JP2635739B2 - 窒素酸化物除去用触媒およびその製造方法 - Google Patents

窒素酸化物除去用触媒およびその製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は窒素酸化物の除去用触媒に係り、特に通風損
失が少なく、煤あるいは灰の堆積が生じにくい排ガス中
の窒素酸化物除去用触媒とその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
一般に排ガス中の窒素酸化物を除去する触媒(以下、
単に脱硝触媒と呼ぶ)には、酸化チタン(TiO2)とモリ
ブデン(Mo)、タングステン(W)、バナジウム(V)
などの酸化物とからなる触媒組成物を、粒状、板状、ハ
ニカム状などに成形したものが用いられている。なかで
も重油や石炭などを燃料にするボイラ排ガスの場合に
は、煤や灰を多量に含むガスを低圧損で処理する必要が
あり、板状触媒を組み合わせたものや、開口率の大きい
ハニカム状触媒などのガスの流れ方向に平行な通路を有
するものが用いられる。
かかる触媒としては、金属基板に触媒成分を塗布した
もの(特公昭61−28377号)、触媒成分をハニカム状に
押出成形したもの(特公昭60−3856号など)あるいは、
セラミックス繊維製マットや紙をハニカム状に成形後触
媒前駆体物質を被覆したもの(特公昭58−11253号等)
等の数多くのものが知られており、既に実用に供されて
いる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術のうち、金属基板に触媒を塗布したもの
は、平板部分が多いため圧損が小さく灰が堆積しにくい
という点では優れたものであるが、重量が大きくまた金
属基板が酸化されるという難点があった。
また、触媒成分を押出し成形法によってハニカム状に
成形したものは、その成形技術の限界によって成形体が
150mm角程度以下の寸法に制限され、数100m3を必要とす
る大容量脱硝装置に充てんするためにはそれらの小型形
状のものを多数組み合わせする必要があった。また、成
形体が衝撃力に弱いという問題があった。
さらに、無機繊維布、紙等の表面に触媒成分を被覆す
るものは、衝撃力に強い反面、機械的強度が低く排ガス
中に含まれる灰粒子によって摩耗するという問題を有し
ていた。
本発明の目的は、上記従来技術の有するかかる問題点
をなくし、大容量脱硝装置に適する高強度、大型構造体
を得ることのできる触媒とその製造法を提供するにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記した本発明の目的は、(1)酸化チタンおよびバ
ナジウム、モリブデン、タングステンの酸化物の一種以
上を含む触媒組成物と無機繊維とからなる窒素酸化物除
去用触媒において、該触媒組成物が無機繊維の形成する
間隙を埋めており、触媒組成物/無機繊維の重量比が3
以上で、かつ触媒の見かけ密度が0.8g/cm3以上であるこ
とを特徴とする窒素酸化物除去触媒、および、(2)50
0〜650℃にてあらかじめ焼成して得た酸化チタンおよび
バナジウム、モリブデン、タングステンの酸化物の一種
以上を含む触媒組成物を20μ以下のものが90%以上とな
るように粉砕し、得られた粉末に水を加えてスラリ状に
し、これを無機繊維製シート状物に含浸後、多孔金型の
間に挟んで乾燥して成形し、この成形物を300〜650℃に
て焼成することを特徴とする窒素酸化物除去用触媒の製
造方法、および、(3)無機繊維製シート状物に触媒組
成物を含侵したのち乾燥し焼成する窒素酸化物除去用触
媒の製造方法において、あらかじめ触媒組成物スラリを
無機繊維製シート物に含浸後成形乾燥し焼成したもの
と、触媒組成物スラリを含浸したままの無機繊維製シー
トとを交互に積層したのち乾燥し、焼成することを特徴
とする一体形窒素酸化物除去用触媒の製造方法によって
達成される。
〔作用〕
上記した従来技術の問題点解決手段の(1)および
(2)のごとく、あらかじめ焼成した触媒成分をスラリ
状態でセラミックス製シートに上記比率で含浸後乾燥、
