JP2631228B2 - ９Ｃｒ−Ｍｏ系鋼用ＴＩＧ溶接用ワイヤ - Google Patents
９Ｃｒ−Ｍｏ系鋼用ＴＩＧ溶接用ワイヤInfo
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- JP2631228B2 JP2631228B2 JP63189684A JP18968488A JP2631228B2 JP 2631228 B2 JP2631228 B2 JP 2631228B2 JP 63189684 A JP63189684 A JP 63189684A JP 18968488 A JP18968488 A JP 18968488A JP 2631228 B2 JP2631228 B2 JP 2631228B2
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K35/00—Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting
- B23K35/22—Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting characterised by the composition or nature of the material
- B23K35/24—Selection of soldering or welding materials proper
- B23K35/30—Selection of soldering or welding materials proper with the principal constituent melting at less than 1550 degrees C
- B23K35/3053—Fe as the principal constituent
- B23K35/308—Fe as the principal constituent with Cr as next major constituent
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Arc Welding In General (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は火力発電、原子力発電等のボイラー、高温圧
力容器、動力源機器等に使用される9Cr−Mo系鋼を溶接
する溶接ワイヤに関するものであって、特に高温におけ
る耐酸化性、クリープ特性、靱性および耐割れ性のすぐ
れた溶接金属を与えるTIG溶接用ワイヤに係るものであ
る。
力容器、動力源機器等に使用される9Cr−Mo系鋼を溶接
する溶接ワイヤに関するものであって、特に高温におけ
る耐酸化性、クリープ特性、靱性および耐割れ性のすぐ
れた溶接金属を与えるTIG溶接用ワイヤに係るものであ
る。
近年、火力発電所の大型化に伴い、ボイラーが高温、
高圧化しつつあるが、550℃を超すとその材料を選択す
るに当たり、耐酸化性、高温強度の点から通常の２1/4C
r−1Mo鋼に変って18−８オーステナイト系ステンレス鋼
の如き高級鋼が使用されていた。２1/4Cr−1Mo鋼は耐食
性の点、オーステナイト系ステンレス鋼は高価であり耐
SCC性の点で問題があった。これらの問題を解決するも
のとして9Cr−Mo系鋼が注目されている。9Cr−Mo系鋼
は、耐食性にすぐれ、応力腐食割れの問題がなく、オー
ステナイト系ステンレス鋼に比べて熱膨張率が小さいこ
とから熱応力の点からも有利である。強度の点でもV,Nb
の添加が図られ、前述の部材として一部使用されるよう
になってきている。
高圧化しつつあるが、550℃を超すとその材料を選択す
るに当たり、耐酸化性、高温強度の点から通常の２1/4C
r−1Mo鋼に変って18−８オーステナイト系ステンレス鋼
の如き高級鋼が使用されていた。２1/4Cr−1Mo鋼は耐食
性の点、オーステナイト系ステンレス鋼は高価であり耐
SCC性の点で問題があった。これらの問題を解決するも
のとして9Cr−Mo系鋼が注目されている。9Cr−Mo系鋼
は、耐食性にすぐれ、応力腐食割れの問題がなく、オー
ステナイト系ステンレス鋼に比べて熱膨張率が小さいこ
とから熱応力の点からも有利である。強度の点でもV,Nb
の添加が図られ、前述の部材として一部使用されるよう
になってきている。
しかしながら9Cr−Mo系鋼母材の改良にもかかわら
ず、それらを溶接するための溶接ワイヤの開発が遅れて
いる。
ず、それらを溶接するための溶接ワイヤの開発が遅れて
いる。
9Cr−Mo系鋼構造材を溶接する場合溶接金属を母材と
同一組成の合金系とすれば溶接部の耐酸化性、高温強度
特性は母材と同程度に維持されるが、曲げ性、靱性の劣
化及び耐割れ性の悪化の問題を生じる。このような状況
から耐高温酸化性、クリープ特性を含む高温強度特性、
