JP2632016B2 - エンジンルーム内冷却制御装置 - Google Patents

エンジンルーム内冷却制御装置

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JP2632016B2
JP2632016B2 JP19316788A JP19316788A JP2632016B2 JP 2632016 B2 JP2632016 B2 JP 2632016B2 JP 19316788 A JP19316788 A JP 19316788A JP 19316788 A JP19316788 A JP 19316788A JP 2632016 B2 JP2632016 B2 JP 2632016B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、エンジンルーム内冷却制御装置に関し、特
にラジエータファンの回転制御及びエアコンの圧縮機に
よる冷媒圧力の適切な制御を行うようにした制御装置に
関する。
(従来の技術及び発明が解決しようとする課題) 車両のエンジン冷却用のラジエータファンを逆回転さ
せるようにした冷却装置は、従来から知られている(実
公昭50−37473号公報)。
該冷却装置におけるラジエータファンの逆回転は、エ
ンジンの過冷却を防止するものであるが、エンジン停止
時に該ファンを逆回転を行わせるようにすれば、熱気排
気に有効であり、特に高負荷運転時からの停止において
ルーム内温度上昇抑制に役立つ。
しかして、このような逆回転制御の状態からのエンジ
ン再始動時、ラジエータファンの回転方向は正回転に転
換させる必要があるが、この転換にはモータ等の慣性に
よって完全に逆回転が停止して正回転するまでは遅れが
生じ、かかる遅れは、次のような問題を誘発することと
なる。
即ち、ラジエータファンをエアコンのコンデンサファ
ンと連動させる構成を採っている場合、一旦、エンジン
を停止した後、まだエンジンルーム内の温度が高い状態
で再始動すると共に、エアコンスイッチもオンしたと
き、実際に正回転するまでの間はエアコンの冷媒に対す
る送風冷却もできない状態にある。このような場合に、
ルーム内温度が高く、冷媒圧が高くて充分に冷す必要が
あるのに対して、エアコンスイッチのオンにより直ちに
エアコンを作動させると、冷媒圧の上昇を招き、適切な
冷却制御は行われない。
本発明は、上述のような点に着目し、エンジン停止時
のラジエータファンの逆回転制御を行わせる冷媒制御装
置であっても、その逆回転制御を行うが故に再始動時に
生ずるおそれがある上記如き難点を解消し、冷媒圧力の
上昇を防止し適切な冷却制御が行えるエンジンルーム内
冷却制御装置を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記目的を達成するため、エンジン停止時
に逆回転可動可能なラジエータファンと、該ラジエータ
ファンと連動して駆動されるエアコンのコンデンサファ
ンとを備えたエンジンルーム内冷却制御装置において、
前記エンジン停止後の再始動時における前記ラジエータ
ファンの正回転への転換時に、エアコンスイッチがオン
となっても前記ラジエータファンの逆回転停止後所定時
間経過するまでは前記エアコンスイッチのオンに基づく
作動を禁止し、前記所定時間経過したとき前記ラジエー
タファンを前記エアコンの冷媒圧力に応じて所定速度で
正回転駆動可能とするようにしたものである。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
第1図は本発明の冷却制御装置が適用される過給機付
内燃エンジンの燃料供給制御装置の全体構成図である。
同図中の符号1は例えば6気筒の内燃エンジンを示し、
エンジン1の上流側には吸気管2、下流側には排気管3
が接続され、吸気管2及び排気管3の途中に過給機とし
てのターボチャージャ4が介装されている。
吸気管2には上流側より順にエアクリーナ5、インタ
ークーラー6及びスロットル弁7が設けられている。
ターボチャージャ4とインタークーラ6との間には過
給圧(P2)センサ100が設けられており、過給圧を表す
電気的信号を電子コントロールユニット(以下「ECU」
という)9に供給する。
スロットル弁7にはスロットル弁開度(θTH)センサ
8が連結されてスロットル弁7の弁開度を電気的信号に
変換しECU9に送るようにされている。
一方、スロットル弁7の下流には吸気管内絶対圧(P
