに好ましく、70〜150nmであることが最も好ましい。
あるいは、成膜工程において、例えば、第1・第2の主面11a・11bのみにイオン交換抑制膜2a・2bを形成してもよい。あるいは、成膜工程において、第1の主面11aまたは第2の主面11bのいずれか一方のみにイオン交換抑制膜を形成してもよい。
(加工工程)
図1(c)は、加工工程を説明するための説明図である。
本実施形態において、加工工程は、図1(c)に示すように、ガラス基板11の周縁部を切断加工することで行われる。この切断された部分が、第1の主面11aと第2の主面11bとに接続されている端面11dとなる。端面11dにはイオン交換抑制膜は形成されていない。このように、ガラス基板11において、イオン交換抑制膜が形成されていない露出した端面11dを設けることができる。言い換えれば、成膜工程及び加工工程により、端面11dにイオン交換抑制膜を形成せずに、第1・第2の主面11a・11bにイオン交換抑制膜2a・2bを形成したガラス基板11を得ることができる。なお、加工工程は、孔あけ加工や端面加工でもよい。また、大型のガラス板にイオン交換抑制膜を形成した後、ガラス基板(小片ガラス)に細断してもよい。
なお、本加工工程は省略でき、図1(b)に示した、イオン交換抑制膜2cが端面11cに形成された状態において、後述するイオン交換工程を行ってもよい。もっとも、本実施形態のように、加工工程により、イオン交換抑制膜が形成されていない端面11dを露出させることが好ましい。あるいは、ガラス基板11の第1・第2の主面11a・11bのみにイオン交換抑制膜を形成してもよい。それによって、イオン交換工程において、端面11dを効果的に強化することができる。
(イオン交換工程)
図1(d)は、イオン交換工程を説明するための説明図である。
イオン交換工程は、成膜工程及び加工工程を経たガラス基板11を、イオン交換液に浸漬させることで行われる。本実施形態では、イオン交換工程は、350〜500℃の硝酸カリウム溶融塩に0.5〜100時間浸漬することで行われる。なお、イオン交換工程の条件は、上記に限定されない。上記成膜工程における条件や後述する第1・第2の圧縮応力層1a・1bの圧縮応力値や応力深さなどに応じて、イオン交換工程の条件を決定すればよい。それによって、第1・第2の主面11a・11bでイオン交換が進行する。そして、ガラス基板11は、図1(d)に示す、第1・第2の圧縮応力層1a・1bを有する強化ガラス基板1となる。また、端面11dでもイオン交換が行われ、端面圧縮応力層1dが形成される。なお、端面11dには、イオン交換抑制膜が形成されていないため、第1・第2の主面11a・11bよりもイオン交換が行われる。そのため、端面圧縮応力層1dは、第1・第2の圧縮応力層1a・1bよりも圧縮応力値及び応力深さの内の少なくとも一方の値が大きい。そのため、強化ガラス基板1の端面の損傷を効率的に抑制できる。イオン交換工程における、硝酸カリウム溶融塩のpHの下限値は、6.5が好ましく、7.0がより好ましい。また、硝酸カリウム溶融塩のpHの上限値は、11.0以下が好ましく、10.0以下がより好ましい。本実施形態のように、イオン交換抑制膜2a・2bが酸化珪素を含有する膜である場合、硝酸カリウム溶融塩により第1・第2の圧縮応力層1a・1bが形成されるとともに、イオン交換抑制膜2a・2bが除去される。そのため、イオン交換工程が終了する際に、イオン交換抑制膜2a・2bの厚みが45nm以下となるように、硝酸カリウム溶融塩のpHを6.5以上、11.0以下に調整することにより、後述する除去工程を行う必要が無くなり、製造工程の簡素化を図ることができる。なお、硝酸カリウム溶融塩のpHは以下のようにして測定できる。まず、硝酸カリウム溶融塩を冷却して固化させ、乳棒で細かく砕いて硝酸カリウムを含む塩の粉末を得る。その後、得られた硝酸カリウムを含む塩の粉末を純水と混合、撹拌して硝酸カリウムを含む塩の濃度が20質量%になるように水溶液を調製し、当該水溶液のpHをpHメーターを用いて測定する。なお、空気中の二酸化炭素に反応して当該水溶液のpHが変化することがあるので、密封容器内で砕いた硝酸カリウムの含む塩の粉末を溶解、攪拌することが好ましい。硝酸カリウム溶融塩のpHの調整は、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの水酸基を有する化合物を硝酸カリウム溶融塩に添加することにより行うことができる。