靱性および耐割れ性のすぐれた溶接材料の開発が必要と
なり、例えば特開昭60−257991号公報に開示されている
9Cr−Mo系鋼用溶接ワイヤの如く、溶接ワイヤ中のC,Si,
Mn,Cr,Mo,Ni添加量を限定し、さらにNb,Vの１種又は２
種を添加して（Nb＋Ｖ）で0.3％以下とする溶接ワイヤ
が提案されている。また特開昭55−30354号公報では9Cr
−Mo系鋼の溶接用ワイヤ中のC,Si,Mn,Cr,Mo,Ni添加量を
限定し、強度および靱性を高めた技術を示しているが、
いずれも高温の長時間における特性劣化を招くこと等が
あり、高温高圧下で使用される構造物の溶接材料として
は問題があった。
同一組成の合金系とすれば溶接部の耐酸化性、高温強度
特性は母材と同程度に維持されるが、曲げ性、靱性の劣
化及び耐割れ性の悪化の問題を生じる。このような状況
から耐高温酸化性、クリープ特性を含む高温強度特性、
靱性および耐割れ性のすぐれた溶接材料の開発が必要と
なり、例えば特開昭60−257991号公報に開示されている
9Cr−Mo系鋼用溶接ワイヤの如く、溶接ワイヤ中のC,Si,
Mn,Cr,Mo,Ni添加量を限定し、さらにNb,Vの１種又は２
種を添加して（Nb＋Ｖ）で0.3％以下とする溶接ワイヤ
が提案されている。また特開昭55−30354号公報では9Cr
−Mo系鋼の溶接用ワイヤ中のC,Si,Mn,Cr,Mo,Ni添加量を
限定し、強度および靱性を高めた技術を示しているが、
いずれも高温の長時間における特性劣化を招くこと等が
あり、高温高圧下で使用される構造物の溶接材料として
は問題があった。
本発明はこの様な事情にかんがみ、9Cr−Mo系鋼の溶
接において、高温の長時間における特性のすぐれた9Cr
−Mo系鋼用TIG溶接用ワイヤを提供することを目的とす
るものである。
接において、高温の長時間における特性のすぐれた9Cr
−Mo系鋼用TIG溶接用ワイヤを提供することを目的とす
るものである。
本発明はかかる研究の結果達成されたものであって、
本発明の特徴とするところは、耐割れ性を向上させるた
めにＣ量をかなり低めにコントロールし、Ｃ量低下によ
る強度不足を適正な炭化物の析出によって補う点にあ
る。即ちＣ量を耐割れ性の点から0.065％以下に抑え、
かつその様な低炭素でもクリープ破断強度等の高温強度
が確保できるようにＮ量でおぎなうとともにＣ量との兼
ね合いでNbおよびＶ量を適正に制御し、NbC、V4C3を微
細に析出させ、それに伴って後より析出するN23C6,M6C
（但しＭは金属元素を指す）の析出状態を長時間使用後
も粗大化しにくいようにコントロールして、低炭素であ
りながら、クリープ強度及び靱性を著しく高め、さらに
適正に炭化物を分布させるためＣ量、Nb量、Ｖ量の比を
適正な範囲に制御するのである。
本発明の特徴とするところは、耐割れ性を向上させるた
めにＣ量をかなり低めにコントロールし、Ｃ量低下によ
る強度不足を適正な炭化物の析出によって補う点にあ
る。即ちＣ量を耐割れ性の点から0.065％以下に抑え、
かつその様な低炭素でもクリープ破断強度等の高温強度
が確保できるようにＮ量でおぎなうとともにＣ量との兼
ね合いでNbおよびＶ量を適正に制御し、NbC、V4C3を微
細に析出させ、それに伴って後より析出するN23C6,M6C
（但しＭは金属元素を指す）の析出状態を長時間使用後
も粗大化しにくいようにコントロールして、低炭素であ
りながら、クリープ強度及び靱性を著しく高め、さらに
適正に炭化物を分布させるためＣ量、Nb量、Ｖ量の比を
適正な範囲に制御するのである。
本発明の要旨とするところは、重量％でC:0.030〜0.0
65％、Si:0.05〜0.4％、Mn:0.2〜0.8％、Mo:0.8〜1.2
％、Cr:7.0〜10.0％、Ni:0.15〜0.7％、V:0.05〜0.30
％、Nb:0.02〜0.25％、N:0.015〜0.055％の範囲で規定
される成分を必須成分として含有し、酸素0.006％以下
で残部Feおよび不可避不純物よりなり、（Nb＋Ｖ）/C
（原子比）が0.35〜2.60の範囲にあることを特徴とする
耐酸化性、クリープ特性、靱性および耐割れ性に優れた
9Cr−Mo系鋼用TIG溶接用ワイヤにある。
65％、Si:0.05〜0.4％、Mn:0.2〜0.8％、Mo:0.8〜1.2
％、Cr:7.0〜10.0％、Ni:0.15〜0.7％、V:0.05〜0.30
％、Nb:0.02〜0.25％、N:0.015〜0.055％の範囲で規定
される成分を必須成分として含有し、酸素0.006％以下
で残部Feおよび不可避不純物よりなり、（Nb＋Ｖ）/C
（原子比）が0.35〜2.60の範囲にあることを特徴とする
耐酸化性、クリープ特性、靱性および耐割れ性に優れた
9Cr−Mo系鋼用TIG溶接用ワイヤにある。
ここで、（Nb＋Ｖ）/C（原子比）とは、｛（Nb重量
％）/92.9＋（Ｖ重量％）/50.9｝／｛（Ｃ重量％）/12.
