JP2632239B2 - 半導体結晶膜の成長方法および装置 - Google Patents

半導体結晶膜の成長方法および装置

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JP2632239B2 JP2296897A JP29689790A JP2632239B2 JP 2632239 B2 JP2632239 B2 JP 2632239B2 JP 2296897 A JP2296897 A JP 2296897A JP 29689790 A JP29689790 A JP 29689790A JP 2632239 B2 JP2632239 B2 JP 2632239B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
この発明は、主として窒素化合物の半導体結晶膜を成
長する方法と装置に関し、とくに、基板の表面に成長さ
れるエピタキシャル結晶膜の状態をリアルタイムに観測
できる半導体結晶膜の成長方法とその装置に関する。
【従来の技術】
基板の表面にエピタキシャル結晶膜を成長させる有機
金属気相成長法は、リアルタイムで結晶成長の状態を示
す情報を得るこのが難しい。 一方、MBE装置は、RHEED法が開発されて、結晶成長を
リアルタイムで観測できるようになり、飛躍的に成長技
術が進歩した。
【発明が解決しようとする課題】
MBE装置の結晶成長を観測するRHEED法は、真空中でエ
ピタキシャル結晶膜に電子線を照射して、結晶状態を測
定する。このため、1×10-5トール以上の高真空にして
測定する必要がある。有機金属気相成長法ではこのよう
な高真空での反応ができないので、この方法を有機金属
気相成長法に利用して、エピタキシャル結晶膜の状態を
観測することはできない。 ところで、CVD法で、半導体結晶膜を成長させるとき
に、半導体結晶膜の膜厚を測定する方法が特開昭50−77
85号公報に記載される。この公報には、石英からなるベ
ルジャー内に置かれた基板に、SiH4ガスを流して、基板
にSi膜を成長させる技術が記載される。さらに、この公
報に記載される方法は、赤外光の干渉現象を利用して、
半導体結晶膜の膜厚を測定するので、薄い半導体結晶膜
の厚さを測定できる。ただ、この方法は、反応容器に供
給するガスが特定され、反応容器の内面を汚す性質のあ
るガスで成長される有機金属気相成長法の半導体結晶膜
の膜厚を正確に測定できない。たとえば、有機金属気相
成長法は、半導体結晶膜を成長させるために有機金属ガ
スを使用するが、有機金属ガスは、副生成物となって光
を透過させる部分の内面に付着して、透光性を阻害す
る。光の透過が阻止されると、光を反応室の外部から検
出できなくなるので、光を検出して半導体結晶膜を検出
することができなくなる。 この発明は、有機金属気相成長法においても、エピタ
キシャル結晶膜の状態をリアルタイムに測定することを
目的に開発されたもので、この発明の重要な目的は、簡
単な構造で、エピタキシャル結晶膜の状態をリアルタイ
ムで測定することができる半導体結晶膜の成長方法とそ
の装置とを提供するにある。
【課題を解決する為の手段】
本発明は、反応容器内に、加熱状態でおかれる基板に
反応ガスを噴射して半導体結晶膜を生成させると共に、
半導体結晶膜が成長される基板表面から放射される特定
波長の光線を、反応容器の外部に設けた光線センサーで
観測して、半導体結晶膜の成長膜の厚さを観測する成長
方法を改良したものである。 本発明の有機金属気相成長法の半導体結晶膜の成長方
法は、反応容器の内部に、副噴射管で不活性なガスを噴
射する。副噴射管は、基板表面から放射される特定波長
の光線を透過させて、光線センサーを照射するものであ
る。副噴射管から反応容器の内部に噴射される不活性な
ガスで、副噴射管の光線透過部の汚れを防止しながら、
基板から放射される特定波長の光線を光線センサーで観
測して、半導体結晶膜の膜厚を測定することを特徴とす
る。 さらに、この発明の半導体結晶膜の成長装置は、エピ
タキシャル結晶膜にレーザー光線等の特定波長の光を照
射して、その反射光線を光線センサーで検出する。 副噴射管は、内部に供給される不活性なガスによって