BA)センサ10が設けられており、このPBAセンサ10によ
って電気的信号に変換された絶対圧信号は前記ECU9に送
られる。また、その下流には吸気温(TA)センサ11が取
付けられており、吸気温TAを検出して対応する電気信号
を出力してECU9に供給する。
吸気管2のエンジン1とスロットル弁7間には燃料噴
射弁12が設けられている。この燃料噴射弁12は吸気管2
の吸気弁13の少し上流側に気筒毎に設けられており(2
個のみ図示)、各噴射弁12は図示しない燃料ポンプに接
続されていると共にECU9に電気的に接続されて、ECU9か
らの信号によって燃料噴射の開弁時間が、即ち燃料供給
量が制御される。
エンジン1本体には第1及び第2のエンジン冷却水温
センサ(以下それぞれ「TWE1センサ」,「TWE2センサ」
という)14,101が設けられ、この両センサ14,101はサー
ミスタ等から成り、冷却水が充満したエンジン気筒周壁
内に挿着され、TWE1センサ14は後述の冷却用電子コント
ロールユニット(以下「ECCU」という)15に、TWE2セン
サ101はECU9にそれぞれ検出水温信号を供給する。
また、エンジン1本体にはその潤滑油温度を検出する
潤滑油温センサ(以下「TOILセンサ」という)16が設け
られ、その検出油信号を前記ECCU15に供給する。
エンジン回転数センサ(以下「Neセンサ」という)17
がエンジン1の図示しないカム軸周囲又はクランク軸周
囲に取付けられており、TDC信号、即ちエンジン1クラ
ンク軸の120゜回転毎に所定のクラン角度位置で1パル
スを出力し、このパルスをECU9に供給する。
排気管3のエンジン1より直ぐ下流側には、O2センサ
18,18が装着され、排気ガス中の酸素濃度を検出してそ
の検出値信号をECU9に供給する。また、排気管3のター
ボチャージャ4より下流側には三元触媒19が配置され、
排気ガス中のHC,CO,NOx成分の浄化作用を行う。
ターボチャージャ4は後述するように可変容量型のも
のであり、該ターボチャージャ4にはウォータポンプ20
及びサブラジエータ21を介装した管路22が接続されてい
る。即ち、ウォータポンプ20、サブラジエータ21及び管
路22は、図示しないエンジン用冷却系とは別個独立した
水冷式のターボチャージャ用冷却系23を構成するもので
あり、該冷却系23により供給される冷却水が、ターボチ
ャージャ4の後述する潤滑部ケーシング43に形成された
ウォータージャケット57(第3図)内を循環することに
より、ターボチャージャ4が冷却されるようになってい
る。また、管路22は分岐してインタークーラー6内に配
置され、該インタークーラー6内を通る吸入空気を冷却
する。ターボチャージャ用冷却系23のターボチャージャ
4の直ぐ下流側にはターボチャージャ冷却水温センサ
(以下「TWTセンサ」という)24が設けられており、そ
の検出水温信号をECCU15に供給する。更にECCU15にはイ
グニッションスイッチ(検出手段)25が接続され、その
オン・オフ信号が供給される。
また、第2図に示すように、エンジンルーム26内に
は、その前部に位置して前後方向に送風を行うラジエー
タファン27、後側上部に位置して下向きの送風を行うボ
ンネットファン28が配されている。ラジエータファン27
は第1の電動機29によって駆動され、回転の正逆及び強
弱の調整が可能であり、ボンネットファン28は第2の電
動機30によって駆動される。
第3図はターボチャージャ4の全体構成図を示す。即
ち、ターボチャージャ4はコンプレッサ部分とスクロー
ルを形成するコンプレッサケーシング41と、該コンプレ
ッサケーシング41の背面を閉塞する背板42とからなるケ
ーシングと、ターボチャージャ4の主軸を軸支し、その
軸受を潤滑するとともに冷却水が循環する構造を内蔵す
る潤滑部ケーシング43と、タービン部分のスクロールを
形成するタービンケーシング44とを有している。
コンプレッサケーシング1の内部には、それぞれ吸気
管2が接続されたスクロール通路45及び軸線方向通路46
が形成され、前者45は吸気出口をなし、後者46は吸気入
口をなしている。
タービンケーシング44の内部には、スクロール通路47
と、接線方向に向けて開口するその入口開口47aと、軸
線方向に延在する出口通路48と、その出口開口48aとが
形成され、入口開口47a及び出口開口48aはそれぞれ排気
管3に接続されている。
潤滑部ケーシング43の内部に形成された軸受孔49,50
には、ラジアル軸受メタル51により、前記したように主