0｝により求めたNb及びＶとＣの原子数の比であると定
義する。
％）/92.9＋（Ｖ重量％）/50.9｝／｛（Ｃ重量％）/12.
0｝により求めたNb及びＶとＣの原子数の比であると定
義する。
次に各成分の限定理由について述べる。
C:0.030〜0.065％ Ｃは強度の保持に必要であるが、耐割れ性の点から上
限を0.065％とした。即ち、９％Cr−Mo系鋼の溶接金属
は後述するCr量との関係で非常に焼入性が高く、溶接部
が硬化し、低温割れの原因となる。従って、溶接を健全
に行うためには、かなり高温の予熱を必要とし、溶接作
業能率を低下させる。しかるにＣ量を0.065％以下に保
てば溶接割れの防止を容易に行いうるので上限を0.065
％とした。また下限についてはＣ量を0.030％未満にす
るとクリープ破断強度の確保が困難になるので下限を0.
030％とした。
限を0.065％とした。即ち、９％Cr−Mo系鋼の溶接金属
は後述するCr量との関係で非常に焼入性が高く、溶接部
が硬化し、低温割れの原因となる。従って、溶接を健全
に行うためには、かなり高温の予熱を必要とし、溶接作
業能率を低下させる。しかるにＣ量を0.065％以下に保
てば溶接割れの防止を容易に行いうるので上限を0.065
％とした。また下限についてはＣ量を0.030％未満にす
るとクリープ破断強度の確保が困難になるので下限を0.
030％とした。
Si:0.05〜0.4％ Siは脱酸剤として添加するものであるが、また耐酸化
性を向上させる元素でもある。しかし、0.4％を超える
と靱性の低下を招くので上限を0.4％と定めた。下限は
脱酸を充分に行い健全な溶接金属を得るために0.05％と
した。
性を向上させる元素でもある。しかし、0.4％を超える
と靱性の低下を招くので上限を0.4％と定めた。下限は
脱酸を充分に行い健全な溶接金属を得るために0.05％と
した。
Mn:0.2〜0.8％ Mnは脱酸のためのみではなく、強度保持上も必要な成
分である。上限を0.8％としたのはこれを超すと靱性の
点から好ましくないからであり、下限は脱酸に必要な量
として0.2％と定めた。
分である。上限を0.8％としたのはこれを超すと靱性の
点から好ましくないからであり、下限は脱酸に必要な量
として0.2％と定めた。
Mo:0.8〜1.2％ Moは固溶体強化により、高温強度を顕著に高める元素
であるので使用温度、圧力を上昇させる目的で添加する
が、高価であることと、多量に添加された場合溶接性を
損うので溶接性の低下の低い添加範囲として、上限を1.
2％とした。下限はクリープ破断強度の向上に顕著な効
果があるのは0.8％以上であるので下限を0.8％と定め
た。
であるので使用温度、圧力を上昇させる目的で添加する
が、高価であることと、多量に添加された場合溶接性を
損うので溶接性の低下の低い添加範囲として、上限を1.
