JP2634778B2 - フレネルレンズの製造方法 - Google Patents

フレネルレンズの製造方法

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JP2634778B2 JP7003367A JP336795A JP2634778B2 JP 2634778 B2 JP2634778 B2 JP 2634778B2 JP 7003367 A JP7003367 A JP 7003367A JP 336795 A JP336795 A JP 336795A JP 2634778 B2 JP2634778 B2 JP 2634778B2
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正雄 高木
昌幸 村中
則夫 谷津田
清 和田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】本発明は、投射型テレビの透過型ス
クリーンに用いて好適なフレネルレンズの製造方法に関
する
【0002】
【発明の背景】投射型テレビ等のスクリーンの透過率を
上げるために、例えば特開昭57−61530号公報に
示されるように、フレネルレンズのレンズ面に反射防止
機構を有する微細な凹凸を形成する方法が提案されてい
る。
【0003】この提案された方法によれば、微細凹凸の
集光作用によって、レンズ面での反射光が少なくなりレ
ンズの透過率が向上し明るい画面が得られる。
【0004】しかし、フレネルレンズにはレンズ面を形
成しない非レンズ部があり、該非レンズ部からの入光に
よる散乱光が、スクリーンの鮮明度に影響を与えてい
た。前記発明においては上記散乱光については考慮され
ておらず、光学性能上若干の問題点が残されていた。
【0005】
【発明の目的】本発明の目的は、フレネルレンズの非レ
ンズ部からの不要光線を防止したフレネルレンズを製造
する方法を提供することにある
【0006】
【発明の概要】上記目的を達成するために、本発明は、
上型と下型に分離可能な製造用金型におけるレンズ形状
が不連続化したフレネルレンズの非レンズ形状部とレン
ズ形状部で形成される立ち上がり突起部を上型と下型の
プレス方向軸に対しオーバハング状に構成するとともに
該突起部先端に凹凸を構成した金型を用い、予め材料の
ガラス転移温度領域に加熱したシート状材料を前記した
上型と下型の間に介在させ、加熱した前記金型に圧力を
加えプレスして、得られたフレネルレンズの非レンズ部
に凹凸溝を形成するようにしたことを特徴としている。
【0007】
【発明の実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図5を
用いて説明する。
【0008】図2は、本発明の投射型テレビの概要を示
す断面図である。ケース内に、受像管2と、レンズ3
と、ミラー4、5と、スクリーン6が内蔵されている。
以上の構成においてレンズ3の中心から出た光L1は、
ミラー4、5を経てスクリーン6に到達する。一方レン
ズ3の外周より出た光L2も同様にスクリーン6に到達
する。このような種々の角度を持つ光Lで、スクリーン
6上に画像を写し出すことになる。
【0009】今、代表的な投射型テレビのスクリーン構
成を用いて、入射光の状態を更に詳細に説明する。図3
は、一般的に広く用いられている透過型スクリーンの概
要構成を示す斜視図である。透過型スクリーン6は、レ
ンチキュラレンズ7と、フレネルレンズ8で構成され
る。図2に示したスクリーン6への入射光Lは、フレネ
ルレンズ8によって一定の方向を持つ光Loに屈折し、
レンチキュラーレンズ7によって水平光線La,Lbに
拡散され水平指向性が与えられる。これによって、見る
人の水平方向位置がどの場所にあっても、一様の明るさ
と鮮明さを有する画像が得られる。
【0010】図4は、フレネルレンズ8のみを取り上げ
て前記入射光がどのように光線を描くかを表したもので
ある。図4は、フレネルレンズ8の要部断面図である。
フレネルレンズ8はレンズ形状となっているレンズ部8
aと、非レンズ形状となっている非レンズ部8cとから
構成され、この形状は略同心円状に形成されている。フ
レネルレンズ8に入光する光Lは、レンズ形状となって
いるレンズ面8aでは、所定の屈折角を持って略平行光
線Loとなる。一方、非レンズ形状となっている非レン
ズ部8bから入光した光Lは、そのまま通過するか、若
干の屈折角をもってLcとなってフレネルレンズを通過
する。該非レンズ部8bからの屈折光Lcは、規則的に
屈折した光線Loと異なる光線となり、フレネルレンズ
の目的である平行光線に集束させることができない。こ
の場合、投射型テレビのスクリーンでは、像がぼけたり
画像全体が白っぽくなったりして、鮮明な画像が得られ
ない。そこで、本発明は、該非レンズ部8bに、凹凸溝
を形成して入射光を拡散させ、良好な画面を得ることが
できるフレネルレンズを製造する方法を提供するもので
ある。
【0011】図1を用いて凹凸溝の形成方法すなわち本
発明のフレネルレンズを得るための製造方法について説
明する。図1は、非レンズ部に凹凸溝を有するフレネル
レンズを製造する方法を示す要部断面図である。フレネ
ルレンズの製造に使用する金型は、図示を省略した上型
と下型9からなり、上型と下型9の間にレンズ材料10
が配置される。図4に示したフレネルレンズ製品に対応
し、金型の表面はレンズ形状部9aと非レンズ形状部9
bとで構成される。非レンズ形状部9bは金型のプレス
方向(矢印で示す)と角度θで交わっており、その先端
9cはオーバハングしている。この形状は略同心円状に
形成されている。
【0012】以上の構成からなる金型を用いて、軟化温
度領域に加熱したレンズ材料10を形成する。該軟化温