焼成するセラミックス製シートの繊維間隙を触媒成分酸
化物粒子が埋めつくした極めて緻密な触媒体を形成す
る。この状態は緻密な触媒成分層を互いに絡み合ったセ
ラミックス繊維が補強した状態に相当し、得られる触媒
体の強度は、セラミックスシート表面にあらかじめ焼成
しない単なる触媒成分をコーティングしたものや触媒成
分溶液を含浸せしめたものに比べ飛躍的に高い。
さらに、上記発明では、セラミックス製シート状物質
に触媒成分のスラリを含浸後、多孔金型に挟んで乾燥す
る方法を採ったが、このようにすると金型によって所定
形状を付与された状態のまま、上記した緻密な高強度な
ものに変る。このため、任意の形状で大きな寸法の触媒
体を容易に得ることが可能になり、前述した灰の堆積の
少ない板状形状の触媒体をも簡単な工程で製造できる。
また、上記した問題の解決手段(3)によると、第6
図に示すように触媒組成物スラリを含んだ無機繊維シー
ト4が可塑性を有するためあらかじめ成形した触媒体5
の接合部では図に示すような変形を生じる。これととも
に含んでいたスラリ6がシート内部から外に押出される
が、このスラリ中の水をあらかじめ成形した触媒5が吸
い取るため急速に固化し、接着剤の役割を果たす。この
ため特別な接着剤を使用することなく、一体構造を形成
できる上、スラリを含んだシート状物質の変形部に成形
体の接触部が埋め込まれた形になるため極めて高強度の
一体化を実現できる。
また、無機繊維製シートを直ちにコルゲート加工する
場合に比べ、波形加工した物の強度が高いので大口径流
路形成が容易にできる。
さらに無機バインダで強化し波形等に加工した既成形
体と平板とを交互に積層する従来の場合には、両者が剛
性を持っているため、、第7図のように接点の離れた部
分10が多数発生するが、本発明の方法では、そのような
ことがない。
〔実施例〕
本発明になる触媒の構成およびその製造法をさらに詳
細に示す。
第1A図は、触媒成分スラリを含侵されるセラミックス
繊維製シート状物の電子顕微鏡による断面写真例であ
る。本写真はSiO2とAl2O3比が約0.5重量/重量のシリカ
−アルミナ系セラミックス繊維を抄造したものであり、
数μ〜数10μの間隙が多数存在する。また第1B図は、上
記基材に触媒成分酸化物スラリを含浸後乾燥および焼成
したものの同倍率の断面写真例である。本図から明らか
なように本発明の触媒では、セラミックス繊維間隙をく
まなく緻密な触媒成分酸化物層が埋めている。この状態
においては、成形体の強度は極めて高いうえ、触媒強度
に影響するクラックの発生も少なく、高強度大型触媒成
形体に適したものである。
この状態を実現するためには、セラミックス繊維製シ
ート状物としては、前述のシリカ−アルミナ系、シリカ
繊維、あるいは無機ガラス繊維などの無機繊維を抄造し
たペーパー、マット、布などを用いることができる。触
媒酸化物スラリを含浸し十分な強度を得るためには、シ
ート状物質の厚味を0.25以上好ましくは0.5mm以上に選
定する。逆にスラリ深部まで含浸されるためには2.5mm
以下に選ぶのがよい。
また重油排ガス等のイオウ酸化物を含有する排ガスの
処理に使用する場合にはSiO2/Al2O3比の大きな材質のも
のを用いる方が好結果を与える。
他方、触媒成分酸化物のスラリの含浸は、次のような
方法で行われる。まず、あらかじめメタチタン酸スラリ
にモリブデン酸アンモン、パラタングステン酸アンモン
あるいはメタバナジン酸アンモンなどの塩類1種以上を
加え、加熱混練し、得られたペーストを乾燥後500℃以
上650℃以下望ましくは、520〜600℃で焼成する。これ
を微粉砕機により20μ以下が90%以上になるように粉砕
し、得られた粉末に水を加えて触媒成分が約50〜60wt%
スラリを調製する。このスラリ中にセラミックス繊維製
シートを浸漬し、触媒成分酸化物スラリで繊維間隙を埋
める。この操作は通常の含浸操作ならどのようなもので
あってもよいがシート中の空気が抜けやすいように、空
気脱気やローラ等による間けつ的圧縮操作等を併用して
進めることが好結果を与える。
触媒成分を含浸されたシートは、所定形状を有する金