2％とした。下限はクリープ破断強度の向上に顕著な効
果があるのは0.8％以上であるので下限を0.8％と定め
た。
Cr:7.0〜10.0％ Crは耐酸化性に不可欠の元素であり、耐熱鋼には必ず
添加されているが、その他に本発明ではM23C6,M6Cの微
細析出により、高温強度を高めているので、下限はM23C
6の析出限界である7.0％とし、10.0％を超すと耐割れ性
および靱性の劣化が著しくなるので、上限は10.0％と定
めた。
添加されているが、その他に本発明ではM23C6,M6Cの微
細析出により、高温強度を高めているので、下限はM23C
6の析出限界である7.0％とし、10.0％を超すと耐割れ性
および靱性の劣化が著しくなるので、上限は10.0％と定
めた。
Ni:0.15〜0.7％ Niは靱性の向上、使用中の脆化軽減に有効な元素であ
り、高温・高圧下で長時間使用される本発明溶接材料の
ような用途に対して必須の元素であるが、0.15％未満で
はその効果はなく、0.7％を超すと高温クリープ特性を
劣化させるので、上限を0.7％、下限を0.15％とした。
り、高温・高圧下で長時間使用される本発明溶接材料の
ような用途に対して必須の元素であるが、0.15％未満で
はその効果はなく、0.7％を超すと高温クリープ特性を
劣化させるので、上限を0.7％、下限を0.15％とした。
N:0.015〜0.055％ Ｎは強度保持上必要な元素であり、適量含有すること
により結晶粒を微細化し、靱性を向上させる。0.015％
未満ではその効果は小さく、0.055％を超すと窒化物が
多量に析出して逆に靱性を劣化させ、ブローホールを生
成する傾向がある。
により結晶粒を微細化し、靱性を向上させる。0.015％
未満ではその効果は小さく、0.055％を超すと窒化物が
多量に析出して逆に靱性を劣化させ、ブローホールを生
成する傾向がある。
酸素0.006％以下 酸素は溶接金属中に非金属介在物を析出させ、靱性を
著しく低下させるのでその限界を0.006％以下とした。
著しく低下させるのでその限界を0.006％以下とした。
V:0.05〜0.30％ Nb:0.02〜0.25％ Nb,Vは前述のM23C6,M6Cの析出分散状態をコントロー
ルし、高温強度を確保する上で極めて重要な元素であ
る。しかもNb,Vはそれぞれ単独ではM23C6,M6Cの析出状
態をコントロールする効果が充分ではなく、両者が共存
することによって互いにNbC,V4C3の析出状態を微細にコ
ントロールし、それに続くM23C6,M6Cの析出状態を使用
温度で長時間使用後も粗大化しにくい分布に制御するの
である。
ルし、高温強度を確保する上で極めて重要な元素であ
る。しかもNb,Vはそれぞれ単独ではM23C6,M6Cの析出状
態をコントロールする効果が充分ではなく、両者が共存
することによって互いにNbC,V4C3の析出状態を微細にコ
ントロールし、それに続くM23C6,M6Cの析出状態を使用
温度で長時間使用後も粗大化しにくい分布に制御するの
である。
Nb、Ｖ量は後述する範囲内において、しかもＣとの関
係（Nb＋Ｖ）/Cが0.35〜2.60の場合Nbc,V4C3が微細に分
散析出し、クリープ破断強度が著しく高められるので、
Ｃとの比率を（Nb＋Ｖ）/C（原子比）で0.35〜2.60とし
た。
係（Nb＋Ｖ）/Cが0.35〜2.60の場合Nbc,V4C3が微細に分
散析出し、クリープ破断強度が著しく高められるので、
Ｃとの比率を（Nb＋Ｖ）/C（原子比）で0.35〜2.60とし
た。
またNb,Vの個々の値についてであるが、まずNbについ
ては0.02％未満ではＶ量が充分含有されていても炭化物
形状、分布が適正でなく、クリープ破断強度の向上に効
果がないので、下限を0.02％とし、また上限は0.25％を
超えるとNbC自体も粗大化し、炭化物の形状、分布及び
延性にも悪影響を及ぼすので0.25％とした。同様にＶに
ついてもNbとの複合において0.05％未満では複合の効果
が現われず、0.30％を超すと粗大化が起ってM23C6,M6の
析出状態に悪影響を及ぼしクリープ強度が低下すると同
時に耐割れ性をも低下させるので、上限を0.30％、下限
を0.05％と定めた。
ては0.02％未満ではＶ量が充分含有されていても炭化物
形状、分布が適正でなく、クリープ破断強度の向上に効
果がないので、下限を0.02％とし、また上限は0.25％を
超えるとNbC自体も粗大化し、炭化物の形状、分布及び
延性にも悪影響を及ぼすので0.25％とした。同様にＶに