(除去工程)
図1(e)は、除去工程を説明するための説明図である。
イオン交換工程の後、イオン交換抑制膜2a・2bの一部または全てを強化ガラス基板1から除去する。 なお、図1(e)は、イオン交換抑制膜2a・2bの一部を強化ガラス基板1から除去した図である。イオン交換抑制膜2a・2bは、例えば、イオン交換抑制膜2a・2bを研磨して除去する物理的除去手段や、イオン交換抑制膜2a・2bをエッチングを用いて除去する化学的除去手段が挙げられる。エッチングによりイオン交換抑制膜2a・2bを除去すると、強化ガラス基板1の表面に損傷を与えずにイオン交換抑制膜2a・2bを除去することができる。そして、研磨によりイオン交換抑制膜2a・2bを除去すると、イオン交換抑制膜2a・2dのみを除去し、端面圧縮応力層1dを除去しないようにすることが可能となる。
本実施形態のように、イオン交換抑制膜2a・2bが酸化珪素を含有する膜である場合、フッ素を含む溶液、特にフッ酸やフッ化アンモニウム水溶液をエッチング液として用いることが好ましい。エッチング液としてフッ素を含む溶液を用いることで、イオン交換抑制膜2a・2bの除去時間を短縮することができる。なお、本実施形態では、イオン交換抑制膜2aとイオン交換抑制膜2bの両方をエッチングしているが、イオン交換抑制膜2aまたはイオン交換抑制膜2bの一方のみをエッチングしてもよい。イオン交換抑制膜2aとイオン交換抑制膜2bの両方をエッチングする場合は、強化ガラス基板1全体をエッチング液に浸漬すると良い。このように強化ガラス基板1全体をエッチング液に浸漬すれば、破損の原因となるマイクロクラックを減少させてさらに強度が向上した強化ガラス基板1が得られる。 また、エッチング液を用いる以外にも、ドライエッチングによりイオン交換抑制膜2a・2bを除去してもよい。
なお、本実施形態では、イオン交換抑制膜2a・2bの膜厚が、45nm以下となるまで除去している。イオン交換抑制膜2a・2bの膜厚が厚いと、強化ガラス基板1が反射光により着色する。イオン交換抑制膜2a・2bの膜厚が45nm以下であると、反射光による着色が目立たなくなる。特に、イオン交換抑制膜2a・2bの膜厚が0nm超であると、可視光の干渉により、イオン交換抑制膜2a・2bを完全に除去した場合よりも反射光による着色が少ない場合がある。そのため、イオン交換抑制膜2a・2bの膜厚が、0nm超35nm以下となるまで除去することが好ましく、10〜32nmとなるまで除去することがより好ましく、15〜30nmとなるまで除去することが更に好ましく、17〜25nmとなるまで除去することが最も好ましい。
また、後述するように、イオン交換抑制膜2a側及びイオン交換抑制膜2b側の反射彩度が1以下となる膜厚まで、イオン交換抑制膜2a・2bを除去することが好ましい。
なお、除去工程において、イオン交換抑制膜2a・2bの全てを除去するとともに、更に圧縮応力層1a・1bも除去すると、強化ガラス基板1の衝撃耐性が低下する場合があるため、圧縮応力層1a・1bの除去厚は、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることが更に好ましく、2μmであることが最も好ましい。 圧縮応力層1a・1bにマイクロクラックが存在する場合、これらを除去することで耐衝撃性が向上する。そのため、圧縮応力層1a・1bの除去厚は、0.05μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましく、0.3μm以上であることがさらに好ましく、0.5μm以上であることがさらに好ましく、1μm以上であることが最も好ましい。
強化ガラス基板1をエッチング液に浸漬させた場合に除去されるイオン交換抑制膜2a・2bの膜厚は、エッチング液の種類、濃度、温度、浸漬時間と相関関係があるため、予めエッチング液や浸漬条件を設定しておくとよい。
例えば、酸化珪素からなるイオン交換抑制膜2a・2bを、20℃のエッチング液(1質量%のフッ酸)に浸漬させた場合、イオン交換抑制膜2a・2bの除去速度は6.33nm/秒となるため、膜厚100nmのイオン交換抑制膜2a・2bを膜厚20nmまで除去する場合、強化ガラス基板1をエッチング液に12.6秒浸漬させるとよい。