型の間に挟んで、風乾もしくは加熱乾燥し所定形状の触
媒成形体を得る。金型はパンチングメタル、ラス板状メ
タルあるいはセラミックス製フォームなどの多孔性のも
のが乾燥の点で有利である。また触媒形状は平板、波
形、凹凸状などどのようなものであっても良いが、第2
図に示すような一定ピッチで板の上下にZ形の波形を与
えた形状のものが平板部の多い触媒集合体を得やすく、
ダストを含有する排ガス処理に適したものになる。
このようにして得られた触媒はさらに300〜600℃で焼
成して実用に供される。
本発明の触媒は、前述のごとく大形触媒構体エレメン
トとして用いるものであり、高い強度が要求されるもの
である。これは、触媒成分酸化物の緻密層でセラミック
ス繊維間隙を埋めることによって実現される。すなわ
ち、互いに絡った繊維間隙が緻密な触媒酸化物で固定さ
れることにより、繊維強化プラスチックのごとく、強い
強度と一定の弾性を有する触媒成形体を得ることがで
き、従来の押出成形法によるハニカム状触媒において問
題となった脆さを解消できる。
このような繊維強化された触媒体とするためには、繊
維間隙を可能な限り緻密な触媒酸化物層で埋めることが
必須の条件である。本発明者らの研究によれば、強化の
程度の指標として触媒酸化物/繊維重量比および触媒の
見かけ密度とを用いることを見出した。すなわち、実用
上十分な強度を有するまで強化されるためには、触媒酸
化物/繊維>3(重量/重量)、かつ、見かけ密度>0.
8(g/cc)以上に選定することが必要である。すなわ
ち、繊維間隙を埋めた触媒酸化物層が多孔質の場合は十
分な強度が得がたくその場合には、触媒成形体の見かけ
密度は小さくなる。また、成形体中の繊維の割合が大き
い場合は、触媒酸化物/繊維比が小さい場合に相当し、
触媒酸化物によるセラミックス繊維の固定効果が小さく
高強度が得にくいことになる。
上記した特定範囲の触媒を実現するために採用した本
発明になる触媒の特徴は、触媒成分をあらかじめ混練
後、これを500℃〜650℃の高温で予備焼成したものを20
μ以下の粒径が90%以上になるように微粉砕して得た粉
を用いて45〜60wt%という高濃度スラリを調製して含浸
する点にある。あらかじめ高温で予備焼成することによ
って触媒原料は酸化物に変化し、含浸後の体積変化が小
さく緻密なものが得やすい。さらに、一般に触媒原料と
して用いられる硫酸法による酸化チタンもしくはメタチ
タン酸には多量のSO4を含有しているが、このSO4イオン
が存在するとスラリ中の粒子の凝集が起こりセラミック
ス繊維中への触媒酸化物粒子の含浸を阻害する。高温予
備焼成は、このSO4イオンを飛散させ低粘度で含浸性の
良いスラリを作りやすい原料を与える。特に、この作用
は触媒成分中のモリブデン化合物が含まれている場合に
顕著である。最適な予備焼成温度の目やすとして触媒中
のSO4量を用いることができ、この値が1.5wt%以下にな
るようにすることが望ましい。
また粉砕方法は、乾式、湿式のいずれの方法であって
もよいが、粗粒が多いとこれが基材表面部に析出し、深
部までスラリが含浸されなくなる。このため20μ以下90
%以上、望ましくは98%以上になるように粉砕する必要
がある。
さらに、スラリの濃度は高いほど緻密な触媒を得やす
く望ましいが、濃度に比例して粘度も上昇するため、45
〜65wt%、通常50〜60wt%の濃度のものを用いるのが良
い。なお、触媒成分に水を加えて45〜65wt%のスラリを
作るさいに、無機または、有機の分散材を加えてスラリ
の粘度を下げると好結果を得ることができる。
以上、無機繊維に触媒成分を含浸させて強度と活性の
高い板状触媒を得る方法について説明したが、得られた
板状触媒を所定間隔を保って積層し触媒ブロックを形成
するにさいし、高強度の触媒ブロックを得るためには、
板状触媒どうしを相互に強固に結合し一体化することが
必要である。以下一体構造の触媒の製造法について説明
する。
一体構造の触媒を得るため、まず上記無機繊維製シー
ト状物質は、スラリ中浸漬され、真空脱気あるいはスラ
リ中に加圧ローラを通過させる方などにより繊維間隙を
