JP2634229B2 - 空気調和機の制御方法 - Google Patents

空気調和機の制御方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は空気調和機の制御方法に関する。
(従来の技術) 従来の空気調和機の系統図が第9図に示されている。
空気調和機の暖房運転時、圧縮機1から吐出された冷
媒ガスは室内熱交換器5で室内送風機6によって送風さ
れる室内空気と熱交換することにより凝縮液化し、膨張
弁4で断熱膨張し、室外熱交換器2で室外送風機3によ
って送風される外気から吸熱することによって蒸発気化
して再び圧縮機1に循環する。
この空気調和機の定常運転時には、室温センサ7によ
って検出された室温Taはコントローラ8に入力され、こ
こで温度設定器9から入力された設定温度SPとの温度偏
差EをPID演算することによって圧縮機1にインバータ
を介して供給される電流の周波数、即ち、圧縮機1の回
転数が決定され、このコントローラ8からの指令により
圧縮機1の回転数を変化させることにより室温Taを設定
温度SPに維持している。
一方、この空気調和機の暖房運転の開始時、即ち、室
温Taが設定温度SPよりある温度巾a以上低い(Ta<SP−
a)ときには急速暖房運転が行われこの急速暖房運転時
には圧縮機1はその最高回転数で回転する。そして、室
温Taが設定温度SPに対しある温度巾a以内に入った(Ta
≧SP−a)ときには、上記急速暖房運転は解除されて定
常運転、即ち、PID制御に移行する。
(発明が解決しようとする課題) 上記従来の制御方法においては、急速暖房運転を解除
して定常運転に移行すると、移行前後の周波数に大きな
差が生ずるため、PID制御が安定するまでに長時間を要
し、従って、この間空気調和機から室内に吹き出される
空気の温度が低下する等の不具合があった。
(課題を解決するための手段) 本発明は上記課題を解決するために発明されたもので
あって、その要旨とするところは、サンプリングタイム
毎に検出された室温Taと設定温度SPとの温度差Eとこの
温度偏差Eの時間的変化率DEとからファジー論理演算す
ることによって得られた回転数で圧縮機を回転させる空
気調和機の制御方法において、急速暖房運転中温度偏差
Eが負方向に大きいときには温度偏差Eの時間的変化率
DEが正方向に増加中であっても圧縮機の回転数を前回の
サンプリングタイムの回転数より少し増加させ、かつ、
温度偏差Eが正方向に大きいときには温度偏差Eの時間
的変化率DEが負方向に減少中であっても圧縮機の回転数
を前回のサンプリングタイムの回転数より少し減少させ
ることを特徴とする空気調和機の制御方法にある。
(実施例) 以下、本発明を第1図ないし第8図に示す1実施例を
参照しながら具体的に説明する。
第1図に空気調和機の系統図が示され、空気調和機の
暖房運転時、圧縮機1から吐出された冷媒ガスは室内熱
交換器5で室内送風機6によって送風される室内空気と
熱交換することにより凝縮液化し、膨張弁4で断熱膨張
し、室外熱交換器2で室外送風機3によって送風される
外気から吸熱することによって蒸発気化して再び圧縮機
1に循環する。
被空調室内には室内の空気温度を検知する室温センサ
7が設置され、この室温センサ7及び温度設定器9の出
力はコントローラ11に入力され、コントローラ11からの
指令により圧縮機1の回転数が制御される。
コントローラ11の制御ブロック図が第2図に示され、
室温センサ7の出力は予め定められたサンプリングタイ
ム毎にコントローラ11のA/D変換器12に入力され、ここ
で、デジタル値に変換される。このデジタル信号はプロ
セッサ13に入り、ここで記憶手段14に記憶された制御ア
ルゴリズムに従ってファジィー論理演算を行うことによ
り圧縮機1の回転数が決定される。決定された回転数は
出力手段15を経て圧縮機1に出力され、この決定された
回転数で圧縮機1が回転する。
記憶手段14には第1表に示す制御ルールが記憶されて
いる。
(a1)if E=NB & DE=ZO THEN DF=PB (b1)if E=ZO & DE=PB THEN DF=NB (c1)if E=PB & DE=ZO THEN DF=NB (d1)if E=ZO & DE=NB THEN DF=PB (a2)if E=NS & DE=ZO THEN DF=PS (b2)if E=ZO & DE=PS THEN DF=NS (c2)if E=PS & DE=ZO THEN DF=NS (d2)if E=ZO & DE=NS THEN DF=PS (a3)if E=ZO & DE=ZO THEN DF=ZO (e1)if E=NB & DE=PS THEN DF=PS (e2)if E=PB & DE=NS THEN DF=NS これら制御ルールa1ないしe2は第3図に示す室温の時
間的変化曲線上のa1ないしe2の点に対応している。
これら制御ルールa1ないしe2は第2表のファジィーテ
ーブルに纏められている。
制御ルールe1は『もし、室温Taと設定温度Spとの温度
偏差(E)が負方向に大(NB)で、かつ、温度偏差
(E)の時間的変化率(DE)が正方向に小(PS)であれ
ば、圧縮機の回転数の増減量(DF)を正方向に小(PS)
とせよ』ということを示している。
制御ルールe2は『もし、室温Taと設定温度Spとの温度
偏差(E)が正方向に大(PB)で、かつ、温度偏差
(E)の時間的変化率(DE)が負方向に小(NS)であれ
ば、圧縮機の回転数の増減量(DF)を負方向に小(NS)
とせよ』ということを示している。
なお、第1表において、(ZO)は殆ど零を意味してお