なお、エッチング液に所定時間浸漬させた後、強化ガラス基板1にエッチング液が付着していると、必要以上にエッチングが進行するため、エッチング液に浸漬後、速やかに強化ガラス基板1を洗浄することが好ましい。強化ガラス基板1の洗浄は、例えば、強化ガラス基板1を水槽に浸漬させることにより行うことができる。
なお、イオン交換抑制膜2a・2bの除去速度が強化ガラス基板1の除去速度よりも大きくなるように、エッチング液の種類を選定することが好ましい。これにより、強化ガラス基板1の端面圧縮応力層1dが除去されることを抑制できる。また、イオン交換抑制膜2a・2bの除去速度が強化ガラス基板1の除去速度よりも大きくなるように、イオン交換抑制膜2a・2bや強化ガラス基板の材質を選定することが好ましい。
以下に、強化ガラス基板1をエッチングする方法について説明する。
図2は、第1の方法に使用されるエッチング装置20の概略図である。
なお、本装置は、圧縮応力層1aと圧縮応力層1bとを連通する開口部を有する強化ガラス基板1のエッチングに好適である。
エッチング装置20は、エッチング液が充満したエッチング液槽21を具備する。エッチング槽21は、箱型形状であり、エッチング液が充満している。エッチング液槽21の上方には、基板支持部材22が備えられている。基板支持部材22は、略水平に延伸する線状形状であり、エッチング液により化学変化を起こしにくい材質により構成されている。基板支持部材22は、上下移動可能なように構成されており、エッチング液槽21内まで移動可能である。また、エッチング装置20は、エッチング液槽21に並列するように、水が充満した水槽を具備しており、基板支持部材22は、エッチング液槽21内から水槽内まで移動可能なように構成されている。
エッチング装置20によりエッチング工程を実施する方法を説明する。
まず、強化ガラス基板1の開口部に基板支持部材22を通し、基板支持部材22の中央付近で吊り下げる。これにより、強化ガラス基板1は基板支持部材22により支持される。 基板支持部材22をエッチング液槽21内まで移動させることで、強化ガラス基板1は、エッチング液に浸漬される。そして、所定時間エッチング液に浸漬させ、エッチング液槽21から引き上げることにより、イオン交換抑制膜がエッチングされる。
その後、基板支持部材22を水槽内に浸漬することにより、強化ガラス基板1に付着したエッチング液が除去される。その後、強化ガラス基板1は乾燥工程や次工程に搬送される。
第1の方法に使用されるエッチング装置20は、基板支持部材22自身が、強化ガラス基板1のイオン交換抑制膜2a・2bを覆わないように構成されているため、イオン交換抑制膜2a・2bを均一に除去できる。
図3は、第2の方法に使用されるエッチング装置30の概略図である。エッチング槽31、基板支持部材32及び水槽を備えていることは第1の方法のエッチング装置20と同じであるが、エッチング装置30は、基板傾斜部材33を具備する。基板傾斜部材33は、基板支持部材32に吊るされた強化ガラス基板1を傾斜させるための部材である。具体的に説明すると、第1の方法に使用されるエッチング装置20の場合、強化ガラス基板1の4つの端面が鉛直方向及び水平方向に延びた状態で基板支持部材22に吊るされているのに対して、第2の方法に使用されるエッチング装置30の場合、基板傾斜部33が、強化ガラス基板1の鉛直方向に延びる端面に当接して、端面を押し上げている。そのため、図3に示すように、強化ガラス基板1の4つの端面が、鉛直、水平方向に対して傾斜している。そのため、エッチング液槽32から引き上げ、水槽内まで移動させる際に、エッチング液が強化ガラス基板1から滴り落ちやすくなり、エッチング液槽21から引き上げられてから水槽に浸漬される間に、強化ガラス基板1が必要以上にエッチングが進行されることを抑制できる。
第1・2の方法は、開口部を有する強化ガラス基板1のエッチングに使用できる。強化ガラス基板1が開口部を有さない場合、基板支持部材22・32として、例えば、強化ガラス基板1の上下端面または左右端面を挟持する基板支持部材を用いても良い。また、強化ガラス基板1の上下左右端面全てを挟持したり、上下左右の内の3つの端面を挟持する基板支持部を用いてもよい。なお、強化ガラス基板1の端面を挟持する基板支持部材を用いる場合、損傷を防ぐため、可能な限り端面との接触面積を減らす構造とすることが好ましい。また、基板支持部材は、イオン交換抑制膜2a・2bを覆わないように挟持する構成とすることが好ましい。