軸52が枢支されている。また、背板42と潤滑部ケーシン
グ43の端面との間には、スラスト軸受メタル53が挟設さ
れている。
潤滑部ケーシング43の第3図に於ける上端部には、潤
滑油導入孔54が穿設されており、図示されていない潤滑
油ポンプから供給されたエンジン1と共用の潤滑油を、
潤滑部ケーシング43の内部に穿設された潤滑油通路55を
経てラジアル軸受メタル51及びスラスト軸受メタル53に
供給している。各潤滑部から排出された潤滑油は、潤滑
部ケーシング43内に形成された潤滑油排出口56から排出
され、図示されていないオイルサンプに回収される。
スラスト軸受メタル53に供給された潤滑油がコンプレ
ッサ側に流れ込むことを防ぐため、背板42の中心孔部に
はシールリング64が設けられている。
また、潤滑部ケーシング43内にはウォータージャケッ
ト57が形成されている。該ウォータージャケット57は潤
滑部ケーシング43のタービングケーシング44側では断面
環状をなし、これと連続する中央部では第3図における
上端部において断面U字状をなすとともに、前記ターボ
チャージャ用冷却系23の管路22が図示しない接続部にお
いて接続され、冷却水が循環するようになっており、こ
れによりターボチャージャ4が冷却される。
第4図に併せて示されるように、スクロール通路47の
中心部に配設された固定ベーン部材58の外周部には、タ
ービンホイール59を同心的に外囲するように、4つの固
定ベーン60が形成されている。これら固定ベーン60は、
それぞれが部分弧状をなすとともに、円周方向に沿って
等幅かつ等間隔に設けられている。
各固定ベーン60の間には、背板61に回動自在に枢着さ
れた回動ピン62の遊端に固着された可動ベーン63がそれ
ぞれ配置されている。
これら可動ベーン63は、固定ベーン60と同等の曲率の
弧状をなし、かつ概ね同一の円周上に位置していて、第
4図に実線で示す最小開度位置と、鎖線で示す全開位置
との間で回動可能である。各固定ベーン60相互間の空隙
は、これら各可動ベーン63が同期して回動駆動されるこ
とによりそれぞれ開閉され、概各空隙の流通面積がその
回動量、即ち可動ベーン63の傾斜角度に応じて調整され
る。
各可動ベーン63の同期した回動駆動は、それぞれを支
持する回動ピン62、該回動ピン62と連結された駆動ロッ
ド70(第1図)を介して、そのアクチュエータ71により
なされ、駆動ロッド70が伸長方向(第1図中左方向)に
作動せしめられたときに、各可動ベーン63による開度が
増大し各空隙流通面積が大となるように、また縮小方向
(第1図中右方向)に作動せしめられたときには、上記
開度が減少し各空隙流通面積が小となるようになってお
り、かかる開度制御によりターボチャージャ4の容量が
調節される。
前記アクチュエータ71は、第1図に示すように、ダイ
アフラム71aにより画成される第1圧力室71bと第2圧力
室71cとを有し、既述した駆動ロッド70は、第2圧力室7
1c側でハウジングを貫通してダイアフラム71aに連結さ
れている。第2圧力室71bに挿着されたバネ71dは、該ダ
イアフラム71aを、駆動ロッド70が縮小する方向、即ち
前記可動ベーン63により開度が減少する方向に付勢して
いる。
第1圧力室71bには、エアクリーナ5及びターボチャ
ージャ4間の吸気路が絞り22を介して接続されると共
に、ターボチャージャ4及びインタークーラ6間の吸気
路がレギュレータ73、絞り74及び過給圧導入用制御弁75
を介して接続されている。
過給圧導入用制御弁75は、常閉型のオン−オフ2位置
作動型電磁弁であり、ソレノイド75aと該ソレノイド75a
の励磁により開弁する弁体75bとを有している。ソレノ
イド75aの付勢により弁体75bを開成させると、前記ター
ボチャージャ4及びインタークーラ6間の吸気路におけ
る過給圧P2がアクチュエータ71の第1圧力室71bに導入
される。
したがって、過給圧導入用制御弁75のソレノイド75a
のオン−オフデューティ比D1を制御することにより、過
給圧の大きさが制御される。
一方、前記アクチュエータ71の第2の圧力室71cに
は、スロットル弁7より下流側の吸気路が定圧弁76及び
負圧導入用制御弁77を介して接続されている。該負圧導
入用制御弁77も前記過給圧導入制御弁75と同様の常閉型
のオン−オフ第2位置作動型電磁弁であって、そのソレ
ノイド77aの励磁により弁体77aが開成し、定圧弁76によ
り一定圧に調整された負圧を第2圧力室71bに導入する
