JP2632909B2

JP2632909B2 - 電解コンデンサのエージング装置

Info

Publication number: JP2632909B2
Application number: JP63084658A
Authority: JP
Inventors: 悦雄白藤
Original assignee: Nippon Chemi Con Corp
Current assignee: Nippon Chemi Con Corp
Priority date: 1988-04-06
Filing date: 1988-04-06
Publication date: 1997-07-23
Anticipated expiration: 2012-07-23
Also published as: JPH01256110A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この発明は、定電流によるエージングを行う電解コン
デンサのエージング装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、定電流素子を用いて定電流により、電解コンデ
ンサにエージング処理を行うことが知られている。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところで、このような定電流によるエージング処理に
おいて、無極性（バイポーラ型）電解コンデンサでは、
電源の極性を切り換えて双方向からエージング電流を流
す必要があるが、定電流素子を用いた場合、定電流素子
が方向性を持っているため、各電極電源の極性切換えに
対応して定電流素子側の切換えを行う必要がある。この
ため、エージング処理ラインでは、電源側、定電流素子
側または電解コンデンサ側にスイッチを設置するなど、
その切換え操作とともに、エージング処理回路を複雑化
している。

また、定電流素子を用いた場合、単一の素子の耐圧値
および定電流値が定まるので、高圧、中圧および低圧の
電解コンデンサに応じた耐圧設定を行い、耐圧設定ごと
に個別にエージング処理回路を設置することが行われて
いた。

そこで、この発明の目的は、所望の耐圧値および定電
流値を設定するとともに、定電流の方向を変えることな
く、電解コンデンサに対応した極性切換えを実現した電
解コンデンサのエージング装置を提供しようとするもの
である。また、この発明の他の目的は、電解コンデンサ
のエージング電圧に応じた耐圧切換えの簡易化を実現し
た電解コンデンサのエージング装置を提供しようとする
ものである。

〔課題を解決するための手段〕

この発明の電解コンデンサのエージング装置は、第１
図に示すように、複数の定電流素子16₁₁〜16_NNを直並列
に接続した定電流回路10を電源（直流電源４）とエージ
ングすべき電解コンデンサ８との間に設置するととも
に、定電流回路10と電源（直流電源４）との間、定電流
回路10と電解コンデンサ８との間にダイオード12A、12
B、14A、14Bを接続して電源（直流電源４）と電解コン
デンサ８との間の定電流の通流方向を双方向性にしたも
のである。

また、この発明の電解コンデンサのエージング装置
は、第２図に示すように、定電流回路10A、10Bにエージ
ングすべき電解コンデンサ８の電圧に対応した直並列段
数の定電流素子16₁₁〜16₃₈を設置し、電解コンデンサ８
のエージング電圧に応じて耐圧選択を可能にしたもので
ある。

〔作用〕

第１図に示すように、定電流回路10では、定電流素子
16₁₁〜16_NNの並列段数で定電流値、直列段数で耐圧値が
設定される。したがって、その直並列段数の調整でエー
ジングすべき電解コンデンサ８のエージング電流および
電圧に対応させることができる。

そして、定電流回路10の定電流の通流方向は定電流素
子16₁₁〜16_NNの方向性で決まり、定電流回路10の入出力
側に設置されたダイオード12A、12B、14A、14Bの方向性
によって、電源（直流電源４）と電解コンデンサ８との
間の定電流の流出方向が双方向性化され、電源（直流電
源４）の極性切換えまたは電解コンデンサ８の接続切換
えのみで電解コンデンサ８に必要なエージング電流を流
し込むことができる。

また、第２図に示すように、定電流回路10A、10Bで
は、直並列段数の調整でエージングすべき電解コンデン
サ８のエージング電流および電圧に対応させることがで
きるので、たとえば、高圧用の電解コンデンサに対応す
る耐圧を設定し、極性切換え用のダイオード12A、12B、
14A、14B、22A、24A、24Bの接続箇所を耐圧に応じたも
のとし、電源（直流電源4A、4B）を必要な耐圧部分に接
続する。この結果、エージングすべき電解コンデンサ８
の電圧に応じた任意の耐圧が得られる。

〔実施例〕

第１図は、この発明の電解コンデンサのエージング装
置の実施例を示す。

入力端子2A、2B間にはエージング電源として直流電源
４が入力端子2A側を正にして接続され、出力端子6A、6B
間にはエージングすべき無極性の電解コンデンサ８が接
続されている。

直流電源４と電解コンデンサ８との間には、直流電源
４に基づいて定電流を電解コンデンサ８に流す定電流回
路10とともに、その入出力側に第１のダイオード12A、1
2Bおよび第２のダイオード14A、14Bが接続されている。

定電流回路10は、電解コンデンサ８のエージング電圧
および電流に対応し、定電流ダイオードなどからなる複
数の定電流素子16₁₁、16₁₂、16₁₃・・・16_NNが直並列接
続されているとともに、並列化された各定電流素子16₁₁
〜16_NNに対して抵抗18₁、18₂・・・18_Nが並列に接続さ
れている。すなわち、各定電流素子16₁₁〜16_NNの単一の
素子では、一定の定電流I₀および一定の耐圧V₀が得られ
るので、その並列段数でその段数に応じた定電流NI₀、
その直列段数でその段数に応じた耐圧NV₀が設定され
る。また、各抵抗18₁〜18_Nは、各定電流素子16₁₁〜16_NN
の保護回路を成す。