透明な状態に保持され、エピタキシャル結晶膜からの光
線を透過する。このため、エピタキシャル結晶膜から放
射される光線は、副噴射管を透過して光線センサーに検
出される。 この発明の好ましい例においては、反応ガスを基板と
平行な方向に高速で噴射する。特定波長の光線を透過さ
せる副噴射管は、不活性なガスを基板に垂直な方向に流
す。 副噴射管から基板に垂直に流す不活性なガスは、H2
N2ガスを単独で、あるいはこれ等の混合ガスが使用でき
る。副噴射管から噴射される不活性なガスは、副噴射管
内に反応ガスが流入されて曇るのを阻止するものである
から、反応ガスに害をおよばさない全ての不活性なガス
を使用できる。 副噴射管は、好ましくは、下方に向かって太くなる円
錐形に成形される。この形状の副噴射管で不活性なガス
を噴射すると、反応ガスを均一に基板に向かって流すこ
とができ、サファイア表面に均一にGaNを成長できる特
長がある。
【作用】
この発明の半導体結晶膜の成長方法は、エピタキシャ
ル結晶膜から放射される光線強度を検出して、エピタキ
シャル結晶膜の膜厚をリアルタイムに測定することがで
きる。 第1図は、エピタキシャル結晶膜から放射される波長
が0.96μmの赤外線強度を測定したグラフである。この
グラフは、単色形狭波長帯域の放射温度計を使用してエ
ピタキシャル結晶膜から放射される赤外線を測定して温
度を観測したものである。また、放射温度計の測定面積
は、基板上の10mmφの面積に特定した。サファイヤ基板
には、2インチφのものを使用した。 さらに、このグラフの作成において、サセプターの温
度は993℃に保持した。また、エピタキシャル結晶膜に
はGaNを使用した。この図に示すように、エピタキシャ
ル結晶膜から放射される赤外線強度に相当する測定温度
が、特定の周期で脈動する。このように、赤外線強度が
脈動するのは、光の干渉が原因である。 すなわち、エピタキシャル結晶膜の光学的膜厚(光学
的膜厚とは媒質の屈折率×膜厚であり、以下単に膜厚と
いう。)が、放射される赤外線の波長の半分、あるい
は、その整数倍の時に、赤外線強度は強いピークとな
る。それは、エピタキシャル結晶膜から直接放射される
赤外線と、エピタキシャル結晶膜の両面で反射された後
に表面から放射される赤外線とが同位相となるからであ
る。また、エピタキシャル結晶膜の膜厚が波長の4分の
1、あるいは、その整数倍の時には、エピタキシャル結
晶膜から直接放射される赤外線と、エピタキシャル結晶
膜の両面で反射された後に表面から放射される赤外線と
が逆位相となるので、赤外線強度が極小となる。 この発明は、必ずしもエピタキシャル結晶膜から放射
される赤外線を測定する必要はない。赤外線以外の特定
波長の光の強度を測定して、膜厚を測定することも可能
である。さらに、この発明は、エピタキシャル結晶膜に
レーザー光線等を照射し、その反射光線の強度を測定す
ることによっても、膜厚を測定できる。 このように、この発明の半導体結晶膜の成長方法は、
極めて簡単な光線センサーを使用して、有機金属気相成
長法においてエピタキシャル結晶膜の膜厚をリアルタイ
ムに測定できる特長がある。 さらに、この発明の半導体結晶膜の成長装置は、特定
波長の光線を透過させる副噴射管を配設している。副噴
射管は、一部を反応容器外に突出させると共に、内部に
不活性なガスを流している。このため、副噴射管は、エ
ピタキシャル結晶膜が成長する過程で、内部に異物が付
着して不透明になることがない。 従来の装置は、成長しているエピタキシャル結晶膜か
ら放射される光線を連続して観測できない。それは、反
応容器に噴射される反応ガスによって、覗き窓の透明ガ
ラスが不透明になることが理由である。 この発明の半導体結晶膜の成長装置は、反応容器に特
定波長の光線を透過させる副噴射管を設け、この内部に
不活性なガスを流すことによって、これが不透明になる
のを防止している。このため、反応容器外部に設けられ
た光線センサーでもって、エピタキシャル結晶膜から放
射される光線を連続して検出できる。 以下、この発明の成長方法を実現する装置を示す第2
図に基づいて、半導体結晶膜が成長される状態を説明す