とともに、消磁時、弁体77bを開成によりエアクリーナ7
7cを介して大気を導入する。
したがって、負圧導入用制御弁77のソレノイド77aの
オン−オフデューティ比D2を制御することによっても過
給圧P2が制御される。
前記両制御弁75,77のソレノイド75a,77aは前記ECCU9
にそれぞれ接続され、ECU9からの信号によって上記デュ
ーティ比D1,D2が制御される。
前記ECU9はエンジン1の運転時に作動し、前述の各種
センサかの入力信号に基づいて、エンジン1の運転状態
を判別し、該判別された運転状態に応じた燃費特性、加
速特性等の諸特性の最適化が図られるように、燃料噴射
弁12の燃料噴射時間TOUT、点火装置31の点火時期等を演
算し、該演算結果に基づく駆動信号を燃料噴射弁12、点
火装置31に供給する。即ち、ECU9は、前記θTHセンサ
8、PBAセンサ10、TAセンサ11、TWE2センサ101、Neセン
サ1、O2センサ18、P2センサ100等からの入力信号波形
の整形、アナログ−ディジタル(A/D)変換等の機能を
有する入力回路、中央演算処理装置(CPU)、CPUで実行
される燃料噴射時間並びに後述する圧力検出系の異常判
別その他の各種演算プログラム及び演算結果等を記憶す
る記憶手段、及び駆動信号を出力する出力回路等から構
成され、CPUは、燃料噴射量制御については、エンジン
運転状態に応じて前記TDC信号に同期して燃料噴射弁12
を開弁すべき燃料噴射時間TOUTを次式に基づいて演算す
る。
TOUT=Ti×K1+K2 …(1) ここに、Tiは基本燃料噴射時間を示し、例えばエンジ
ン回転数Ne及び吸気管内絶対圧PBAに応じて、記憶手段
に記憶されたTiマップから算出される。該Ti値は、混合
気の空燃比が理論空燃比(14.7)となるように全運転領
域で設定されている。TOUT値の演算にあたり、上記の如
きNe値及びPBA値に応じたTiマップを用いることによっ
て、即ちPBAセンサ10を採用することにより、過給状態
とスロットル弁7の動き(即ち運転者の意思)を総合的
に把握することができる。
また、K1は吸気温TA、エンジン冷却水温TWE2、スロッ
トル弁開度θTH等により定められるエンジン運転状態に
応じた補正係数、K2は例えば加速時増量などのための補
正定数である。
CPUは、上述のようにして求めた燃料噴射時間TOUT
基づいて燃料噴射弁12を開弁させる駆動信号を出力回路
を介して燃料噴射弁12に供給し、該ターボチャージャ付
エンジン1の燃料噴射量の制御を行う。
また、ECU9は、各種センサからの入力信号に基づいて
制御弁75,77に駆動信号を供給し、各制御弁75,77及びタ
ーボチャージャ4とリンクされたアクチュエータ71を駆
動することにより、ターボチャージャ4の容量を最適に
制御する。
即ち、ターボチャージャ4の過給圧制御については、
ECU9によって各運転状態における適正過給圧を予め設定
しておき、その設定過給圧(P2REF)と実際の過給圧P2
(P2センサ100の測定値)とを比較し、その偏差をなく
すように、即ち該偏差が零となるように実際の過給圧P2
を前述の可動ベーン63の開閉によって制御するいわゆる
フィードバック制御を採用しており、これにより精度よ
く全運転状態で過給圧P2の適正化制御を行うようにして
いる。
前記ECCU15はエンジン1の運転時及び停止後の所定時
間内において作動し、TWE1センサ14、TOILセンサ16及び
TWTセンサ24から入力信号等に基づいて、ウォータポン
プ20の運転・停止、ラジエータファン27の運転・停止、
回転の正逆及び強弱及びボンネットファン28の運転・停
止を決定し、その駆動信号をウォータポンプ20、第1及
び第2の電動機29,30に供給する。
また、ECCU15はECU9と電気的に接続されており、エン
ジン1の運転時、ECU9はECCU15を介してボンネットファ
ン28の運転・停止を制御するとともに、ECCU15が異常を
検知したときにそのフェイルセーフ処理を行う。
第5図は前述したECCU15の外部結線状態等を詳細に示
す配線図であり、ECCU15は端子B1〜B9,A1〜A12を有す
る。端子B1はバッテリに接続され、バッテリ電圧が印加
される。端子B9はグランド(ボディアース)端子であ
る。
端子B2は、通常のイグニッションスイッチ25のオン・
オフ端子に接続される。一方、端子B3は、これとは異な
り、イグニッションスイッチ25オフ時でもバッテリと接