そして、定電流回路10の入出力端に接続されたダイオ
ード12A、12Bは、図示の回路の場合、定電流素子16₁₁〜
16_NNの電流方向に対応し、直流電源４から電解コンデン
サ８に向かう定電流方向を順方向とする。また、ダイオ
ード14A、14Bは、ダイオード12A、12Bから直流電源４に
向かう方向を順方向する。したがって、定電流素子16₁₁
〜16_NNによって方向性が設定された定電流回路10は、そ
の定電流の流出方向がダイオード12A、12B、14A、14Bの
付加によって双方向性化されている。

このようなエージング装置では、定電流回路10に定電
流素子16₁₁〜16_NNの並列段数で定電流値、直列段数で耐
圧値が設定され、その直並列段数の調整でエージングす
べき電解コンデンサ８のエージング電流および電圧に対
応させ、直流電源４と電解コンデンサ８との間の定電流
方向が双方向性にされているため、直流電源４の極性切
換えまたは出力端子6A、6Bに対する電解コンデンサ８の
接続切換えに自由に対応して必要なエージング電流を電
解コンデンサ８に流し込むことができるのである。図示
の場合、エージング電流は、ダイオード12A、定電流回
路10およびダイオード12Bを経て電解コンデンサ８に流
れ、電解コンデンサ８から接地を介して直流電源４に至
る。このとき、ダイオード14A、14Bは絶縁回路として機
能する。

また、直流電源４の極性切換えまたは電解コンデンサ
８の接続切換え、たとえば、入力端子2A、2Bに直流電源
４を入力端子2A側を負として接続すれば、エージング電
流は、接地側が正となるため、直流電源４から接地を介
して電解コンデンサ８に流れ、電解コンデンサ８からダ
イオード14A、定電流回路10およびダイオード14Bを通し
て直流電源４に至る。このとき、ダイオード12A、12B
は、絶縁回路として機能する。したがって、直流電源４
の極性切換えまたは電解コンデンサ８の接続切換えによ
って無極性の電解コンデンサ８に対して必要なエージン
グ電流を供給することができる。

次に、第２図は、この発明の電解コンデンサのエージ
ング装置の他の実施例を示す。

この実施例のエージング装置は、一つのエージング装
置で高圧および低圧の電解コンデンサのエージング処理
に対応可能にしたものである。

この実施例では、複数の定電流素子16₁₁〜16₃₈の直並
列回路が示すように、定電流素子16の並列段数を３とし
て定電流3I₀を設定するとともに、直列段数を８として
最大耐圧8V₀を設定している。

そして、高圧用の入力端子20A、低圧用の入力端子20B
および共通の入力端子20Cを設置し、入力端子20A、20C
間に高圧用の直流電源4A、入力端子20B、20C間に低圧用
の直流電源4Bが接続されている。また、出力端子6A、6B
には、低圧用または高圧用のエージングすべき無極性の
電解コンデンサ８が接続される。ダイオード12A、12B、
14A、14Bは、最大耐圧8V₀を持つ定電流回路10Aに接続さ
れ、定電流回路10Aの定電流の流出方向を双方向性化し
ている。また、ダイオード22A、24A、24Bは、耐圧V₀が
設定された定電流回路10Bに接続され、定電流回路10Bに
ついて定電流方向を双方向化している。

したがって、このエージング装置では、入力端子20
A、20B、20Cに対する直流電源4A、4Bの接続切換えによ
って高低圧の２入力を切り換えることにより、自動的に
耐圧V₀または8V₀の設定が行われ、しかも、極性の切換
えを行っても、高低圧の区別なく、エージング電流を流
すことができる。破線25は、スイッチなどによる接続切
換えを表す。

なお、この実施例では、高低圧の切換えについて説明
したが、定電流素子16の段数の選択によって中圧用も設
定できる。

また、定電流回路10A、10Bにおける耐圧および定電流
の設定は、最大値を得るための定電流回路を設置し、ス
イッチを介在させて任意に選択するようにしてもよい。

〔発明の効果〕

以上説明したように、この発明によれば、電解コンデ
ンサに対応した耐圧およびエージング電流を設定すると
ともに、定電流の双方向性化によって電源および電解コ
ンデンサ間の定電流方向を、定電流回路の方向性に無関
係に任意に切り換えてエージング処理を行うことができ
る。

また、この発明によれば、電解コンデンサのエージン
グ電圧およびエージング電流を電源の接続切換えに応じ
て所望の耐圧に設定し、エージング処理を行うことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の電解コンデンサのエージング装置の
実施例を示す回路図、第２図はこの発明の電解コンデン
サのエージング装置の他の実施例を示す回路図である。４、4A、4B……直流電源（電源）８……電解コンデンサ 10、10A、10B……定電流回路 12A、12B、14A、14B、22A、24A、24B……ダイオード 16、16₁₁〜16₃₈、16₁₁〜16_NN……定電流素子

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】複数の定電流素子を直並列に接続した定電
流回路を電源とエージングすべき電解コンデンサとの間
に設置するとともに、定電流回路と前記電源との間、定
電流回路と前記電解コンデンサとの間にダイオードを接
続して前記電源と前記電解コンデンサとの間の定電流の
通流方向を双方向性にした電解コンデンサのエージング
装置。
【請求項２】前記定電流回路にエージングすべき電解コ
ンデンサの電圧に対応した直並列段数の定電流素子を設
置し、電解コンデンサのエージング電圧に応じて耐圧選
択を可能にした請求項１記載の電解コンデンサのエージ
ング装置。