る。 この図に示す装置を使用して、サファイヤ基板1にGa
Nを成長させるには、反応ガス噴射管2からTMGと、NH3
と、H2とを混合した反応ガスを基板1と平行方向に流
す。さらに、基板1の上部より、円錐形の副噴射管3で
もって、不活性なガスとしてN2+H2の混合ガスを基板1
に向けて垂直に流す。 サファイア基板1は、990〜1050℃に加熱されたサセ
プター4に載せられて水平面で回転される。サセプター
4は、下面の中心に垂直に固定されたシャフト5で回転
される。反応容器6内の成長圧力は大気圧に調整されて
いる。
【実施例】
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
但し、以下に示す実施例は、この発明の技術思想を具体
化する為の方法と装置とを例示するものであって、この
発明を下記のものに特定するものでない。この発明の半
導体結晶膜の成長方法と装置とは、特許請求の範囲に於
て、種々の変更を加えることができる。 半導体結晶膜の成長方法を説明するに先だって、その
方法に使用する装置の具体例を説明する。 第2図に示す半導体結晶膜の成長装置は、GaN、AlN、
InNあるいはこれ等の混晶のエピタキシャル膜を、有機
金属気相成長法で成長させる装置である。この装置は、
反応容器6と、サセプター4と、ヒータ7と、反応ガス
噴射管2と、副噴射管3と、光線センサー8とを備えて
いる。 反応容器6は、ステンレスでもって、外気から遮断で
きる閉鎖された形状に作られている。反応容器6は、図
示しないが、サファイヤ基板を出し入れする出入口が設
けられている。出入口は、気密に閉塞できる蓋が取り付
けられている。さらに、反応容器6には、内部のガスを
排気する排気口が開口されている。排気口は、排気ポン
プ9に連結されておって、排気ポンプ9でガスを強制的
に排気する構造となっている。 サセプター4は、上面が水平で、それ自体が水平面内
で回転が自在にできるようになっており、反応容器6内
に配設されている。したがって、サセプター4は、例え
ば半径が30〜100mmφ、高さが30〜50mmの円柱状で、下
面の中心に垂直のシャフト5を固定している。 サセプター4は、ヒータ7によって1000℃以上に加熱
される。したがって、サセプター4は耐熱性であり、し
かも、加熱状態において反応容器6内のガスを汚染しな
い物質、例えば、炭素の表面を炭化ケイ素でコーティン
グした材質で作られる。 ヒータ7は、サセプター4の下側に、接近するが接触
しないように配設されており、下からサセプター4を過
熱する構造となっている。ヒータ7は、オンオフ、ある
いは、通電電流が制御されて、サセプター4を設定温度
に加熱する。ヒータ7は、サセプターに内蔵された温度
センサー(図示せず)によって制御される。 温度センサーは、サセプター4が設定温度よりも低く
なると、ヒータ7を通電し、あるいは通電電量を増加
し、反対にサセプター4が設定温度よりも高くなると、
通電を停止し、あるいは、通電電流を少なくする。 ヒータ7は、サセプター4を加熱できる全ての位置に
配設することができる。さらに、図示しないが、ヒータ
をサセプター内に設けて、サセプターと一体構造とする
ことも可能である。 反応ガス噴射管2は、サセプター4の上に載せられた
基板1の上面に、反応ガスを噴射する。したがって、反
応ガス噴射管2は、反応容器6を、水平ないしは多少傾
斜して気密に貫通して固定されている。反応ガス噴射管
2は、先端を基板1の近傍まで延長している。 反応ガス噴射管2は、水素と、アンモニアガス、トリ
メチルガリウム(TMG)またはトリメチルアルミニウム
(TMA)ガスを、基板1の表面に向かって噴射する。 副噴射管3は、上端を反応容器6外に突出させて、反
応容器6の上面を気密に貫通して固定されている。副噴
射管3は、上から下に向かって、水素や窒素等の不活性
なガスを基板1に向けて噴射する。副噴射管3は、不活
性なガスを基板1の上面に均一に吹き付けることができ
るように、下方に向かって開口面積が大きくなるテーパ
ー状をしている。副噴射管3の下端開口部は、基板1の
大きさにほぼ等しく設計されている。さらに、副噴射管