続している。エンジン1運転中にイグニッションスイッ
チ25をオフすると、エンジン1は停止し、またECU5もス
イッチオフにより非作動状態(メモリ記憶保持機能は除
く)となるが、ECCU15は、既述の如く、エンジン停止後
も必要に応じ所定時間作動させるため、イグニッソンス
イッチ25のオフ操作にかかわらずバッテリとの接続があ
る上記端子B2が設けられている。ECCU15のエンジン停止
後の作動時間は、イグニッションスイッチ25のオフ操作
によって伴って駆動されるタイマによって設定する。
エンジン停止後のECCU15作動用のタイマの設定時間に
ついては、エンジン停止状態、従って車載発電機による
充電がなされない状態で電動のラジエータファン27、ボ
ンネットファン28、ウォータポンプ20のいずれか一つ以
上が運転駆動されるものであるから、バッテリの消費が
なるべく少なく、しかも冷却効果を上げられるように、
これら両方の観点から適用する車両のエンジンルームの
広狭、各部のレイアウト等をも考慮して決定する。一例
として、かかるECCU15の作動可能時間は、少なくとも20
分を超えて設定される。
ECCU15作動用のタイマにより設定された所定時間中
は、冷却統合ユニットとしてのECCU15はイグニッソンス
イッチの状態にかかわらず常にバッテリから電圧を受
け、制御可能状態となり、所定時間が経過した時点で、
ECCU15による所定の冷却制御動作は打ち切られる。
端子A1〜A3はTWE1センサ14、TWTセンサ24及びTOIL
ンサ16の検出信号入力用端子で、各センサに接続されて
いる。端子A4はECCU15の内部回路の信号系のグランド端
子である。また、端子A5はエアコン(A/C)ユニット80
に接続されており、エアコンのスイッチのオン・オフ信
号が入力される。
端子B4〜B6はラジエータファン27制御用端子で、駆動
回路290に接続されている。該駆動回路290は、正転時の
弱回転及び強回転切換え用のそれぞれコイル291a,292
a、ノーマルオープン接点291b,292bから成る第1及び第
2のリレー回路291及び292と、正逆回転切換え用のそれ
ぞれコイル293a,294a、ノーマルクローズ端子293b,294b
及びノーマルオープン端子293c,294cから成る第3及び
第4のリレー回路293,294と抵抗295とを有しており、ラ
ジエータファン低速(LOW)回転指示用の端子B4が第1
のリレー回路291に、また同高速(HI)回転指示用の端
子B5第2のリレー回路292に、更に同逆転(REV)指示用
の端知B6が第3及び第4の各リレー回路293,294と接続
されている。
ラジエータファン27の回転の強弱、正逆は下記のよう
にして行われる。
正転時の弱回転の場合は、端子B4に低レベル出力が出
される。これにより、第1のリレー回路291が作動し、
第1の電動機29は抵抗295により低減された駆動電流が
流れ、ラジエータファン27は低速回転する。強回転の場
合は、端子B5に低レベル出力が出され、第2のリレー回
路292が作動する。この場合には、電動機2に大なる駆
動電流が流れ、ラジエータファン27は高速回転する。
逆回転の場合には、端子B6に高レベル出力が出され、
第3及び第4のリレー回路293,294が作動し、各リレー
接点がノーマルオープン端子293c,294c側に切換わる。
これにより電動機29への印加電圧の極性が反転し、かつ
駆動電流は抵抗295により低減され、ラジエータファン2
7は逆転低速回転する。
上記逆転駆動は、エンジン停止後の所定時間内におい
て、連続的にあるいは断続的に行われる。該ラジエータ
ファン27逆転時には、第2図に矢印で示すように、エン
ジンルーム26内の空気は内部から車両前方外部へ排出さ
れる。
端子B7はボンネットファン28制御用端子で、駆動回路
300中のコイル301aとノーマルオープン接点301bから成
るリレー回路301に接続されている。また、該駆動回路3
00には、専用のヒューズ310が設けられている。ボンネ
ットファン28の駆動は上述と異なり、第2の電動機30に
よるオン・オフ駆動のみであり、その運転・停止は端子
B7に高レベル、低レベル出力が出されることによってな
される。
該、ボンネットファン28の駆動制御は、エンジン1の
運転時及びエンジン停止後の前記所定時間内に連続的に
あるいは断続的に行われる。
端子B8はウォータポンプ20制御用端子で、ウォータポ
ンプ20駆動用の第3の電動機201と、コイル202a及びノ