り、e1及びe2以外の他のルールa1ないしd3の説明は省略
する。
第4図には、室温Taと設定温度Spとの温度偏差Eに対
するファジィー変数(NB,NS,ZO,PS,PB)の評価関数が示
されている。
第5図には温度偏差Eの時間的変化率(DE)に対する
ファジィー変数(NB,NS,ZO,PS,PB)の評価関数が示され
ている。
第6図には、圧縮機の回転数の増減量DFに対するファ
ジィー変数(NB,NS,ZO,PS,PB)の評価関数が示されてい
る。
次に、ファジィー論理演算による圧縮機の回転数の算
出方法を第7図に示すブロック線図を参照しながら説明
する。
室温センサ7で検出された室温Taと設定温度Spとの温
度偏差Eを算出し(算出されたEをκとする)、第4図
に示す記憶されたEの評価関数に基づいてその評価値NB
(κ)、NS(κ)、ZO(κ)、PS(κ)、PB(κ)を求
める。
そして、温度偏差Eからその時間的変化率DEを算出し
(算出されたDEをhとする)、第5図に示す記憶された
DEの評価関数に基づいて、その評価値NB(h)、NS
(h)、ZO(h)、PS(h)、PB(h)を求める。
これらE及びDEに対する各ファジィー変数の評価関数
の評価値からファジィー制御ルールに基づいて、圧縮機
の回転数の増減量DFの評価値をファジィー論理積で算出
する。
次いで、DFに対するファジィー変数の評価関数の論理
和を求め、これに重み付け平均を行うことによって制御
操作量DF0、即ち、圧縮機駆動用モータに供給される電
流の周波数の変化分を求めることができる。
つまり、制御ルールa1ないしe2のDFファジィー変数に
対する評価関数の論理和f″は、前回のDF値をdfとす
る。
f″=PB(df)UNB(df)UNB(df)UPB(df)U ……UPS(df)UPB(df) で求められる。
これをDF値により重み付けして得られるDF″は DF″=DF×PB(df)UDF×NB(df)U…UDF×PB(df) で与えられる。
制御操作量DF0で求めることができる。
最終的に圧縮機の回転数の制御操作量F0は前回の操作
量をFとする。
F0=F+DF0 で求められる。
しかして、制御ルールa1ないしa3だけでは、第3図の
e1点、即ち、E=NB&DF=PSの点においては圧縮機の回
転数は変化しないが、制御ルールe1を付加することによ
って第3図のe1点においても圧縮機の回転数を増加させ
室温を急速に上昇させることができる。
また、第3図のe2点、即ち、E=PB&DE=NSの点にお
いては制御ルールa1ないしa3だけでは圧縮機の回転数は
変化しないが、制御ルールe2を付加することによって第
3図のe2点においても圧縮機の回転数を減少させること
ができ、従って、室温のオーバーシュートを抑制しう
る。
即ち、制御ルールa1ないしa3だけでは室温は第8図に
破線イで示すように変化するが、制御ルールe1及びe2
付加することによって室温は第8図に実線ロで示すよう
に変化し、急速暖房運転時に室温を設定温度を急速に近
接させて安定させることが可能となる。
(発明の効果) 本発明においては、急速暖房運転中温度偏差Eが負方
向に大きいときには温度偏差Eの時間的変化率DEが正方
向に増加中であっても圧縮機の回転数を前回のサンプリ
ングタイムの回転数より少し増加させ、かつ、温度偏差
Eが正方向に大きいときには温度偏差Eの時間的変化率
DEが負方向に減少中であっても圧縮機の回転数を前回の
サンプリングタイムの回転数より少し減少させるため、
急速暖房運転中室温を設定温度に急速に接近させて安定
させることができる。そして、従来のように急速暖房運
転からPID制御に切り換える必要がないので、空気調和
機から吹き出される空気温度の低下等の不具合を防止で
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第8図は本発明の1実施例を示し、第1図
は空気調和機の系統図、第2図はコントローラのブロッ
ク図、第3図は室温の時間的変化とファジィー制御ルー
ルとの関係を示す線図、第4図は室温と設定温度との温
度偏差に対するファジィー変数の評価関数を示す図、第
5図は温度偏差の時間的変化率に対するファジィー変数
の評価関数を示す図、第6図は圧縮機の回転数の増減量
に対するファジィー変数の評価関数を示す図、第7図は
ブロック線図、第8図は制御ルールe1及びe2を有する場
合と有しない場合の室温の時間的変化を示す線図であ
る。第9図は従来の空気調和機の系統図である。 圧縮機……1、室外熱交換器……2、室内熱交換器……
5、室温センサ……7、温度設定器……9、コントロー
ラ……11

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サンプリングタイム毎に検出された室温Ta
    と設定温度SPとの温度差Eとこの温度偏差Eの時間的変
    化率DEとからファジー論理演算することによって得られ
    た回転数で圧縮機を回転させる空気調和機の制御方法に
    おいて、急速暖房運転中温度偏差Eが負方向に大きいと
    きには温度偏差Eの時間的変化率DEが正方向に増加中で
    あっても圧縮機の回転数を前回のサンプリングタイムの
    回転数より少し増加させ、かつ、温度偏差Eが正方向に
    大きいときには温度偏差Eの時間的変化率DEが負方向に
    減少中であっても圧縮機の回転数を前回のサンプリング
    タイムの回転数より少し減少させることを特徴とする空
    気調和機の制御方法。
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