度領域は、レンズ材料10に塑性領域と流動領域の介在
する温度であり、例えばその材料のガラス転移温度付近
が好適である。次に、適宜加熱された金型の下型9と図
示を省略した上型との間にレンズ材料10を介在した状
態で、前記金型を矢印の方向に加圧付加すれば、レンズ
材料10は金型9の先端部9cに塑性変形と流動変形の
両方を受けながら変形し、最終的に金型のレンズ形状9
aに密着し、レンズ形状部9aに接した部分にのみ、レ
ンズ材料の温度と金型温度によって滑らかなレンズ面が
形成される。
【0013】一方、先端部9cによって塑性変形成形さ
れる非レンズ部は、金型のオーバハング効果により、金
型先端部9cの形状によって一意的にフレネルレンズ8
の非レンズ部8bの形状が決まるため、レンズ材料と金
型は該非レンズ部8b,非レンズ形状部9bでは密着せ
ず、空気層が介在する形となる。
【0014】金型の先端9cに凹凸をもたせることによ
って、成形されたフレネルレンズ8の非レンズ部8bの
形状は、金型先端9cの凹凸形状に対応した凹凸形状が
図1の矢印方向に連続して形成されるため、凹凸の溝が
形成されることになる。
【0015】本発明の他の製造方法について説明する。
金型の非レンズ形状部9bに凹凸溝を形成し、前記実施
例と同様にレンズ材料10を加熱して金型9によって図
1の矢印方向に加圧する。この際、前記金型の凹凸溝の
形状をフレネルレンズの非レンズ部に密着転写させる。
すなわち、金型の凹凸溝がレンズ材料に密着転写され
て、フレネルレンズの非レンズ部には凹凸溝が形成され
る。この製造方法に於いては、加圧中にレンズ面と同様
に非レンズ部も金型と密着転写されることによりフレネ
ルレンズの非レンズ部に凹凸溝を形成することができる
ため金型には図1に示したオーバハングは特に必要と
しない。成形温度領域は、材料の塑性領域だけでなく流
動領域でも良い。
【0016】以上、本発明の製造方法について説明した
が、この実施例では、加圧成形後の離型が問題となる傾
向にある。金型先端部のオーバハングのためにアンダー
カットになり易い。図5は、本発明の製造方法に用いる
金型の一例を示す断面図であるが、本金型9はいくつか
のブロックから構成されており、離型に際してはまずA
ブロックを矢印の如く後退させ、順次Bブロック、Cブ
ロック、Dブロックと後退させて、金型を製品から離型
する。各ブロックの後退方向は、オーバハング角θと同
一方向であるため、製品に何等離型力を加えることなく
離型することができる。以上説明したように、本発明は
簡単にして極めて容易に凹凸溝を形成することができ、
その効果は顕著である。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、金型に施した凹凸形状
に対応した凹凸溝を、フレネルレンズの非レンズ部にレ
ンズ面成形と同時に容易に形成できるため、非レンズ部
に入光する光は拡散され、投射型テレビ用スクリーンに
適用した場合には、ボケや画面の白っぽさ(コントラス
トの低下)が低減された鮮明な画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による製造方法を示す要部断面図。
【図2】投射型テレビの概要断面図。
【図3】透過型スクリーンの概要斜視図。
【図4】フレネルレンズの光線屈折を示す要部断面図。
【図5】本発明の製造に用いる金型の断面図。
【符号の説明】
1…ケース 2…受像管 3…レンズ 4、5…ミラー 6…スクリーン 7…レンチキュラレンズ 8…フレネルレンズ 9…金型 10…レンズ材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷津田 則夫 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所 家電研究所内 (72)発明者 和田 清 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所 家電研究所内 (56)参考文献 特開 昭52−145238(JP,A) 特開 昭56−142501(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上型と下型に分離可能な金型であって、
    該金型におけるレンズ形状が不連続化したフレネルレン
    ズの非レンズ形状部とレンズ形状部で構成される立ち上
    がり突起部を上型と下型のプレス方向軸に対しオーバハ
    ング状に形成し、かつ前記突起部先端に凹凸を構成した
    成形金型を用い、予め材料のガラス転移温度領域に加熱
    したシート状材料を前記した上型と下型の間に介在さ
    せ、加熱した前記金型に圧力を加えプレスして、得られ
    たフレネルレンズの非レンズ部に凹凸溝を形成すること
    を特徴とするフレネルレンズの製造方法。
JP7003367A 1995-01-12 1995-01-12 フレネルレンズの製造方法 Expired - Lifetime JP2634778B2 (ja)

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JPS52145238A (en) * 1976-05-28 1977-12-03 Ichirou Hosaka Method of making mold for fresnel lens
JPS56142501A (en) * 1980-04-08 1981-11-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd Fresnel lens sheet

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