ーマルオープン接点202bから成るリレー回路202とを有
する駆動回路200に接続されている。該駆動回路200も専
用のヒューズ210が設けられている。ウォータポンプ20
の駆動も、上記ボンネットファン28の場合と同様オン・
オフ駆動のみあり、その運転・停止は端子B8に高レベ
ル、低レベル出力が出されることによってなされる。
該ウォータポンプ20の駆動制御は、エンジン1の運転
時及びエンジン停止後の前記所定時間内に連続的にある
いは前記ボンネットファン28に代えて断続的に行われ
る。
端子A6〜A8はそれぞれ第1〜第3の電動機29,30及び2
01の端子電圧VMF,VBF及びVWPの入力用端子である。
即ち、こらは、それぞれラジエータファン用、ボンネ
ットファン用及びウォータポンプ用の各電動機29,30及
び201の端子電圧検知ポートであって、ECCU15ではそれ
ぞれの電動機の正常回転数の上・下限対応電圧を後述の
記憶手段に予め設定しており、その範囲外の電圧値を入
力したとき(例えば、電動機がショートなどし、それに
伴い電圧が変化して所定範囲外の電圧値となったと
き)、異常であると判断するための情報を取り込むのに
使用されるポートである。
端子A9〜A12はECU9に接続されている。該端子A9はECU
9からの上記ウォータポンプ20の制御用の信号入力端子
であり、エンジン1の運転時におけるエンジン回転数、
エンジン水温、吸気温等に応じたエンジン運転状態に基
づく制御を行う場合、該運転状態に基づいて得られたウ
ォータポンプ20に対する制御信号がECU9から端子A9に供
給される。端子A10はフェイルセーフ出力端子であり、
異常検出時には該端子A10からフェイルセーフ指示用の
制御信号がECU9に送出され、ECU9がこれに基づいて所定
のフェイルセーフ動作を行えるようになっている。
端子A11はエアコン冷媒圧力スイッチ81に接続されて
おり、そのオン−オフ信号が入力される。該スイッチ81
はエアコン用の図示しない圧縮機による冷媒圧力が所定
圧以上のときオンするスイッチであり、そのオン−オフ
信号はECU9にも入力される。また、端子A12はエアコン
が運転中であることを表す信号をECU9に出力する端子で
ある。
上記スイッチ81並びに端子A11は、次のようなラジエ
ータファン27の駆動制御に用いられる。
即ち、エンジン冷却水温TWE1が高温の所定値(例えば
90℃)を超えるような状態のときは、送風冷却を行うべ
く、既述したように、端子B5へレベル出力を出してラジ
エータファン27を高速回転させる必要があるところ、エ
ンジン冷却水温TWE1が上記所定値以下ではあるが該所定
値よりやや低い値を呈している場合(例えば84℃以上)
においても、エアコンの稼働並びに冷媒の圧力如何によ
っては、ラジエータフォン27を回転させ、しかも高速回
転、低速回転を切換制御するのが望ましい場合がある。
特に、ラジエータファン27をエアコンのコンデンサファ
ンと連動させる構成を採用するときには、エンジン冷却
水温TWE1が上記所定値を超えなくても、事前にラジエー
タファン27を回転駆動すれば、エアコンの冷媒の冷却を
行わせることによりエアコン性能の低下を防止すること
が可能であり、かつ、かかる場合に冷媒の圧力が所定圧
(例えば10kg/cm2)以上で高い状態とそうでない状態と
で送風の強弱を切換えれば、より適切な制御を行うこと
ができる。
そこで、エンジン冷却水温TWE1が上記所定値以下で、
かつエアコンの冷媒圧力が高いとき、即ち上記スイッチ
81のオンのときにはラジエータファン27を事前に高速回
転させ、しからざれば、即ち上記スイッチ81がオフのと
きにはラジエータファン27を回転させるも低速回転させ
るよう制御することとしている。
上記エアコン冷媒圧力スイッチ81並びにそのスイッチ
信号入力用の端子A11は、かかる駆動制御の情報を取り
込むため設けられており、また、該制御のためのプログ
ラムもECCU15の記憶手段に予め記憶させておくことがで
きる。
ECCU15は、各種入力信号を供給され、入力信号波形を
整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信
号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力
回路、中央演算処理回路(CPU)、CPUで実行される各種
演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶手段、及