スラリで埋められる。得られたシートを、多孔板などで
作られた金型間に挟んで100〜180℃に乾燥し、第8図に
示すような種々の形状に成形体を得る。この時、テフロ
ン、テトロン、ナイロンなどの数100メッシュの網を金
型との間に入れて触媒を挟むと金型への付着が防止で
き、乾燥も阻害されない。得られた成形体は最後に焼成
され、触媒の一体化のさいに用いられる。
一方、無機繊維製シート状物質に上記と同様の方法で
触媒組成物スラリを含浸させたシートを作成し、これと
上記焼成した成形触媒とを交互に積層する。所定量の積
層が終了したら、必要に応じて積層方向に加圧し、接着
をより完全なものにする。このように一体化した構造体
は、必要ならば外周を上記と同じスラリを含浸せしめた
シート状物で包んで補強する。これを通気乾燥などによ
って乾燥後所定温度で焼成し触媒構造体を得る。
以下、本発明を具体的実施例によって詳細に説明す
る。
実施例1 酸化チタン(TiO2)を30wt%含有する硫酸法によるメ
タチタン酸スラリ60kgに、メタバナジン酸アンモニウム
(NH4VO3)0.62kgおよびモリブデン酸アンモニウム
((NH46Mo7O24・4H2O)4.51kgを加え、140℃に加熱
したニーダを用いて水を蒸発させながら混練した。得ら
れた水分38%のペースト状物質を押出し造粒機により3
φの柱状に成形し、ついで流動層乾燥機により乾燥し
た。この乾燥顆粒を空気を流しながら、560℃で2h焼成
後、ハンマミルを用いて20μ以下が90%以上の粒度にな
るように粉砕し触媒微粉を得た。
上記触媒粉5kgに水4kgを加え、スクリュー型の撹拌機
で10分間撹拌し濃度約55wt%/のスラリを得た。本スラ
リ中にSiO2/Al2O3重量比約1.0のセラミックスペーパー
(イソライト(株)製ペーパーLS 厚味1mm、繊維重量1
20g/m2)を500角に切断したものを浸漬し、ゴムローラ
で押えつけて脱気しながら触媒スラリを含浸した。触媒
スラリを含浸したペーパーは、表面の余剰なスラリをか
き取り、しかる後、SUS304製メタルラス(金属薄板に点
線状のスリットを多数千鳥状に入れ、スリットの切れ目
に直角方向に引張って得た網目状板)を加工して得た等
ピッチでZ形の山形を有する二枚の多孔金型に第3図の
ように挟んで180℃で1h乾燥した。その後、金型を取り
はずし、空気中で550℃で2h焼成して触媒成形体を得
た。
実施例2〜4 実施例1におけるスラリ濃度55wt%を、45、50、およ
び60wt%にして、他は同様の方法で触媒を調製した。
実施例5〜8 実施例の1〜4のセラミックス繊維を日本無機(株)
製HMC−100(SiO2/Al2O3≒0.5)厚味1mm、重量200g/m2
に変え、他は同様の方法で触媒を調製した。
比較例1〜4 実施例1〜4において、触媒スラリの含浸時のゴムロ
ーラによる脱気操作を省略し、セラミックスペーパーを
スラリ中に浸漬後直ちに乾燥する以外は同様の方法で触
媒を調製した。
比較例5および6 実施例5におけるスラリ濃度を35およい40wt%に変え
て触媒を調製した。
実施例1〜8と比較例1〜6の各触媒および用いた基
材について厚味と100角の大きさの重量を測定し触媒成
分/無機繊維重量比と見かけ密度を次式で算出した。
また、触媒を幅15mm、長さ50mmに切断し、精密引張試
験機により、引張りによる破断強度を求めた。
得られた結果を第1表にまとめて示す。この結果から
明らかなように本発明になる実施例触媒は触媒成分/無
機繊維比が3.0以上でかつ見かけ密度は0.8以上になって
おり、比較例のものに比べ高強度のものが得られてい
る。なお、実施例1の触媒とセラミックス基材の断面を
電子顕微鏡で見たものが前述の第1図bおよびaであ
る。これは本発明の方法によれば緻密な触媒成分が無機
繊維間隙を埋めて第1表に示す高強度な触媒を実現して
いること示すものである。
実施例9 実施例1のモリブデン酸アンモニウムに変えてパラタ
ングステン酸アンモニウム((NH410H10W12O46・6H
2O)を6.91kgを用い、他は同様にして触媒を得た。
比較例7 比較例1のモリブデン酸アンモニウムに変えてパラタ