3の下端は、基板1の上面に接近して開口される。 光線センサー8は、反応容器外に設けられている。光
線センサー8には、エピタキシャル結晶膜から放射され
る特定波長の光線の強度を測定できる全てのセンサーを
使用できる。特定波長の光線強度を測定する光線センサ
ーには、単色形狭波長帯域の放射温度計が使用できる。
この放射温度計は、狭い波長領域の赤外線強度を測定し
て、温度を検出するものである。放射温度計が測定する
赤外線の波長は、0.75μ〜3μmの範囲にある特定波長
の光線に設計される。 また、光線センサー8には、赤外線強度を測定するも
のでなく、特定波長の可視光線の強度を測定するものも
使用できる。 さらにまた、光線センター8は、過熱されたエピタキ
シャル結晶膜から放射される赤外線等の光線を検出する
のに代わって、光源10からエピタキシャル結晶膜にレー
ザー等の特定波長の光線を照射し、その反射光線を受光
することも可能である。この場合、エピタキシャル結晶
膜に照射する光線は、レーザーのように波長の特定され
たもの、あるいは、光学フィルターで特定波長の光を選
別した光を使用できる。 第2図に示す半導体結晶膜の成長装置を使用して、下
記の状態で窒素化合物である半導体結晶膜を成長させ
る。 光線センサー8は、エピタキシャル結晶膜から放射さ
れる光線を検出する。光線センサー8とエピタキシャル
結晶膜とを連結する直線の間に副噴射管3が位置する。
すなわち、第2図に示すように、基板1の表面に成長す
るエピタキシャル結晶膜から放射される光線は、副噴射
管3を透過して光線センサー8に到達する。 以上の装置を使用して、下記のようにして半導体結晶
膜を成長させる。 [実施例1] 下記の工程で、サファイヤ基板1にGaNを成長させ
る。 洗浄してきれいな2インチφのサファイア基板1
(C面)を、サセプター4の上にのせる。 ステンレス製の反応容器6を排気ポンプ9で排気し
て、内部をH2で置換する。 その後、H2ガスを、反応ガス噴射管2と副噴射管3
から反応容器6に供給しながら、サセプター4を1150℃
まで上昇する。 その後、この状態を10分間保持し、サファイア表面
の酸化膜を除去する。 次に、基板1の反応温度を993℃まで下げて安定す
るまで静置する。 続いて、反応容器6上部の副噴射管3から水素と窒
素とを供給し、水平の反応ガス噴射管2からは、アンモ
ニアガスと水素ガスとを供給する。 副噴射管3から反応容器6に供給する水素ガスの流量
は、10リットル/分、窒素の流量は10リットル/分とす
る。 石英ノズル管が噴射するアンモニアガスの流量は5リ
ットル/分、水素ガスの流量は1リットル/分に調整
し、この状態で、温度が安定するまで待つ。 その後、石英ノズル管から、アンモニアと水素ガス
に加えて、TMGガスを噴射し始める。TMGガスの流量は、
2.7×10-5モル/分とする。この状態で、成長が開始さ
れ、60分間成長させる。この成長過程において、サセプ
ター4を5rpmで回転させる。 この工程で、基板1にエピタキシャル結晶膜を成長さ
せるときに、エピタキシャル結晶膜から放射される赤外
線を、0.96μmの赤外線強度を測定する単色形狭波長帯
域の放射温度計で検出する。放射温度計が検出した赤外
線強度、すなわち、温度を第1図に示している。第1図
に示すように、エピタキシャル結晶膜が成長して膜厚が
増加するに従って、赤外線強度は脈動する。 60分成長させたエピタキシャル結晶膜を、ノマルスキ
ー顕微鏡により膜厚分布を観測した。その結果、半導体
結晶膜の膜厚は面内で2μm±10%に入っており、非常
に均一であった。 第1図の振動の1周期の時間は7.0分であり、成長時
間は60分で2.0μm成長している。このため1周期あた
りの成長膜厚は(7.0×2.0)/60=0.23μm/周期であ
る。 一方、この1周期は干渉効果が起きているならばλ/2
n(λ:光の波長、n:GaNの屈折率)となる。この場合λ
/2n=0.96/(2×2.0)=0.24μm/周期となり、上記計
算値と良い一致を示し、この方法が有利であることがわ
かる。 このようにリアルタイムで第1図のような振動を観測
することにより成長膜厚および成長速度をリアルタイム