び前記端子B4〜B8,A10,A12に出力を送出する出力回路等
から構成され、更に、前記ウォータポンプ20などの断続
制御を行う等の場合には、当該制御のためのタイマ等を
も含む構成とされる。
第6図は、ラジエータファン27並びにエアコンの圧縮
機の運転制御のためのサブルーチンのフローチャートを
示す。ラジエータファン27は、ECCU15の作動中(即ち、
イグニッシュンスイッチオフ時以後の作動中)のエンジ
ン再始動時、該プログラムに従って制御され、他方、エ
アコンユニット80もECU9からの制御用駆動信号によって
圧縮機の作動、非作動(具体的にはエンジン駆動軸系へ
の電磁クラッチによる連結、遮断)が制御される。
先ず、ステップ601では、イグニッションスイッチ25
が入っているか否かを判別する。該ステップ601での判
断は、端子B3へのIG2信号によってこれを行うものであ
り、クランキング時はOFFである。
ステップ601の答が否定(No)のときは、本プログラ
ムの目的が再始動時の制御にあることから、そのまま本
プログラムを終了する。一方、その答が肯定(Yes)の
場合は、ラジエータファン27の逆回転駆動が実行されて
いたエンジン停止時を含むイグニッションスイッチオフ
状態から、再始動が行われたものとみて、続くステップ
602でエアコンスイッチA/C SWがオンか否かを判別し、
その答が否定(No)であれば、ACS信号を0とし(ステ
ップ603)、本プログラムを終了する。即ち、この場合
は、エアコンが運転中であることを表わす信号をECU9へ
送出しない。
上記ステップ602の答が肯定(Yes)のときは、ACS信
号が1か否か、即ち端子A12からECU9に対して上述の信
号(エアコン運転中を表すA/C信号)を出力しているか
どうかを判断する。その答が肯定(Yes)のときは、エ
ンジン冷却水温TWE1が所定値TRADH(例えば109℃)より
高いか否かを判別(ステップ605)、該ステップ605の答
が肯定(Yes)、即ち、TWE1>TRADHが成立するときは前
記ステップ603を実行し、本プログラムを終了する一
方、ステツプ605の答が否定(No)のとき(TWE1≦TRADH
の場合)は後述のステップ607以下へ進む。
また、前記ステップ604の答が否定(No)、即ちA/C信
号が出されていないときは、エンジン冷却水温TWE1が、
上記所定値より低い所定値TRADL(例えば107℃)より高
いか否かを判別し(ステップ606)、該ステップ606の答
が肯定(Yes)、即ちTWE1>TRADLが成立する場合は前記
ステップ603を実行して本プログラムを終了する一方、
ステップ606の答が否定(No)のとき(TWE1≦TRADLの場
合)は後述のステップ607以下へ進む。
上記各所定値TRADH,TRADLは、ACS動作判定水温値であ
って、判定に際し、ハイ(H)側、ロー(L)側で所定
幅のヒスを設定しハンチングを防止する。
ステップ607へ進むと、ここでは、ラジエータファン
オン(正転)待ちタイマDLTMR2が0になっているかどう
か、即ち、該タイヤDLTMR2のスタート後所定時間経過し
たか否かを判断する。タイマDLTMR2は、エンジン停止時
にラジエータファン27が逆回転せしめられていた場合に
おいてその逆回転停止直後にスタートするディレイタイ
マであって、上記逆回転停止後ラジエータファン27の低
速または高速正転を開始させるまでの間に所定の待ち時
間を設定するのに用いられる。かかる待ち時間、即ちタ
イマDLTMR2への所定時間tDL2のセットは、図示しない別
の制御プログラムにおいて実行され、その所定時間tDL2
は例えば7.5秒に設定されている。
上記ステップ607の答が否定(No)、即ちタイマDLTMR
2スタート後所定時間tDL2経過前は、前記ステップ603を
実行し、本プログラムを終了する。このように、タイマ
DLTMR2が0でないときはACS信号を0に維持し、即ちECU
9へは上述のA/C信号を送出しない。
上記の処理は、エアコンA/C SWが入っていても、即ち
端子A5に実際にエアコンのオン信号が入力されていた状
態であっても行われ、タイマDLTMR2が切れるまでは、所
定時間tDL2の間ECU9へはエアコンが運転中であることを
表す信号は送出が禁止されるのであり、このようにタイ
マDLTMR2が0にならない限りACSを切ることにより、圧
縮機の冷媒圧の上昇を防止する。ECU9はECCU15の端子A
12からの出力信号を基にエアコンユニット80の作動、即