ついてもNbとの複合において0.05％未満では複合の効果
が現われず、0.30％を超すと粗大化が起ってM23C6,M6の
析出状態に悪影響を及ぼしクリープ強度が低下すると同
時に耐割れ性をも低下させるので、上限を0.30％、下限
を0.05％と定めた。
〔実施例〕 以下に本発明ワイヤの効果を実施例により説明する。
第２表に示す厚さおよび成分組成を有する鋼材9Cr−1Mo
鋼１でもって第１図に示すような開先（厚さｔ＝20mm,
開先角度θ＝50゜，ルートギャップRG＝6mm）を形成
し、第１表に示す成分組成のTIG溶接用ワイヤを用い、
第３表に示す溶接条件で溶接試験を行なった。得られた
各溶接継手を740℃で８時間の後熱処理した後、溶接金
属のクリープ破断特性、衝撃値等の機械的性能を調査し
た。第１表に上記試験結果および溶接性を示す。
第２表に示す厚さおよび成分組成を有する鋼材9Cr−1Mo
鋼１でもって第１図に示すような開先（厚さｔ＝20mm,
開先角度θ＝50゜，ルートギャップRG＝6mm）を形成
し、第１表に示す成分組成のTIG溶接用ワイヤを用い、
第３表に示す溶接条件で溶接試験を行なった。得られた
各溶接継手を740℃で８時間の後熱処理した後、溶接金
属のクリープ破断特性、衝撃値等の機械的性能を調査し
た。第１表に上記試験結果および溶接性を示す。
ワイヤW1〜W9はいずれも本発明の要件を満たし、後熱
処理後の靱性および高温強度が良好でかつ耐割れ性の優
れた溶接金属を得ることができた。ワイヤW10〜W20は比
較例を示す。
処理後の靱性および高温強度が良好でかつ耐割れ性の優
れた溶接金属を得ることができた。ワイヤW10〜W20は比
較例を示す。
ワイヤW10は通常の耐熱鋼用として使用される２1/4Cr
−1Mo鋼ワイヤの例であり、更にW11は耐高温酸化性及び
耐高温腐食性を向上させた9Cr−1Mo鋼ワイヤの例である
が、これらは本発明ワイヤに比べて著しくクリープ破断
強度が低い。
−1Mo鋼ワイヤの例であり、更にW11は耐高温酸化性及び
耐高温腐食性を向上させた9Cr−1Mo鋼ワイヤの例である
が、これらは本発明ワイヤに比べて著しくクリープ破断
強度が低い。
ワイヤW12は、Ｃ量が本発明ワイヤに比べて高いので
高温割れが発生するなど耐割れ性に難点がある。ワイヤ
W13は本発明ワイヤの必須成分であるNi,V,Nbの成分範囲
をいずれも外れており、ワイヤW14はNbの成分範囲を外
れているので、高温強度及び衝撃値とも充分な値が得ら
れなかった。
高温割れが発生するなど耐割れ性に難点がある。ワイヤ
W13は本発明ワイヤの必須成分であるNi,V,Nbの成分範囲
をいずれも外れており、ワイヤW14はNbの成分範囲を外
れているので、高温強度及び衝撃値とも充分な値が得ら
れなかった。
ワイヤW15はC,N量が不足するため溶接金属の強度が乏
しかった。
しかった。
ワイヤW16はＮ量の多いワイヤの比較例であるがブロ
ーホールが発生するとともに靱性が乏しかった。ワイヤ
W17はＯ量の多い比較例であるが溶接金属中のＯ量が多
くなるため靱性に乏しかった。
ーホールが発生するとともに靱性が乏しかった。ワイヤ
W17はＯ量の多い比較例であるが溶接金属中のＯ量が多
くなるため靱性に乏しかった。
ワイヤW18はMo量、Ｃ量が本発明の成分範囲を外れた
比較例であるが強度も低く、耐割れ性および靱性も劣化
した。
比較例であるが強度も低く、耐割れ性および靱性も劣化
した。
ワイヤW19,W20はC,Nb,V等については本発明の成分範
囲内にあるが（Nb＋Ｖ）/C（原子比）は各々3.17,0.28
で本発明の要件となる範囲0.35〜2.60を外れた例であ
る。ワイヤW19は強度も低くまた結晶粒が粗大化して靱
性に乏しかった。ワイヤW20はW10またはW11に比べれば
クリープ破断強度は向上したものの未だ充分とはいえな
い。
囲内にあるが（Nb＋Ｖ）/C（原子比）は各々3.17,0.28
で本発明の要件となる範囲0.35〜2.60を外れた例であ
る。ワイヤW19は強度も低くまた結晶粒が粗大化して靱
性に乏しかった。ワイヤW20はW10またはW11に比べれば
クリープ破断強度は向上したものの未だ充分とはいえな
い。
〔発明の効果〕 本発明ワイヤは耐割れ性能等の溶接性を向上させるた
め、Ｃ量を下げるとともにＮ添加による強度向上とNb,V
を複合添加して炭化物の析出、分布状態を適正にコント
ロールして強度を保証するとともにNiの適量添加によっ
て、使用中脆化の軽減、靱性の向上を図ったものであ