ングステン酸アンモニウムを6.91kgを用いる他は同様の
方法で触媒を調製した。
実施例9および比較例7の触媒について、前記実施例
1と同様の試験を行った。得られた結果を第1表に合せ
て示した。このように触媒組成を変化させた場合にも、
本発明の効果は同様である。
実施例10 実施例1の触媒を幅150mm、長さ300mmに切断し、第4
図のように難鋼製枠に組み込んで触媒構造体を構成し
た。本触媒構造体一個を用い下記条件で脱硝性能および
通風損失測定した。
排ガス種類:A重油燃焼排ガス NH3/NOX:1.0モル/モル ガス量:50Nm3/h LV:1.4m/s 温度:350℃ このとき、脱硝率は98%以上、圧力損失は約2mmH2O/m
と優れたものであった。
次に本発明になる一体形触媒構造体につき、具体的実
施例により説明する。
実施例11 酸化チタン(TiO2)含有量30wt%の硫酸法によるメタ
チタン酸スラリ60kgに、メタバナジン酸アンモニウム
(NH4VO3)0.62kgとモリブデン酸アンモニウム((N
H46Mo7O24・4H2O)を4.51kgとを加え、140℃に加熱し
たニーダで水を蒸発させながら混練した。得られた水分
38%のペースト状物質を押出造粒機で3φの柱状に成形
し、次に流動層乾燥機で乾燥した。この顆粒状触媒を空
気を流しながら560℃で2時間焼成後、ハンマミルを用
いて粉砕し触媒微粉を得た。上記触媒10kgに水8kgを加
え、撹拌機で撹拌して粘度15cpのスラリを得た。この中
に、イソライト(株)製セラミックスペーパー(厚味1m
m、重量g/m2)を500角に切断したものを90メッシュテト
ロン製網に挟んで浸漬し、ゴムローラで押さえつけて脱
気しながら触媒スラリを含浸した。これをテトロン網に
挟んだまま取り出しピッチ20mm、山高10mmの波形形状を
有するSU304ラス板製多孔金型の間に挟んで180℃で2h乾
燥して成形した。さらに金型およびテトロン網を取り除
いた後550℃で2時間焼成して成形体を得た。
これとは別に上記方法と同様にしてセラミックスペー
パーに触媒スラリを含浸したシートを作成した。これと
上規成形体を交互に各々40枚積み重ね、最後に合金製の
当板を置いて10kgの加重をかけながら大気乾燥した。得
られた一体化物をさらに500℃で2時間して第5図に示
すような一体構造の触媒構造体を得た。
実施例12 実施例11の金型に替えて第9図の形状を有する金型を
用いて触媒を成形し、これを9段同様の方法で積み重
ね、第10図のような触媒構造体を得た。
比較例8および9 実施例11および12におけるスラリを含浸したシートに
替え、これをさらに乾燥、焼成して得た平板状物を用
い、これと各成形触媒の山部に接着剤としてシリカゾル
を塗布したものとを交互に積重ねる以外は同様の方法で
触媒を得た。
上記実施例11および12と比較例8および9とを比較し
てみると実施例のものは一体構造物として十分の強度を
有しており運搬等の操作によって接合部がはなれること
はなかった。また、各山部は平板部に完全に接合してい
た。
これに対し、比較例の触媒は平板の剛性のため第7図
のように山部と平板部が触媒しない所が多数個所存在
し、また接合部の強度も低かった。このため運搬時の衝
撃によって接合部が離れ破壊した、特に比較例9のもの
は横方向の外力に弱く持ち上げようとすると変形し、接
合部の離脱が多数生じた。
〔発明の効果〕
本発明の板状触媒は、触媒自体が弾性を有しかつ自己
で形状を保持できる高強度脱硝触媒を容易に得ることが
できる。このため第4図の例のごとく触媒を組み込むこ
とによって、圧力損失が少なくダストの堆積しにくい形
状の触媒構造体を形成することが可能である。
また、金型の形状を変えれば、波型、凸凹状などどの
ような形状のものでも作ることができ、大きさも自由で
ある。このため500角を超える大形の触媒構体を種々の
流路形状で作ることが可能である。これにより、排ガス
性状であった形状と寸法の触媒を用いた排ガス処理装置
が設計できる。
また、本発明になる一体形窒素酸化物除去用触媒によ