ち圧縮機の稼働を制御しており、この場合には、圧縮機
を稼働させない。
これに対して、ステップ607の答として肯定(Yes)が
得られたならば、即ち、ラジエータファン27の逆回転駆
動停止直後にタイマDLTMR2による計測が開始され、そし
てデクリメントされて該タイマDLTMR2が切れたときは、
ここで始めてECU9へA/C信号を出力し(ステップ608)、
続くステップ609でエアコン冷媒圧力スイッチ(ACPSW)
81がオンか否かを判別し、その結果に応じて、既述した
如く、ラジエータファン27を低速正回転させるべきか、
それとも高速回転、低速回転切換可能に正回転させるべ
きかを選択する。即ち、ステップ609の答が否定(No)
で、冷媒圧力(吐出圧)が所定圧を下回っていて低いと
きは、ラジエータファン27を低速正回転できるようにし
(ステップ610)、一方、答が肯定(Yes)で圧力が高い
ときには高速でも低速でも正回転できるようにし(ステ
ップ6あ1,612)、本プログラムを終了する。
以上のような制御により、イグニッションスイッチオ
フ後のエンジン再始動時、即ちラジエータファン27の逆
回転駆動から正回転駆動への転換期間でエアコンの冷媒
圧力の上昇を防止でき、また、冷媒圧上昇対策としてソ
フト的に上述のようなプログラムによる制御処理を行う
ことによって、ACPSW81のハードでオン、オフの繰り返
しも避けることができる。
(発明の効果) 本発明によれば、エンジン停止時に逆回転駆動可能な
ラジエータファンと、該ラジエータファンと連動して駆
動されるエアコンのコンデンサファンとを備えたエンジ
ンルーム内冷却制御装置において、前記エンジン停止後
の再始動時における前記ラジエータファンの正回転への
転換時に、エアコンスイッチがオンとなっても前記ラジ
エータファンの逆回転停止後所定時間経過するまでは前
記エアコンスイッチのオンに基づく作動を禁止し、前記
所定時間経過したとき前記ラジエータファンを前記エア
コンの冷媒圧力に応じて所定速度で正回転駆動可能とす
るようにしたので、エンジン停止時に一旦外部への熱気
排出のため逆回転せしめられたラジエータファンが、再
始動に伴い正回転へ転換するときに、該正回転が実際に
開始されるまでに遅れがあっても、所定時間の間はたと
えエアコンスイッチが投入されたとしても、これに基づ
く作動は禁止されているため、冷媒圧力の上昇を防止す
ることができ、しかも、所定時間経過は冷媒圧力に応じ
て適切なラジエータファン及びコンデンサファンの駆動
を行うことができ、良好な冷却制御を行わせることがで
きる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の冷却制御装置が適用されるターボチャ
ージャを備えた内燃エンジンの燃料供給制御装置の全体
構成図、第2図は該エンジン搭載車両のエンジンルーム
内の概略構成図、第3図はターボチャージャの縦断面
図、第4図は第3図のIV−IV線からタービンケーシング
側を見た矢視図、第5図はECCUの外部結線状態等を示す
配線図、第6図は本発明の説明に供する制御プログラム
のフローチャートである。 1……内燃エンジン、9……電子コントロールユニット
(ECU)、15……冷却用電子コントロールユニット(ECC
U)、25……イグニッションスイッチ、26……エンジン
ルーム、27……ラジエータファン、80……エアコンユニ
ット、81……エアコン冷媒圧力スイッチ、290……ラジ
エータファン用駆動回路。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジン停止時に逆回転駆動可能なラジエ
    ータファンと、該ラジエータファンと連動して駆動され
    るエアコンのコンデンサファンとを備えたエンジルーム
    内冷却制御装置において、前記エンジン停止後の再始動
    時における前記ラジエータファンの正回転への転換時
    に、エアコンスイッチがオンとなっても前記ラジエータ
    ファンの逆回転停止後所定時間経過するまでは前記エア
    コンスイッチのオンに基づく作動を禁止し、前記所定時
    間経過したとき前記ラジエータファンを前記エアコンの
    冷媒圧力に応じて所定速度で正回転駆動可能とするよう
    にしたことを特徴とするエンジンルーム内冷却制御装
    置。
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