この他にも、例えば、スプレーやロール、刷毛等を用いてエッチング液をイオン交換抑制膜に付着させてもよい。
(その他工程)
上記の工程以外にも、他の工程を有していてもよい。例えば、成膜工程前に、事前に風冷強化や化学強化処理を行い、薄い圧縮応力層を形成してもよい。
また、エッチング工程後、硬質膜、アンチグレア膜、反射防止膜、着色膜等を設けたり、サンドブラスト等による処理を行ったりする表面処理工程を設けても良い。
また、強化ガラス基板1の形状を電子機器に搭載される形状に仕上げる仕上げ工程を設けてもよい。
(強化ガラス基板)
次に、本実施形態の強化ガラス基板1について説明する。強化ガラス基板1は、第1・第2の圧縮応力層1a・1bと、これらに接続される端面圧縮応力層1dを有する。
第1・第2の圧縮応力層1a・1bの応力深さをDT、端面圧縮応力層1dの応力深さをDHとすると、DT<DHとなる。DT/DHの値は、好ましくは0.1〜0.99、0.1〜0.7、0.1〜0.5、0.1〜0.45、0.15〜0.45、特に0.2〜0.4が好ましい。DT/DHの値を上記範囲にすれば、端面圧縮応力層1dの応力深さが適正化されて、内部引っ張り応力を不当に上昇させずに、強化ガラス基板1の機械的強度を高めることができる。
第1・第2の圧縮応力層1a・1bの応力深さは、強化ガラス基板1の厚みが0.5mm以下の場合、好ましくは50μm以下、45μm以下、35μm以下、30μm以下、25μm以下、20μm以下、15μm以下、特に好ましくは10μm以下である。一方、板厚が0.5mmより大きい場合、第1・第2の圧縮応力層1a・1bの応力深さは、好ましくは100μm以下、80μm、60μm、50μm以下、45μm以下、特に好ましくは35μm以下であり、下限範囲は、好ましくは5μm以上、10μm以上、15μm、以上、20μm以上、25μm以上、特に好ましくは30μm以上である。
端面圧縮応力層1dの応力深さは、好ましくは10μm以上、15μm以上、20μm以上、25μm以上、30μm以上、35μm以上、40μm以上、45μm以上、50μm以上、55μm以上、60μm以上、80μm以上、100μm以上、130μm以上、150μm以上、180μm以上、特に好ましくは200μm以上である。端面には、製造工程での取り扱い時、或いは端面加工(面取り加工)時に深い傷が形成され易い。端面圧縮応力層1dの応力深さが10μm未満であると、これらの傷を起点として、強化ガラス基板1が破損し易くなり、機械的強度を高めることが困難になる。
第1・第2の圧縮応力層1a・1bの圧縮応力値は、好ましくは50MPa以上、100MPa以上、200MPa以上、300MPa以上、400MPa以上、特に500MPa以上である。主表面の圧縮応力値が大きい程、強化ガラス基板1の機械的強度が高くなる。なお、第1・第2の圧縮応力層1a・1bの圧縮応力値の上限は、好ましくは1200MPa以下、特に1000MPa以下である。このようにすれば、内部引っ張り応力が不当に上昇する事態を回避し易くなる。
端面圧縮応力層1dの圧縮応力値は、好ましくは300MPa以上、400MPa以上、500MPa以上、600MPa以上、700MPa以上、800MPa以上、900MPa以上、特に1000MPa以上である。端面圧縮応力層1dの圧縮応力値が大きい程、強化ガラス基板1の機械的強度が高くなる。
第1・第2の圧縮応力層1a・1b上には、イオン交換抑制膜2a・2bが配されている。イオン交換抑制膜2a・2bは、上述の成膜工程において形成された、例えば、金属、金属酸化物膜、金属窒化物膜、金属炭化物膜、金属酸窒化物膜、金属酸炭化物膜、金属炭窒化物膜などにより構成されている。なお、イオン交換工程を経ているため、イオン交換抑制膜2a・2bには、例えば、Na、K、Liのようなイオン交換液やガラス基板に含まれる成分も含まれる。
イオン交換抑制膜2a・2bの膜厚は、45nm以下である。そのため、反射光による着色が目立たなくなる。
また、イオン交換抑制膜2a・2bの膜厚が0nmより大きく、35nm以下であると、膜厚の薄いと光の干渉により、イオン交換抑制膜2a・2bを成膜しない場合よりも反射光による着色が少なくなる。