り、第１表に示したように溶接ワイヤ組成が本発明の要
件を満たすものは、本発明の要件を満さないもの（比較
例）と比べて高温強度だけでなく、靱性及び耐割れ性等
の溶接性に優れていることは明らかである。
め、Ｃ量を下げるとともにＮ添加による強度向上とNb,V
を複合添加して炭化物の析出、分布状態を適正にコント
ロールして強度を保証するとともにNiの適量添加によっ
て、使用中脆化の軽減、靱性の向上を図ったものであ
り、第１表に示したように溶接ワイヤ組成が本発明の要
件を満たすものは、本発明の要件を満さないもの（比較
例）と比べて高温強度だけでなく、靱性及び耐割れ性等
の溶接性に優れていることは明らかである。
各種発電ボイラー、化学用圧力容器等に使用される9C
r−1Mo系鋼をTIG溶接する場合に本発明に係るワイヤを
使用することにより、溶接継手の信頼性を大幅に向上さ
せることができる。
r−1Mo系鋼をTIG溶接する場合に本発明に係るワイヤを
使用することにより、溶接継手の信頼性を大幅に向上さ
せることができる。
第１図は本発明実施例の開先形状を示す断面図である。 １……被溶接材、２……裏当材。
Claims (1)
- 【請求項１】重量％で C:0.030〜0.065％ Si:0.05〜0.4％ Mn:0.2〜0.8％ Mo:0.8〜1.2％ Cr:7.0〜10.0％ Ni:0.15〜0.7％ V:0.05〜0.30％ Nb:0.02〜0.25％ N:0.015〜0.055％ の範囲で規定される成分を必須成分として含有し、酸素
0.0006％以下で残部Feおよび不可避不純物よりなり、
（Nb＋Ｖ）/C（原子比）が0.35〜2.60の範囲にあること
を特徴とする耐酸化性、クリープ特性、靱性および耐割
れ性に優れた9Cr−Mo系鋼用TIG溶接用ワイヤ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63189684A JP2631228B2 (ja) | 1988-07-29 | 1988-07-29 | ９Ｃｒ−Ｍｏ系鋼用ＴＩＧ溶接用ワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63189684A JP2631228B2 (ja) | 1988-07-29 | 1988-07-29 | ９Ｃｒ−Ｍｏ系鋼用ＴＩＧ溶接用ワイヤ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0237989A JPH0237989A (ja) | 1990-02-07 |
| JP2631228B2 true JP2631228B2 (ja) | 1997-07-16 |
Family
ID=16245450
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63189684A Expired - Lifetime JP2631228B2 (ja) | 1988-07-29 | 1988-07-29 | ９Ｃｒ−Ｍｏ系鋼用ＴＩＧ溶接用ワイヤ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2631228B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS58141892A (ja) * | 1982-02-19 | 1983-08-23 | Sumikin Yousetsubou Kk | ９Ｃｒ―２Ｍｏ鋼用溶接材料 |
| JPS60257991A (ja) * | 1984-06-05 | 1985-12-19 | Babcock Hitachi Kk | ９Ｃｒ−Ｍｏ系鋼用溶接ワイヤ |
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| JPH0811313B2 (ja) * | 1986-07-01 | 1996-02-07 | 新日本製鐵株式会社 | Ｃｒ−Ｍｏ鋼用ＴＩＧ溶接ワイヤ |
-
1988
- 1988-07-29 JP JP63189684A patent/JP2631228B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0237989A (ja) | 1990-02-07 |
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