で知ることができる。 [実施例2] 下記の工程で、サファイヤ基板1の表面に、AlNをバ
ッファ層として成長させ、その後GaNを成長させる。 よく洗浄した2インチφのサファイア基板13(C
面)をサセプター4の上に載せる。 反応容器6内の空気を十分に排気して、H2で置換す
る。 H2ガスを、反応ガス噴射管2と副噴射管3から反応
容器6に供給しながら、サセプター4を1150℃まで上昇
する。 その後、この状態を10分間保持し、サファイア表面
の酸化膜を除去する。 次に、基板1の状態を610℃までゆっくりと下げ
る。 基板1の温度が610℃になると、上部の副噴射管3か
ら水素と窒素とを、反応ガス噴射管2からはアンモニア
ガスと水素とトリメチルアルミニウム(TMA)ガスとを
噴射する。 副噴射管3から供給される水素と窒素の流量はそれぞ
れ10リットル/分とする。反応ガス噴射管2から噴射さ
れるアンモニアガスの流量は5リットル/分、水素の流
量は1リットル/分、TMAガスの流量は1.2×10-5モル/
分とする。 この状態を1分間続けて、サファイヤ基板1の表面に
AlNのバッファ層を成長させる。 次にTMAガスの供給のみを停止して、他のガスを供
給しながら、基板1の温度を993℃まで上昇させる。 基板1が993℃に加熱された後、TMAに代わって、TM
Gガスを2.7×10-5mol/minの流量で供給して、60分間でG
aNを成長させる。 この時、副噴射管3と反応ガス噴射管2からは、水素
とアンモニアガスとを前述の流量で供給する。 また、この成長過程において、サセプター4は5rpmで
回転させる。 この工程で、基板1にエピタキシャル結晶膜を成長す
るときに、エピタキシャル結晶膜から放射される赤外線
を、0.96μmの赤外線強度を測定する単色形狭波長帯域
の放射温度計で検出する。放射温度計が検出した赤外線
強度、すなわち、温度を第3図に示している。この図に
示すように、エピタキシャル結晶膜から放射される赤外
線強度は振動する。 60分成長させた成長後、反応容器6から基板1を取り
出して、ノマルスキー顕微鏡でエピタキシャル結晶膜を
観測した。その結果この実施例2で得られた半導体結晶
膜は、2インチのサファイア基板全面に成長されてお
り、その表面は鏡面で、膜厚は2インチ基板全面で2.4
μm±10%であった。 第3図の振動の1周期は5.5分であり、成長時間は60
分で2.4μm成長している。このため1周期あたりの成
長膜厚は(5.5×2.4)/60=0.22μm/周期である。 一方この周期は干渉効果が起きているならばλ/2n
(λ:光の波長、n:GaNの屈折率)となる。この場合、
λ/2n=0.96/(2×2.0)=0.24μm/周期となり、上
記、実測値の計算値と下記の干渉による理論値の計算値
とが良い一致を示す、この方法がリアルタイムでの成長
膜厚および成長速度の特定に有効であることがわかる。
【発明の効果】
以上のように、この発明の半導体結晶膜の成長方法
は、エピタキシャル結晶膜から放射される光線を検出
し、これによってエピタキシャル結晶膜の成長膜厚を検
出できる。このため、この発明の方法は、極めて簡単で
安価な構造で、エピタキシャル結晶膜の成長状態をリア
ルタイムに検出できる特長がある。 このことは、有機金属気相成長法におけるエピタキシ
ャル結晶膜の成長状態の調整に極めて効果がある。例え
ば、反応ガスの供給量を変えて、エピタキシャル結晶膜
の成長速度がどのように変化するか、あるいは、その他
種々の条件を変化させると、エピタキシャル結晶膜の成
長がどのように変化するかをリアルタイムに知ることが
できる。このため、この発明の方法は、有機金属気相成
長法において極めて有効に利用でき、産業上のメリット
は絶大なものである。 さらに、本発明の特筆すべき特長は、簡単な測定装置
を使用して、長時間にわたって、リアルタイムに、有機
金属気相成長法で成長されるエピタキシャル結晶膜の膜
厚を正確に測定できることにある。それは、本発明の測
定方法が、有機金属気相成長法で成長されるエピタキシ
ャル結晶膜から放射される特定波長の光の強度を、反応
容器の外部で測定すると共に、特定波長の光を透過させ
る透光性のある副噴射管で、反応容器の内部に不活性な