れば、流路断面積の大きな、高強度、高剛性の大形触媒
構造体を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1A図は本発明で用いた無機繊維製シート状物質の顕微
鏡写真で見た断面図、第1B図は本発明によって得られた
触媒の顕微鏡写真で見た断面図、第2図は本発明になる
触媒成形体の斜視図、第3図は触媒成形法の説明図、第
4図は本発明になる板状触媒を積み重ねた積層触媒構造
体の断面図、第5図は本発明になる一体形触媒構造体の
断面図、第6図は本発明の一体形触媒構造体の形成原理
説明図、第7図は従来の積層板状触媒の問題点説明図、
第8図は本発明の実施例触媒形状図、第9図は実施例12
で使用した金型断面図、第10図は一体形触媒構造体の断
面詳細図である。 1……触媒、2……多孔金型、3……触媒保持枠、4…
…触媒スラリ含浸無機繊維製シート、5……成形焼成し
た触媒、6……触媒スラリ、7……平板触媒、8……ラ
ス板製金型、10……空隙点。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新田 昌弘 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日 立株式会社呉研究所内 (72)発明者 小西 邦彦 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日 立株式会社呉研究所内 (72)発明者 松田 敏昭 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日 立株式会社呉研究所内 (56)参考文献 特開 昭55−155745(JP,A) 特開 昭55−155744(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化チタンおよびバナジウム、モリブデ
    ン、タングステンの酸化物の一種以上を含む触媒組成物
    と無機繊維とからなる窒素酸化物除去用触媒において、
    該触媒組成物が無機繊維の形成する間隙を埋めており、
    触媒組成物/無機繊維の重量比が3以上で、かつ触媒の
    見かけ密度が0.8g/cm3以上であることを特徴とする窒素
    酸化物除去用触媒。
  2. 【請求項2】500〜650℃にてあらかじめ焼成して得た酸
    化チタンおよびバナジウム、モリブデン、タングステン
    の酸化物の一種以上を含む触媒組成物を20μ以下のもの
    が90%以上となるように粉砕し、得られた粉末に水を加
    えてスラリ状にし、これを無機繊維製シート状物に含浸
    後、多孔金型の間に挟んで乾燥して成形し、この成形物
    を300〜650℃にて焼成することを特徴とする窒素酸化物
    除去用触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項(2)において、無機繊維製シート
    状物質に含浸するスラリの固体濃度を45重量%以上65重
    量%以下としたことを特徴とする窒素酸化物除去用触媒
    の製造方法。
  4. 【請求項4】無機繊維製シート状物に触媒組成物を含浸
    したのち乾燥し焼成する窒素酸化物除去用触媒の製造方
    法において、あらかじめ触媒組成物スラリを無機繊維製
    シート物に含浸後成形乾燥し焼成したものと、触媒組成
    物スラリを含浸したままの無機繊維製シートとを交互に
    積層したのち乾燥し、焼成することを特徴とする一体形
    窒素酸化物除去用触媒の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項(4)において、無機繊維製シート
    をテフロン、テトロン、ナイロンなどの繊維製網で挟ん
    で触媒組成物スラリに含浸したのち、多孔金型にて挟ん
    で成型、乾燥、焼成することを特徴とする一体型窒素酸
    化物除去用触媒の製造方法。
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