強化ガラス基板1は、イオン交換抑制膜2a側の反射彩度が1以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましい。
イオン交換抑制膜2a側からの光の反射彩度C*1は、以下のように求めることができる。
(a*、b*は、JIS Z8781−4(2013)で定義された値であり、標準イルミナントとしてD65、10度視野等色関数を用いて計算した。)
また、反射彩度C*1は、イオン交換抑制膜2a側から照射されたときのイオン交換抑制膜2aのある面の反射彩度を表わし、イオン交換抑制膜2b面からの反射光はカットしている。例えば、顕微分光測定機 USPM−RU−III(オリンパス社製)等を用いることにより、イオン交換抑制膜2a側から主面に対して垂直に入射した光の反射彩度C*を測定することができる。
また、強化ガラス基板1は、イオン交換抑制膜2b側の反射彩度が1以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましい。
イオン交換抑制膜2b側からの光の反射彩度C*2は、以下のように求めることができる。
(a*、b*は、JIS Z8781−4(2013)の定義された値であり、標準イルミナントとしてD65、10度視野等色関数を用いて計算した。)
また、反射彩度C*2は、イオン交換抑制膜2b側から照射されたときのイオン交換抑制膜2bのある面の反射彩度を表わし、イオン交換抑制膜2a面からの反射光はカットしている。例えば、顕微分光測定機でイオン交換抑制膜2b側から主面に対して垂直に入射した光の反射彩度C*を測定することができる。
試料No.1は以下のようにして作製した。先ず、ガラス組成として質量%で、SiO 61.6%、Al 19.6%、B 0.8%、NaO 16%、KO 2%を含有するようガラス原料を混合および溶融し、オーバーフローダウンドロー法を用いて成形して厚さ0.4mmのガラス基板を得た。次いで、イオン交換抑制膜として、厚み100nmの酸化珪素膜を上記得られたガラス基板の第1、2主面上にスパッタリング法を用いて形成した後、スクライブ割断によって65×130mm寸法の矩形状に切断した。次いで、ガラス基板を430℃の硝酸カリウム溶融塩に5時間浸漬してイオン交換したのち、純水により硝酸カリウム溶融塩を除去し、自然乾燥させた。
そして、20℃のエッチング液(1質量%のフッ酸)に浸漬させ、膜厚が40nmとなるまで酸化珪素膜を除去した。
試料No.2は、20℃のエッチング液(1質量%のフッ酸)に浸漬させ、膜厚が30nmとなるまで酸化珪素膜を除去した以外は、試料No.1と同じ方法で作成した。
試料No.3は、20℃のエッチング液(1質量%のフッ酸)に浸漬させ、膜厚が20nmとなるまで酸化珪素膜を除去した以外は、試料No.1と同じ方法で作成した。
試料No.4は、20℃のエッチング液(1質量%のフッ酸)に浸漬させ、膜厚が10nmとなるまで酸化珪素膜を除去した以外は、試料No.1と同じ方法で作成した。
試料No.5は、20℃のエッチング液(1質量%のフッ酸)に浸漬させ、膜厚が0nmとなるまで酸化珪素膜を除去し、かつ、圧縮応力層が除去されないようにした以外は、試料No.1と同じ方法で作成した。
試料No.6は、20℃のエッチング液(1質量%のフッ酸)に浸漬させ、膜厚が50nmとなるまで酸化珪素膜を除去した以外は、試料No.1と同じ方法で作成した。
試料No.7は、20℃のエッチング液(1質量%のフッ酸)に浸漬させ、膜厚が60nmとなるまで酸化珪素膜を除去した以外は、試料No.1と同じ方法で作成した。
上記のようにして得た各ガラス試料について、下記測定試験を行った。
(反射彩度測定)
試料No.1〜7について、第1及び2主面側から波長380〜780nmの光を照射し、各波長の光の反射率と測定するとともに、第1及び2主面側からの反射彩度を測定した。
波長380〜780nmの光の反射率は、USPM−RU−III(オリンパス社製)により測定した。反射彩度は、JIS Z8781−4(2013)に記載の方法で測定した。なお、標準イルミナントとしてD65、10度視野等色関数を用いて計算した。
図4に、エッチング後のイオン交換抑制膜の膜厚と第1及び2主面側からの反射彩度の相加平均値との関係を示す。