ガスを噴射し、この不活性なガスで、副噴射管の透光部
の汚れを防止しているからである。 とくに、本発明の方法は、副噴射管の内部汚れを防止
する不活性なガスを、加熱された基板表面に発生する熱
対流を防止するガスに併用することもできる。このた
め、副噴射管から反応容器の内部に噴射される不活性な
ガスは、副噴射管の内部汚れを防止して、基板表面を理
想的な状態でエピタキシャル結晶膜を成長できる特徴を
実現する。 さらにまた、この発明の装置は、光線センサーとエピ
タキシャル結晶膜との間に透明の副噴射管を設け、この
副噴射管に不活性なガスを流しているので、反応中に副
噴射管が不透明になることがない。このため、正確に連
続的して、しかもリアルタイムにエピタキシャル結晶膜
の成長情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の方法で成長させたエピタキシャル結
晶膜から放射される光線強度を示すグラフ、第2図はこ
の発明の一実施例を示す半導体結晶膜の成長装置の概略
断面図、第3図はこの発明の方法で成長させたエピタキ
シャル結晶膜から放射される光線強度を示すグラフであ
る。 1……基板、2……反応ガス噴射管、 3……副噴射管、4……サセプター、 5……シャフト、6……反応容器、 7……ヒータ、8……光線センサー、 9……排気ポンプ、10……光源。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反応容器内に、加熱状態でおかれる基板に
    反応ガスを噴射して半導体結晶膜を生成させると共に、
    半導体結晶膜が成長される基板表面から放射される特定
    波長の光線を、反応容器の外部に設けた光線センサーで
    観測して、半導体結晶膜の成長膜の厚さを観測する有機
    金属気相成長法における半導体結晶膜の成長方法におい
    て、 基板表面から放射される特定波長の光線を光線センサー
    に向かって透過させる副噴射管で、不活性なガスを反応
    容器の内部に噴射し、副噴射管から反応容器の内部に噴
    射される不活性なガスで、副噴射管の光線透過部の汚れ
    を防止して、基板表面から放射される特定波長の光線を
    光線センサーで観測して半導体結晶膜の膜厚を測定する
    ことを特徴とする有機金属気相成長法における半導体結
    晶膜の成長方法。
  2. 【請求項2】反応容器内に、加熱状態でおかれる基板に
    反応ガスを噴射して半導体結晶膜を生成させると共に、
    半導体結晶模が成長される基板表面に特定波長の光線を
    照射し、この特定波長の光線の反射光を、反応容器の外
    部に設けた光線センサーで観測して、半導体結晶膜の成
    長膜の厚さを観測する有機金属気相成長法における半導
    体結晶膜の成長方法において、 反応容器の外部から基板表面に向かって照射される特定
    波長の光線を透過させると共に、基板表面に照射された
    光線の反射光を、基板表面から光線センサーに向かって
    透過させる副噴射管で、不活性なガスを反応容器の内部
    に噴射し、副噴射管から反応容器の内部に噴射される不
    活性なガスで、副噴射管の光線透過部の汚れを防止し
    て、特定波長の光線で基板表面を照射し、この反射光を
    光線センサーで観測して膜厚を測定することを特徴とす
    る有機金属気相成長法における半導体結晶膜の成長方
    法。
  3. 【請求項3】反応容器と、基板を載せるサセプターと、
    基板に向かって反応ガスを噴射する反応ガス噴射管とを
    備える半導体結晶膜の成長装置において、 反応容器内に、基板に向かって不活性なガスを噴射する
    透明の副噴射管を配設し、副噴射管の一部を反応容器外
    に突出させ、さらに、副噴射管の反応容器外突出部分
    に、エピタキシャル結晶膜から放射される光線を検出す
    る光線センサーを設けたことを特徴とする半導体結晶膜
    の成長装置。
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