図4に示す通り、イオン交換後に、イオン交換抑制膜を膜厚が0nm超40nm以下となるまで除去することにより、反射彩度が0.8以下となり、着色の少ない強化ガラス基板が得られた。また、イオン交換後に、イオン交換抑制膜を膜厚が0nm超35nm以下となるまで除去することにより、反射彩度が、イオン交換抑制膜を完全に除去した場合(膜厚0nm)よりも低くなり、着色の少ない強化ガラス基板が得られた。
本発明の強化ガラス板およびその製造方法は、タッチパネルディスプレイ等に用いられるガラス基板およびその製造方法等として有用である。
1 強化ガラス基板
1a,1b 第1,第2の圧縮応力層
2a,2b イオン交換抑制膜
11 ガラス基板
11a,11b 第1,第2の主面

Claims (12)

  1. 主面を有するガラス基板の前記主面上にイオン交換抑制膜を形成する成膜工程と、
    前記ガラス基板に圧縮応力層を形成するイオン交換工程とを備える強化ガラス基板の製造方法であって、
    前記イオン交換工程後に、前記イオン交換抑制膜を膜厚が45nm以下となるまで除去する除去工程を有することを特徴とする強化ガラス基板の製造方法。
  2. 前記除去工程において、前記イオン交換抑制膜を膜厚が0nm超45nmとなる以下まで除去することを特徴とする請求項1に記載の強化ガラス基板の製造方法。
  3. 成膜工程後、かつイオン交換工程前に、切断加工、孔あけ加工、および端面加工の少なくとも何れかの加工を前記ガラス基板に施すことによって前記イオン交換抑制膜に被覆されない端面を有するガラス基板を得る加工工程を有することを特徴とする請求項1または2に記載の強化ガラス基板の製造方法。
  4. 前記除去工程において、前記イオン交換抑制膜が配された主面での反射彩度が1以下となるように前記イオン交換抑制膜を除去することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の強化ガラス基板の製造方法。
  5. 前記除去工程において、前記イオン交換抑制膜をエッチングにより除去することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の強化ガラス基板の製造方法。
  6. 前記イオン交換抑制膜は、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、炭化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化スズ、酸化亜鉛、及び酸化インジウムの無機膜の群から選択された少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の強化ガラス基板の製造方法。
  7. 前記除去工程において、前記イオン交換抑制膜の全てを除去するとともに、更に前記圧縮応力層を、20μm以下除去することを特徴とする請求項1に記載の強化ガラス基板の製造方法。
  8. 主面を有するガラス基板の前記主面上にイオン交換抑制膜を形成する成膜工程と、
    前記ガラス基板に圧縮応力層を形成するイオン交換工程とを備える強化ガラス基板の製造方法であって、
    前記イオン交換工程後に、前記イオン交換抑制膜が配された主面での反射彩度が1以下となる膜厚まで前記イオン交換抑制膜を除去する除去工程を有することを特徴とする強化ガラス基板の製造方法。
  9. 圧縮応力層を有し、端面の応力深さが、主面の応力深さより大きい強化ガラス基板であって、
    前記主面上に、膜厚が0nm超45nm以下のイオン交換抑制膜を有することを特徴とする強化ガラス基板。
  10. 前記イオン交換抑制膜の膜厚が0nm超35nm以下であることを特徴とする請求項9に記載の強化ガラス基板。
  11. 前記イオン交換抑制膜が配された主面での反射彩度が1以下であることを特徴とする請求項9または10に記載の強化ガラス基板。
  12. 前記イオン交換抑制膜が配された主面での反射彩度が0.5以下であることを特徴とする請求項9または10に記載の強化ガラス基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109748518A (zh) * 2017-11-02 2019-05-14 深圳市东丽华科技有限公司 一种强化玻璃及其制造方法

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